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米国の巨額財政赤字 中間選挙で変わるアメリカと世界の景色 トランプ氏の支持率上昇、中間選挙 自然災害と通商摩擦、輸出下方
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/129.html
投稿者 うまき 日時 2018 年 10 月 23 日 18:52:15: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

(回答先: 安定に程遠い中国株、「天国か地獄か」との声−相場変動率が急上昇 サウジマネー失墜、投資家の目はカタール  為替条項超円高 投稿者 うまき 日時 2018 年 10 月 23 日 18:46:05)


2018/10/22 16:20
米国の巨額財政赤字

中空麻奈
BNPパリバ証券投資調査本部長

フォローする
「米国の景況感は絶好調」とFOMC委員が強気になっていることが、発表された9月のFOMC議事要旨で確認された。しかし、聊か自信過剰気味にも見える。家計消費好調、可処分所得が上昇している、という点はよいにせよ、貯蓄率が上昇していることさえ、強気な景気見通しの証拠の一つとして羅列されてしまっている。日本では『貯蓄から投資へ』、と必死に促すもなかなか投資に回らない、と嘆いている。その背景に、将来に対する漠たる不安があるから、日本国民は貯蓄するのだ、という解説されるのが普通。しかしところ変わって米国だと、さらに消費が増えるかも、と解説される。ポジティブシンキングにも程がある、と見えなくもない。
しかし、そんな米国も、頭痛の種は多い。そこら中を取り巻く地政学的リスク、米中貿易戦争の過熱化、シアーズに見られる小売りセクターの再編やそれに伴う波乱など。加えての財政赤字問題。
議会予算局CBOは2020年度に財政赤字1兆ドル突破と試算。本来は2022年度に同1兆ドル突破から二年前倒しで達成との厳しい見通し、である。トランプ政権が財政政策を発動してきたことに加え、2017年12月からの大幅減税により、ダブルで財政赤字悪化ペース拡大に効いてしまうため。向こう数年間は財政赤字の対GDP比は増加し、2017年3.5%から、2022年5.4%、2028年にかけて4.6-5.2%程度というイメージである。連邦債務残高対GDP比も当然悪化。IMFの見通しでは2018年の同比率は108%。債務残高対GDP比で見れば日本より“まし”だが、財政赤字対GDP比はよほど米国の悪化が激しい見通し。米国のデフォルトは実質的にはあり得ない話だが、これまでも時折、政府閉鎖を経験したり、定期的に市場のリスクとして浮上してきたことを考えれば、米国の巨額財政赤字にも対応をしておく必要がある。そうでなければ、パウエルに嫌味を言って金利上昇を阻止しようとしても、勝手に金利上昇圧力がかかってしまうことになりかねない。


米財政悪化 6年ぶり水準 18会計年度 赤字87兆円、減税で
2018/10/16付 
 【ワシントン=鳳山太成】米財務省は15日、2018会計年度(17年10月〜18年9月)の財政収支の赤字が前年度比17%増の7790億ドル(約87兆円)だったと発表した。17年末に成立した大型減税で法人税収が減少したのが主因。赤字は3年連続で拡大し、6年ぶりの高水準となった。

 トランプ政権は減税や規制緩和で経済成長率を高めれば税収増で財政収支は改善に向かうと主張してきたが、財政赤字の国内総生産(GDP)比は3.9%と0.4ポイント拡大した。財政悪化は金利上昇のリスクを高め、金融市場の波乱要因となる。
 歳入は0.4%増の3兆3287億ドル。堅調な景気と雇用情勢にもかかわらず、伸び率は鈍った。税制改革で連邦法人税率を35%から21%に引き下げた影響で法人税収が22%減った。一方、鉄鋼やアルミニウムへの追加関税発動などで関税収入は2割増えた。
 歳出は4兆1077億ドルで3.2%増えた。軍事費や社会保障費が膨らんだほか、公的債務の利払い費がかさんだ。
 ムニューシン財務長官は声明で「無駄な歳出を削るとともに、強力な経済成長を実現してきたトランプ大統領の経済政策を進めれば、米国の財政は持続可能な方向に進む」と改めて強調した。
 米行政管理予算局(OMB)のマルバニー局長は膨らむ政府債務について「トランプ大統領は強く認識している」と指摘する一方、「無責任で不要な歳出を引き起こしてきた議会への警告だ」と予算成立の条件に軍事費や社会保障費の拡大を求めた共和党や民主党をけん制した。
 与野党は歳出上限の引き上げで合意するなど、財政悪化に歯止めがかかる兆しはみえない。
https://comemo.io/entries/10944


 

Washington Files

中間選挙で変わるアメリカと世界の景色

2018/10/22

斎藤 彰 (ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長)


(iStock.com/flySnow/Purestock)
 11月6日の米中間選挙は、トランプ政権の真価が問われるだけでなく、結果次第では国内のみならず世界にも大きな波紋を投じる可能性を秘めている。ここでは、野党民主党が下院を奪回した場合と、共和党が両院で引き続き多数を維持した場合のふたつのシナリオを下に、年明け後、内外の景色がどう変わるかを予測する―。

 筆者はワシントン特派員時代、1978年(カーター政権)、1986年(レーガン政権)そして1994年(クリントン政権)の3回の米中間選挙を取材してきた。例年なら大統領選挙とくらべ有権者の投票率も平均2割以上も低下し、盛り上がりを欠くところだが、今回ほど熱気のこもったケースは過去にも珍しい。民主、共和党陣営が投じた選挙資金も約40億ドル(約4400億円)と史上空前規模に達した。

 米国マスメディアは1年以上も前から異常なほどの関心を示し、早くも「選挙後何が起こるか」についてさまざまな見方まで出始めている。

 以下に2019年以降に変わると予想されるアメリカと世界を展望する。


(WD Stuart/Gettyimages)
シナリオT<民主党、下院奪回の場合>
【アメリカの景色】

(1)トランプ大統領の税申告内容徹底調査 

 アメリカの歴代大統領は就任に際し、自らの過去の個人所得と確定申告内容を国民の前に公表してきたが、トランプ氏はマスコミや市民団体からの度重なる要求にもかかわらず、これを拒否し続けてきた。

 しかし、下院を民主党が制した場合、真っ先に指摘されているのが、闇に包まれてきたトランプ氏の過去の所得実績と納税申告の本格的追及だ。

 具体的には、政治家や高級官僚の不正ににらみをきかせる強大な権限を持つ下院監査委員会の委員長ポストが共和党のトレイ・ガウディ議員からエリジャ・カミンングズ民主党議員に交代するため、政権発足以来初めて本格調査がスタートする。

 下院議長に返り咲きが見込まれているナンシー・ペロシ議員は早くも今月11日、サンフランシスコ・クロニクル紙とのインタビューで「われわれが下院で勝利した場合、真っ先に着手するのは、トランプ氏の納税内容を明るみにすることだ。私はそれを約束する」と強調した。

 下院歳入委員会の次期委員長就任がうわさされるリチャード・ネール民主党議員もCNNテレビ番組の中で、「大統領が率先して税申告内容を公表してくれることを望むが、それが実現しない場合、別の方法を考える」と語り、法的措置も辞さない構えを示した。

 すでにニューヨーク・タイムズなどの調査によると、トランプ氏は父親から何億ドルにも上る資産の譲渡を受けながら、ほとんど相続税を払っていなかったことが明らかになっているが、下院委員会の証人喚問など強制力を持った本格調査でその後も“税逃れ”の実態が解明されれば、トランプ氏はきわめて苦しい立場に追い込まれることになる。

(2)ロシア疑惑再調査

 2016年米大統領選挙へのロシア介入とトランプ陣営との共謀疑惑に関する議会での真相究明は、これまで上下両院とも与党共和党が制してきたため、形式的な調査のみで事実上“幕引き”となった。

 しかし、下院を民主党が制した場合、情報特別委員会および政府活動委員会などで、
疑惑の中心的存在となっているトランプ氏の長男ドナルド・ジュニア、義息ジャレッド・クシュナー各氏らが重要参考人として喚問され、再び真相究明に一段と拍車がかかることが予想される。

 さらに、議会とは独立して捜査を進めてきたモラー特別検察官も、議会調査の本格化と合わせ、急ピッチで最終報告作成に取り組むことになり、その内容次第では、大統領弾劾の可能性も視界に入って来る。税調査と合わせトランプ氏にとって深刻な懸念材料だ。 

(3)メキシコ国境壁構想の挫折

 大統領が鳴り物入り進めてきた「国境の壁」建設計画が、予算審議で絶大な影響力を持つ下院歳出委員会の委員長ポストが民主党に移ることにより、とん挫することが十分考えられる。

 大統領は建設総コストとして200億ドルの支出を見込んでおり、議会に対し早期承認を要求し続けている。これに対し、上院はとりあえず一時的に50億ドルの支出を可決済みだ。

