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2018年10月3日 横山 薫
港区女子に憧れて引っ越し、プチ贅沢…28歳OLが陥ったマイルド貧困
港区女子に憧れた女性の顚末は
格差や貧困問題の是正が放置されているうちに、「アンダークラス(パート主婦を除く非正規労働者)」が900万人を突破、日本は「階級社会」への道を突き進んでいる。中でも「中間階級」が崩壊、新たな貧困層が生まれてきた。それは、どん底一歩手前の「マイルド貧困」とも呼べる新たな階級だ。そこでDOL特集「『マイルド貧困』の絶望」第9回は、固定費やプチ贅沢が重くのしかかっている20代の“港区女子”を追った。(ライター 横山薫)
仕事の帰りが遅くなり
職住近接の港区に引っ越し
「昨春から希望の部署で働けることになって、収入も少し増えたんです」
そう語るのは、港区のITベンチャーで働く高島亜香里さん(仮名・28歳)だ。都内の大学を卒業後、港区にあるIT系ベンチャー企業に就職。入社5年目の昨春、新規プロジェクトを企画する希望の部署に配属された。
「部署が変わって収入が少し増えただけでなく、忙しい部署なので残業も増え、額面で月32万円、手取り収入は月26万円ほどになりました。ボーナスも2ヵ月×年2回あり、収入としてはそれなりに満足しています。でも、仕事が終わるのが遅くなったので、昨年、会社にも近くて通いやすい港区に引っ越したんです」
これまでは、都内の下町エリアに住んでいた高島さん。しかし、遅い時間の帰宅や週末の混雑した満員電車に辟易とし、「職住近接」を選択したという。
「これまでは、家賃6万円台の1Kで1人暮らしをしていました。でも、田舎くさい下町ではなく、憧れの都心に行きたかったんです。できれば、港区に」
せっかく引っ越しをするなら、住宅環境や設備にこだわりたかったと話す高島さん。
「オートロックはもちろん、24時間ゴミ出し可能、宅配ボックスあり、料理が好きなのでキッチンは広めで、コンロは2口ほしい。それに、タワーマンションとまでぜいたくは言いませんが、東京タワーが見える夜景がきれいな部屋に住みたかったんです」
残念ながら東京タワーはあまり見えないが、希望のほとんどをかなえた部屋に引っ越しをし、晴れて“港区女子”になった高島さん。しかし、問題は家賃だった。以前と同じ1Kで、家賃は12万円に大幅アップした。
一般に、家計の見直しを図るには家賃や通信費、保険料などの「固定費」がカギを握る。ところが高島さんは、最大の固定費である家賃を増加させてしまった。
「よく『一度上げた生活水準は落とすのが難しい』って言いますよね。それは分かっていましたが、好きなところに住むなんて、独身のうちにしかできないことですから」
近いからといってタクシーで帰宅
ちょっとした贅沢志向で支出増
“港区女子”といっても、毎晩のようにIT社長やエリートサラリーマンたちとキラキラ遊んでいるわけではない。プライベート生活はいたって地味だ。しかし、高島さんの日常生活を聞くと、住まい選びだけでなく生活のあちらこちらにちょっとした贅沢志向が見え隠れする。その代表がタクシーだ。
週末の金曜日、飲み会で3000円、帰りのタクシー代で970円を支出。「近いから」という理由で1000円くらいのタクシー代が増えたという
「仕事で疲れている日や、六本木で飲み会があった日とかは、電車が動いている時間でもタクシーで帰ってしまうことがよくあります。といっても、だいたい1000円台で収まりますが。『近いから』『たまには自分にご褒美で』と、タクシーを使う回数はかなり増えましたね」
高島さんは、全く貯金ができないことに焦りを感じ、自分の支出を把握しようと家計簿アプリを使っている。こちらは、ある金曜日の支出だ。飲み会のあと、タクシーで帰宅し、970円使っている。
「この日は電車で帰ることもできましたが、電車だって200円くらいかかるし、1000円くらいで済むならタクシーでもいいかなと思って」
本人なりにコスパを考えての行動だというが、支出は増える一方だ。
国内旅行は新幹線のグリーン車
晩酌はプレミアムモルツでご褒美
高島さんは年に数回、自分へのご褒美として国内旅行をするという。しかし、ここでも“プチ贅沢”が。
「最近に行った軽井沢旅行は、グリーン車に乗っていきました。博多旅行はJALで、エコノミーよりも少し広くて快適な『クラスJ』のシートでした。せっかくの旅行だから快適に行きたいですからね」
また、仕事が終わってからは毎晩、晩酌するのが習慣だそうで、いつも飲んでいる缶ビールはプレミアムモルツ。つまみはその日の気分だが、高級スーパーで買うこともしばしばだとか。
こんな“プチ贅沢”がいくつも重なってか、手取り26万円といえば同世代女性のなかでも多い収入にもかかわらず、毎月全額使い切っているという。
毎晩の晩酌は、ちょっと贅沢にプレミアムモルツ。つまみもちょっと贅沢なセブンプレミアムや高級スーパーで買う Photo by Kaoru Yokoyama
