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トランプの「FRB叩き」で日本が最大の迷惑を被る理由 銀行破綻は怖い、されど円高も怖い(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/641.html
投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 1 月 19 日 18:44:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 



トランプの「FRB叩き」で日本が最大の迷惑を被る理由 銀行破綻は怖い、されど円高も怖い
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59449
2019.01.19 宿輪 純一 博士(経済学)・帝京大学経済学部教授 現代ビジネス


中央銀行、それぞれのトラウマ

米国の中央銀行、連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board=FRB)が金利を上げて金融政策を正常化している。

しかし、金利を上げると景気に対してはマイナスの影響があるため、政治家であるトランプ大統領が圧力をかけた。株式の下落もあり、パウエル議長も「利上げの停止」を示唆している。

実はその影響を最も受けるのは今後、金融政策を「正常化」しよう(金利を上げよう)とする日本銀行なのである。先日、筆者はワシントンのFRB本部を訪問したので、最新の事情も交え解説したい。

国際金融論といわれる分野では、専門家でも“誤解”しているような裏の“握り”が多い。その一つに「中央銀行」の説明がある。

一般に経済政策においては、財政政策は財務省、金融政策は中央銀行が司るとされている。その中央銀行の真の目的は基本的には「物価の安定」とされている。先進国の物価上昇率の目標は“裏”で共通の目標となっており、どの国でも「2%」となっている。

そして、金融政策の目的は、金利を下げることではなくて、次の経済危機に備えるために正常時に金利を上げておくことであり、「正常化」と言った場合、そのことを指す。

しかし、個々の先進国の中央銀行の役割をみると、教科書では同じように書いてあるものの、それぞれに違いがある。物価の安定だけではないのである。

欧州中央銀行(ECB)では、歴史的にインフレがナチスの台頭を促し、第2次世界大戦が発生したこともあり、その“2%のみ”が目標となっており、法律にも明記されている。

それに対し、米国では、大恐慌、なかでも、そのとき25%にも上った失業率が経済のトラウマとして残っている。そのため米連邦準備制度では物価の安定の他に「雇用の最大化」も目標となっている。例えば前FRB議長のイエレンは労働市場の専門家であった。

この制度のため、政府の責任である景気対策の影響を受けやすくなっている。実際、金利の変更は物価よりも雇用によることの方が多い。

ちなみに日本の日本銀行は日本銀行法で独立性が確保されているが、「政府の経済政策との整合性の確保」として“半身”、政府の影響を構造的に受けている。

FRBの独立性に興味ないトランプ

そのFRBであるが、そうはいっても中央銀行であり、米国の中では一番独立性の高い公的組織といわれている。

FRBは、12の連邦準備銀行(Federal Reserve Bank)を統括する。金融政策を決定する公開市場委員会(FOMC)はFRB理事7名と地区連銀総裁12名のうち選ばれた5名が投票権を持つ。

現在、FRB理事7名は、議長のジェローム・パウエル、副議長のランダル・クォールズとリチャード・クラリダ、他4人の枠はミシェル・ボウマンとラエル・ブレイナードが着任、マービン・グッドフレンドとネリー・リャンが候補となっていた。

トランプ大統領は景気の先行きに不安があり、「正常化」としての利上げを停止するように圧力を掛けていた。

人的にも、トランプのシンパとして経済学者のクォールズを9月に送り込み、候補の中でも利上げ賛成派とみられていたネリー・チャンが候補を降りた。パウエル議長が弁護士出身であるため、クォールズがトランプの代弁者として金融政策の力を持ってくると考えられる。

FRBという組織は個別金融機関が出資しており、政府との資本関係はない。しかし、規定として、議長・副議長・理事は、大統領の指名をベースとして、議会(上院銀行委員会)の承認が必要となり、政治の影響を受けうる制度となっている。

歴史をみると1913年に設立されたが、その当時は、大統領がFRBに金融政策に圧力を掛け景気刺激的な利下げを行った。このことは、シカゴ大学ミルトン・フリードマン教授にも指摘されているが、1929年以降の株価の大暴落(バブル崩壊)=大恐慌の原因となったとされている。

近年では、ニクソン大統領が1970年にFRB議長ウィリアム・マーティンJrを更迭し、アーサー・F・バーンズに変更した。当然のように金利を下げたが、その後はハイパーインフレをもたらし、71年のニクソン・ショックをもたらした一因とされている。