 しかし、民主党が下院を制した場合、200億ドルの予算計画は否決され、50億ドルについても、見直しが行われる公算が大きい。

 不法外国人の入国阻止を意図した壁建設構想が挫折することになれば、大統領が就任前から重視してきた「アメリカ・ファースト」の看板自体にも、汚点を残すことになるだけに、トランプ政権へのダメージは大きい。

(4)オバマ・ケアの充実

 共和党政権がいったんは廃止を試みた医療制度改革「オバマ・ケア」が一部手直しを含めより一層充実した内容となる。共和党が上院で多数を維持した場合でも、2020年の選挙での有権者の反発を回避するため、支持せざるをえなくなる。

【世界の景色】

(1)NATO同盟関係再確認へ軌道修正

 下院民主党は昨年以来、トランプ大統領がNATOを軽視する発言を繰り返してきたことを厳しく批判、今年7月には、44人もの民主党議員が「自由主義の価値を共有する西欧同盟に対し敬意を表するとともに防衛コミットメントを再確認するべきだ」とする特別メッセージをホワイトハウスに送った。これを受けて下院本会議も同趣旨の決議案を超党派で可決した。

(2)「宇宙軍」創設の見直し要求

 ペンス副大統領は今年8月、陸、海、空軍および海兵隊に加え独立した「宇宙軍」新設を発表した。しかし、軍事関係予算について強大な権限を持つ下院軍事委員会の次期委員長就任が予想されるアダム・スミス議員は「われわれはすでに宇宙資産防衛強化のために『宇宙部隊』創設を検討中であり、大統領が議会と何の相談もなしに勝手に独立軍創設を打ち出すことは容認できない」と反対態度を表明しており、「宇宙軍」の規模の縮小または空軍との関係の再調整が行われる可能性が大きい。

(3)米韓合同軍事演習の再開

 大統領は朝鮮半島非核化交渉を通じ北朝鮮に対し、米韓合同軍事演習の無期限中止を約束してきたが、スミス議員らは「北東アジア軍事情勢の重要度にかんがみ、できるだけ早期に再開すべきだ」と主張してきた。ペンタゴンの中にも同調する動きがあることなどから、非核化交渉で実のある進展が見られない場合、2019年早々にも、議会のホワイトハウスに対する軍事演習再開圧力が強まることになる。

(4)米中貿易戦争拡大

 ペロシ議員ら民主党幹部はかねてから、国内製造業の強力なバックボーンとなっているAFL-CIOなど労組の突き上げを受けて、中国に対しては関税引き上げのみならず、幅広い貿易不均衡是正措置をトランプ政権に要求してきた。このため、民主党が下院を奪回した場合、対中貿易不均衡を抜本的に見直すため、関税のみならず、幅広い品目に対して輸入規制措置を要求ことも否定できない。

(5)パリ協定離脱再検討を要求

 トランプ政権は昨年6月、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの離脱を発表、世界を驚かせたが、環境保護政策を支持してきた民主党幹部議員たちは、上院民主党議員団と歩調を合わせホワイトハウスに対し、離脱の見直しを迫る構えを見せている。もし、万が一、中間選挙で上院も民主党が勝利した場合は、その圧力は無視できなくなり、ホワイハウスとしても真剣に再考せざるを得なくなる。

シナリオU<共和党勝利の場合>
【アメリカの景色】

(1)オバマ・ケアの廃案

 中間選挙勝利により国民の信託を得たとしてホワイトハウスと議会がこれまで以上に結束を強め、大統領が内政の最重要課題としてきた医療制度改革廃止が現実のものとなり、個人の自由意思で民間の医療保険を選択できる新たな制度がスタートする。

(2)環境保護規制の撤廃に拍車

 トランプ政権は発足以来、石油、天然ガス、石炭新規開発推進のため、すでに多くの政府規制措置の撤廃に取り組んできた。エネルギー開発を景気浮揚、雇用拡大のための
手段として重視してきただけに、今後、環境保護を犠牲にした開発が本格化することが
予想される。

(3)「国境壁」完成へめど

 下院共和党はこれまで、ホワイトハウスの意向に沿ってメキシコ国境全域を対象とした本格的な「国境の壁」建設のための予算配分に意欲を見せてきたが、中間選挙を前に世論動向を気にした上院共和党が慎重だったため、本格審議を見合わせてきた。しかし、選挙で勝利したことで弾みがつくことになり、大統領が要請してきた200億ドル相当の支出が正式に承認される公算が大きい。

 これと並行して、中東諸国や一部テロ支援国からの入国制限、中米諸国を対象とした不法入国者およびその家族の国外退去措置もさらに徹底されることになる。

(4)ロシア疑惑捜査にからむ人事刷新

 トランプ大統領は、これまで進められてきたロシア疑惑捜査について「でっち上げの魔女狩り」だとして、捜査の総括責任省である司法省のセッションズ長官、ローゼンシュタインタイン副長官の仕事ぶりに対したびたび不満を表明してきた。しかし、選挙で勝利したことで自信を強め、来年1月早々にも両氏の解任に踏み切り、捜査自体を早期に終了させることを画策するとみられる。

 同時に、モラー特別検察官も解任、結果として大統領としての「身の潔白」を証明する好機としたい考えだ。

(5)「人工妊娠中絶は違憲」の最終判断

 トランプ政権の強力な支持基盤であるキリスト教右派勢力は早くから、「中絶禁止」を声高に訴えてきた。このため、中間選挙での勝利を受けて大統領は年明け早々にも、正式に全米向けに禁止の大統領命令を発令する公算が大きい。

 仮に民主党系の州知事や議会が異議を唱え、最高裁に最終判断が委ねられることになったとしても、保守共和党色に染まったキャバノー新判事の就任により、保守派判事が多数を占めるため、上訴が却下され、国家としての中絶禁止が確定することになる。

【世界の景色】

(1)対中関税戦争エスカレート

 今年春以来の対中関税戦争の仕掛け人としてにわかに注目を浴び始めたホワイトハウス内のピーター・ナバロ貿易・製造政策部長(Director of Trade and Manufacturing Policy)が、中間選挙勝利によって通商代表部(USTR)以上の強大な権限を担うことになり、「中国側が譲歩するまでは関税攻勢をさらに強化する」(ナバロ氏)可能性が大きい。『米中もし戦わば』の著書もあるナバロ氏は共和党内で対中最強硬派として知られ、国内製造業復活を唱導、トランプ大統領の信任もとくに厚いとされる。トランプ・ホワイトがNAFTAを解体し、米国、メキシコ、カナダ3国間の新たな貿易取り決め「USMCA」への移行を決定したのは、ナバロ氏の提唱によるものだった。

(2)対日防衛支出増の要求

 トランプ大統領は北東アジアの軍事バランス維持に関連して、日本の防衛分担増に言及してきた。

 仮に近い将来、とくに2020年でトランプ氏が再選された場合、北朝鮮の非核化達成と引き換えに在韓米軍撤退を決断するシナリオも皆無ではない。その関連で、対日防衛増要求が一段と強まることも考えられる。 

(3)TPP再加入の検討

 ピーター・ナバロ氏はトランプ政権発足前から、アメリカにとって不利だとしてTPPからの脱退を主張してきた。

 しかし、米中関税戦争のさらなるエスカレート、今後北東アジア全域における中国の軍事拡張次第では、拡大する中国の脅威に対抗するために、中国抜きの多国間貿易取り決めであるTPPへの再加入を検討する可能性が残されている。

 すでにトランプ大統領も、再交渉で現状よりアメリカにとって有利な内容が盛り込まれることを条件として、再加入もありうる可能性を示唆している。

(4)米朝関係正常化の加速

 トランプ大統領は中間選挙勝利により、2020年大統領選での再選に向けて自信を強めることになり、外交面、とくに朝鮮半島において北朝鮮の非核化達成を含め「歴史的な成果」達成に本腰を入れることになる。

 中間選後の第2回米朝首脳会談が注目されるが、北朝鮮側が非核化に向けて、保有核戦力および核開発施設を網羅したリスト提出など具体的な姿勢をみせることになれば、それと引き換えに「朝鮮戦争終戦宣言」さらにワシントンと平壌への連絡事務所相互設置の可能性も濃厚となってくる。

 そして完全な非核化が達成された場合は、米朝関係正常化への道が開かれることになる。

(5)核戦力含め軍事力近代化と増強

 レーガン政権当時の「強いアメリカ」構想を継承し、今後、中国の軍事的脅威に対抗するため、核兵器、通常兵器両面の技術革新と軍備拡大に大胆に踏み出すことが十分予想される。 
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/14292

 

トランプ氏の支持率上昇、中間選挙への関心高まる=WSJ/NBC調査
有権者登録事務所の外に並ぶジョージア州グイネット郡の住民(19日)

