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ゴーン容疑者、不記載報酬120億円…私的流用判明 https://www.nikkansports.com/general/news/201811240000174.html 2018年11月24日8時56分 日刊スポーツ 2016年8月、ブラジル・リオデジャネイロのコパカバーナ海岸沿いを聖火ランナーとして走る日産自動車のカルロス・ゴーン容疑者(同社提供・共同) 金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕された日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が有価証券報告書に記載しなかった報酬は、逮捕容疑の50億円を含め、少なくとも120億円に上るとみられることが23日、関係者への取材で分かった。このほかにも私的流用が判明している。会長職を解任した22日の臨時取締役会では、ルノー側の取締役から異論も出たが、解任理由を示した資料を見て賛成したという。解任決議は全会一致で決まった。 有価証券報告書に書かれていなかったのは、逮捕容疑の11〜15年3月期の5年で50億円だけではなく、16〜18年3月期の3年で30億円、さらに株価連動報酬(ストックアプリシエーション権=SAR)で40億円以上の報酬を加え、120億円以上に上っていた。ゴーン容疑者が実際の報酬額と報告書に記載する額を、側近で前代表取締役グレゴリー・ケリー容疑者(62)に書面で具体的に指示していたことも判明した。 東京地検特捜部もこの書面をすでに押収し、虚偽記載の実態解明を進めている。特捜部は今回の逮捕容疑の計約50億円に加え、直近3年の計約30億円についても、同様の金融商品取引法違反容疑で立件することを検討する。 さらに、この120億円とは別に、オランダの子会社から毎年億単位の報酬を受け取り、この子会社などが購入した海外の高級住宅を無償で使用していた。また、家族旅行の代金や、個人的な飲食費の代金を会社に肩代わりさせていたことがすでに判明している。 ゴーン容疑者から書面で指示を受けたケリー容疑者は、法務担当の外国人執行役員と別の幹部社員にゴーン容疑者の指示を伝え、虚偽記載させていた。執行役員ら2人は特捜部との司法取引に合意し、証拠を提出したとみられる。 4時間半という異例の長時間にわたった22日の緊急取締役会で、具体的な資料を示した説明があったとみられる。出席した取締役からは「これはひどい」と驚きの声が上がったという。一方、ルノー側から来ている取締役は当初、「欠席裁判ではないか」と解任の先送りを要請したという。ルノーは20日の取締役会で、ゴーン容疑者のトップ解任を先送りしており、関係者は「フランスの声を代表している感じがあった」と明かす。しかし、一連の不正を示した具体的な資料を確認すると「『間違いない』と賛成に回った」(関係者)という。 ◆日産・ルノー連合 日産自動車が経営危機に陥った99年にルノーと資本提携して発足。日産がルノー株の15%を持つのに対し、ルノーは日産株の43・4%を保有し発言権が強い。ルノーの筆頭株主はフランス政府。16年に三菱自動車が傘下入り、3社連合の17年の世界販売台数は世界2位。
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