「以前、50万円の痩身エステに通っていて、その分割払いが今も毎月1万円あって負担に感じていますね。月々の給料から貯金はできません。ただ、ボーナス2ヵ月×2回あるので、これが貯蓄になっています。ご褒美の旅行、結婚式のご祝儀、結婚式の2次会の参加費などの臨時支出を、この貯蓄から1年間かけて取り崩しているイメージですね」
家計簿アプリを使い
無駄遣いは減って改善の兆しも
一方で、ここ最近の浪費傾向に「このままでは破産する」と危機感を抱き、節約も心掛けているという。
「今の貯金は5万円。毎月ギリギリでやり繰りしていて、少し大きな出費があれば、親に借りなくちゃいけなくない状態です。さすがにこのままではまずいと思って家計簿アプリで支出を管理したり、もともとは節約志向な性格で料理は好きなので、会社には毎朝弁当を作って持って行っています」
「週に2回くらいは外食することもありますが、だいたい1回の買い物で3000円分買えば、1週間のランチ弁当と夜の自炊は賄えますね。ネイルだって3週間に1回で、5000円程度。これは平均的な費用より安く済んでいると思いますよ」
毎朝、弁当を作っているのは立派だが、毎日使うお弁当箱には「曲げわっぱ」と呼ばれる、スギやヒノキなどの薄板を曲げて作られた木製の高級弁当箱を使っている。こんなところも“贅沢志向”が表れているのだ。
とはいえ、家計簿アプリを使うようになって、改善の兆しは見えてきているとか。
「フラッとコンビニで立ち寄ってはファミチキを買うといった“ちょこちょこ買い”はしないようになったし、スタバに行っていたのをコンビニの100円コーヒーに変えたり、無駄遣いはだいぶなくなったんじゃないかな」
そこそこの収入がある人ほど
“マイルド貧困予備軍”の可能性
「今の部屋や生活には満足している」と話す高島さんだが、こんな愚痴を漏らすこともある。
「曲げわっぱ」と呼ばれる木製の高級弁当箱を使うこだわり。高いものだと1万円以上するものもある Photo by K.Y
「一生懸命働いて収入が増えたのに、それが家賃やタクシー代で消えてしまっては何のために働いているのか、たまに分からなくなってしまいます。それに、このままでは結婚とか出産は現実味がないですね…」
収入は増えたものの、多忙が原因で支出も増え、幸福度は必ずしも高まっていない。一見すると華やかそうな“港区女子”だが、その実態は固定費やプチ贅沢が少しずつ積み重なり、貯蓄もできない「マイルド貧困」そのものだ。
そんな高島さんは、将来について「今は、家計簿アプリのおかげで貯金できるようになって、30代でマンションを買いたいですね」と語るが、これまた贅沢思考から抜け出せていないようだ。
「マイルド貧困」は単なる貧困層とは異なり、収入が多少あるからこそ陥りやすいという“罠”もある。そこそこの収入がある人ほど、“マイルド貧困予備軍”だとの危機感を持たなければ危ないのかもしれない。
https://diamond.jp/articles/-/181164
豊かな人生を送るために
極端に「ほどほど」であれ
アビバ・ウィッテンバーグ=コックス:ジェンダー・バランスの支援を専門とするコンサルティング会社、トゥエンティー・ファースト(20-first)のCEO。
2018年10月3日
平日は(あるいは休日も)早朝深夜まで働き、オフになるとハードな運動を行ったり、健康を徹底的に意識した食事を摂取したりする。仕事にもプライベートにもとにかく全力で臨む人はいるが、彼らの人生は豊かだと言えるのだろうか。筆者は、何事にも極端な姿勢で臨む生き方ではなく、何事にも「ほどほど」を追求する生き方の意義を提唱する。
たいていのオフィスには、フルマラソンに向けてトレーニングをしたり、10日間静かな場で瞑想する計画を立てたり、あるいはキリマンジャロを登頂しようと考えたりしている人がいる。いったい、なぜなのだろうか。そういう人に限って、残業手当が出なくても休日もフルで働いていたりする。
極端なほど仕事熱心なうえ、プライベートでも極端派を自認する人は珍しくない。政治活動や育児、食事やフィットネスなど、すべてに突き詰めて取り組むタイプだ。
極端派の親は、競争力のある子どもを育てることに過度なほどの労力をつぎ込み、自分の親世代以上に、子どものために時間をやりくりして飛び回る(それでも足りないと自責の念に駆られている)。人生のバランスを求めてスポーツを始めれば、マラソンランナーのようなハードなトレーニングをするようになる。食を突き詰める人は、はるばる遠国から取り寄せた高価なシード(種)を食べ、野菜でつくった複雑な緑色のドリンクを飲んで、1日をスタートさせる。
ネット上でたえ間なく比較されることに気を取られ、抑うつ傾向にある若いミレニアル世代は、「パフォーマンス測定デバイス」たるスマートフォンから目を離すことができない。無理もない。そもそも親世代がフォロワー数やリツイート数を競い合い、ネット上の仲間グループを自慢の種にしているのだから。
少しペースを落としてマインドフルネスを取り入れる試みにさえ、野心的な目標が付きまとう。競争心をあおる男性向けヨガ「ブロガ(Broga@)」を提供するジムなどは、その好例だ。
私が暮らす英国ロンドンは、さまざまな極端派の中心地だ。