By Janet Hook
2018 年 10 月 22 日 09:58 JST

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースが実施した新たな世論調査によると、米中間選挙に対する有権者の関心度は共和・民主両党とも過去最高水準に高まっており、ドナルド・トランプ大統領の支持率上昇に貢献している。一方、議会を主導するのにふさわしいとされる党では民主党がリードを保っている。

 わずか2週間後に迫った選挙の行方に大いなる不透明感をもたらしている力学にさらされながらも、有権者の間では熱気が高まっている様子がうかがえる。

 登録有権者の約3分の2は中間選挙に強い関心を示した。この割合は、WSJとNBCが2006年に共同調査を開始して以来で最高だ。

 共和党系の世論調査専門家ビル・マッキンターフ氏は「白熱した戦いだ。スイッチが入った(中略)彼らは選挙運動やプロセスに関わっている」と述べた。同氏は民主党系のフレッド・ヤング氏とともに今回の調査を実施した。

 選挙に対する共和党支持者の関心はかつて民主党支持者を大きく下回っていたが、ブレット・カバノー最高裁判所判事の承認を巡る対立の後に差が縮小した。今回の調査では、共和党支持者の68%、民主党支持者の72%が、選挙に強い関心があると答えた。中間選挙に関する調査ではそれぞれ過去最高だ。

 共和党支持者の関心が高まるにつれ、トランプ氏の仕事ぶりを評価するとの回答が就任以来で最高の47%に上昇した。評価しないとの回答は49%だった。9月の44%、52%から改善した。

 どちらの党が議会を支配すべきかとの質問では民主党がリードを保った。実際に投票する公算の大きい有権者の50%は民主党、41%は共和党が支配すべきだと答え、先月の調査とほぼ同じだった。登録有権者全体ではそれぞれ48%、41%だった。

 ヤング氏は調査の結果について、民主党躍進が広く予想されていた今年の下院選が、「共和党支持者の関心が高まっていることを受けて不透明性の激流」にのまれつつある兆しだと述べた。

 全国的には民主党の人気が高いが、最も重要な下院選挙区ではその優位性は消えている。超党派の選挙分析機関クック・ポリティカル・リポートが最も激戦とする地区では、議会を支配すべき党についての質問でさえ両党は互角だ。9月の調査では、民主党のリードは登録有権者全体の間で13ポイント、投票予定の有権者では6ポイントだった。

 選挙への関心は、ヒスパニック、アフリカ系、若者など、民主党を支持する傾向にある多くの層で急上昇した。選挙に高い関心を示した黒人有権者は3分の2超と、1〜9月の調査の平均57%を上回った。

 選挙に高い関心を示すヒスパニックは9月までの平均47%から71%に急上昇した。18〜34歳の層では平均35%から約50%に上昇した。

 接戦の場合に結果を左右することになる無党派層では、民主党が議会を主導すべきだとの回答が41%、共和党が27%だった。だが無党派層は3分の1が投票先を決めておらず、選挙への関心も低めだ。強い関心を示したのは46%にとどまった。

 女性有権者の間ではまたも民主党が優位だった。共和党が議会を支配すべきだとの回答は57%、民主党は32%と、2カ月連続で民主党が25ポイント上回った。男性有権者では、共和党が52%、民主党が38%と、共和党が14ポイント上回った。

 貿易問題への対応については、民主党支持より共和党支持の回答が17ポイント高く、8月の調査の8ポイントから差が拡大した。無党派層では共和党支持が38%、民主党支持が16%だった。

 現在の米国は分断されているとの回答は80%、共和党と民主党の政治的分断は問題だとの回答は90%に達した。

 調査は登録有権者900人(投票する可能性が高い有権者は645人)を対象に14〜17日に実施された。

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米中間選挙、政治的分断をさらに拡大へ
【寄稿】中間選挙、共和党の反転攻勢
https://jp.wsj.com/articles/SB10832262964510654670704584546692445235068


 

ビジネス2018年10月23日 / 16:58 / 1時間前更新
自然災害と通商摩擦に留意、輸出を下方修正=10月月例経済報告
1 分で読む

[東京 23日 ロイター] - 政府は23日発表した月例経済報告で、全体の景気判断は10カ月連続で「緩やかに回復している」として据え置いたが、自然災害や中国経済減速などを背景に、輸出の判断を下方修正した。海外経済については、景気減速や急速な元安などを踏まえて中国に対する見方を下方修正した。政策態度として、来年10月の消費税率の引き上げにも言及し、経済運営に万全を期すとした。

今月は景気について、「夏以降、自然災害の影響や海外経済の不確実性が景況感を押し下げていることに留意する必要がある」と指摘した。

輸出に関する判断は8月にも「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に下方修正、そして今月10月も「おおむね横ばいになっている」とさらに下方修正した。9月のアジア向け輸出は前月比1.1%減少。台風の影響で関西空港からの輸出が減少したほか、中国でのスマートフォン生産やデータセンター需要の一服などが影響したと分析した。また、先行きについても通商問題の影響に留意する必要があると指摘した。

その中国の景気については「持ち直しの動きに足踏みがみられる」とし、15年7月以来の下方修正となった。中国政府が進める構造調整の影響もあり、国内総生産(GDP)成長率が7─9月に低下したほか、インフラ関連投資が大幅に鈍化、人民元安も進んだと指摘。外貨準備の減少や貿易量の増減はまだ小幅なものにとどまっているが、今後の動向に留意が必要としている。

中川泉  
https://jp.reuters.com/article/oct-economic-report-idJPKCN1MX0W2
 

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コメント
1. 2018年10月23日 19:01:30 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[65] 報告
米銀の無利息預金が減少、将来のリスク高まる
米銀で無利息預金が全預金に占める割合

Source: Federal Deposit Insurance Corp.注: 各年6月30日時点

By
Rachel Louise Ensign
2018 年 10 月 23 日 13:45 JST
 銀行にとって、ただ同然で調達できる資金が減少している。
 米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを開始して3年近くが経過した今、銀行の顧客は利息が付かない口座から数百億ドルを引き出し、そのお金を利回りが高い別の所に移している。このため将来的に銀行の利益成長力が抑制されることになる。
 米国の4大銀行であるJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、シティグループの発表によると、4行合わせた米国内の無利息預金の残高は第3四半期に前年同期比5%の減少となった。顧客は6月30日までの1年間に米国内の無利息口座から300億ドル以上を引き出していた。連邦預金保険公社(FDIC)のデータによると、これほどの大幅な減少は10年以上ぶりだという。
 そうした預金は主に法人口座と消費者当座預金口座から成り、銀行にとって特に価値があるとされている。銀行はこうした無利息預金を融資に利用できるからだ。短期金利が上昇すると、融資による利益はさらに増大する。
 FRBは2015年12月から短期金利を引き上げ始めたが、銀行は預金者に利息をほとんど支払わない一方で、融資の金利を引き上げることで利益を増大させてきた。しかし、FRBが8回の段階的利上げを行った後、一部の顧客はより高い利回りを得るために資金を移動させており、銀行の今後の利益成長を脅かしている。
 ムーディーズ・インベスターズ・サービスのシニアバイスプレジデント、アレン・ティシュラー氏によると、無利息の預金は「銀行にとって最も重要な資金調達基盤」だという。「それを失い始めると、将来の利上げで利益を上げられなくなってしまう」
 金融危機が起きる以前、無利息預金が銀行の総資金に占める割合はずっと小さかった。FRBは2007年、数々の経済問題に対処するために利下げを始めた。FRBは7年にわたって金利を0%近辺に据え置くという前例のない措置をとった。
 銀行業界のマネー・マーケット・ファンド(MMF)や普通預金口座の利息はあまりにも長いあいだ非常に低かったので、多くの個人預金者はまったく利息が付かない当座預金口座に資金を預けることを選んでいた。
米銀の無利息預金の増減(純額)

Source: Federal Deposit Insurance Corp.注: 各年6月30日時点

 無利息の預金は法人顧客にとってもより魅力的となった。金融危機後の数年間、政府がそうした口座の多くに無制限の保険を提供したからだ。法人顧客にとってのインセンティブはまだある。無利息の口座に預金しておくことで稼げるクレジットで、銀行が提供している他の商品の手数料を賄えることが多いのだ。金利があまりにも低いということを踏まえると、そうしたクレジットには、利息が付く口座で得られる利息よりも価値がある場合が多い。
 FRBが2015年12月に利上げを始めたとき、銀行は利益面ですぐに恩恵を受けた。銀行はクレジットカードや企業向け信用供与枠といった特定の融資で金利を引き上げ始めたが、預金者への利息をすぐに引き上げることはなかったからだ。
 銀行は、一部の抜け目のない法人顧客や富裕層向け口座の顧客のために徐々に利息を引き上げ始めた。さもないと彼らは他の場所に資金を移してしまうかもしれないからだ。それでも無利息口座の預金残高は増え続けた。
 その傾向は今、ゆっくりと反転しつつある。FDICのデータによると、無利息口座の預金残高は第2四半期に約3兆2000億ドルで、米銀の国内総預金残高の26.3%を占める。これは金融危機以前の水準と比べるとかなり大きな割合だが、1年前の27.5%からは縮小している。金額にすると、無利息口座の残高は約306億ドルも減少した。
関連記事
• トランプ氏の相次ぐFRB批判、政策決定を複雑に
• 【社説】バーナンキ時代の後始末


