2018年3月8日(木) 南北首脳会談開催合意を歓迎し、米朝対話の開始を求める 日本政府は「対話による平和的解決」を促進する立場にたて 日本共産党幹部会委員長 志位和夫 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-03-08/2018030801_01_1.jpg (写真)志位和夫委員長 一、文在寅(ムンジェイン)韓国大統領の特使と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の会談の結果、南北首脳会談を4月末に開催することで合意した。ホットライン開設などその他の合意された措置とあわせ、朝鮮半島の緊張緩和に向けた重要な動きとして歓迎する。 一、韓国側の発表によれば、北朝鮮側は、「朝鮮半島非核化の意思を明確」にし、「北朝鮮に対する軍事的脅威が解消され、北朝鮮の体制の安全が保証されれば、核を保有する理由がない」と述べた。さらに、「非核化は先代(金日成(キムイルソン)国家主席と金正日(キムジョンイル)国防委員長)の遺訓」と述べ、「非核化問題の協議および米朝関係正常化のために、米国と虚心坦懐(たんかい)な対話を行う用意」があることを表明した。 これに対して、米国のトランプ大統領は、南北の合意について、「非常に前向きだ。それは世界にとって良いことだ」と肯定的に評価した。同時に、米朝対話については、「平和的な道を行きたい」としつつ、「事態を見たい」としている。 日本共産党は、北朝鮮をめぐる危機を打開し、核・ミサイル問題の解決をはかるために、米朝が直接対話に踏み出すことを繰り返し求めてきた。今回の南北の合意を契機に、米国が北朝鮮との直接対話に踏み出すことを強く求めたい。 一、日本政府は、これまでの対話否定・軍事一辺倒のかたくなな態度をあらため、いま生まれている北朝鮮問題の「対話による平和的解決」をめざす動きを促進し、それを実らせる立場にたち、あらゆる外交努力をはかるべきである。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-03-08/2018030801_01_1.html 2018年3月8日(木) 南北合意 国際社会が歓迎 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領の特使と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が5日の会談で、南北首脳会談の開催など一連の合意に達したことを受け、国際社会から歓迎や肯定的評価の声が上がっています。 グテレス国連事務総長は6日、報道官声明を発表し、今回の合意に「勇気づけられた」と歓迎。「朝鮮半島の持続的平和や非核化に向けた真摯(しんし)な対話を再開する土台をつくるうえで、さらなる前進だ」と指摘しました。 トランプ米大統領は同日の会見で、北朝鮮が示した対話姿勢について「非常に前向きだ。(事態が改善すれば)世界、北朝鮮、朝鮮半島にとってとても素晴らしいことだ」と肯定的に評価しました。 今後の進展については「われわれは何かをしなければならない。状況を悪化させてはならない」と述べましたが、米朝首脳会談開催の可能性については言及を避けました。 中国外務省の耿爽(こうそう)副報道局長は同日夜、歓迎談話を発表。「これは半島全体の人民と関係各国の共同の利益に合致し、地域の平和と安定に役立つ」と強調し、「関係各国が歩み寄り、共に半島非核化と半島問題の政治的解決のプロセスの推進に努力するよう希望する」と表明しました。 欧州連合(EU)のモゲリーニ外相も6日、今回の合意について「励ましとなる進展」と歓迎。「EUが支援できる方法について検討する」と述べました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-03-08/2018030801_02_1.html 2018年3月8日(木) 南北会談 朝鮮半島の緊張緩和へ動き 内外へ働きかけた日本共産党 平和的解決を追求 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-03-08/2018030803_01_1.jpg (写真)日本政府こそ「対話による解決」に力つくせと会見する志位和夫委員長=2017年8月24日、国会内 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領の特使団と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長らが5、6の両日、平壌で会談して、さまざまな合意に達しました。