街に人間味を、と市長の肝いりで設置された快適な自転車専用レーンは、野心の集まるロンドンで「自転車スーパーハイウェイ」へと変貌している。サイクリングウェアに身を包んだシティの銀行家たちが、前日の通勤タイムの記録を破ろうと疾走しているのだ。
もちろん、iPhoneを腕に装着し、科学研究室さながらのメトリクスを用いて、身体機能を数値化する熱の入れようだ。そのデータには、近年ますます極端な注目が集まる、睡眠も含まれる。最近出版された本でも、睡眠は必要不可欠だとされている。健康、精神の安定、寿命……生活のすべてにおいて。夜更かしは自己責任で、というわけだ。
職場では、極端なワーカホリックぶりが勲章となっている。エグゼクティブたちは、ワーカホリック度を競い合う。つい先週も、飛行機で私の後ろに座った2人のCEOが、1年間に何日飛行機に乗っているか比較し合っていた(165日と214日だった)。
最高所得層に属する人の労働時間は、誰よりも長い。過去数世紀の間、貧困層が働き富裕層は額に汗して働くことなどなかったのが、逆転したのである。今日、貧しい人の多くは職を持たず、裕福な人ほどあくせく働いている。企業はインターンに対して、残業手当や休暇を放棄するという契約書に署名をさせ、違法であるはずの過剰労働を合法化している。
どこへ目を向けても、何をするにも、パフォーマンスへの要求は極端さを強め、しばしば仕事の進捗管理アプリや競争心旺盛な同僚(一見すると友人、というケースもある)の監視下に置かれる。どのような形態であれ「ほどほど」を心がけることは素人と見られ、何かを習得するのに必要とされる「1万時間」を費やそうとしない怠け者の習慣だと見なされる。
私はもうずいぶんと前に、「ほどほど」を突き詰めようと決断した。何かをする際には、「何もしない」と「頑張りすぎ」という両極の中間点を見出して臨むようにしている。人生のさまざまな課題において、ほどほどの成果を上げたいと思ってはいるが、それよりむしろ、人生のあらゆる側面で良好なバランスを取ることを最重要課題としている。
私たちの多くは、生活にバランスがほしいと口をそろえるが、その理想の達成に向けた熱意が不十分である。程度の面でも、時間の面でも、1つの側面に偏りすぎているのだ。バランスを取るというのは、1本足で立ち続けるようなものである。常に感覚に気を配り、小さな変化に対応するための調節が必要である。
では、バランスを実生活に取り入れるには、どうすればよいのか。
まず、あなたにとってバランスとは何かを定義しよう。私自身は、アリストテレスが打ち出した定義が気に入っている。彼は、「なすべきこと、愛する人、期待するもの」をバランスの定義として挙げた。これを私は、互いに支え合う4本の柱に分けた。つまり、脳(知識、関連性、専門知識、生涯にわたる学習)、愛(人間関係、家族、コミュニティ、思いやり)、変化(自分への問いかけ、ネットワーク、変化に対応するスキル)、選択(経済的柔軟性、経済的蓄え、稼ぐ力)である。
自分にとっての基本原理を打ち出し、それを支える柱のリストを作成してみよう。次に、以下2つを自問してみよう。
1. 過去7年前を振り返り、どれだけバランスが取れていたかを考えてみる。個々の柱に、どれほどの時間をつぎ込んだだろうか。
2. 今後7年間、自分が望むバランスとはどういうものだろうか。
人生の段階によって、達成すべき目標も望ましいバランスも変わってくる。30代の私は、エクササイズより育児に時間を割いた。50代後半のいまは、それを変える必要がある。だが、トライアスロンの選手になる必要はない。代わりに、毎週ヨガを少ししたり、毎日犬の散歩をしたりしている。
よりよい食生活を心がけてはいるが、過度に気を揉むこともない。一生懸命働くが、残業はしない。毎日意識して愛する気持ちを持とうとしている。恩返しをして、誰かを助ける時間を持つことも心がけている。もっとできるだろうか。答えは、もちろんイエスだ。間違いなく、どの領域でも。
上に挙げたようなことを、私よりうまくこなせる人は、数え切れないほどいるだろう。しかし、私は異なる次元の競争に身を置いているので、他者と自分を比べる必要はない。そして、私が身を置く競争の世界では、私の知る限り、私自身がトップクラスである。私は「ほどほど」において、れっきとしたマスターなのだ。
それについて、(ふだんは)自慢することはない。第一、自慢などすることは、「ほどほど」精神にそぐわない(まして私は、ほどほど気質で知られるカナダ人である)。だが、私はこれまで、人生をかけて「ほどほど」を極める日々の修行に励み、「これで十分」という祈りの言葉を唱えてきた。
私は現在、富豪でもなければ、素晴らしい体形を維持しているわけでもなく、大きな成功を収めているわけでもない。けれども、自分自身のマラソン、すなわちバランスのとれた人生というゴールを目指すレースに出場するのに、ぎりぎり十分なだけのものを持っている。
結局それは、私と、散歩にたっぷり連れ出してもらえる私の愛犬にとってのみ重要なことかもしれない。私にとっては、それで十分だ。
HBR.ORG原文: In Praise of Extreme Moderation. June 01, 2018.