 
バロンズ】グリーンスパン元FRB議長、トランプ政権について語る
アラン・グリーンスパン氏(4日、ワシントン)

By Reshma Kapadia
2018 年 10 月 23 日 06:44 JST

? やがて米国に迫り来る難題

 アラン・グリーンスパン氏は、1987年から2006年まで米連邦準備制度理事会(FRB)議長を務め、投資家や政治家、各国の中央銀行総裁の間で人気を博し、往々にして理解し難い同氏のコメントに注目が集まった。最近、雑誌『エコノミスト』の政治エディター、エイドリアン・ウールドリッジ氏と共著で「Capitalism in America(アメリカの資本主義)」という著書を出版した。両氏によると、米国の経済的成功の鍵は、「創造的破壊」を可能にし、許容できる点にあり、移民の国であること、また連邦政府の権限を抑制する憲法によって醸成された起業家精神によって強化されてきた。しかし、最近はこの破壊的創造を示す指標は悪化している。地理的・社会的移動が困難になり、会社の新規設立ペースは1980年代以降最も低調で、業界再編の進行により主要なセクターの4分の3で競争が緩やかになった。

本誌:トランプ政権の経済成長率目標の3%は持続可能か?どの程度が現実的か?

グリーンスパン氏:持続可能とは思わないが、具体的な数字は避けたい。社会福祉に1ドル使えば、その結果貯蓄が1ドル減少する。国内総貯蓄は元来インフラ整備や民間企業の設備投資の資金を提供してきたもので、生産性の向上に貢献してきた。

Q:国内の貯蓄の減少、あるいは社会福祉予算の大幅な増加があったか?

A:国内総生産(GDP)比貯蓄率は1965年以降徐々に低下してきた一方、対照的に社会福祉予算は同期間に徐々に増加している。必ずしもそのペースが加速しているわけではないが、財政や民間の設備投資にとってますます重しとなっている。かつて生産性の伸びは年率2%を超えていたが、最近5年は1%程度だ。社会福祉予算が生産性の向上を鈍化させ、それがGDP成長率を押し下げる重要な要因となっている。

Q:著書の中で、今後米国の65歳以上人口は3000万人増加するのに対し労働人口は1400万人の増加にとどまり、米国がこれまで直面した中で最大の「財政的難題」につながると述べているが?

A:米国社会保障局が発表した2018年の老齢・遺族・障害年金保険信託基金に関する報告書によると、基金は積み立てられている。しかし保険数理士は基金を健全に保つには給付金を25%カットしなければならないと述べており、この情報は非常に重要なのにもかかわらず、同報告書には書かれていない。この点について議論するのは政治的に正しくないというわけだ。給付金の費用が税収を上回ったため資金不足に陥ったことは以前にもあったが、一般財源から充当し、給付金の支払いを減らすことはなかった。これも財政赤字の一因で、政府債務の増加要因となっている。

Q:政界での経験から福祉給付の扱いは難しいとの認識はあると思うが、現実的に可能なことは何か?

A:社会福祉予算は、人口の高齢化とともに一層増加することは明白だ。福祉給付金を減らそうという傾向はこれまで全くない。その結果が今表面化してきている。

? 世界的なポピュリズムの高まり

Q:非常に鈍い生産性の伸びが危機の発端となるか?

A:[うなずく]生産性の伸びが鈍化し、GDP成長率が鈍化すると誰もが不満を感じ、それがポピュリズムの原因となる。これは米国だけの問題ではない。主要経済国の約半分は過去5年間の被雇用者1人当たりの生産高で見た生産性の伸びが1%以下だ。これは非常に悪い数字だ。

Q:どのような結果が生じるか?

A:英国のEU離脱問題は、GDP成長率の鈍化に伴って急に議論されるようになった。米国でも事情は同様だ。ブラジル、ペルー、アルゼンチンでも同じで、お決まりのようにポピュリスト政府が出現する。資本主義、共産主義、社会主義は理論的に整然とした考え方だが、ポピュリズムは非理性的だ。

Q:ポピュリズムは中国との貿易摩擦激化につながった。貿易戦争は経済にどう悪影響を及ぼすか?

A:関税は、結局物品税と全く同じだ。外国からの輸入品に関税をかければ自分の足を銃で撃っているようなものだ。相手が苦しめば自分が勝つというわけではなく、貿易戦争に勝者はいない。

Q:危機が醸成されつつあるのはどこか?

A:何かを無視し続けると、その間に危機が醸成されるものだ。最近では、連邦財政が軽視されている。来年度は1兆ドルの財政赤字になる予定だが騒ぐ者もいない。結果が目に見えるまで、誰も自分の財布に影響がないと思っている。政治家も有権者の前で財政赤字の話をしない。しかし、インフレが4〜5%になると、政治的に破滅的だ。インフレは一旦上昇し始めると、もはや安定化させるには遅過ぎる。そうなると、景気後退とインフレが同時進行するスタグフレーションに向かう。1980年代に一度起きたことがある。

Q:量的緩和(QE)の巻き戻しに関しては、特に発展途上国への影響が懸念されているが、FRBはその点も考慮すべきか?

A:FRBの行動に関する発言は差し控えたい。QE終了の影響として金利が上昇している。債券市場はバブルだと言ってきたが、依然としてバブルの中にある。バブルは何も起こらない間も膨らみ続けるという性質があり、この点が問題だ。

Q:投資家は安全を求めて債券を頼りにするが、もはやそう考えてはいけないのか?

A:火星に人がいると信じる人もいる。

Q:著書の中で金融システムの脆弱(ぜいじゃく)性と金融技術の発展でリスクが高まる危険性について述べているが、金融危機後に導入された措置を廃止すべきだとの意見についてどう思うか?

A:銀行システムのリスクは資本剰余金の要件を強化することでもっと効率的に低減できると私は考える。

? 1990年代のスウェーデンの政策に学ぶ

Q:米国経済を再び強くする方法は?

A:1990年代のスウェーデンの政策を見てみよう。対策が後手に回り、社会主義的な国のため事態は今の米国より悪かった。ついに金融危機に直面し、システム全体が崩壊寸前だった。そこに新政権が大改造を実行し、年金制度を確定給付型から確定拠出型に変更した。同国の過去5年間の生産性の伸びは年率1.3%で、他国よりましだ。われわれは信託基金で運用される全ての社会保障制度を確定拠出型にする必要がある。

Q:米国が行動を起こすには、崩壊の危機が必要なのか?

A:もちろん。危機というものは足元に来るまで分からない。だから危険なのだ。

Q:スウェーデンは小国で、政治制度も異なる。米国でうまくいくか?

A:スウェーデンの方が合理的に行動するという意味かどうかは分からないが、その懸念はもっともだ。例えば、保険数理士が「基金はあと何年間か枯渇しない」と言えば良いように聞こえるが、実際はそうではない。基本的には「確定給付制度を維持する能力がない」と言っているのだが。

Q:そう言えば人々の注意を引くかもしれない。著書のためのリサーチで意外だった点はあるか?

A:綿繊維と種子を人の手より速く簡単に分離する綿繰り機の発明が非常に重要だったことがよく分かった。この機械によって南部で生産されていた短繊維綿の生産能力が高まり、利益を上げるため、より多くの奴隷が必要となった。短繊維綿の生産が盛んになるまではアメリカは奴隷制廃止の途上にあり、南北戦争も起きなかったはずだ。小さな事が事態を変える例は多くあるものだ。


 

 

 

【バロンズ】パウエルFRB議長の強い意志、景気への影響は
PHOTO: TIAGO RODRIGUES
? 意外と低調な住宅市場

 FRBの利上げを批判する声は高まっているが、その中で借入金利全体に影響が広がっており、30年固定の住宅ローン金利は先週、4.95%に達した。1年前からでは1%ポイント近くの上昇で、住宅市場の重しになるとみられている。

 ミレニアル世代が家族を持つ年齢に達し、雇用の成長は力強く、消費者信頼感は高く、住宅ブームの条件はそろっている。一方で、住宅着工件数は年率換算で120万戸と、前回ピークの200万戸強を大幅に下回っており、高い住宅ローン金利がその原因に違いない。

 一方で、調査会社であるTSロンバードのチーフ・エコノミストであるスティーブ・ブリッツ氏は、「最も簡単な答えが常に正しいとは限らない」と言う。値頃感は、住宅ブームとその後の金融危機を引き起こすきっかけとなった与信基準引き下げ前の、今世紀初頭頃の水準まで低下している。

