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2018年12月18日 ロイター
改革開放40年の中国、米中貿易戦争で変革促す声高まる
故トウ小平氏の肖像画の前で踊る市民
12月14日、米中貿易戦争により、中国の起業家や政府顧問、シンクタンクから、世界2位の経済大国である自国の改革を加速させ、国から抑制されている民間セクターの開放を求める声が強まっている。写真は、改革開放40周年を控え、故トウ小平氏の肖像画の前で踊る市民。広東省深セン市で4日撮影(2018年 ロイター/Thomas Suen)
[北京 14日 ロイター] - 米中貿易戦争により、中国の起業家や政府顧問、シンクタンクから、世界2位の経済大国である自国の改革を加速させ、国から抑制されている民間セクターの開放を求める声が強まっている。
こうした変化を求める声は、中国の重要な記念日を控えて、一段と高まっているが、政府が主な政策を変更する兆しは見られない。
当時の指導者だった故トウ小平氏が「改革開放」を開始してから18日で40年を迎える。一連の画期的な資本主義的実験によって、同政策は中国の大半を貧困から脱却させ、経済大国へと変貌させた。
中国は以前から、自国のペースで広大な市場をさらに開放する意向だと明らかにしてきた。
だが、今がその時だと考える政府顧問の数はますます増えており、改革が米国との貿易摩擦を沈静化させるだけでなく、中国経済の長期的向上を確実なものにさせる、と彼らは主張している。
改革開放40周年を控え、ライトアップされた広東省深セン市の金融街
改革開放40周年を控え、ライトアップされた広東省深セン市の金融街。4日撮影(2018年 ロイター/Thomas Suen)
米国は中国に対し、産業助成金をやめて国が主導する経済モデルから転換し、自国市場を米国製品に開放し、知財窃盗や強制的な技術移転を取り締まるよう求めている。
「米国からの圧力が改革の原動力となるかもしれず、これは中国にとってチャンスとなり得る」と、中国政府のアドバイザーを務める人物はロイターに語った。「中国に対する圧力はとても大きく、われわれは長期的な準備をすべきだ」
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は、米国が2000億ドル(約22.7兆円)相当の中国製品に対する輸入関税を、来年1月1日から現行の10%から25%に引き上げる計画を延期して、通商交渉を行う「休戦」に合意した。
今後の交渉で合意に至るには、中国は一段の市場開放や助成金の削減、知財保護の改善を含むいくつかの譲歩を迫られるだろうと政府関係者らは言う。だが、中国は自国の競争力に不可欠な産業発展計画を棒に振るつもりはない、と付け加えた。
「米国は中国に改革ペースを速めるように求めているが、それはわれわれの利益と一致する」と別の政府顧問は話す。「われわれは市場志向の改革を推進するが、急ぎすぎず、西側モデルを完全にまねるわけではない」
中国国務院(内閣に相当)はコメント要請に応じなかった。
中国は6月、以前から期待されていた金融、農業、自動車、重工業などへの外資の出資規制緩和を発表し、一段と市場開放する方針を示した。
習主席は18日、改革開放40周年を記念して演説を行う予定だと、外交筋は語った。
国の介入
中国共産党は2013年、第18期中央委員会第三回全体会議(三中全会)で、今後10年間の改革案の1つとして資源配分で市場が「決定的な」役割を果たすと表明。だがその後、改革のペースを巡り、中国の経済学者の間で失望が広がった。
この数ヵ月、あらゆるタイプの事業において共産党が存在力を強めていることへの不満が高まっている。
「依然として政府は介入しすぎる。差し当たり、緩和されていると感じたことはないし、政府が今後、緩和するとも思わない」と、江蘇省常州の産業機器メーカー「孟騰智能装備」のゼネラルマネジャー、サム・ユウ氏は言う。
「中国国内の改革を促進するには外的要因が必要だと思う」と、同氏は貿易戦争についてこう付け加えた。
広東省深セン市の改革開放40周年を記念する展示会で4日撮影(2018年 ロイター/Thomas Suen)