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男同士の意思決定では「ほどほど」より極端な選択が好まれる理由
働きすぎの現状を上司にどう伝えるべきか
アビバ・ウィッテンバーグ=コックス(Avivah Wittenberg-Cox)
ジェンダー・バランスの支援を専門とするコンサルティング会社、トゥエンティー・ファースト(20-first)のCEO。Seven Steps to Leading a Gender-Balanced Business(未訳)の著者。
http://www.dhbr.net/articles/-/5538
男同士の意思決定では
「ほどほど」より極端な選択が好まれる理由
クリスティーナ・ニコロバ,ケイト・ランバートン:ボストン・カレッジのキャロル経営大学院コーグリン150周年記念マーケティング講座助教
2016年12月22日
複数の男性が共同で行う意思決定は、それ以外の性別構成の場合とは異なる。その理由を明かす興味深い比較実験を紹介する。
私たちは日々、他者と共同で意思決定をすることが多々ある。配偶者とともに車や家を選んで買う、同僚とともに仕事上の決定を下す、あるいは友人との夕食をどの店でとるか決める、といった単純なことも含め、誰かと一緒に何かを選ぶ場面はいくらでもある。
さて、人々は共同で選択を行うとき、単独でそれを行う場合と同じ選択をするものなのだろうか? 我々の研究結果は、その答えが「集団の性別構成」によって変わるらしいことを示している。
マーケターの間では昔から知られているが、人は複数の選択肢を与えられると、真ん中あたりの妥協的なものを選ぶ傾向がある。
たとえば、燃費性能と内装デザインが異なるさまざまな車種を前にした消費者は、両方の性質をそれなりに備えたものを選ぶことが多い。燃費が最も優れている(しかし内装は最悪)、あるいは内装が最も素晴らしい(しかし燃費が最も悪い)という車は、納得して受け入れることが難しい。燃費も内装もほどほど、という車であれば妥当に見えるため、最も多く選ばれるのだ。
これは「妥協効果(compromise effect)」と呼ばれるものである。別名「ゴルディロックス効果(goldilocks effect)」または「極端の回避(extremeness aversion)」とも言われる。意思決定の研究において、これは最も強固な傾向の1つとされており、マーケターはしばしばこの効果を利用して消費者の選択を誘導している。
では、中庸を選ぶというこの傾向は、共同での意思決定でも現れるのか。我々はそれを確かめたいと考えた。研究を通して示されたのは、この効果はどんな場合にも発現するわけではないということだ(英語論文)。
1200人以上を対象とした実験で、一部の参加者には2人1組のペア(男性同士、男女、女性同士の場合あり)で意思決定をしてもらい、残りの参加者には1人で意思決定をしてもらった。提示した一連の選択事項には、極端な選択肢(例:値段はとても高いが待ち時間の短いレストランか、とても安いが待ち時間の長いレストラン)と、中庸な「妥協点」(値段も待ち時間も他の2つの中間)がある。ペアを組んだ参加者は、共同で1つの結論に達する必要がある。つまり、2人とも選択の結果に従わねばならない。
実験の結果には驚かされた。参加者の構成、選択事項、作業手段をあれこれ変えてみても、結果は同じであった。女性は1人でもペアでも(パートナーの性別を問わず)、常に中庸な選択を好む傾向があった。しかし男性同士のペアは、男女のペアや男性1人の場合より、極端な選択を好む傾向がはるかに強かったのである。
すなわち、男性同士のペアでは妥協効果は起こらないということだ。
これを他の状況に当てはめて考えてみよう。父と息子が一緒に車を選ぶとすると、燃費も内装もほどほどの中庸なものではなく、いちばん燃費のいい車か、素晴らしい内装の車を選ぶ可能性が高い。2人の男性が共同で企業戦略を決める場合、1つのアプローチにすべてを賭けようとしたり、いくつかの選択肢を完全に捨てたりするかもしれない。しかし、女性が意思決定に関与していれば、中庸な道が取られる可能性が高まる。
なぜ、こうなるのだろうか。
我々は近年の社会心理学の研究成果を参考にした。心理学の研究によると、「男らしさ」は一般に、「不安定」なもの(本人の努力による獲得と維持を要する)と見なされている。したがって、社会的交流のなかで頻繁に男らしさを「証明し、認知させる」必要がある(英語論文)。
また人類の進化に関する研究では、男らしさの不安定さは、環境への適応力が進化した結果だとされている(英語書籍)。つまり男性は、資源と女性をめぐって他の男たちとの競争を迫られてきたからだ。