 また、同氏は、住宅金利よりも実質賃金の方が重要な可能性があるとレポートしている。実際、新築住宅販売件数が昨年11月のピークから今年8月にかけて11.7%減少したのは、実質賃金低下が主因の可能性がある。アトランタ連銀の賃金上昇トラッカーによると、働き盛りの従業員の賃金上昇率は約3.5%で推移しており、インフレ率で調整すると1%強の増加にすぎなくなる。ブリッツ氏は、多くが学生ローンを抱えている若い家庭にとって、さらに住宅ローンを負担するにはこの伸び率では不十分だ、とレポートしている。

 他にも理由がある。ブラックロック(BKL)の最高経営責任者(CEO)であるラリー・フィンク氏は先週のCNBCのインタビューで、「税制変更が多くの人々にとって住宅の値頃感をいかに変化させたかについて、誰も話したがらないことが最大のリスクだ」と語っている。

 連邦税申告の際の州・地方税控除の上限が年間1万ドルになったことは、カリフォルニア州などの所得税が高い州で既に影響を及ぼしている。しかし、マイアミやダラスといった都市の60万〜70万ドルの住宅も影響を受ける可能性がある。フロリダ州とテキサス州は州の所得税がないことで有名だが、それでも住宅価格が高い地域の不動産税は1万ドルの控除上限を超える可能性がある。

 中古住宅販売は、9月にかけて6カ月連続で減少している。9月の販売件数は前月比3.4%減少し、11月のピーク比では9.3%減少となった。不振の原因として在庫の少なさが挙げられているが、それを疑う声もある。中古住宅価格の上昇率も、昨年9月の5.3%から今年9月には4.2%へ減速しており、住宅の改修・改築支出も減速すると予想されている。

? 景気にも重しに

 このトレンドを受けてクレディ・スイスは先週、ホームセンター大手のホーム・デポ(HD)とロウズ(LOW)の投資判断を引き下げた。住宅建設会社の株価は既に弱気相場に転じており、上場投資信託(ETF)のiシェアーズ米国ホーム・コンストラクションETF(ITB)の株価は1月初めの高値から3分の1超下落している。SPDR S&PホームビルダーズETF(XHB)も同様の下げとなっているが、上位保有銘柄10社のうち建設会社はわずか3社だ。保有比率が最大となっているキッチン・インテリア用品販売のウィリアムズ・ソノマ(WSM)の、直近のピークからの下げ幅は19%で、弱気相場の標準である20%に若干届かない状態だ。

 バンクオブアメリカ・メリルリンチのエコノミストも、住宅が経済にとって若干の追い風から弱い逆風に転じるとしている。アドバイザリーのキャピタル・エコノミクスは、住宅価格暴落の公算は小さいが、注目されているS&Pケースシラー住宅価格指数が来年には実質ベースで低下に転じる可能性があると予想する。過去最低水準の失業率や低い住宅ローン金利の時代に予想されるであろう堅調な経済成長と比較すると、これらはかけ離れた見解だ。


 

バロンズ】サウジ記者殺害疑惑、経済にも余波
ムハンマド皇太子
ムハンマド皇太子 PHOTO: FAYEZ NURELDINE/AFP/GETTY IMAGES
By Bill Alpert
2018 年 10 月 23 日 06:42 JST

? 「砂漠のダボス」への大打撃

 ワシントン・ポスト紙のコラムニスト、ジャマル・カショギ氏の殺害疑惑により、サウジアラビアは、「砂漠のダボス」として知られる会議の引き立て役の大半を失っている。今週、サウジアラビアの政府系ファンドが主催する投資会議「フューチャー・インベストメント・イニシアチブ(FII)」が首都リヤドで開かれる(会期10月23日〜25日)が、JPモルガン・チェース(JPM)のジェイミー・ダイモン氏、ブラックロック(BLK)のラリー・フィンク氏、ブラックストーン・グループ(BX)のスティーブン・シュワルツマン氏といった金融界の大物が参加見送りを表明しているのに加え、ムニューシン米財務長官も出席を取りやめた。

 サウジの工作員がイスタンブールのサウジアラビア総領事館内でカショギ氏を拷問の上、殺害し、遺体を切断したという血なまぐさい疑惑は、投資会議のテーマとなるはずだった成長物語を狂わせた。サウジアラビア政府はカショギ氏が殴り合いの末に死亡したと認め、18人のサウジアラビア人を拘束したと発表した。

 かつてサウジアラビアとのビジネスといえば、石油、化学、軍需産業を意味していたが、今では資金的なつながりが幅広く深くなっている。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子はサウジアラビア経済の多様化に力を入れ、ウーバー・テクノロジーズのようなシリコンバレー企業やソフトバンク(9984)と共同設立したようなベンチャーファンドとの取引を主導してきた。多くの米国企業や資産運用会社が、サウジアラビアの政府系ファンドである「公共投資ファンド(PIF)」の資金を受け入れているが、それを返したいとは思わないだろう。多くの著名人の欠席を受け、投資会議が予定通り開催されるのかPIFに尋ねたが、回答は得られなかった。

? 米議会の反応

 カショギ氏の事件によって、サウジアラビアのビジネスパートナーは、中世的な人権意識を持つ絶対君主制国家と手を結んでいることを改めて認識させられている。問題は、これらのパートナーの対応が、1つの会議への世間の注目から身をかわすだけで済むかどうかということだ。米国政府に対し制裁措置を求める圧力が高まれば、しばらくの間は注目が続く可能性がある。手始めとなるのは、「グローバル・マグニツキー法」である。これは、ロシアの財務省を舞台とした2億3000万ドルの横領事件を告発し、モスクワで獄死したセルゲイ・マグニツキー氏にちなんで命名された2つの人権法のうちの1つで、超党派の米上院議員22人は、同法の下での調査を求めている。

 マグニツキー法は、著しい人権侵害を犯した個人に対する米国への入国禁止と資産凍結を認めている。サウジの過失責任が明らかになれば、「砂漠のダボス」の招待者リストから誰が抜けたかではなく、マグニツキー法関連リストに誰が載っているかが話題になるだろう。しかし、少数の手先に罪を負わせ、上層部の責任が問われないことになれば、そのプロセスには限界がある。

? 影響はソフトバンクの「ビジョン・ファンド」にも

 トランプ大統領も指摘しているように、サウジアラビアは大金をばらまいている。米国の防衛産業にとって、サウジは最大の顧客であり、ハリバートン(HAL)、マクダーモット・インターナショナル(MDR)、ジェイコブス・エンジニアリング(JEC)、エアー・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(APD)、ネイバーズ・インダストリーズ(NBR)、ローワン・カンパニーズ(RDC)といった石油・化学関連の上場企業の重要顧客でもある。サウジアラビア政府が米国居住者をその発言を理由に虐殺したという調査結果が出た場合の対応についてこれらの企業に尋ねたが、いずれも答えてくれず、サウジにジェット戦闘機を納入しているロッキード・マーチン(LMT)からも回答はなかった。一方、PIFからかなりの出資を受けるドイツのコンテナ船運航会社ハパックロイド(HLAG、ドイツ)の広報担当者は、「現時点では、サウジアラビア関連の活動の変更は検討していない」と述べた。

 サウジの大規模出資が注目を集めたソフトバンクのビジョン・ファンドは、運用資産930億ドルの半分近くをPIFの資金が占め、ムハンマド皇太子はブルームバーグの取材に対し、「私たちがソフトバンク・ビジョン・ファンドの創設者であり、PIFなくしてビジョン・ファンドは存在しない」と述べている。ソフトバンクの幹部は先週火曜日、今回の事件を「注視」していると記者団に語った。一方、ブラックロックのフィンク氏はCNBCに対し、同社がサウジアラビアとのビジネスから「撤退」することはないと述べ、プライベート・エクイティ大手のブラックストーンは、400億ドル規模のインフラストラクチャー・パートナーシップについて、依然として資金の半分をPIFから獲得するとの見通しを示している。

 ムハンマド皇太子により一般向けの娯楽が解禁され、映画館を運営するAMCエンターテインメント・ホールディングス(AMC)やアイマックス(IMAX)、そしてテーマパーク運営のシックス・フラッグス・エンターテインメント(SIX)による大規模な計画が発表されている。カショギ氏の失踪について話したがる者は1人もいなかった。さらに、ワールド・レスリング・エンターテインメント(WWE)では、サウジアラビアでの興行が、既に利益に貢献している。カショギ氏をめぐる事件で筋書きが変わるか尋ねたが、WWEの広報担当者は「現在、状況を注視している」と述べた。

孫氏、サウジ投資会議で講演取りやめ 出席の可能性も
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(4日)
By Nicolas Parasie and Rory Jones
2018 年 10 月 23 日 16:20 JST

