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ソニーが苦境のスマホ事業から決して撤退してはいけない理由
https://diamond.jp/articles/-/191896
2019.1.25 長内 厚:早稲田大学大学院経営管理研究科教授 ダイヤモンド・オンライン
業績が回復した現在のソニーにとって、唯一残念なのが「Xperia」スマートフォンを中心とした赤字のモバイル事業だ。しかし、同社はスマホ事業からの撤退を考えてはいけない。
資金力のあるソニーが
クラウドファンディングを行う理由
ソニーの新規事業創出プログラム「SAP」(シードアクセラレーションプログラム)によって事業化されたロボットトイの「toio」が、プレイステーションを販売するソニーインタラクティブエンタテインメント(SIE)から本格発売されるという。
SAPによる事業化は、スマートウォッチの「wena wrist」やスマートロックの「Qrio」など、小粒だがエッジの効いた製品が登場している。これらの製品は社内の審査に通っただけでなく、最初にソニーが運営する「first flight」というクラウドファンディングサイトを通じて商品化されるという共通点がある。
クラウドファンディングと言えば、ネット上で簡単に資金調達ができる、主にスタートアップ企業向けの資金調達方法だ。著者が教える早稲田大学ビジネススクールの学生は、JVCケンウッドの事例研究を通じて、資金力のある大企業の開発プロジェクトがクラウドファンディングを用いる主要な理由は、社内の資源動員の正当化にあるのではないかという仮説を、修士論文で展開している。
資源動員とは、企業内で開発人員や資金を新規の開発プロジェクトに導入することであり、その正当化とは、社内で新規プロジェクトの必要性をいかに説得し、決裁権限のある上司の同意を得るかというプロセスである。
ソニーのSAPはそもそも社長直轄のプロジェクトであり、社内でも厳しい審査を経ているため、改めて資源動員の正当化をクラウドファンディングで行う必要はないかもしれない。しかしソニーに限らず、既存の大きな成功体験のある事業にかかわる社員や管理職は、小粒の、しかも既存の事業とは全く異なる新規事業を軽視する傾向にある。
これは日本に限らず、海外でもそうした傾向が見られることが、多くの研究によって指摘されている。SAPから創出される事業そのものは小さいかもしれないが、そこで生み出されるアイデアの多様性が広く社内に伝播することが、既存の大企業の活性化にも有効なのかもしれない。
こうした観点で捉えれば、回り道のように見えるクラウドファンディングの活用は、世の中の人がどのような新事業や新商品に目を向けるのかを社内に知らしめ、既存の組織の事業そのものを活性化させる役割も担っているのかもしれない。
「VAIO」のその後とは対照的
「Xperia」はなぜ残念なのか
現在のソニーは、好調の金融・ゲームビジネスだけでなく、ソニーショック以降不振が続いてきたテレビを筆頭とするエレクトロニクス事業も業績が回復し、全社的に良い傾向が続いている。ただ、唯一残念なのが「Xperia」スマートフォンを中心としたモバイル事業である。
かつてエリクソンとの合弁事業時代にXperiaを世界中で販売し、世界で戦える日本唯一のスマホメーカーであったソニーだが、今日では国内メーカーの後塵を拝しているくらいに状況が悪化している。ソニーのモバイル事業悪化は、中国での低価格端末の無理な拡販によって収益性が悪化したことに端を発している。
これは、実はソニーにとって初めての経験ではない。かつてソニーの一事業であったPCの「VAIO」も、中国で低価格モデルの拡販戦略に失敗して海外事業から撤退、事業そのものを売却した。現在は、ブランドと開発組織を引き継いだVAIO株式会社が国内事業から堅実に建て直し、経営も好調で、再び海外市場に進出しようとしている。
ソニーのモバイル事業も海外事業を縮小し、国内中心にしたところまではVAIOが辿った道と似ている。しかし、国内でのビジネスの仕方がVAIOとXperiaでは大きく異なっている。VAIOは小さな日本のPCメーカーとして、規模は小さいながらユニークな商品を出すことで根強いファン層を構築し、経営を安定させてきた。
一方、ソニーのモバイル事業は、国内では自社が直接商品を販売する形態をとらず、ドコモなどの通信キャリアが直接の顧客となっている。そのせいなのか、最近のXperiaの商品の特徴や仕様は、他社の後追いが続いている。
決して悪い商品ではない。おそらく開発力は一流なのだろう。使ってみて機能・性能を比較してみれば、他社より優れている点がいくつもある。しかし、そこには新しい発想が見受けられず、むしろ他社がやっていることを後追いで実現しているものが多い。
サムスンが曲面ディスプレイを始めたら、それに追随する。アップルが有機ELを採用したら追随する。アップルがイヤホン端子を廃止したら追随する。中国メーカーが複数レンズのカメラ機能を搭載したら追随する――。かつて、ユニークなアイデアを次々と実現し、「アップルを倒せるスマホメーカーがあるとしたらソニーだけ」と言われてきたソニーの面影はない。
ソニーの全社戦略との整合性もちぐはぐだ。ウォークマンやヘッドフォンなどのオーディオ事業は、ハイレゾでいい音を聴かせるという共通のテーマの下で、さまざまな商品がユーザーの支持を受けている。しかしXperiaは、楽曲管理ソフトの配布を終了したり、イヤホン端子をなくしたりするなど、せっかくのオーディオメーカーとしての強みを自ら放棄しているようにも見える。
業界がそういう傾向だからだとしても、それはソニーにやってほしいことではないのではないか。むしろ、業界の方向性と異なる新機軸を打ち出し、トライアンドエラーをやってほしいのがソニーだと思うユーザーも多いだろう。