我々の研究で示されているのは、いまなお残る上記の行動パターンが、共同での意思決定時にも現れるということだ。ともに決定を下す男性たちは、「女らしい」とされる基準(中庸、適度を重んじる)からできる限り遠い、男らしい行動を取らねばならない、と感じる。すなわち、極端や過激を重んじることだ。男性同士の決定では、男らしさの表現が妥協効果を弱めるのである。
歴史的に、女らしさはそれほど不安定ではないことが証明されている。男性のようなジェンダー表現の必要を感じないからこそ、女性同士のペアには妥協効果が現れ、男性とは対照的に、集団でも単独時と同じように行動するのだろう。
さらに、男女ペアの意思決定では、女性の存在によって男性の男らしさが際立つ(誇示の必要が減る)。これが理由で、単独時や女性ペアと同じように妥協的な行動が観察されたのだろう。
幸いなことに、中庸を選びたい男性たちにも手段はある。我々の発見によれば、男性同士のペアに対して、意思決定を下す事前に「男らしさを表現する機会」を与えると、妥協的な選択肢を避ける傾向が消えるのだ(例:実験参加への報酬として、いかにも男性向けの雑誌を共同で選んでもらう)。これほど単純な行為によって、男性ペアも女性ペアと同じくらい妥協的になったのである。
これらの研究結果は、マーケター、マネジャー、消費者にとって実用的な意義が大いにある。マーケターはしばしば妥協効果を利用して、商品構成の計画、製品のポジショニング、消費者の選択の誘導などを行う。その際、製品・サービスの受け手が決定を下すのは1人でなのか、それとも共同でのほうが多いのかを知る必要がある。そして、意思決定グループの性別構成も考えねばならない。
ある企業が、特定の選択肢からなる販売をてこ入れしたいとしよう。ターゲット顧客が主に男性で、複数人が共同決定を行うと予想できるならば、その製品・サービスを中庸よりも極端な性質のものにするほうがよい。
たとえば2人の男性がともに映画を観るときは、極端なもの(純然たるコメディや純然たるアドベンチャーなど)を選ぶ可能性が高い。したがって男性客が多い場合は、そのような映画を極端な選択肢に位置づけることが非常に効果的なはずだ。
対照的に、女性のペアはその中間、コメディとアドベンチャー両方の要素があるような映画を選ぶかもしれない。さらに、女性客が多いと予想される場合、映画館は妥協効果を利用して売上アップを図れる。たとえばポップコーンやドリンクのSサイズをなくし、MとLに加えてXLサイズを販売すれば、中間のLサイズを買う女性が増えるかもしれない。
職場で優秀なチームの編成を託されたマネジャーも、この知見を活用できそうだ。もし会社が思い切った決定をもっと促進したいのなら、男性だけの意思決定チームをつくれば、個々人に頼るよりも実現しやすいかもしれない。
たとえば、1人で仕事をするファンドマネジャーは、リスクとリターンのバランスを取った投資ポートフォリオを組むとする。男性2人がペアになれば、よりハイリスク・ハイリターンの極端なポートフォリオを組む可能性が高い。
それゆえ、逆に中庸の選択肢が考慮されるよう万全を期したい場合は、マネジャーはそれを言葉にしなくても、意思決定プロセスに女性を増やすか、単独で決定させればよい。そうすれば男性は、妥協的な行動を提案しても他の男性から責められずに済む。
我々の研究結果はまた、男性と女性では交渉に対するアプローチが大きく異なることも示唆している。たとえば、賃金交渉を一種の共同決定と考えてみよう。2人の人間が1つの結果で合意しなければならない。その場にいる両方が男性の場合、極端に高い数字と低い数字からスタートして、妥協点を見出すまで苦労する可能性が高い。対照的に女性は、自分が妥当だと思う数字から始めようとする。ただし、もっと思い切った金額から切り出そうと考えないがゆえに、損をすることもありうる。
こういった場合、男性も女性もまず自分の傾向を自覚し、行動の根拠をしっかり考える必要がある。「この交渉相手ならば、中庸/極端のほうがやりやすい」という理由だけで、立場を最初からどちらかに固定するのは得策ではないのである。
HBR.ORG原文:Men Choose Differently When They Choose with Other Men September 14, 2016
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クリスティーナ・ニコロバ(Hristina Nikolova)
ボストン・カレッジのキャロル経営大学院コーグリン150周年記念マーケティング講座助教。
ケイト・ランバートン(Cait Lamberton)
ピッツバーグ大学ジョセフ・M・キャッツ経営大学院の准教授。マーケティングを担当。
http://www.dhbr.net/articles/-/4622
働きすぎの現状を
上司にどう伝えるべきか
レベッカ・ナイト:ボストンを拠点とするジャーナリストで、ウェズリアン大学講師。
2017年4月7日
