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「カルロス・ゴーン氏は無実だ」ある会計人の重大指摘 そもそもの罪が成立していない
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58626
2018.11.25 細野 祐二 現代ビジネス
「有価証編報告書虚偽記載罪で逮捕されたゴーン氏だが、そもそも会計人の眼から見れば、これは罪の要件を満たしていない」。『公認会計士vs特捜検察』などの著書のある会計人・細野祐二氏の特別レポート――。
本件の罪、成立せず
2018年11月19日午後、仏ルノー・日産自動車・三菱自動車の会長を兼務していたカルロス・ゴーン氏は、自家用ジェット機で羽田空港に入国するや直ちに空港内で東京地検特捜部に任意同行を求められ、同日夕刻、そのまま逮捕された。
逮捕容疑は有価証券報告書虚偽記載罪である。日産の代表取締役であったグレッグ・ケリー氏も同日同容疑で逮捕されている。
新聞報道によれば、日産自動車の2011年3月期から2015年3月期までの5事業年度において、カルロス・ゴーン前会長の役員報酬が実際には99億9800万円であったところ、これを49億8700万円として虚偽の有価証券報告書を5回にわたり関東財務局に提出したのが金融商品取引法違反(有価証券報告書虚偽記載罪)に問われているとのことである。対象期間の日産自動車の有価証券報告書には、代表者の役職氏名として、「取締役社長 カルロス ゴーン」と記載されている。
ここで、虚偽記載容疑として盛んに報道されているのが、ゴーン前会長が海外子会社に自宅として海外の高級住宅を購入させていたというものである。
日産自動車は、2010年ごろ、オランダに資本金60億円で子会社を設立。この海外子会社の資金を使って、リオデジャネイロの5億円超のマンションとベイルートの高級住宅が相次いで購入され、いずれもゴーン前会長に無償で提供された。購入費に加え、維持費や改装費も日産自動車が負担し、その総額は20億円超になるという。
一方、パリやアムステルダムでは日産の別の子会社などが、ゴーン前会長の自宅用物件として、高級マンションを購入したり借りたりしたが、ゴーン会長が負担すべき家賃について一部が支払われていなかった疑いがあると報道されている。
このほか、ゴーン前会長が家族旅行の費用など数千万円を日産自動車に負担させていた疑いもあるという。
さらにまた、
・日産自動車は、2003年6月の株主総会で、役員報酬としてストック・アプリシエーション権(SAR)と呼ばれる株価連動型インセンティブ受領権の導入を決定し、ゴーン前会長は2011年3月期以降、合計40億円分のSARを得ながら、その報酬額が有価証券報告書に記載されていないこと |
・ゴーン前会長はオランダの子会社から2017年まで年間1億円から1億5千万円程度の報酬を受け取っていたが、これが有価証券報告書に記載されていないこと |
なども大きく報道されている。
なるほど、ゴーン前会長は巨額の経済的便益を日産自動車から受けていたのであろう。しかし、巨額の経済的便益を受けていたことと有価証券報告書虚偽記載罪は何の関係もない。
これらの経済的便益が「有価証券報告書虚偽記載罪」の犯罪構成要件を満たすためには、
@問題となる経済的便益が、会計基準上有価証券報告書に記載すべき事項(=犯罪事実)であり、かつ、Aゴーン前会長自身が、本件経済的便益は会計基準上有価証券報告書に記載すべきものと知りながら、敢えて不記載としたという認識(=故意)
がなければならない。
「有価証券報告書虚偽記載」は故意犯なので、ゴーン会長に故意が認定できなければ、本件の有価証券報告書虚偽記載罪は成立しない。
世界のどこにも存在しない
そこで、有価証券報告書における開示額の算定基準が問題とされるところ、2009年12月17日に言い渡された日債銀事件の最高栽判決における補足意見には、「有価証券報告書の一部をなす決算書類に虚偽記載があるかどうかは決算書類に用いたとする会計基準によって判断されるべき」と記載されている。
「総額1億円以上の役員ごとの連結役員報酬等の総額」は「有価証券報告書の一部をなす決算書類」そのものではないが、求められる開示額は「連結役員報酬等の総額」とされているのだから、その算定基準が会計基準にあることは自明であり、その会計基準とは連結財務諸表等規則並びに「企業内容等の開示に関する内閣府令」に他ならない。
ここで問題とされている海外の高額マンションの購入は、日産自動車が資産を買って、それをゴーン氏が専属的に使用していた、というだけのことだ。そこには損失が発生しておらず、したがってこれは会計基準上の役員報酬とはならない。
次に、オランダの海外子会社の報酬が漏れていたというような報道もあるが、日産の連結対象となるオランダの子会社は「ニッサン・インターナショナルホールディングスBV社」。その資本金は19億ユーロなので、ゴーン前会長が報酬を得ていたとされるオランダ法人なるものは、連結対象会社ではない。非連結子会社から得た役員報酬は内閣府令が定める連結役員報酬に該当しない。