韓国側の発表によれば、第3回南北首脳会談の開催に合意したほか、北朝鮮は非核化を議題とした米朝直接対話を行うとの意思を確認。これは朝鮮半島情勢の緊張緩和に向けた重要な動きです。日本共産党は、特に戦争の危機が深刻に懸念された昨年以来、対話による平和的解決を日本政府と関係国に積極的に呼びかけてきました。(面川誠=国際委員会委員) 米朝直接対話呼びかけ 昨年8月、北朝鮮が「グアム島周辺への包囲射撃」を検討していると表明しました。米国のトランプ大統領は「北朝鮮がこれ以上米国を脅かすなら、炎と激しい怒りに直面するだろう」と発言。米朝間の緊張が深刻化していきました。 同月12日、志位和夫委員長は「危機打開のため米朝は無条件で直接対話を」との声明を発表。「当事者たちの意図にも反して、偶発的な事態や誤算による軍事衝突につながりかねない」と警告し、米朝が「直接対話に踏み出すなかで、核・ミサイル問題を解決する可能性を追求」するよう呼び掛けました。 志位氏は、9月3日に北朝鮮が6回目の核実験を強行した際と、11月29日に北朝鮮が弾道ミサイル発射を強行した際の談話で、米朝の直接対話が「いよいよ緊急で切実な課題になっている」と改めて呼びかけました。 韓国首相「大事な提起」「韓日共同で努力を」 8月21日、超党派の日韓議員連盟(日本側)と韓日議員連盟(韓国側)がソウルで合同幹事会を開きました。最大の焦点は北朝鮮の核・ミサイル問題でした。 日本共産党から参加した穀田恵二(議連常任幹事)と笠井亮(議連幹事)の両衆院議員は夕食会場で韓国の李洛淵(イナギョン)首相と懇談。米朝両国に無条件で直接対話を呼びかけた志位氏の声明(8月12日付)を手渡して趣旨を説明すると、李首相は「とても大事な提起だ」と歓迎し、「いま必要なことは、韓日両国が力を合わせて努力することだ」と積極的に応じました。 同日に日韓議連代表団の表敬訪問を受けた文在寅大統領も、核・ミサイル問題で日韓が緊密に協力して平和的に解決する必要があると強調しました。 日本政府の「軍事力行使容認」ただす 安倍政権は一貫して、北朝鮮との「対話のための対話は意味がない」として「対話否定論」に固執。「すべての選択肢はテーブルの上にある」とする米トランプ政権を支持し、軍事力行使の選択肢さえ容認してきました。 志位氏は11月2日、安倍首相への要請書で、これまでの対応を抜本的に再検討し、「米朝が直接対話に踏み切ること」「先制的な軍事力行使は絶対にやってはならない」という2点をトランプ大統領に提起することを要請しました。 同月21日の衆院代表質問では、この2点を米政府に提起するよう直接、安倍首相に求めました。志位氏は、「制裁強化と一体に『対話による平和的解決』をはかることこそ唯一の解決策であり、日本政府はそのためにイニシアチブを発揮すべきではありませんか」と強く迫りました。 関係各国に働きかけ 日本共産党は、北朝鮮の核・ミサイル問題の平和的解決を主張するだけでなく、関係各国に直接、積極的に働きかけてきました。 米朝直接対話を呼びかけた志位委員長の最初の声明(8月12日)を、北朝鮮核問題に関する6カ国協議参加国(米国、北朝鮮、韓国、中国、ロシア)と国連安全保障理事会の理事国、国連事務総長に送付・伝達。米国大使館は「声明の送付に感謝する」と述べ、「本国に伝える」と約束しました。 安倍首相への要請書(11月2日)も、これらの国々に送付しました。 戦争を絶対に避け、対話による平和的解決を追求すべきだという日本共産党の立場は、多くの国と共通のものです。 中国・ロシア大使と会談 日本共産党は、6カ国協議に参加する国々を中心に、在京大使との会談も進めています。 志位氏は9月11日、ロシアのアファナシェフ大使と懇談しました。