 【リヤド】ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が、サウジアラビアで開催される投資会議「未来投資イニシアチブ(FII)」での講演を取りやめることが分かった。ただ会議には出席する可能性があるという。FIIの広報担当が23日明らかにした。

 ソフトバンクの広報担当にコメントを求めたが返答は得られていない。

 トルコのサウジ総領事館で同国政府に批判的な著名記者が殺害されたことを巡り、ここ2週間で数十人の大手企業幹部や政府関係者が相次いで会議を欠席する意向を示している。

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孫氏、サウジの投資会議で講演取りやめ
ネット・IT 中東・アフリカ IoT モバイル・5G
2018/10/23 17:19
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米ウォール・ストリート・ジャーナル電子版は23日、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が、サウジアラビアの首都リヤドで開かれる投資会議での講演を取りやめると報じた。投資会議「フューチャー・インベストメント・イニシアチブ(FII)」の広報担当者によると、講演は取りやめるが会議には出席する可能性があるという。

トルコのサウジ総領事館で著名記者が殺害された事件を受け、米ライドシェア大手ウーバーテクノロジーズのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)など経営者が相次いで不参加を表明。三菱UFJ銀行の三毛兼承頭取も欠席するなど影響が広がっていた。ソフトバンクグループは孫氏の予定について明らかにしていない。

サウジ政府系の公共投資ファンド(PIF)は、運用額10兆円規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」に半分近くを出資する。石油依存からの脱却を目指す同国は、米ウーバーなどデータを駆使した世界の成長企業に投資するソフトバンクとの連携を深めている。FIIのウェブサイトによると、孫氏はFIIの諮問委員に名を連ねている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3681615023102018000000/

 

 


トランプ氏、中米援助打ち切ると表明−移民集団北上で民主党を非難
Toluse Olorunnipa、Nick Wadhams、Eric Martin
2018年10月23日 10:54 JST
中米から米・メキシコ国境を目指す移民集団、7000人に拡大
移民法改正に賛成しない民主党を非難してほしい−トランプ氏
トランプ米大統領は22日、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルへの対外援助を打ち切るか、大幅に削減する考えを示した。中米から数千人の移民が米・メキシコ国境を目指し北上を続けていることが背景。

  トランプ大統領は11月6日の米中間選挙を前に不法移民を争点とすることを狙い、こうした中米からの移民の「キャラバン」は民主党に責任があると主張。「不法入国者や不法入国を試みる者のキャラバンを見るたびに民主党を思い出し、わが国のお粗末な移民法の改正に賛成票を投じない民主党を非難してほしい!」とツイッターに投稿した。

  援助の打ち切りはそれほど容易ではない。これら中米3カ国向けの援助資金の大半は、腐敗防止や望ましい統治を促進するプログラムといった形で米議会によって充当されたもので、議員の幅広い支持を得ているためだ。


米国に向かう移民集団と話すメキシコ連邦警察の警官(10月21日)フォトグラファー:Pedri Pardo / AFP via Getty Images
  トランプ氏は先週、ホンジュラス出身者が大半を占める中米からの移民の流入が阻止されなければ、米国が中米諸国に対する「全ての」対外援助を打ち切ると表明していた。同氏は22日、移民集団には犯罪者や「身元不明の中東出身者」が含まれていると主張したが、その証拠は示さなかった。


北上する移民(メキシコ・チアパス州、10月21日)フォトグラファー:Pedri Pardo / AFP via Getty Images
  トランプ氏の22日のツイートは、FOXニュースが移民集団の複数の映像を放映し、規模が7000人に拡大したと伝えたことを受けたもの。

原題:Trump Says He’s Ending Central American Aid Over Migrant Caravan(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-23/PH10WQ6KLVRK01

ワールド2018年10月23日 / 00:32 / 6時間前更新
トランプ大統領、中米への援助削減を表明 「移民集団」は非常事態
1 分で読む

[ワシントン/タパチュラ(メキシコ) 22日 ロイター] - トランプ米大統領は22日、中米から米国を目指して北上する移民集団(キャラバン)の問題は国家の非常事態で、中米3カ国への援助を削減すると言明した。

トランプ大統領はツイッターへの投稿で「グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルは移民集団の出国と米国への不法入国を阻止することができなかった」とし、米国が実施してきているこれら3カ国への経済援助を「停止、もしくは大幅に削減する」と述べた。

トランプ氏はさらに「悲しいことにメキシコの警察や軍隊は米南部国境に向かうキャラバンを制止できないようだ。これは国家の非常事態であり、私は国境警備隊や軍隊に警戒するよう指示した」と述べた。

中間選挙を前に共和党の支持拡大に向け、移民問題に強硬な姿勢を示したものとみられる。

トランプ氏はまた、記者団に対し、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルは米国の海外援助で「多額の資金」を得ているにもかかわらず、「他の多くの国と同様に米国のために何もしていない」と述べた。

さらに証拠を示さず、「犯罪者や身元不明の中東出身者」がキャラバンに紛れ込んでいると語った。

民主党のニタ・ローウィ下院議員は、援助削減に関するトランプ氏の発言について「資金に関する権限は大統領ではなく、議会にあることを無視」していると批判。議会は中米諸国の人々が母国を去る根本的な原因にこれらの国が対処できるよう支援しているとし、「資金削減は問題を悪化させる」と指摘した。

メキシコのナバレテ内相は22日、記者会見で、ホンジュラス人1128人がメキシコで難民認定を申請したと明らかにした。

メキシコのペニャニエト大統領はこれとは別に、ビジネス会議で、規則に従わないキャラバンはメキシコにとどまることも米国に到達することもできないと語った。

米国防総省のデービス報道官は、国境付近では現在、州兵が国土安全保障省の支援に当たっているとした上で、国防総省は支援を求められていないと説明した。

トランプ大統領就任後、米国は中米諸国への援助を大幅に縮小。米政府の公式データによると、来年までに、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル3カ国を合わせた経済援助は2016年の水準から約40%減少する見通し。

*内容を追加しました。
https://jp.reuters.com/article/usa-immigration-caravan-idJPKCN1MW21Y

 

中米の移民集団5千人に メキシコ南部、米国目指す
北米 中南米
2018/10/22 21:23

https://www.nikkei.com/content/pic/20181020/96958A9F889DE1E4E5E1E0E3E6E2E0E2E3E2E0E2E3EAE2E2E2E2E2E2-DSXMZO3673212020102018NNE001-PB1-2.jpg

【ロサンゼルス=共同】中米ホンジュラスから米国に向け、メキシコ南部を北上する約2千人の移民集団に21日までに新たなグループが合流し、約5千人にふくれあがった。メキシコのメディアなどが報じた。同国政府は人道的措置として入境を黙認したもようだが、米国への違法入国は認めない方針を強調している。

移民問題を11月の米中間選挙の「重大争点」と位置付けるトランプ大統領は21日、「南部国境からの不法移民の襲来を全力で抑え込んでいる」とツイッターに投稿し、移民対策強化の必要性を繰り返した。

関係者らによると、約2千人の移民集団がグアテマラからメキシコに入境した後、新たなグループも国境沿いの川を渡るなどして合流した。メキシコ政府は国境付近の南部タパチュラの施設に徒歩やバスなどで誘導。これまでに約千人の亡命申請を受理し、資格の有無を調べている。

中米の移民集団がメキシコ入り 米国務長官は阻止要請
2018/10/20 6:50日本経済新聞 電子版
 【メキシコシティ=丸山修一】米国入りを目指して北上を続けている中米ホンジュラスを中心にした数千人に及ぶ大規模な移民集団がメキシコ国境を越え始めた。19日午後(日本時間20日未明)には集団の大部分が一気にメキシコ側に流れ込んだ。同日、ポンペオ米国務長官はメキシコシティを訪問。ビデガライ外相に集団が米国に着く前に阻止するように要請した。

米国を目指しメキシコ国境に押し寄せた移民集団=ロイター

 現地報道によると、メキシコの国境付近に到着した移民集団の大半が19日午後にグアテマラ側の国境管理事務所を通過し国境にかかる橋を渡り始めた。メキシコ側は手続きのため移民を国境管理事務所の前にとどめたため国境の橋は一時、移民で埋め尽くされた。ただ手続きは始められ入国が始まっているようだ。一部は国境を流れる川を直接渡り、そのままメキシコに入っている。

 メキシコ政府は旅券や査証を持つか、難民申請をする場合は入国を認める方針で、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と協力しながら対応にあたる。ナバレテ内相は移民に対して秩序ある行動を取るように求めており、「50〜100人ずつ手続きをするように移民側と合意していたが守られなかった」と混乱を批判。移民側に改めて合意を守るように求めた。