著名な経済学者で中国の政策策定に携わってきた呉敬l氏は、自国の発展と転換に不可欠な改革を実行するという約束を実現するため、「より大きな政治的勇気と英知」を示すよう中国指導部に求めている。
肥大化した国有部門に対して1990年代に痛みを伴う改革を指揮した朱鎔基・元首相の息子である朱雲来氏も、北京で最近開かれた金融フォーラムで「改革・開放がなければ、社会が組織的な成長を維持することは非常に困難だろう」と同様の主張を行った。
また、中国人民銀行(中央銀行)金融政策委員会の劉世錦委員も同フォーラムで、中国の「不完全な」市場経済の向上と一段の開放に向けた改革は、対米貿易摩擦に対処する上で役に立つと語った。
苦境に立つ民間企業
持続的な経済成長の鍵とみられている中国民間企業の不自由さは、2008年の世界金融危機時に政府の大規模な刺激策により復活を遂げた国有企業が勢いづいているのとは対照的だ。
国有企業が民間企業を犠牲にする形で力強く成長する、いわゆる「国進民退」の傾向を強調するかのように、国有企業は今年、少なくとも民間上場企業31社の経営権をすでに取得、あるいは今後取得する計画であることがロイターの調べで明らかとなった。
そのような買収は昨年はごくわずかで、今年はその数を上回っている。
習主席は、中国経済の急激な減速を回避する対策の一環として、金融機関に対して資金提供や税制支援を約束しているが、民間企業は国有企業と対等の立場を求めている。
しかし、習主席が国有企業の活動を抑制する大胆な行動に出る兆しはほとんど見られない。
中国人民銀行の易綱総裁は10月、中国が国有企業と民間企業を対等にする「競争中立性」の原則を採用する計画だと語った。
だが、中国政府と国有企業の緊密な関係を考えると、こうした約束は単なる象徴的なものにすぎないと専門家はみている。
「改革が唯一の方法だ。過去の改革は政治に触れなかったが、もう余地は残されていない。政治変革なき経済改革では袋小路に入るだけだ」と、3人目の政府顧問は語った。
(Kevin Yao/翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
https://diamond.jp/articles/-/188930
2018年12月18日 Peter Landers
米中衝突、よみがえる日米貿易摩擦の記憶 1980年代の日米摩擦は中国との貿易紛争の教訓になるのか
――筆者のピーター・ランダースはWSJ東京支局長
***
台頭著しいアジアの国が多額の対米貿易黒字を築き、米国経済の優位を脅かしている。米政府はその新しい大国が米国の技術を取得する手口(窃盗が多いと米当局者は警告)や自国企業を世界で優位な位置に押し上げるべく強権を振るう様子に憤慨している。中西部でブルーカラーの男性から予想以上の支持を集めて選挙を制した共和党大統領は、経済的ライバルであるその国が米国と取引(ディール)をした方が身のためだ、さもないと大変なことになると話す。
これはもちろん1980年代半ばの日本の話だ。日本の台頭は当時のロナルド・レーガン大統領にとって最大級の課題であり、米国は常に期限を設け、関税をちらつかせていた。そして米国は現在、同様の課題に直面している。当時と違うのは相手が中国であることだけだ。中国は日本に代わって世界第2位の経済大国となり、米国に対する最大の挑戦者となった。
ドナルド・トランプ大統領は、1日にブエノスアイレスで中国の習近平国家主席と夕食を共にした後、一時的な「休戦」を発表した。米中は協議を再開し、中国は速やかに自動車関税の引き下げを提案した。だが米国は期限を設けている。90日間で新たに全般的な合意が形成されなければ、米政府は中国からの輸入品2000億ドル相当に25%の関税を発動する。夕食会の数日前、トランプ氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)にこう語っていた。「米国に対して中国を開放しなければならない。さもないとディールは成立しない」
30年前に似たような状況に置かれていた日本政府は、米国に対する大幅な譲歩という運命的な選択をした。このうち1985年のプラザ合意はドルに対する円高につながった。その後に起きたことは、貿易紛争がいかに予想外の形で終わり得るかを示す、米国にとっての貴重な教訓だ。
