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根拠がないことを特別検察官も認めたロシアによる米大統領選の操作を戦争行為だと主張する好戦派
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2018.02.22 櫻井ジャーナル
アメリカ海軍は駆逐艦「カーニー」を黒海へ送み、駆逐艦「ロス」に合流させた。戦略的に重要な海域へ軍艦を送り込むという行為は、日本が1875年に江華島の近くで行ったことを連想させる。江華島は李氏朝鮮の首都を守る要衝だったが、そこへ測量名目で軍艦「雲揚号」を近づけて挑発、戦闘に発展している。そこから日本は日清戦争、閔妃惨殺、日露戦争へと進んでいった。
ロシアとEUとの関係を断ち切り、自らの軍事的な支配地域を広げる目的でアメリカの好戦派は2014年2月22日、ウクライナでクーデターを成功させた。その際、手先として働いたのはネオ・ナチだった。それから間もない2014年4月10日、アメリカ軍は駆逐艦「ドナルド・クック」を黒海へ入れてロシア領海に接近させる。
ロシアに対する威嚇のつもりだったのだろうが、4月12日に非武装のSu-24が12回にわたって艦船の近くを飛行してから雰囲気が変わる。14日にこの駆逐艦はルーマニアの港へ急遽入り、その後、ロシアの国境には近づかなくなったのだ。ロシアでの報道によると、Su-24は「キビニECMシステム」を搭載、ドナルド・クックのイージス・システムを麻痺させたという。
アメリカがロシアを威嚇、屈服させようとする理由はいくつかある。アメリカの支配層は世界戦略をイギリスに学んだ。そのイギリスではロシア支配を世界制覇の核心と位置づけている。世界の覇者となるためには、広大な領土、豊富な天然資源、そして多くの人口を抱えるロシアを制圧しなければならないということだ。この戦略は日露戦争が勃発する前年、1904年にイギリスでハルフォード・マッキンダーという学者が発表、ズビグネフ・ブレジンスキーもその理論に基づいて戦略を立てていた。
そのロシアを1991年12月に制圧、自分たちは世界の覇者になったとネオコンは考えた。残された国々の中でアメリカへの従属度の低い国を殲滅、潜在的ライバルが実際のライバルへ成長することを阻止するための戦略を国防総省のDPG草案という形で1992年2月に作成した。その中心がポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)だったことから、ウォルフォウィッツ・ドクトリンと呼ばれている。
ところが、そのロシアをウラジミル・プーチンが再独立させ、ネオコンの戦略は破綻する。それをウォルフォウィッツ・ドクトリン作成時に戻そうとしてアメリカでは反プーチン・キャンペーンが続けられてきた。
ロシア再独立以外にもネオコンの思惑が外れた出来事はある。例えばウクライナのクーデター。ロシアとEUとの関係を壊すという点では成功だったかもしれないが、その結果、ロシアは国内の「西側憧憬派」を押さえ込み、中国へ向かったのだ。アメリカからエネルギー資源の輸送を妨害されていた中国がロシアに目を向けるのも必然だった。アメリカ支配層の野心を警戒して両国は急接近、今では戦略的パートナーだ。
アメリカは基軸通貨であるドルを発行する特権で生きながらえているゾンビ国家だが、その特権をロシアと中国は揺るがしている。ロシアと中国を屈服させるか破壊しないとアメリカ支配層に未来はない。
2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントンを担いでいた好戦派はロシアや中国を屈服させるために軍事的な恫喝を目論んでいた。逆に、ロシアとの関係修復を訴えたのがドナルド・トランプだ。
その選挙でクリントンが敗北、それ以来好戦派はロシア政府が選挙に介入したと叫び続けている。それが根拠のない主張だと言うことを本ブログでも繰り返し書いてきた。2月16日にロバート・ムラー特別検察官は13名のロシア人とロシアの3機関を起訴すると発表したが、それはロシア人が選挙に影響を及ぼしていないことを示している。
それでも一部の政治家や有力メディアはロシアによる選挙介入を主張、それをアメリカに対する戦争行為であり、パール・ハーバーや9/11に匹敵する行為だとしている。言うまでもなく、パール・ハーバーや9/11は開戦の理由になった。イラクを先制攻撃したときもアメリカの好戦派は大量破壊兵器という作り話を有力メディアに宣伝させている。
アメリカは何をしでかすかわからない国だと思わせれば自分たちが望む方向へ世界を導けるとリチャード・ニクソンは考え、イスラエルは狂犬のようにならなければならないと同国のモシェ・ダヤン将軍は語ったそうだが、ネオコンは本当に狂ったようにも見える。そこまで追い詰められているということだ。
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