その辺の反省はホワイトハウスの常識となっており、やり過ぎないように一定の配慮はなされている。しかし、そもそも、経済そのものが老化した先進国ではインフレが発生しにくい、としてしまうと前提が崩れるのだが。

現在、FRBの政策金利として翌日物フェデラルファンド(FF)金利は2.25%〜2.5%となっている。前回12月のFOMCでも0.25%の利上げを決定したが、これは15年末以来3ヵ月毎連続となる。

FOMCは、2018年は1月30日(2日開催されるが初日のみ表示)、3月20日、5月1日、6月12日、7月31日、9月25日、11月7日、12月18日に開催された。実は議長記者会見のある会議(大きい会議)とない会議(小さい会議)があって、大きい会議は3月、6月、9月、12月であるが、その時にしか金融政策の変更を行わない。そういう意味において“連続”なのである。

FRBの適切とする金利水準も2.75%となっており、0.25%の利上げをするので、あと1回か2回となっている。

今年は1月29日、3月19日、4月30日、6月18日、7月30日、9月17日、10月29日、12月10日に開催される。しかも、今年からすべての会議で記者会見を行うため、大きい会議と小さい会議の差がなくなった。すなわち、毎回金融政策の変更が可能になった。

と、すると昨年であれば、3月と6月と予想できたが、今年は、1月で終わりの可能性もあるし、1月、3月で終わりの可能性もある。トランプ大統領の影響や株式市場で引上げを停止する可能性もある。

回り回って日銀が

このような動きの影響をもろに受けるのが日本銀行である。

日本銀行自身も金融政策の「正常化」=利上げをしなければならないのは十分に理解している。そのため、物価の目標よりも、低金利による地方銀行の経営難(副作用)に議論の重点を移している。すなわち、利上げの地ならしをしているのである。

地銀のための利上げであれば、今回は、短期金利ではなく長期金利の引上げになろう。ちなみに貸出金利が上がることが地銀の経営にとって良い影響がある。地銀の資金運用の中心は20年物国債であることが多く、金利の高い国債を購入できるようになる。そして貸出しの金利も上げることができる。

金融政策は日本も政治の影響を受けることが多い。日本の経済に影響が大きい政治日程をあげると、4月7日統一地方選、5月1日即位の礼、7月参議院選(同日選の可能性も)、10月1日消費増税となる。

金利の引上げは、景気にとって影響があるため、統一地方選、参議院選、消費増税の直前では、行えない。政権に対する圧力が高まるためである。また3月末も日本の主要企業の決算があるため、3月末までは行えない。

さらにもう1つ重要な要素がある。先に述べた米国金利の動向である。日本経済が最も“嫌い”な経済現象が「円高」である。

今後、FRBが利上げをやめたならば、日本銀行が単独で利上げを行う。そうなると、かなりの確率で「円高」に向かう可能性が高い。それは日本銀行は絶対に避けたい。このトランプ大統領の圧力で早く利上げが停止すると最も困るのが日本銀行なのである。

日本の金融政策を決定する金融政策決定会合は、FRBのFOMCの日程に近い1月22日(2日開催されるが初日のみ表示)、3月14日、4月24日、6月19日、7月29日、9月18日、10月30日、12月18日に開催される。

上記の条件で絞り込んで考えると、3月末まではない、FRBの状況から6月以前、そして、前述の政治日程では、5月1日の即位の礼、そして強いて言えば4月1日の新年号発表で、日本全体が明るい気持ちになっているころの「4月24日」の金融政策決定会合しかないであろう。

5月に臨時会合の可能性もゼロではないが、問題はそれ以前にFRBの利上げが終了してしまうときである。そのときは1月22日を選択したい。地銀の決算の状況もそのころには大筋が分かってきているからである。

もっとも、政治家トランプ大統領の動きとすると、大統領選挙はあと約2年後なので、無理な圧力は控えられる可能性も否定できない。その場合、毎月利上げの可能性もあるが、順当に3月、6月と利上げする可能性が高いと考える。

このように「政策」は総合的に決まって来るのである。そのため、金利引き上げという日本銀行にとって第2次安倍政権発足以来、最大の政策転換のタイミングは、トランプの動向によって、大きな振幅を余儀なくされているのである。















 

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コメント
2. 2019年1月20日 19:24:55 : ru3mGWOizM : dn@i2vTN86Q[44] 報告
気づかれぬ ように日本に 矛を向け

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