少し話が脱線するが、楽曲管理ソフトは、かつてプレイステーション、エレクトロニクス、モバイルで共通のプラットフォームをつくっていたときのもので、プレイステーションの戦略変更の煽りを受けたかもしれないにせよ、代替案がないという状況はお粗末だろう。
今の「Xperia」はつまらないが
ソニーにとって非常に大切な事業
話を戻すと、今のXperiaはつまらないということである。とはいえ、モバイル事業は2つの意味で非常に大切な事業だ。
1つは、5Gの通信プラットフォーム開発に最も近い事業であり、5Gのための技術蓄積をする部門であるからだ。5Gになれば、スマホに何でもやらせるのではなく、各機器に5Gの通信機能が搭載され、もう一度スマホからさまざまな機能が専用機に戻るという時代が来るかもしれないし、ソニーとしてはそうしたいだろう。
一例を挙げれば、新しい「AIBO」は魂がクラウドにあるという。かつてのAIBOはスタンドアローンで個々の機器の中で完結して動作をしていたが、現在のAIBOはLTEで通信を行いながら、クラウド上でAIBOの動作のアルゴリズムが計算されている。こうした通信を行いながら動作する商品カテゴリーがもっと増えるのが5Gの時代だろう。
そのときに5Gのインフラを整えておくことは、仮に現在のモバイル事業の業績が悪かったとしても、極論すればコストセンターであったとしても、残しておくべき事業なのかもしれない。
もう1つの理由は、エンタテインメント企業としてのソニーのアウトプットデバイスはテレビとスマホであり、ディスプレイは吉田ソニーが標榜する「人に近づく」ことを実現する上で、非常に大切なインターフェースであるからだ。その意味でも、重要なインターフェースを手放すのはもったいない。
5Gインフラ開発のための
コストセンターと割り切るべし
とはいえ、批判するだけなら簡単である。実際に事業に携わる人たちにとってみれば、さまざまな制約条件の中でやれることをやっているのだろう。キャリアとのお付き合いがある中でどこまで独自性を出せるかというのも、大きな課題になっていることが予想される。
ただ、そのキャリア中心のビジネスモデルも再考していいのではないか。まだまだ大手キャリアの存在感は大きいが、彼らの主力商品は「iPhone」である。一方、Xperiaが採用するAndroid端末は、MVNOスマホ(いわゆる格安携帯)市場では主要な商品である。大手キャリアにはない中国ブランドのAndroid端末が活躍しているのも、この市場だ。
通信が目的から単なる手段に転換するとき、一段と通信サービスの低価格化は進むだろうし、スマホ自体もコモディティ化が始まっているので、今後の伸びが期待できるのは格安スマホ市場かもしれない。価格圧力は強いかもしれないが、ソニー主導でユニークな商品をつくれるかもしれないことを考えれば、大手キャリア一本やりのビジネス形態は、転換のときが来ているのかもしれない。
いや、もはや5Gインフラを開発するためのコストセンターだと割り切れば、一切の制約を気にせずに、思い切りエッジの効いた商品を出していく方が、長期的にはソニーを支持するユーザーが増えるのではないだろうか。SAPを活用してアイデアの多様性にチャレンジすべき一番の事業は、モバイルかもしれない。
(早稲田大学大学院経営管理研究科教授 長内 厚)
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— 文明の衝突 (@Clashofbunmei) 2019年1月25日
ウォークマンで一大市場を開拓したように、AIBOが多くの支持を得ているように、ソニー魂をXPERIAで見せてほしい。他と同じ、後追いばかりではソニーである理由がない!!!
— civic55j7d9 (@civic55j7d9) 2019年1月25日
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— ソニーニュース (@Sony_News2) 2019年1月25日
オイラはキーボード付き端末を出してほしい(CLIEのキーボードでも良いです)ソニモバ頑張れ! → ソニーが苦境のスマホ事業から決して撤退してはいけない理由 | 長内 厚のエレキの深層 | ダイヤモンド・オンライン https://t.co/RSjcqguMoG
— 小林貴樹@SmileBoom (@notohoho) 2019年1月25日
ムムム…まあソニーがxperiaを直販するのはいいアイディアだねー背面のダサいdocomoロゴが嫌だという理由だけで関税と送料払って海外から輸入するバカな奴もいるからねー(本人です)https://t.co/fwABGBtxUr
— takaya (@takoppi_) 2019年1月25日
初代XPERIAは最高だった。先日手放すとき立ち上げたが持ちやすさも最高だった。ソニー製品は愛用してたがユーザー置き去りは昔から。そのツケに気づいてない。CD200枚連装チェンジャーもPCでコントロールできると買ったのにry。PDA 初代カラーCLIEも買ったけどry。頑張って!https://t.co/Ukg6CN8oPM
— chiitake (@chiitake) 2019年1月25日
#ダイヤモンド ソニーが苦境のスマホ事業から決して撤退してはいけない理由...... 撤退なんかしないでほし〜よね〜😞 そもそも、パソコンさえ信用出来るメーカーが減っちゃってるし... なんとかネバってほしい😔https://t.co/ssLLttyV2d
— yamigama (@yamigama) 2019年1月25日
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