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毎月いくらかかる?避けては通れない介護「お金」の話
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181206-00009864-besttimes-life
BEST TIMES 12/6(木) 17:00配信
写真・図表:BEST T!MES
■特養にかかる費用は?
〈連載「母への詫び状」第三十一回〉
介護の話題を書いていると、お金について質問されることが多い。
「特養に入所するには、どのくらい費用がかかるんですか」
「ご両親が病気では医療費が大変でしょう。仕事を休んでいるのに、どうやって工面してるんですか」
一番多い質問がこのふたつだ。
お金の話は難しい。各家庭によって事情が全然違うだろうし、介護保険などの制度の話をするにも、その制度がたびたび改定されて負担金額がころころ変わってしまうからだ。
特養(特別養護老人ホーム)の費用に関しては、平成27年8月に大きな改定がされて、所得や資産に応じた負担軽減制の基準が変わった。
ざっくり言うと、以前は「そこそこ所得のある世帯以外は負担軽減されて安かった」のが、改定後は「少しでも所得のある世帯はもう負担軽減してもらえないので安くない」に変わった。
具体的な金額は、専門のサイトを調べるか、ご自身の市町村やお近くの特養にお尋ねくださいと言うしかない。
しかし、こんな答えをすると「いや、正確な話じゃなくて、いつかの将来のために、だいたいの金額を知りたいだけです」と食い下がられる。いつかの将来には制度が変わっていると思いますよと言いたいところをぐっとこらえて、父が入所した特養を例に、だいたいの金額を記しておこう。
居住費+食費+介護サービス利用料。これが特養の基本。入所費や保証金は、有料老人ホームなどと違って必要ない。
・所得の少ない人は、月額合計が6万円から9万円くらい。
・それ以外の人は、月額合計が15万円から18万円くらい。
現時点ではざっとこんな相場か。同じ入所者でも要介護度が変われば、料金は数千円の範囲で変わる。部屋が立派な個室だったり、相部屋だったりの場合も、料金は変わる。
■医療費は? 高額療養費制度を使うと…
医療費についても知りたがる人は多い。
両親の世話をするようになって、一番ありがたいと思ったのは、この医療費の安さだ。こんなにかからないのかと、驚くことが多かった。
まず高額療養費の制度は、どのくらいの人が知っているのだろうか。ぼくは自分が病院の世話になった経験がなかったので、まるで知らなかった。
高額療養費制度というのは、1ヶ月の医療費が一定の上限金額を超えたら、その超えた分を支給してくれる(払い戻してくれる)制度だ。年齢や所得によって、上限は細かく定められている。
これもつい最近、平成30年の今年に制度が見直しされたため、以下に記す金額は当時の我が家の話である。
母が入院をした。手術もした。いったい医療費はいくらかかるのかと心配したら、実質かかったのは月に4万4400円。1ヶ月まるまる入院しても、この金額でおさまった。
たとえば、入院費や手術費が合計100万円かかったとする。母は75歳以上なので、負担するのは1割の10万円だった。これを病院の窓口で支払う。
後日、高額療養費制度により、4万4400円の上限を超えた金額の5万5600円が支給される。何ヶ月、入院しても同じ。元の医療費が100万円でも、毎月の実質負担額は4万4400円にとどまる。
残りの金額は国が払ってくれるのだから、ありがたい制度である。国に負担してもらいすぎだろうと思わなくもなかったが、そこはぼく個人がこれまで医者にかかったこともないのに何十年払い続けてきた健康保険の納付金が、親に使われたのだと思うことにして割り切った。
これだけではない。両親は教職員の共済組合に入っていて、ここからも後日、お金が支給された。
入院日数に応じたものだったか、あるいは医療費と介護費の合算による何かだったか、もう忘れてしまった。医療保険と介護保険の両方を利用する世帯には「高額介護合算療養費制度」というのがある。民間の生命保険も含めれば、とにかくいろんなところからお金が支給され、保険制度大国ニッポン、国家予算の医療費かかりすぎニッポンの、一端を垣間見る思いだった。
■もうひとつ、知らないと損をしてしまう話
最後にもうひとつ。知らないと損をしてしまう話を。
「1ヶ月まるまる入院しても、負担する医療費は同じ」ということは、ケースによっては「月に数日しか入院しなくても、1ヶ月入院した場合と同じ医療費がかかる」という意味にもなる。
簡単に言うと、入院するなら月をまたがないほうがいい。ぼくはこれを知らず、母の手術の時に「いつ入院しますか。急ぐ手術ではないです」と医者に言われたのに、一日も早いほうがいいだろうと焦り、すぐに入院手続きをとった。そしたら、それがたまたま月末で、月またぎの入院になった。
高額療養費は月ごとに計算されるから、たとえば12月だけの入院で支払いが8万円なら、上限を超えた金額は戻ってくる。しかし月をまたぎ、11月の支払いが4万円、12月の支払いが4万円なら、どっちも上限を超えないから戻ってくるお金は0円。
損得を計算して親の入院のタイミングをはかるものでもないだろうが、あとになって、自分の無知を知った次第だ。ネットで調べてみたら、この「月またぎは損」という医療知識は、出産の時に知る人が多いらしい。
ああ、こんなところにも、妻や子供を持ったことがないロンリー独身男のハンデがあったとは。
※本連載は隔週木曜日「夕暮時」に更新します。本連載に関するご意見・ご要望は「besttimes■bestsellers.co.jp」までお送りください(■を@に変えてください)。
文/夕暮 二郎
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