想像できるよりもはるかに急速に、日本は米経済の優位を脅かす存在でなくなった。米国の圧力の下、輸入需要を喚起するために金利を引き下げた。それが引き起こした歴史的なバブルは90年代初頭に崩壊し、日本は停滞期に入った。程なく、世界経済を日本が支配するという懸念は消えうせた。
その結果を見れば、米国は勝者として貿易戦争を脱した。トランプ氏に対中強硬姿勢を訴える人の多くは、今回も同様の結果になれば大満足だろう。中国政府の力が弱まれば、太平洋で米海軍を脅かしたり、世界のモバイル通信規格の今後を左右したりすることは難しくなる。
だが日本のケースを見れば分かるように、第2位の経済大国をつぶしても、貿易不均衡の根底にある問題――例えば懐にないカネを使おうとする米国の傾向――が解決するとは限らない。日本との不均衡は実質的に中国に移った。レーガンやその後の大統領らが守ろうとした中西部製造業界の雇用は消え続けており、米国の消費者は依然として米国製のテレビや電子レンジを買いそうにはない。
中国は日本の経験を徹底的に研究しており、米国の求める譲歩に対して日本以上に抵抗する公算が大きい。だが米政府の要求に屈するにせよ、抵抗して多額の関税を支払うことになるにせよ、中国経済には激震が走りそうだ。日本と同じように、中国も米国が想定も準備もしていなかった弱点を露呈するかもしれない。
30年の歳月で記憶は風化しているが、80年代には日本が突き付ける課題は非常に大きいと考えられていた。84年には米国の貿易赤字が初めて1000億ドルを超えた。民主党は多額の対米貿易黒字を計上している国に懲罰的な関税で報復する法案を推進した。日本は対象国リストのトップにあった。
当時の大蔵省で財務官などを務めた行天豊雄氏(87)はインタビューで、「米国側は常に日本を脅していた」と振り返った。米国の怒りを静めなければ米市場から締め出されかねないというのが日本側の認識だったという。当時の竹下登・大蔵相は85年9月のある日、報道陣を巻くためにゴルフシューズで家を抜け出し、9ホールを回った。だが残りの9ホールを終える代わりに空港に向かい、ニューヨーク行きの飛行機に搭乗した。行天氏が92年に出版した米連邦準備制度理事会(FRB)元議長のポール・ボルカー氏との共著に記したエピソードだ。
85年9月22日の日曜日、米国、日本、英独仏がニューヨークのプラザホテルで、後に「プラザ合意」と呼ばれるドル高是正の取り決めを発表した。目的は米国の輸出品の魅力を高め、同国の貿易赤字を削減することだった。でなければ、「相互破壊的な報復」合戦に陥りかねないと蔵相らは警告した。
ある参加者は「サプライズの要素は完全だった」と述べた。ドル安は、行天氏が「止められない」と言うほど猛烈な勢いで進行した。プラザ合意前には1ドル=約240円だったが、1年で154円まで下落した。
当時大統領だったレーガンは一段の措置を求めた。プラザ合意の翌日には経済団体に、日本を念頭にこう述べた。「諸政府が米製品の偽造やコピーを認める時、それはわれわれの未来を盗んでおり、もはや自由貿易ではない」。日本の競合他社が世界市場でシェアを拡大していることに遅ればせながら気づいた米企業が、だまされていると声を上げたこともあった。IBMは富士通がIBM製メインフレームの基本ソフト(OS)をコピーしたと主張した。米複合企業ハネウェルはミノルタが85年に発売して人気となったカメラで特許技術を盗んだと訴えた。いずれの紛争でも後に和解が成立したが、米政府は日本がリードすることを恐れ、86年に開催した超電導に関する会議に外国の科学者が出席することを禁じ、日本に基礎的な研究を増やすよう迫った。そうすれば、日本の科学者が米国の発明にただ乗りするのを防げるとの考えだった。
一方、米当局者に促された日本は早急に輸入拡大に向けた刺激策に乗り出した。日本銀行は1年半足らずで公定歩合を半分に引き下げた。米国は好景気となり、日本の貿易黒字はやや縮小した。
それでも米国の懸念は深まった。通商当局者や専門家は80年代の終わりごろから90年代初頭にかけて、日本の官僚が世界の支配を画策していると盛んに警告した。米国の通商当局者らは89年、日本で生まれたOS「トロン」がコンピューターにおける米国の優位を崩しかねないと警告した。