 同日、メキシコを訪問したポンペオ氏は「記録的な人数のホンジュラス移民が米国に向かっている。米国に到着する前に止まってほしい。メキシコがどう対応するか強い関心を持っている」とメキシコ政府に移民集団の阻止を求めた。ビデガライ外相は移民集団が4千人規模になっていると指摘し「移民の希望を考慮しながら人道に配慮した形で法律を適用する必要がある」と話した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36732140Q8A021C1000000/


トランプ氏、メキシコ国境に軍派遣も 不法移民対策で
2018/10/19 6:12日本経済新聞 電子版
 【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は18日、メキシコが不法移民の流入を阻止しなければ国境に軍を派遣して閉鎖すると警告した。ホンジュラスなど中米諸国から米国への移住を目指す集団が北上を続けるなか、メキシコ政府に対応を促した。11月6日の中間選挙を控え、争点の一つである不法移民対策で改めて強硬姿勢を打ち出している。

トランプ米大統領=ロイター
トランプ米大統領=ロイター

 トランプ氏はツイッターで「犯罪や薬物の流入など米国への攻撃は大統領として貿易よりもはるかに重要だ」と述べた。9月末に妥結したUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)よりも重視すると指摘し、メキシコ政府に圧力を強めた。

 野党・民主党についても「開かれた国境や既存の緩い法律を欲している」と主張。不法移民対策が進まない責任を同党に押しつけた。

 大統領選で不法移民対策を公約に掲げたトランプ氏は、中間選挙が近づくなかでこの問題への言及を増やしている。17日にも「共和党にとって中間選挙の大きな争点だ」と語り、民主党や中米諸国への批判を展開した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36673870Z11C18A0000000

メキシコ、国連に支援要請へ 中米移民の集団北上で
2018/10/19 7:06日本経済新聞 電子版
 【ケレタロ(メキシコ中央部)=丸山修一】中米ホンジュラスなどから数千人規模の移民の集団が米国に向けて北上している問題でメキシコ政府は18日、国連に協力を要請する方針を明らかにした。トランプ米大統領が集団の北上をやめさせるよう求める中、集団の一部はグアテマラとメキシコの国境付近まで到達していると見られ、メキシコ政府は対応に迫られている。

トラックに乗って米国を目指すホンジュラス移民(18日、グアテマラシティ)=EFE
トラックに乗って米国を目指すホンジュラス移民(18日、グアテマラシティ)=EFE

 メキシコ政府はすでにパスポートやビザなど入国に必要な書類を持つ移民と、難民申請をする場合以外は強制送還の対象にすると警告。グアテマラとの国境付近での警備を大幅に強化して集団の北上に備えている。

 現地からの報道によると、数百人の移民がすでに集団から離れてホンジュラスに戻った一方、新たな集団が北上を始めている。トランプ氏が移民の北上を激しく批判する中で、メキシコを含めた中米各国の対応が注目される。


ホンジュラス移民、米国目指し3千人が北上
2018/10/18 5:39日本経済新聞 電子版
 【メキシコシティ=丸山修一】中米ホンジュラスから米国への移住を目指す約3千人の集団が北上を続けている。一部はすでに隣国グアテマラに入り、さらに移動する。トランプ米大統領はホンジュラス政府に援助停止をちらつかせて北上を阻止するよう警告した。ホンジュラス政府も集団に加わらないように呼び掛けているが、動きは止まっていない。

米国を目指して集団で北上するホンジュラス移民=ロイター
米国を目指して集団で北上するホンジュラス移民=ロイター

 集団は13日にホンジュラス北部のサンペドロスーラを出発。当初は100人規模だったが徐々に参加する人数が増え、国連によると3千人規模に達している。貧困に加え、犯罪組織による暴力から逃れるためとみられる。17日に300人規模の新たな集団が北上を始めたとの報道もある。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36620700Y8A011C1000000
 トランプ氏は16日、ツイッターで「集団を止めなければホンジュラスには金も支援も与えられない」と警告した。グアテマラ当局は集団を組織する活動家を拘束したほか、メキシコ政府もグアテマラとの国境付近で警備を強化。必要な身分証明書や査証がなければ入国は許可しないとしている。


 

 

バロンズ】新興国市場の行方:プロ4人が斬る
【バロンズ】新興国市場の行方:プロ4人が斬る
PHOTO: EDDIE GUY
By Reshma Kapadia
2018 年 10 月 23 日 06:47 JST

? 新興国の長期的な魅力は不変

 今年の新興国市場は極めて不調である。しかし、新興国市場に長期的な魅力があることは変わらない。世界の人口の83%が新興国に居住しているだけでなく、その約半分は中産階級である。こうした消費者の旺盛な需要に対応した新たな産業が、投資家が望む変化や成長を生み出している。新興国株式が米国株式に対して大幅なディスカウントとなっている現在こそ、割安な銘柄の買い入れや、有望な銘柄の発掘を行うべきだ。

 本誌は、1990年代後半からグローバル市場で積極的に活動している4人の投資家を招き、ラウンドテーブルを開催した。参加者は、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントの新興国市場責任者兼チーフグローバルストラテジストのルチール・シャルマ氏、オッペンハイマー・デベロッピング・マーケッツ・ファンド(ODMAX)のマネジャーであるジャスティン・レベレンツ氏、ベイリー・ギフォード・エマージング・マーケッツ・グロース・ファンド(BGEHX)の共同マネジャーであるリチャード・スネラー氏、投資顧問会社ロンデュア・グローバル・アドバイザーズ創立者のローラ・ゲリッツ氏である。

 4人は、直近の急落は終了していないものの、多くの新興国は投資家の想定よりも良好な状態にあると考えている。第3四半期国内総生産(GDP)成長率が約10年ぶりの低水準である6.5%となった中国でさえ、成長のための燃料をまだ大量に残している。

? 一段の下落はあり得るか

本誌:今年の新興国市場の不調の原因は?

シャルマ氏:新興国市場は、10年間の急成長を経て「過剰」な部分の削減に取り組んでいる。ブラジルは過剰な歳出、トルコなどは過剰な金融緩和、中国は過剰な債務だ。削減は5〜6年続いていたが、米国のドル高と利上げによって、今年は注目を浴びた。

レベレンツ氏:利上げによって資金が米国に回帰しており、トルコなどの脆弱(ぜいじゃく)な国々は非常に苦しい立場にある。中国の経済成長の減速も要因の一つで、これにブラジルの大統領選などが重なった。さらに原油価格が上昇し、インド、トルコ、インドネシアなど産油国以外の国々が打撃を受けている。

リチャード・スネラー氏
リチャード・スネラー氏 PHOTO: RICHARD SNELLER PHILIP VUKELICH
Q:新興国市場は今後下落するか、それとも反発するか?

レベレンツ氏:新興国株式は適度に良好な状態にあるように見える。ほとんどの国は柔軟な通貨を持ち、財政収支は大きな問題ではない。問題が悪化する場合、影響が表れるのは新興国債券だろう。新興国債券の投資先は東欧、アフリカ、中南米に大きく偏っているが、株式の投資先はアジアが70%を占める。

ゲリッツ氏:株価収益率(PER)は10月初めに過去10年平均まで低下した。優良銘柄も打撃を受け始めている。底打ちまでは若干の下落余地があるかもしれない。

シャルマ氏:米国とその他地域のバリュエーション格差は1990年代後半以来の水準まで拡大している。新興国市場は今後5〜7年にわたって投資すべき地域だ。問題は株価が一段と下落する可能性があるか否かだ。私は中国について懸念している。歴史上、過去10年の中国ほど多額の債務を抱えた国は存在しない。中国国債は国内投資家が保有するため、問題ないとされていた。中国は経済が減速しても、刺激策によって成長を促進することができた。だが米金利が上昇する中、資金流出のリスクなしに金融緩和はできない。

レベレンツ氏:私は中国について懸念していない。経済成長は減速するとみられるが、今後5年間の年複利成長率は5%を維持することができる。これは依然として世界の経済成長の30〜40%に相当する。中国の根本的な問題は、貯蓄率が高過ぎることだ。中国ほど財政に余裕がある国は存在しない。GDP比の財政赤字は小さく、銀行を救済するために多額の準備資産を保有している。

シャルマ氏:だが、過去10年間で債務は大幅に増加し、貯蓄率は2008年から変化していない。

? 小国や小型株に注目

Q:現在の中国をはじめとする新興国に投資する最善の方法は?

