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コラム2019年1月19日 / 09:22 / 1時間前更新
中国経済失速は本当か、コモディティ輸入量が示す真実
Clyde Russell
3 分で読む
[ローンセストン(オーストラリア) 15日 ロイター] - 中国の昨年12月の輸出入統計に関するコメントを読んだ人ならだれでも、米国との貿易摩擦が続く中で経済失速の流れが強まっているという印象を受けるだろう。
12月の輸出が前年比4.4%減と、市場予想の3%増を大きく下回った点にアナリストの目が集まるのも無理はなかった。輸入も予想外に下振れ、前年比7.6%減と2016年7月以来の落ち込みを記録した。
これらの数字は、まさに中国経済の弱まりを示しており、その原因の大半は米国との貿易摩擦が占める。
さえない輸出は、米政府の中国製品向け関税導入前に生産者や買い手が駆け込みで在庫を積み上げた反動が出たのだろう。
低調な輸出入統計は、中国経済が不振に苦しみ、米国が貿易戦争で「勝利」して中国側がトランプ政権に譲歩を強いられると予想する向きには格好の材料になった。
今後それが正しいと証明される可能性は十分あるが、実は輸出入統計には中国経済に関してまったく異なる見方につながる部分もある。具体的に言えば、数量ベースのコモディティ輸入だ。
12月の原油輸入量は前年比で30%近く増加し、日量1031万バレルと月次では過去2番目の高水準に達した。
これは中小の製油業者が18年の購入枠を期限前に使い切ろうとしたからだと説明されそうだが、それにしても低調とは程遠い。
18年全体の原油輸入量も10.1%増えて過去最高となり、オランダなどの消費量に匹敵するほどに膨らんだ以上、やはり弱い数字だとは言えない。
過去の例からすると、前年の原油輸入量で今年の動向を明確に予想することはできないものの、今のところ輸入が衰えると考える理由は乏しい。中国はなお石油の戦略備蓄を続けており、足元の原油価格急落で購入が促進される公算が大きいからだ。
話は原油だけに限らない。天然ガス輸入量も12月は923万トンと、前年を17%上回って11月につけた過去最高を更新。つまり中国の天然ガス輸入量は2カ月連続で最高となったわけで、経済が不調に陥っているとの見方とは非常にそぐわない統計だ。
エネルギー輸入量は堅調を維持している半面、製造業の活動の弱まりの影響をより大きく受ける金属の輸入量はもっと打撃を受けていると言うのが適切なのかもしれない。
12月の未加工銅輸入量は42万9000トンと、前年比と前月比でともに4.7%減少した。11月の輸入量も前年を下回ったことから、18年終盤の軟調な流れがうかがえる。
鉄鉱石輸入量もふるわず、12月は8665万トンで前年比3%増えたとはいえ、18年全体で1%減と10年以降で初めてマイナスになった。
ただし中国の鉄鋼生産は18年に過去最高に達すると見込まれている。これはつまり、中国が高品位鉄鉱石への切り替えを進めているため、少ない輸入量でも鉄鋼生産を拡大できることを意味する。
そうだとすれば鉄鋼石輸入量の減少も、中国経済の弱さを表しているとは言い難い。
12月に石炭輸入量が前年比55%減ったのも、中国政府が輸入を制限しているという政策要因でしかない。当局は石炭業者保護のために国産石炭の使用を推奨しており、今年に入っても輸入制限は続くかもしれない。
このようにコモディティ輸入数量に基づいて中国経済を判断すれば、金額ベースの輸出入統計のみに頼って出したのとは全く違う結論に達する。
コモディティ価格下落は18年後半の輸入額を減らしたが、輸入数量についてはむしろ増やす働きをした。
中国経済は成長の勢いをある程度失っているように見える。それでも金額ベースの輸出入統計だけに目を向け、数量を無視するのは合理性に欠けるように思われる。
*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
https://jp.reuters.com/article/column-labor-aging-idJPKCN1PC0I6
トップニュース2019年1月20日 / 08:50 / 1時間前更新
焦点:
春節前の中国で相次ぐ工場閉鎖、貿易摩擦が雇用に影
Reuters Staff
2 分で読む
[東莞/香港 18日 ロイター] - 米中貿易摩擦の影響で受注が減った中国の製造業企業は、2月の春節(旧正月)休暇のずっと前から工場を閉鎖する例が目立っている。休暇明けも再開されず、廃業となる工場もありそうだ。
昨年末。広東州東莞市にあるデンマークの海運複合企業APモラー・マースク(MAERSKb.CO)の工場で、塗装工として働くWang Zhishenさん(35)は小躍りした。会社から予期せず2カ月の有給休暇が与えられ、帰省して妻子と過ごせる時間ができたからだ。
しかし、それから1カ月も経たない年明け3日、Wangさんは解雇され、喜びは失望に変わった。
Wangさんによると、工場は12月初めから休業しており、自身を含め2000人がレイオフとなった。
マースクはロイターへの電子メールで、2000人をレイオフとしたことを確認した。同社は11月、米中貿易摩擦がコンテナ船の需要を直撃するとの見通しを示している。
中国遠洋運輸集団(COSCO)の子会社2社は、米中貿易摩擦に対応して広東省の船籍数を減らした。省統計局のデータによると、この結果、同省の貨物船の取扱高は急減している。
春節前後には例年、出稼ぎ労働者を含む中国人数百万人が帰省する。多くの工場は春節前に休業するのが通例だが、ロイターの取材によると、今年は例年より早く休業に入っている。
東莞市の景気は目に見えて減速。多くの小売店や飲食店がシャッターを閉じ、一部の工場は閉鎖され、多くは賃貸に出されている。
最近の週末の夕方、あるタクシー運転手は人のいないオープンエアの食堂を指し、「以前ならこの建物は労働者でいっぱいで、仕事帰りに食べてしゃべっていたのに、今はこの有様だ」と語った。
人口1億人以上の広東省は、総生産(GDP)が1兆3000億ドルと中国最大で、オーストラリアやスペインに匹敵する規模。広東省の景気減速は、中国沿岸部に位置する輸出依存型の省すべてにとって悪い前触れだ。貿易紛争が長引けば、国全体の成長率を引っ張ることにもなりそうだ。
<輸出が減少>
14日に発表された12月の中国の輸出は、過去2年間で最も大幅な減少となり、輸出も縮小した。
UBS(中国)が最近、輸出事業に大きく関わる、あるいは輸出企業に納入している製造業企業200社を対象に実施した調査では、63%が米中貿易摩擦の悪影響を受けていると答えた。
このうち4分の1は過去1年間に人員を削減し、37%は生産拠点を国外に移した。向こう半年から1年以内に拠点を移すと答えた企業も33%に上る。
中国の製造業セクターは以前から、労働コストの上昇、規制強化、高技術生産や内需型経済への移行といった重圧に苦しんでいた。そこに米国が中国製品への関税を引き上げるリスクが出てきたことで、サプライチェーンの国外移転に拍車がかかった。
今後数週間、恒久的に閉鎖する工場は増える見通しだ。専門家によると、倒産コストを背負いきれず、単純に姿を消す工場オーナーも出てきそうだ。
1月18日、米中貿易摩擦の影響で受注が減った中国の製造業企業は、2月の春節(旧正月)休暇のずっと前から工場を閉鎖する例が目立っている。写真は、来る旧正月を祝うための光の祭典。海南省で昨年12月撮影。提供写真(2019年 ロイター/China Stringer Network)
サンドラー・トラビス&ローゼンバーグの貿易弁護士サリー・ペン氏は「このごろ中国で工場を閉鎖するのは難しい。逃げ出す方が簡単だ。労働者がいなくなる春節が過ぎても、帰ってこないかもしれない」と話した。
(Stella Qiu記者 Anne Marie Roantree記者)
https://jp.reuters.com/article/china-factory-trade-idJPKCN1PC0DF
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- 高齢化する米労働者、本当に「重荷」か 米ネットフリックス、市場優位がもたらす「恩恵」 うまき 2019/1/20 20:20:19
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