91年の共著「The Coming War With Japan(邦題:『第二次太平洋戦争』は不可避だ)」の中でジョージ・フリードマン氏とメレディス・ルバード氏は、貿易を巡る米国の要求に腹を立てた日本が「西太平洋と東アジアを支配する帝国を再び目指す」と予想した。書評家らは憂慮すべき内容を含んだ示唆に富む作品だと評した。ジェームズ・ファローズ氏はニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス誌で、「ますます激しくなる(日米)競争」という著者らの予想が「かなり予見性に富んでいるように思える」と記している。
既に起きていたのにほとんど誰も予想していなかったのは、日本の経済システムの崩壊だ。ほとんど気付かれていなかった経済運営の欠陥がプラザ合意と利下げで露呈した。利益相反を抱える当局は、銀行が価格のつり上がっていた不動産を担保に多額の融資をするのを止めなかった。独立性に欠けた日銀は、世紀の宴のたけなわで片づけを始めることをためらった。「安易なマネーは消費や輸入を拡大する代わりに資産バブルを喚起した。日本人はみな完全に催眠術にかかっていた」と、行天氏は話す。
必至だったバフルの崩壊がやって来た時には、大蔵省の官僚と銀行幹部はまさに不意打ちを食らった形となった。ノーパンしゃぶしゃぶを楽しんでいたことも発覚したのだ。
日本は20年にわたる停滞期に入った。不良債権を抱えた銀行が幾つか破綻し、物価は低下し始めた。世界標準になったのは、トロン技術を基にしたパソコンソフトや半導体ではなく、マイクロソフトのウィンドウズやインテルのプロセッサーだった。トロンを推進していた日本の官僚がなすすべもなくそれを目撃していた頃、米西海岸ではグーグルやアマゾン・ドット・コムといった後の巨大企業が生まれていた。
米政府は遠方にある他国の経済を細かく管理して米国からの輸入を拡大するのには限界があることを学んだが、米国のイノベーションの力は日本を巡る悲観論者が予想したどの筋書きをも上回った。世紀の変わり目には、日本は米国にとって最大の通商問題でなくなっていた。もはや論じる価値はなかった。
一方、日米間の激しい攻防を忘れなかった国がある。それは中国だ。
「われわれは日本の経験に細心の注意を払ってきた」。中国社会科学院の著名エコノミスト余永定氏はこう話す。バブル期やバブル崩壊後を乗り越えた行天氏ら日本のトップ官僚のもとには中国の当局者がたびたび訪れたという。
当初、中国側の多くが関心を向けたのは、プラザ合意から得た最もシンプルな教訓、すなわち自国通貨を自ら管理すべきという点だ。中国は今も人民元の対ドル相場を、毎日公表する基準値から一定の範囲内に制限している。
「中国にもプラザ合意のような取り決めを課すことができるという幻想は捨てよと人々に助言したい」。崔天凱・駐米中国大使は8月にこう語った。「中国が脅しや威嚇、いわれなき非難に屈するという幻想は捨てるべきだ」
為替操作は米国にとって、数年前まで中国に対する最大の不満の1つだった。トランプ政権ではこの議論が、中国の経済運営そのものに対する批判へと拡大した。
本来無視されたはずの中国政府の官僚的経済計画だが、2015年に導入されたハイテク産業育成策「中国製造2025」は特に、今や世界の貿易紛争の焦点に浮上している。それはかつて日本の「トロン」計画がそうであったように。関係筋によると、米国の圧力を受けた中国は「中国製造2025」の見直しを検討し始めたという。「これほど大騒ぎになったことは驚きだ」。エコノミストの余氏はそう話す。「新技術を理解できる賢明な政府などないと思う」
軍事的な緊張に関しては、当時の日本と現在の中国に共通点は少ない。1980年代には日本が再び軍拡路線に戻り、米国の戦略上のライバルになる可能性を懸念する声もあったが、その役割は既に中国が演じている。領有権を主張する南シナ海に軍事拠点を築き、米海軍を挑発しているからだ。日本の10倍以上の人口を抱え、核兵器保有国でもある中国は、かつての日本に比べてはるかに強力に米国と対峙(たいじ)できる立場にいる。
