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対中融和から対中牽制へ舵を切ったトランプ
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2018-03-25 天木直人のブログ
今度のトランプの輸入規制策を見ると中国が一番の標的になっている。
しかし、トランプが中国に厳しいのは知的所有権や貿易だけではない。
台湾法を成立させて米国高官の台湾訪問を可能にさせた。
米海軍のミサイル駆逐艦を南シナ海の中国人口島12カイリまで侵入させ「航行の自由作戦」を続けている。
いずれも中国の根幹政策に反するこれ以上ないけん制だ。
中国は怒り心頭に違いない。
しかし中国は口では強い事を言っているがトランプの米国に勝てないことを知っている。
米中間に貿易戦争は起こらず、ましてや軍事的対立になることはない。
米中の駆け引きが続く。
なぜトランプは中国に対する政策をこれまでの融和策からけん制策に転じたのか。
すべてはアメリカファーストのなせるわざだ。
これ以上中国を甘やかせば、いずれ中国が米国の前に立ちはだかる事になる。
そうさせてはアメリカファーストが危うい。
そう気づいたのだ。
そのあらわれがトランプの北朝鮮政策にも見て取れる。
ついこの間まで、北朝鮮への制裁や北朝鮮問題解決の仲介について中国の役割を重視していたトランプが、ついに南北首脳会談、米朝首脳会談を認め、米朝韓3国首脳会談にまで踏み切ろうとしている。
中国に代わって韓国が、米国と北朝鮮との関係を仲介してくれればそれでいいのだ。
北朝鮮が米国の言いなりになってくれれば、北朝鮮の体制保証などお安い御用だ。
南北朝鮮が中国のアジアにおける軍事覇権をけん制してくれれば、米国の負担は減る。
おまけに北朝鮮の経済開発も米国が主導権を握れる。
同盟国の韓国は米国の要望をすべて北朝鮮に伝え、同胞民族の北朝鮮は韓国の言う事なら耳を傾ける。
かくして朝鮮半島と日本をアジアの拠点として中国のアジア支配を許さない。
これこそがアメリカファーストであり、米国雇用確保の最善策だ。
トランプがそう考えてもおかしくない。
私が米朝融和の流れは変わらないと考えるゆえんである。
その流れを本物にするために、文在寅韓国大統領には引き続きその外交手腕を発揮してもらいたい(了)
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