ゲリッツ氏:現在はネットキャッシュの状態にある新興国企業が数多く存在する。例えば中国でファストフードチェーンを展開するヤム・チャイナ・ホールディングス(YUMC)だ。同社の割安な株価は、債券発行と自社株買いによって上昇する大幅な余地がある。

ローラ・ゲリッツ氏
ローラ・ゲリッツ氏 PHOTO: LAURA GERITZ. PHILIP VUKELICH
スネラー氏:当社ファンドの上位10銘柄の平均PERは、過去10年平均を若干下回る。割安である理由は、こうした企業の多くの成長が改善していることだ。これらの銘柄には、中国の平安保険集団(2318.香港)、インドのHDFC銀行(HDB)、韓国のサムスン電子(005930.韓国)が含まれる。

シャルマ氏:超大型ハイテク株や大国以外の銘柄は見落とされている。こうした銘柄の多くは、成長見通しが良好である。中国、韓国、台湾が新興国市場指数の約60%を占めており、ポーランド、フィリピン、トルコなどはそれぞれ約1%ずつにすぎない。私の投資アイデアは、超大型株を売却して、小規模な国や企業を買うことだ。東南アジアや東欧などの企業に投資機会がある。

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ゲリッツ氏:私も賛成だ。過去1年間のパフォーマンスは、時価総額が小さいほど悪かった。多くの小型株のファンダメンタルズが良好だったにもかかわらず、中東の物流会社アラメックス(ARMX.UAE)や、フィリピンでセブンイレブンを運営するフィリピン・セブン(SEVN.フィリピン)などの株価は出遅れた。その理由は、解約に備えるため、運用者がパフォーマンスの良かった小型株やフロンティア市場の銘柄を売却したことだ。

Q:現在の貿易摩擦は新興国市場にどのような影響を与えるか?

スネラー氏:問題は貿易ではない。ロシアのプーチン大統領が述べた通り、人工知能(AI)における勝者が世界を制する。現在の問題の中心にあるのは知的財産権の保護だ。

レベレンツ氏:中国は世界最大の知的人材プール、多額の資本、膨大なデータを有する。電子商取引大手のアリババ・グループ・ホールディング(阿里巴巴集団、BABA)などに素晴らしい投資機会があるだろう。

ゲリッツ氏:アジア諸国の中では、ベトナムが輸出に最も依存している。人民元が下落した場合、ベトナムは輸出競争力を高めるために自国通貨を切り下げるだろう。しかし、長期的には、製造業者は貿易リスクを最小化するため、生産拠点をベトナムに移転するとみられる。こうした理由などから、私はベトナムに対して強気な見方をとる。

シャルマ氏:輸出による経済発展を目指してきた新興国にとって、脱グローバル化の時代は厳しいものになるだろう。ベトナムはこうした新興国の典型例だ。国境間の商品、サービス、資本や人の移動が不自由になることで困難は増すとみられる。技術分野でさえ、国境の壁は高くなり始めている。

ジャスティン・レベレンツ氏
ジャスティン・レベレンツ氏 PHOTO: JUSTIN LEVERENZ PHILIP VUKELICH
? インド、メキシコ、ブラジル

Q:インド経済はここ数年低調だが、回復しそうか?

ゲリッツ氏:同国は高額紙幣廃止による打撃などを経て、現在は回復途上にあるように見える。しかし、株価は既に大幅に上昇してしまった。インド経済は国内中心で貿易摩擦の影響が小さく、GDPに対する債務の割合が小さいため、投資家が中国からインドに乗り換えたのだ。

シャルマ氏:われわれは、市場が経済のファンダメンタルズを反映すると考えがちだが、その逆もあり得る。現在のインドはまさに後者だ。インド経済は回復途上にあったが、米国の金利上昇によってインドルピーに圧力がかかり、インド準備銀行(中央銀行)が利上げを強いられたことによって、状況は変わりつつある。

スネラー氏:過去3〜4年で、インドには大きな変化があった。例えば24カ月前、インドのモバイルネットワークは世界最低水準だった。今や、同国のネットワークは世界最大規模で、世界最高レベルの効率性を誇り、毎日のデータ通信量は米国のネットワーク全体よりも多い。リライアンス・インダストリーズ(RIL.インド)傘下の通信会社リライアンス・ジオは2億5000万人のユーザーを抱える。こうした変化が今後5〜20年先のインドの成長にどのような影響をもたらすか、まだ判明していない。

レベレンツ氏:私はインドよりもメキシコに興味がある。ロペスオブラドール政権が予想よりも現実的な路線を進むとみられる上、株価は過去20年で最も割安な水準にある。当社ファンドは飲料メーカーのFEMSA(FMX)について大きなポジションをとっている。同社の価値の半分はコカ・コーラFEMSA(KOF)によるものだが、同社はコンビニチェーンのオクソも所有している。オクソはコンビニの店舗を配送センターとして利用しており、メキシコ最大の物流会社となる可能性がある。

ゲリッツ氏:ウォルマート・デ・メヒコ(WMMVY)は、優れたバランスシートやネットワーク、規模の経済を有する。米国経済の堅調が続き、他の新興国市場がすぐに反発しなくても損失を抑えられる。ただし、既存店売上高が異常なほど伸びている理由は、米国在住の労働者による母国への送金であるため、米国経済が減速した場合は懸念される。

ルチール・シャルマ氏
ルチール・シャルマ氏 PHOTO: RUCHIR SHARMA PHILIP VUKELICH
スネラー氏:親ビジネス派といわれるボルソナロ氏がブラジル大統領選に勝利した場合、新たな可能性が開ける。同国の石油会社ペトロブラス(PBR)に投資するアイデアがある。

レベレンツ氏:非常に大胆な意見だと思う。同社は世界最大クラスの債務を抱えており、ガバナンスにも大きな問題がある。

スネラー氏:サブソルト層(海底岩塩下層)で発見された油田の規模と成長ポテンシャルが十分に評価されていない。20年前の生産量はほぼゼロだったが、今や1日200万バレルだ。また、エネルギー会社はコスト削減によって、4〜5年前の1バレル当たり105〜110ドルではなく、同80ドルでより多くの利益を出せるようになった。今はペトロブラスさえ、高い収益性を達成できる時期だ。

? 注視すべき危険信号

Q:新興国市場の投資家が注視すべき危険信号は何か?

ゲリッツ氏:予想を上回るインフレによって金利が押し上げられることだ。この場合、米ドルを保有すれば3〜4%のリターンが得られるため、世界のどの地域の銘柄であれ、株式の保有比率を高めることは推奨し難い。

シャルマ氏:人民元と米ドルの為替レートに注目している。皆が1ドル=7人民元の水準を注視しており、人民元はこの水準を超えて下落する可能性があるが、重要なのは下落のスピードと状況だ。願わくは、中国が資本規制によって事態を収拾し、経済成長が減速する程度の影響にとどめてほしい。

ゲリッツ氏:かつては「米国がくしゃみをすれば世界が風邪をひく」と言われた。今や中国は非常な大国となり、他の新興国だけでなく世界全体に影響を与える。中国では消費が減速する兆しが見られるが、実際に減速した場合はスポーツ用品大手のナイキ(NKE)やアディダス(ADS.ドイツ)などのグローバル企業が影響を受ける。中国人の旅行需要が減速すれば、当社が保有する日本企業の成長も減速するだろう。

 

メイ英首相に「穏健派」も不信任と報道−信任投票は当面回避か
Kitty Donaldson、Robert Hutton、Jessica Shankleman
2018年10月23日 9:03 JST
首相がEUにさらに譲歩すれば、欧州懐疑派の怒りを買うことになる
追い落としに十分な批判勢力の数が集まっているかははっきりしない

メイ英首相 Photographer: Andy Rain/EPA
メイ英首相の指導者としての資質を問う与党保守党内の議論が再び活発化している。欧州連合(EU)との離脱交渉で合意を得るには、首相はさらなる譲歩を行う必要があるが、そうすれば保守党内の欧州懐疑派の怒りを買うことになる。だが、首相追い落としに十分な批判勢力の数がそろっているかは、はっきりしない。

  保守党党首の信任投票を求める文書には議員48人が署名する必要があり、投票で不信任とするには158票を得なければならない。メイ氏の退陣を望む保守党議員らは署名集めに自信を持っているものの、後者についてはそうではない。

  保守党議員委員会のブレイディ委員長だけが、既に届いている不信任文書の数を把握しているが、話すことは決してない。

  保守党のボブ・シーリー議員は「これまでのところEU離脱を巡るストーリーは煙は多いが、炎が上がることはあまりなかった。しかし、何らかの合意について議会が口を出す段階になれば、それが変わる可能性がある」と語った。

  一方、スカイニューズのベス・リグビー記者がツイートで明らかにしたところでは、保守党の匿名の「穏健派」議員の1人が、首相への不信任を表明する文書をブレイディ委員長に送ると語った。この議員は「いつも名前が挙がる」人物の1人ではなく、「声を上げない穏健派」に属する議員らが、不信任の文書を準備しているとすれば、メイ氏は明らかに危険ゾーンに入るとリグビー記者は指摘した。

原題:May Faces Critics as Risk of Rebellion Recedes: Brexit Update
Theresa May Fights Yet Another Day as Threat Recedes -- For Now
Unnamed ’Centrist’ Tory MP to Send No Confidence Letter: Sky(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-23/PH0WOA6TTDS001

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