次に、40億円のSRSについて検討すると、SRSはストック・オプションとは異なり、基準株価からの上昇分相当額が現金として支払われる。ならば、本件SRSは、複式簿記原理に従い、必ず費用処理されていたに違いなく、それが損益計算書に計上されていたこともまた疑いの余地がない。
問題は費用処理の勘定科目が役員報酬となっていたかどうかで、この時代のSRSは税務上損金算入が認められていなかったので、役員報酬ではなく「交際費」と処理された可能性が高く、そうであれば、交際費でも役員報酬として開示しなければならないというヤヤコシイ会計基準を、ゴーン社長が認識していたかどうかにある(ゴーン前会長が日本の連結財務諸表規則や開示内閣府令などを知っているはずがない)。
家族旅行の費用を日産に付けていたという報道は、論じることさえ馬鹿馬鹿しい。
日本航空の社員は、ファーストクラスでの無償搭乗券を与えられ、この搭乗券は社員の家族が使ってもいい。だからといってこれが役員報酬だと言い張る会計人は世界のどこにも存在しない。
以上、ゴーン前会長にかけられた全ての疑惑について、ゴーン氏の無実は明白にして動かない。
ゴーン前会長逮捕後のマスコミ報道により、@本件捜査が日産側の内部通報に基づくものであったこと、Aゴーン前会長の逮捕に際しては日産側執行役員らに司法取引が適用されたこと、B日産側にはルノーとの日仏連合に関する内紛があったこと、が分かっている。
これがグローバル・スタンダードと理解すれば…
結局、これは東京地検特捜部による日産自動車の内紛に対する民事介入ではないか。
特捜検察は、2010年秋の厚生労働省村木厚子元局長の無罪判決とその後の大阪地検特捜部の証拠改竄事件により国民の信頼を失って久しい。
特捜検察は、その後雌伏8年間にわたり威信回復を狙っていたところ、今回日産の内部通報と熱烈な協力により、ゴーン前会長逮捕という起死回生の一撃を食らわせることができた。
マスコミ報道は、「地に堕ちたカリスマ経営者」、「独善」、「許せない」、「私腹を肥やす」など、ゴーン会長の人格攻撃一色となっている。特捜検察による逮捕とそれを支持するマスコミ世論の背景には、ゴーン前会長が得ていた報酬の絶対額に対する下卑た妬みがある。
そもそも日産自動車は、1999年、2兆円の有利子負債を抱えて倒産寸前だったではないか。日産自動車が現在あるのは、ルノーが6430億円の救済資金を資本投下するとともに、ゴーン前会長を日産再建のために送ったからである。
現在の日産の株式時価総額は4兆2千億円であり、ゴーン前会長がいなければ、日産自動車は現在その存在そのものがない。
普通、M&Aの成功報酬は買収額の3〜5%が相場となっている。ゴーン会長は日産自動車から2100億円(=4兆2千億円×5%)の報酬を貰って良いし、日本人はこれがグローバル・スタンダードであることを理解しなければならない。
それをたかが50億円とか100億円の役員報酬で大騒ぎして、挙句の果てにはゴーン前会長の逮捕までしてしまった。いつから日本人はこんな恩知らずになったのか。
今からでも遅くはない。東京地方裁判所は直ちにゴーン前会長の勾留命令を取消さなければならない。
「カルロス・ゴーン氏は無実だ」ある会計人の重大指摘 : https://t.co/lcwIBk07El #現代ビジネス
— 現代ビジネス (@gendai_biz) 2018年11月24日
カルロス・ゴーン氏は無罪だという論。会社を私物化したのは事実だが、特捜がいつものごとく暴走しマスコミがゴーン氏を罪人扱いするのには辟易する。https://t.co/YcHMOFwWi5 「カルロス・ゴーン氏は無実だ」ある会計人の重大指摘(現代ビジネス)
— Tsukasa Shirakawa (@lingualandjp) 2018年11月24日
「カルロス・ゴーン氏は無実だ」ある会計人の重大指摘 https://t.co/ZQAyaXC9nj #現代ビジネス
— リック (@NKTN18) 2018年11月25日
倒産寸前の日産自動車をM&Aで生き返らせたことに対しての報酬がたかが50億や100億。日産内部の妬み嫉みに民事介入してゴーンは追い出されたという結論。
国策捜査ってやつですかねこれは。。
— ゆーさん (@yk_style2011) 2018年11月25日
「カルロス・ゴーン氏は無実だ」ある会計人の重大指摘 https://t.co/jqgA0vAOFe #現代ビジネス
グローバル・スタンダードvs日本型組織。
— 京都のひですけさん (@Hidesuke_Kyoto) 2018年11月25日
良い悪いというよりも純粋に面白い。
これでもし、日産クーデターが罪に問われることがないのであれば、日本の組織っていったい...という話。 https://t.co/J91yaAikNr
全くその通り。ルノーに合併されたくない日産が特捜にけしかけた理由後付け逮捕に他ならない。
— 河野孝雅 Ver.3.1 (@LukeKouno) 2018年11月25日
まともな会計基準で言えば無罪。
堀江さんの時と同じことにならないうちにゴメンナサイすべきでしょう。 / ... #NewsPicks https://t.co/KFXLHwRIfh
「有報虚偽記載罪」の犯罪構成要件を満たすには、