自分のオーバーワーク状態を解消するためには、上司としっかり話し合うことが避けられない。その際、どんな姿勢と言葉をもって問題を伝えるべきなのだろうか。専門家が助言する。
近頃は、仕事を抱えすぎている人が多いようだ。自分は働きすぎだと誰もが感じ、不満を口にしている。
では、仕事量が多すぎることを上司に単刀直入に伝えるには、どうすればよいのだろう。怠惰、仕事にコミットしていない、チームプレーができない――そんな社員のようには誰しも思われたくない。勤勉というイメージを守りながら、もう限界であることを伝えるにはどうすればよいか。
●専門家のアドバイス
どんなに多忙を極めていても、仕事量が多すぎることを上司に告げるのは非常に難しく感じられる場合がある。
生産性の専門家で、『上位10%の人は知っている、仕事がうまくいく方法』の著者であるジュリー・モーゲンスターンによると、それには2つの理由があるという。
まず、過重労働だと訴えることで仕事を失うのではないか、という心配だ。「内心でこう感じているのです。自分が仕事をこなせなければ、他の誰かがやるだろう。自分は代えが効く消耗品にすぎない、と」。次に、「生来の気質として、こう思い込んでしまう人がいます。自分は頑張りが足りない、賢さが足りない、十分に能率的でない。もっとうまくやらなければいけない、と。そのため誰にも悩みを打ち明けられず、苦しんでしまうのです」
しかし、それは危険である。チームマネジメントの向上を支援する3COzeの共同創設者で、You First: Inspire Your Team to Grow Up, Get Along, and Get Stuff Doneの著者であるリアン・デイビーは、次のように指摘する。「野心のため、あるいは上司を感心させるために、無理して頑張るとしましょう。それでも完遂できない、または急ごしらえで仕事の質が低いとなれば、信頼できないという悪印象を与えてしまいます」
したがって、仕事に押し潰されていると感じたら、本当に上司に知らせるべきなのだ。以下に、上司との会話を円滑に進める方法をいくつか紹介しよう。
●自分に寛大になろう
過重労働にあえぐのは、平均以下の社員だからだというわけではない。「自己評価が厳しすぎてはいけません。たいていの組織や企業は、より少ない資源でより多くのことをやろうとします。そのため、仕事の量は必要時間よりも多いものです」(モーゲンスターン)。
優秀な人が、時折仕事の依頼を断ったり猶予を求めたりしても、「それは怠慢な振る舞いではなく、評判が落ちることもありません」。むしろ、時々「ノー」を言うことで信用が高まるのだという。「上司が部下に望んでいるのは、最高のパフォーマンスを妨げる何かがあったら遠慮なく言ってもらうことです」
与えられた仕事を全部はこなせないと認めることは、気が引けるものだ。しかし、そうすることは「組織への責任」なのだとデイビーは言う。「行き詰まったまま任務を果たせなければ、チームを窮地に追い込みます」
●他者に助言やサポートを求めよう
忙しすぎると思ったら、仕事量を他者の視点から見てもらうのがよいとモーゲンスターンは言う。「第三者を通して、現実に立ち返ることができます」。自分のプロジェクトと責務の概要を、信頼できる友人や同僚に説明するとよい。仕事量を見てもらい、1人で抱えるには多すぎるかどうか、正直な意見をもらうのだ。
また、上司にアドバイスを求め、過重労働への対処法を指導してもらうのもよいとデイビーは言う。そうすることで何を期待されているかが明確になり、仕事の効率アップにもつながる。「たとえば、『私は財務部へのレポートの作成に月5時間ほどかかっています。これはあなたの期待に叶っているでしょうか。作業プロセスを合理化する方法について、何かアドバイスをいただけませんか』と持ちかけるのです」。結局のところ、「上司も同じように、大変な思いをした経験があるはずです」
●解決策をみずから提案しよう
自分の仕事量について上司と率直に話すには、相応の適切な姿勢が必要だとモーゲンスターンは述べる。「自分と上司で、会社の目標を達成するためのパートナー同士になるのです」
話し合いのはじめに、「会社全体の目標」について触れ、自分と上司の考えが一致していることを確認する。その後、全社目標を達成するうえで何が自分の障壁となっているかを説明する。できる限り具体的に示そう。たとえば、「この案件は大量のリサーチを必要とするので、時間がかかっています」または「自分はいまではチームを管理しています。以前よりもプランニングに多くの時間を割いているため、日常的な業務に費やす時間が十分にありません」といった具合だ。
そして、次の段階が非常に重要となる。ここで、問題を解決するためのアイデアを3つ提案するのだ。たとえば、ある業務を毎月ではなく四半期ごとにする、同僚にサポートに加わってもらう、仕事量の負担を減らすために会社に臨時スタッフを雇ってもらう、などだ。「解決策がなければ、上司に問題を持ちかけるべきではありません」(モーゲンスターン)。ここでの目標は、どのプロジェクトが「延期、委譲、中止、縮小」できるのかをはっきりさせることだ。