同大使は朝鮮半島情勢を強く懸念し、北朝鮮に対する制裁だけではなく、関係国が参加する対話によって解決を図るべきだと強調。志位氏が説明した日本共産党の立場に共感を示しました。 9月14日に志位氏と会談した中国の程永華大使は、朝鮮半島での偶発的な軍事衝突は周辺国を巻き込む戦争に拡大すると強い危機感を表明。日本共産党の立場を本国政府と中国共産党に伝えることを約束しました。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-03-08/2018030803_01_1.html 2018年3月8日(木) 主張 南北会談開催合意 米朝直接対話へ向けた転機に 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との南北首脳会談を4月下旬に開催すると、韓国大統領府が発表しました。5〜6日に北朝鮮を訪問した文大統領の特使団が金委員長と会談し合意したものです。米国のトランプ大統領は、今回の合意について「非常に前向きだ」と表明しています。南北首脳会談の開催合意を、北朝鮮の核・ミサイル問題の解決に向けて米朝が直接の対話に踏み出す重要な転機にしていくことが必要になっています。 緊張緩和への重要な動き 南北首脳会談は、2000年と07年にも開かれており、今度は11年ぶりとなります。北朝鮮が金正恩委員長の体制になってからは初めてです。過去2回の首脳会談の場所は、いずれも北朝鮮の首都・平壌でした。今回は軍事境界線に位置する板門店の韓国施設「平和の家」で行うことになりました。韓国の特使団首席代表は、「分断の象徴」である板門店の韓国側の施設での会談になったことは「大変意味がある」と述べています。 韓国側の発表では、北朝鮮は、「朝鮮半島非核化の意思を明確にし、北朝鮮に対する軍事的脅威が解消され、北朝鮮の体制の安全が保証されれば、核を保有する理由がないという点を明確にした」としています。また、非核化問題の協議や米朝関係正常化に向けて、米国と「虚心坦(たん)懐(かい)」に対話できる用意があるとも表明しました。金委員長は「非核化は先代の遺訓だ」と述べたといいます。金委員長が非核化に言及したのは異例といわれており、注目されています。 南北首脳間のホットライン設置などの合意は、朝鮮半島の軍事的な緊張緩和にとって重要な動きです。北朝鮮は、対話が持続される間は追加の核実験や弾道ミサイル発射など「戦略挑発」を再開しないことも明確にしました。 米国のシンクタンク・大西洋評議会のマニング上級研究員は、北朝鮮の意思表明が「まさにトランプ政権が望んでいたことだ」と指摘し、北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の米首席代表だったヒル元国務次官補は、「(米国は)機会を逃したとみられる行動を取ってはならない」と述べ、北朝鮮との対話に乗り出すよう主張しています。 トランプ大統領は6日、合意についての記者団の質問に答え、「世界にとって良いことだ」と前向きに評価しました。米朝対話については「希望するのは、非常に平和的な、美しい道を行きたいということだ」と述べ「事態を見守りたい」としています。この合意を受け、米国は北朝鮮との直接対話に踏み出すことがなにより求められます。 安倍政権は姿勢を改めよ 国連のグテレス事務総長は「朝鮮半島の持続的平和や非核化に向けた真摯(しんし)な対話を再開する土台をつくる上で、さらなる前進だ」「勇気づけられた」と合意を評価し、中国、ロシアなどからも歓迎の声が上がっています。 そのような中で、安倍晋三首相が“「ほほ笑み外交」に目を奪われ、ぶれてはならない”と対話を拒否し、アメリカの先制攻撃を含む全ての選択肢を支持する姿勢をとっていることは異常という他ありません。このような態度を根本から改め、北朝鮮問題を平和的に解決するため、いま生まれている対話の流れを促進・加速させる外交を行うべきです。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-03-08/2018030801_05_1.html
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