— Akira Yokoyama (@yokoyama_akira) 2018年11月25日
@問題となる経済的便益が、会計基準上記載すべき事項(=犯罪事実)であり、かつ、Aゴーン前会長自身が、本件経済的便益は会計基準上有報に記載すべきものと知りながら、敢えて不記載としたという認識(=故意)が必要。https://t.co/zggLLYi6HD
会計士の意見とは別に庶民の私から言わせてもらえば、公務員による有印公文書偽造や政治資金報告書への不実記載が犯罪として立件されなくなってしまった我が国において、ゴーンたちを逮捕するのは相当に異常と思う。 https://t.co/WlfuN6haA3
— こばさん (@wakwak_koba) 2018年11月25日
明らかな政治。
— ken|ecbo (@kecbon) 2018年11月25日
結局これは国民の信頼を失った東京地検特捜部による日産自動車の内紛に対する民事介入(起死回生の一撃)×マスゴミが全力で人格攻撃一色で応戦してる図。
そもそも1999年に2兆円... #NewsPicks https://t.co/DnzOr7EUNs
まぁ、日産は恩知らず。潰れかけた過去を忘れ儲かってるのに自分ばっかりいい思いしやがって、の妬み嫉みが爆発。そこに日本の三菱が乗っ取られないよう政府が防衛。特捜の威厳奪回機会も相まって発生した事案だろうhttps://t.co/ZBeyVd4xWa
— W.T.Neppy (@seneppy) 2018年11月25日
細野氏のカルロス・ゴーン氏は違法行為とはならない根拠を読めば、カルロス・ゴーン氏は適法行為を行っていたということになります。
— 駒走隼人 (@z6X20D5jiNQJFgV) 2018年11月25日
他の専門家の考え方もお聞きしてみたい。
カルロス・... #NewsPicks https://t.co/PvxUSV5V0w
なるほど。
— 野中 明 (@19510710) 2018年11月24日
ご褒美は2,100億円、それを考えれば..........
また、特捜のお手つきかい? https://t.co/3DR4IONrwU
そもそも社長が告発グループの大将として振舞っていること自体が不自然だ。執行役員は同罪ではないか。https://t.co/EzjJ5uWA3R
— ゲバラ (@postguevara3d) 2018年11月25日
まだ勉強不足な部分もあるが、会計士の卵として記事の内容は正しいように感じられる。 / 「カルロス・ゴーン氏は無実だ」ある会計人の重大指摘 (現代ビジネス[講談社] | 最新記事) #NewsPicks https://t.co/Ptr5E6lSCS
— Yutaro (@YVF_YUTARO) 2018年11月25日
持たざる者、才能がない者、努力をしない者、貧乏人の妬み嫉みはキツイな
— ダレノガレ明美ちゃん (@K32870548) 2018年11月25日
やっぱりクーデターの線が濃厚やな
日本人はすぐ才能がある人の芽を摘もうとするからタチが悪い。
そんなことしてるから、いつまでたっても成長も発展もできへんねん。https://t.co/0Ot8VwDlRD
推定無罪を無視するマスメディア、犯罪を暴く事ではなく作り出す検察は世界から非難されるだろうね。https://t.co/3ue2MCETmv
— リベット (@rivet999) 2018年11月24日
やっぱり検察と日産と政治の陰謀というか罠というか暴力だよな。
— 岩月 啓四郎 (@k4_rockmoon) 2018年11月25日
だからいつまでも先進国って勘違いしてられるのか。https://t.co/XQMxBb2aoE
地検特捜部のリーク報道ばかりが先走っている中で傾聴すべき指摘かも。この辺ちゃんとやってそうな気がするんだよね / “「カルロス・ゴーン氏は無実だ」ある会計人の重大指摘(細野 祐二) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)” https://t.co/oGhSl2huKo
— 楠 正憲 (@masanork) 2018年11月25日
ああよかった。ようやくこういう論調が表に出てきた。会計人ならそう思うよね。私の一連のツイートと概ね同じだ。ホッ。
— 肥和野 佳子 (@lalahearttwit) 2018年11月25日
「カルロス・ゴーン氏は無実だ」ある会計人の重大指摘 https://t.co/0JCWdsrBnM #現代ビジネス
言い切るね。
— ぽんこつ会計士 (@ponkotsucpa) 2018年11月25日
「今からでも遅くはない。東京地方裁判所は直ちにゴーン前会長の勾留命令を取消さなければならない」
https://t.co/DNvrNVqqf7
「カルロス・ゴーン氏は無実だ」ある会計人の重大指摘 https://t.co/4QfM25XV3G #現代ビジネス
— SSSS. えすぴー (@espilab) 2018年11月25日
なるほど… これは重大指摘だな
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