●優先順位をつけよう
すでにパンク寸前の時に、上司からさらに別の仕事を与えられるのは耐えがたいことだ。「上司は往々にして、個々のタスクにかかる時間を知らぬまま、仕事を割り振るものです」(デイビー)。その場合には、自分が抱えている仕事を説明し、「この中で最も重要なものはどれで、それ以外については優先順位をどうすればよいですか」と尋ねるべきである。
モーゲンスターンが勧めるのは、それぞれの仕事に「どのくらいの労力を割くべきか」「最大、最小、ほどほどの労力とはどの程度か」を上司に尋ねることだ。新しい仕事に関しては、完遂できるかわからない場合は、絶対にその場で引き受けてはならない。「たとえば、こんなふうに言って時間を稼ぐのです。『その仕事の要件を教えてください。いま進行中の他のプロジェクトをふまえて、できるかどうか検討します。明日お返事してもいいですか』」
●可能な範囲で協力しよう
仕事に忙殺されていても、可能な部分で協力するのが、親切かつ仕事人として賢明な振る舞いだろう。上司への言い方として、デイビーはこんな例を挙げる。「このプロジェクトを引き受けると、いまやっている他の業務に支障が出ると思います。でもスケジュールを調整すれば、これを担当する人に私が助言することはできます」。たとえばブレーンストーミングに参加する、原案に目を通す、相談役になる、などでもよい。そして、いつでも要望に応じられる準備をしておくようデイビーは勧める。
自分にできることがたとえ限られていても、ささやかな助けの手を差し伸べることは、「組織の成功にコミットしている責任感あふれる人、という周囲からの認知」を強めるのだとモーゲンスターンは言う。
●正直になろう
誰の人生にも、プライベートでの重大な出来事を他の何よりも優先すべき時がある。たとえば、母親が重い病気だと診断された、息子が学校で問題を抱えている、などだ。その場合、事態を正直に告げるべきだとモーゲンスターンは述べる。上司にこう伝えてもよい。「これを何とかしなければ、私の家族にとって深刻な負担になり、自分の仕事のパフォーマンスにも支障が出ます」。率直な言い方、そしてできるだけ自制心と冷静さをもって伝える必要がある。
デイビーもこの点に同意している。「状況を具体的に伝え、期限を定めましょう。たとえば、『こんなことは滅多にないのですが、向こう2週間はちょっと大変な状況になるので、手助けが必要です』というふうに」。分別のあるよき上司ならば、理解を示し、正直な態度を評価してくれるだろう。「英雄になろうと頑張っても、燃え尽きるまでやってしまうのは得策ではありません」
●同僚を味方につけよう
過重労働であることを上司に伝えても、必ずしも望ましい結果が得られるとは限らない。上司に改善する意図が見られなければ、自分が大変な思いをしていることを同僚に知らせるべきだとデイビーは言う。「上司が理解を示してくれなくても、同僚はわかってくれるかもしれません」。
彼らが負担の一部をなくしてくれたり、こちらの遅れに対処してくれたりするかもしれない。たとえ手助けが得られないとしても、自分が限界を超えていて全力を尽くせないのだと伝えることにはなり、信用の失墜を避けられる。
上司が部下の過労にいつまでも無関心な場合には、転職の必要性を検討すべきだとモーゲンスターンは指摘する。過重労働は長期的に持続可能ではないからだ。
覚えておくべき原則
【やるべきこと】
●個々の仕事に費やす時間をどう減らすかについて、マネジャーや同僚に助言を求める。
●優先順位の変更や、案件によってトレードオフが可能かどうか、率直に相談する。
●同僚やプロジェクトを微力ながら支援する方法がないか尋ね、協力の意思を示す。
【やってはいけないこと】
●自分に厳しすぎてはならない。場合により依頼を断ったり猶予を求めたりするのは、怠惰なことではない。
●新たな仕事をその場ですぐに引き受けてはならない。現在の仕事量を考慮したうえで追って返答すると上司に伝え、時間を稼ぐ。
●上司が耳を貸さない場合でも、同僚に事情を隠してはならない。限界を超えている時にはその旨を発信すれば、同僚からの信頼を損なわずに済む。
事例1:解決策を提示し、助言を求める
ミネアポリスを本拠とするセリディアンは、人材マネジメント用のソフトウェアを提供する企業だ。リサ・スターリングは、同社の製品戦略バイスプレジデントを1年間務めた頃、最高人材責任者に昇進した。当初、彼女は両方の職務を掛け持ちする予定だった。
しかし数ヵ月後、リサは膨大な仕事量に圧倒されていた。そして上司であるセリディアンのCEO、デイビッド・オシップに相談しなければと思いつつも、不安を感じていた。「これまで、上司に『助けてほしい』と訴えたことは1度もなかったんです」と彼女は語る。「上司との関係は良好でしたが、私は不安がありました。彼が(私を昇進させた)自分の判断は間違いだったと思うのではないか、私は適任ではなかったと感じるのではないか、と」