だが超大国の衝突をめぐる議論の中で、人々が見落としがちなのは中国が逆の方向に進むリスクだと元日銀政策委員会審議委員の木内登英氏は指摘する。現在は野村総合研究所に在籍する木内氏は中国の金融システムは世界の安定性にとって最大の脅威だとし、「ちょうど悪いタイミングで米中貿易問題が起きた」と語った。
現在の中国経済と1980年代の日本経済は同じ状況にはないが、いくつかの構造的欠陥は似ている。中国の規制当局は金融システムのリスク、特に預金に似た理財商品に数兆ドルが投じられているリスクについて十分把握できていない。中国主要都市の不動産価格は平均的市民の収入をはるかに超えた水準に上昇している。これは1980年代末に東京都内の小さな物件を買うのに100年ローンを組む人がいたことを思い出させる。さらに出生率低下に伴い、中国の生産年齢人口は縮小し始めている。これは日本の長い経済停滞の根底にある「人口時限爆弾」問題と似ている。
木内氏らエコノミストによると、米国との貿易摩擦が長引く中、中国指導部は既に国有企業を市場の競争にさらすといった改革を後退させている。中国政府は公共事業のような短期的な景気刺激策に頼ることになりそうだが、それは日本がプラザ合意の後に試し、後年になって悔やんだのと同じやり方だ。
もし中国経済に急ブレーキがかかれば、米国は多くの理由で安堵のため息をつくはずだ。中国は軍事拠点の建設を抑えざるを得なくなるだろう。そして中間層の不満が高まり、習近平国家主席が抑えてきた政治の自由化が一気に進む可能性もある。
その場合のリスクは、中国の不安定さが世界中に波及する可能性だ。その影響は、中国が輸入するアイオワ産大豆やサウスカロライナ州で製造したBMW車だけにはとどまらない。世界貿易は30年前よりはるかに複雑に絡み合っている。もし中国が日本製ロボットやドイツ製ガスタービンの輸入量を減らせば、両国が受ける打撃は米国にも波及する。世界経済の6分の1を占める中国のような国で景気後退の懸念が持ち上がっただけで各国の市場は打撃を受ける可能性があり、自己実現予言となるかもしれないのだ。
もし中国の失墜を米国が望んでいると受け止められれば、別の意味で自己実現的といえるかもしれない。米国と利害関係をある程度共有していた国(あえて言うなら「フレネミー」)をあからさまな敵に変える可能性があるからだ。トランプ氏自身、そのリスクに気づいているようだ。11月7日の記者会見では質問に答え、いつものように得意げに政策の成果を強調しながらこう言った。「中国はとんでもなく落ち目だ。中国は経済大国として2年後に米国を超えてもおかしくなかった。だが足元にすら近づいていない」
だが突然こう気づいたのだ。「私は彼らが落ち目になるのを望まない。われわれに何ができるか考えてみよう」
https://diamond.jp/articles/-/188784
2018年12月18日 週刊ダイヤモンド編集部
在日中国人社会の知られざる全貌、日本人が抱く「中国人像」は10年古い
在日中国人“100万人”時代は間近──。2000年時点で32万人だった在日中国人は、今やその3倍近くにまで膨れ上がりました。変わったのは人口だけではありません。その中身もまた、多くの日本人のイメージを打ち壊すほどに変貌しています。富裕層から裏社会まで、中国という国家の“縮図”ともいえる、在日中国人社会の今に迫ります。(本記事は週刊ダイヤモンド2018年7月7日号からの抜粋です)
「日本人の在日中国人に対するイメージは、10年前のもの」──。
そう指摘するのは、『中国人エリートは日本をめざす』(中央公論新社)などの著書を持つフリージャーナリスト、中島恵氏だ。
「在日中国人の実態は、年々分かりづらくなっています。なぜなら人数の増加だけでなく、さまざまな職種に進出し、質が高まっているからです。つまり『高度化、細分化、多様化した』ことで、在日中国人の社会で起きるあらゆる問題が彼らだけで解決できるようになりました。そのため、その外側にいる日本人の目に見えにくくなっているのです」(中島氏)
中島氏のこの指摘は、統計データからも垣間見える(下図参照)。
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在日中国人は、近い将来100万人突破が確実視されている。ここで特筆すべきは、単純労働者の増加ではなく、高度人材や留学生の日本での就職者の数が急激に伸びているという点だ。
