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わずか3カ月で中国事業を店じまいしたスズキの勝負勘
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181219-00010001-newswitch-ind
ニュースイッチ 12/19(水) 8:26配信
鈴木修会長は以前から中国撤退のタイミングを探っていた
スズキは6月と9月に中国で合弁を解消し、現地での自動車生産から撤退した。同社は2012年に米国の4輪車販売事業からも撤退している。大型車や高級車の人気が高く小型車の勝算が小さい世界2大市場を捨て、シェア1位のインドに経営資源を集中する強い意志をあらためて鮮明にした。
「のどに刺さった小骨が取れた」。中国撤退の皮切りとなった江西昌河鈴木汽車(昌河鈴木)との合弁解消についてスズキ関係者はこう語る。
昌河鈴木は95年から4輪車生産を手がけてきたが、車両開発などを巡りスズキとの関係が徐々に悪化。09年に長安汽車が昌河汽車を吸収合併したのをきっかけにスズキはもう一つの合弁会社の重慶長安鈴木汽車(長安鈴木)に経営資源の集中を試みる。だがそれに不安を抱いた昌河鈴木の労働者たちと一触即発の状態になり、新型車の投入を凍結し、駐在員も引き揚げていた。
一方の長安鈴木も現地での大型車、高級車人気を背景に苦戦を強いられた。「(長安鈴木は)ここ数年販売計画を達成できていない」「小さな車が売れないということならば態度を決めるしかない」。鈴木修スズキ会長は中国撤退のタイミングを探っていた。
そして、わずか3カ月の間に立て続けに、それぞれの合弁事業からの撤退を表明した。合弁事業という足がかりをなくすと中国への再参入は難しくなるのは当然、覚悟の上だ。
トヨタ自動車が20年に電気自動車(EV)投入を表明するなど、国内メーカーが中国への投資を積極化する中、スズキが中国からの撤退に踏み切ることができたのは、もうひとつの「10億人市場」のインドで50%近い圧倒的なシェアを確保しているからだ。
今回の撤退が「英断」となるか否かは、インドでさらなる成長ができるかにかかっている。同時にインド市場への依存度が高い「一本足経営」からの脱却も喫緊の課題だ。
日刊工業新聞浜松支局・竹中初音
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