リサは話を切り出す際に、「自分が理解している、会社の優先事項」を述べた。自分がデイビッドに求められている注力事項を、きちんと理解しているか確認するためだ。次に、製品部門と人事部門の両方で自分が関わっているプロジェクトを網羅したリストを彼に提示した。「そのうえで、どこが順調で、どこで苦労しているのかを話したのです」
最後に、リサは解決策をいくつか提示した。「私はチームに、こうアドバイスしています。『私に問題を持ち掛ける時は、もし自分が私と同じ立場なら、その問題をどう解決するかを考えておくように』と」
今回のケースでリサが提案したのは、組織的取り組みの一部を棚上げにできること、そして、ある製品の発売を一時的に延期できるということだ。さらにもう1つ、彼女の職務の一部を引き継ぐ、製品戦略ディレクターを雇うという提案もした。
デイビッドはどちらの案にも賛意を示した。また、リーダーシップに関する有益な指導と助言も授けてくれた。「彼はこう言いました。キャリアを積むにつれ、日常的な管理業務の重要性は減り、チームを育てることが主な仕事になるのだと。自分がいろいろなことに首を突っ込みすぎていたと気づきました。他人に任せる能力を伸ばし、チームのメンバーがみずから仕事を全うできるよう、自分が一歩下がる必要があったのです」
リサは、率直に話してよかったと思っている。「目が開かれた思いです。助けを求めなかったら、経営者によるこんなコーチングを受ける機会はなかったでしょう」
事例2:正直に、率直に話す。それでも上司が理不尽ならば、転職も考える
ジャニーン・トゥルイットは数年前、大規模な病院グループの人事部で働いていた。ニューヨークのロングアイランドを拠点とするその組織は、毎年従業員数を急増させており、人事部はそのスピードにまともに追いついていなかった。
「私は、10ヵ所の施設の初級職から上級管理職に至るまでを担当していました」とジャニーンは振り返る。「上司はさらに、病院拡張に向けた特別プロジェクトと人材計画も私に割り振っていたのです」
医療業界で10年近く働いてきた彼女は、限界に達していた。しかし、上司に相談する前に、親しい同僚たちと自分の仕事量について話し合った。「同僚に話をしたのは、仕事量が多すぎることに同意してもらうためというよりも、精神的な支えを得るためでした。どの人も仕事量が私よりだいぶ少なく、同情してくれました」
彼女は上司に、この問題について話し合う機会を持ちたいと訴え、面談では率直な言葉で伝えた。「いまの仕事量をこなし続けるのは難しい、と上司に告げました。声を挙げることで自分がどんな結果になるかは、気にしませんでした。ただし同僚、ひいては患者さんを失望させてしまうことが心配でした」
ジャニーンは、状況を改善するための方法をいくつか提案した。たとえば、初級職の採用は若手の人事スタッフに任せ、自分はもっと戦略的なポジションの採用に専念するなどだ。また、病院拡張プロジェクトの話し合いには、もっと早い段階から加わらせてほしいとも頼んだ。「そうすれば、何が必要となるかが早めにわかり、将来的により適切な人材配置ができますから」
残念ながら、彼女のアイデアは上司にことごとく拒絶された。失望したジャニーンは、同僚に再び相談した。「私たちが取り組んだのは、同じ施設で似たようなポジションの採用が必要な場合に協力し合うことでした。そうすることで、負担をいくらか軽減できました」
それでもジャニーンの仕事量は、辞表を提出するその日まで「限界を超え続けていた」という。現在の彼女は、事業戦略とマネジメントのコンサルティング会社、タレント・シンク・イノベーションズの最高イノベーション責任者を務めている。
前職は彼女にとって素晴らしい思い出ではないが、貴重な教訓を得たという。「人材計画は、効率よく事業を進めるうえで最重要事項の1つです。顧客と従業員の定着率を高く、離反率を低く保ちたいならば、合理的な範囲を超えた過重労働が頻繁に起きないよう、万全を期す必要があるのです」
HBR.ORG原文:How to Tell Your Boss You Have Too Much Work January 13, 2017
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レベッカ・ナイト(Rebecca Knight)
ボストンを拠点とするジャーナリストで、ウェズリアン大学講師。ニューヨーク・タイムズ紙やUSAトゥデイ紙、フィナンシャル・タイムズ紙にも記事を寄稿している。
http://www.dhbr.net/articles/-/4779
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