国籍別の人口増加数で中国は現在、ベトナムに次ぐ2番手。だが、都道府県別に見ると、ベトナムは地方を含めて満遍なく数を伸ばしているのに対し、中国は大学や企業が集中する大都市で1番手になっていることが、その証左だろう。
また、外国人犯罪の国籍別検挙数でも、総数が右肩下がりの中、中国も減少トレンドであるのに対し、数の上では中国の4分の1にとどまるベトナム人の検挙数は、中国に迫る勢いで伸びている。
統計データを俯瞰しても、在日中国人の実像は一昔前と大きく変貌していることがうかがえるのだ(下図参照)。
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中国人の日本移住は
日本人におけるIターンに相当
「現在、日本に移住する中国人の動機を例えれば、都会出身の日本人が田舎暮らしを求めて移住する“Iターン”に似ている」
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上海出身のある在日中国人は、そんなショッキングな例え方をする。「今どき、それなりの中国人ならば、お金を稼ぐために日本には行かない。中国にいた方が稼げるからね。もちろん、中国の田舎から日本に移住してくる貧しい層は違うと思うけど」(同)。
中には、日本への留学後、帰国したものの母国に嫌気が差して日本に舞い戻ってくる“Oターン”ともいうべきケースもあるという。
そんな現在の在日中国人の典型が、家族を連れて昨年移住してきた上海出身の男性会社員、黄さん(仮名)だ。
現在30代半ばの黄さんは、かつて留学生として来日し、都内の私立大学を卒業後、帰国して地元で就職したが、日本移住のために会社を辞め、日本企業に再就職。今の年収は500万円ほどだという。
黄さん一家は、都心でも「超」が付くほどの一等地に立つファミリー向け賃貸マンション暮らし。家賃は月額30万円近いという。一体、どうやって生活費を捻出しているのか? 実は黄さんは、日本に複数の物件を所有する不動産オーナーで、その賃料収入で日本での暮らしが成り立っているのだ。
だが、黄さんは中国でもごく普通の中流家庭育ちで、富裕層ではない。一人っ子政策の後に生まれた中国語でいう「80後(1980年代生まれ)」世代で、両親と祖父母からの支援を全て自分のものにできるのだ。祖父が持っていたマンションを売却したところ、上海の不動産価格の暴騰で大金が転がり込んだという。
「上海のそれなりのエリアでマンションを買おうとしたら、1億円ではとても足りません。ですが、日本なら複数の物件を買える。日本は義務教育や社会保障がしっかりしているし、自然も豊か。だから移住を決めました」(黄さん)
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もはや中国人の爆買いは、富裕層だけのものではない。
日本人が気付かぬ間に、大きく変貌を遂げた在日中国人の実態。背景には、中国経済の急成長があることは間違いない。その発展をいち早く取り入れるべく、日本企業の“中国シフト”も加速しつつある。
中国語を事実上、“第三の社内公用語”に位置付けたのが、大手総合商社の伊藤忠商事だ。2015年に開始した「中国語人材1000人育成プロジェクト」は、総合職社員の3分の1を中国語検定に合格させるという野心的なもので、すでに今年2月に目標を達成したという。
母国の成長が在日中国人にもたらした影響は大きい。
https://diamond.jp/mwimgs/1/2/-/img_1290f6f5bceb401938de5a55baba1e72109443.jpg
https://diamond.jp/articles/-/188726
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- FRBゼロ金利導入10年、実態と復活の可能性を検証 米政府機関の閉鎖はあるか、影響と今後のシナリオ うまき 2018/12/18 22:01:48
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