外為フォーラムコラム2018年10月1日 / 18:24 / 1時間前更新 コラム:世界で高まる「ドル不足」の危険性 Jamie McGeever 3 分で読む[ロンドン 28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が利上げに踏み切り、自身のバランスシートを縮小する中で、ドルと米国債利回りは上昇しており、海外投資家によるドル資金調達は、割高かつ困難な状況に陥っている。 こうした状況は明白だが、意外なのは、そして恐らく懸念すべきは、ドルがいかに高く、希少になりつつあるかということだ。 通貨スワップ市場では、これまでストレスの兆候はなかった。同市場は、幅広いドル需要や流動性、調達をを示す上でもっとも注視されている指標の1つだが、オフショアドル需要は容易に満たされ、相場も安定していた。 だが、FRBが今回のサイクルで8回目となる利上げを行い、今後も利上げを継続する意向を示唆した翌日の27日、金利差からのかい離を示すベーシスは急拡大した。ドル/ユーロの1日当たりのベーシス拡大幅は世界金融危機以降で最大を記録した。 それはまた、銀行による四半期末のリバランスや、イタリア情勢への懸念を生み、ユーロ圏からの資金流出の急増を招いてしまった可能性がある。依然として注目すべき動きであり、他の指標も加味すれば、海外の投資家や企業、金融機関にとって、ドルの借り入れコストは2009年以降でもっとも高くなっている。 しかも、それは今後も高くなる一方だ。 米ドルや利回り、加えて金利の上昇にさらされている世界中のドルの借り手にとって、それは赤信号とは言わないまでも、黄信号が点灯している状態だ。これらの上昇が、債務を膨張させ、返済を困難にするためだ。 加えて、米金融市場改革や金融規制の強化は、米銀のドル流動性供給能力を損なっている。 トランプ米大統領の税制改革は、自国に還流する米企業の莫大な現金の一部を迂回させ、海外銀行の米国支店が現地で資金調達するコストを増加させている。 一方、本格的な世界貿易戦争のような、新興市場からの資本流出を招く、急激なリスク回避が発生する可能性は高まっており、これまで以上にその現実味を増している。今夏経験したように、資本逃避は、新興国の借り手が受ける痛みを倍増し、ドル流動性のひっ迫を、より広範囲に悪化させる。 「ドルの借り入れコストは、特にオフショアドルについては今後も上昇し続け、世界の資金調達に相当な圧力を与えることになる」と、TSロンバードのシュウェタ・シン氏は指摘。「世界調達に対する主な脅威はオフショアドルの縮小だ」 <ドル支配と依存> 3カ月物のドル資金調達コストは現在、約2.50%。歴史的な水準から見れば、高いわけではない。一見したところ、大半の借り手にとっては確実に対応可能な水準だ。しかしコストは上向いており、ドル供給は減少している。 FRBの量的緩和は実質的に終了しており、量的引き締めへと向かっている。FRBのバランスシート縮小だけでも、まもなく月500億ドル、年間6000億ドルの資金を吸収することになるだろう。 加えて、1兆ドルに上るトランプ政権による減税策や防衛費向けに国債発行が急増している。米証券業金融市場協会(SIFMA)のデータによると、1カ月ベースの発行残高は8月、初めて1兆ドルを超えた。 こうした資金を吸う音は大きくなる一方で、銀行やファンド、他の金融機関がこれら国債を購入している。購入に使われている一部のキャッシュは、さもなければ他のどこかに流れているだろう。 こうしたことの一切は、世界的ドル依存がかつてないほど高まる中で起きている。国際的な資金調達通貨としてのドル支配は、2008年の金融危機以降、特に新興市場の借り手の間で急速に広がっている。 国際決済銀行(BIS)によれば、米国以外のノンバンク向けドル与信は3月末時点で世界の国内総生産(GDP)の14%に相当しており、2007年末時点の9.5%から上昇した。 新興市場国のノンバンクに対するドル建て融資は約3.7兆ドルと、危機以降2倍以上増えている。また、同規模が通貨スワップを通じて借り出されている。 「ドル建て融資比率の高まりは、ドル高が継続した場合に現実化するリスクを予見するものだ」と、BISは四半期レビューで指摘。「さまざまな新興市場資産のポートフォリオを抱える世界の投資家にとって、ドル高は、テールリスクを高める。これによって新興市場のエクスポージャーに大幅な縮小が起こりかねない」 何兆ドルも借り入れている米国以外の銀行は、保有する資産と債務に通貨のミスマッチを抱えている可能性がある。大半は、安定したドル建て預金へのアクセスを持たないか、米国支店のドル建て預金にも簡単にはアクセスできないことが多い。 これらの銀行は、より不安定で借り入れコストも高騰する短期的なドル資金調達への依存を強いられる。ドル不足は大きな痛手となりかねない。 *筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。 https://jp.reuters.com/article/column-dollar-mcgeever-idJPKCN1MB1ZQ
ビジネス2018年10月1日 / 18:34 / 43分前更新 焦点:貿易摩擦が企業心理に影、展望リポートへ日銀分析急ぐ 2 分で読む [東京 1日 ロイター] - 株高・円安が続く市場動向とは裏腹に、企業の景況感がさえない。日銀が1日に発表した9月短観では、大企業・製造業の業況判断DIが3四半期連続で、同非製造業は2年ぶりに悪化した。米中貿易摩擦など保護主義的な通商政策の強まりが、企業心理に暗い影を落としつつある。日銀は10月末に公表する新たな「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」に向け、貿易問題の影響について分析を深めていく考えだ。 9月日銀短観は大企業・製造業の業況判断DIがプラス19となり、3四半期連続で悪化した。3期続けて悪化するのは、2007年12月調査から09年3月調査まで5期連続で悪化して以来、約10年ぶりだ。好調を維持してきた同非製造業もプラス22と8四半期ぶりの悪化となった。 それでも日銀では、相次いだ自然災害によって物流や生産への被害が発生したことを踏まえれば、今回の短観はそれなりにしっかりした内容と受けとめているようだ。 内外需のバランスのとれた成長が持続する中、好調な収益環境を背景に企業の景況感が高水準にあるのは事実。先行きは同製造業・非製造業ともに横ばいを見込んでおり、先行き慎重になりやすい短観の特徴を前提にすれば、企業マインドが悲観に傾いてみるのは早計といえる。 設備投資計画は過去平均を上回るペースを維持しており、売上高経常利益率も「歴史的な高水準」(調査統計局幹部)にあるなど、しっかりした事業計画に大きな変化はみられていない。 もっとも、激化する米中貿易摩擦など保護主義的な通商政策に対する企業の懸念は着実に強まっているようだ。 日銀によると、貿易摩擦の足元の業績などへの影響はみられていないが、先行きを慎重にする要因と指摘する企業は増えているという。 経済産業省が28日発表した8月鉱工業生産指数速報は前月比0.7%上昇し、4カ月ぶりに上昇したものの、事前の市場予想を下回る弱めの内容になった。特に電子部品・デバイス工業が同8.8%減となり、前月段階での微増計画が大幅な減少となったことが足を引っ張った。 現時点で具体的な要因は定かではないが、日銀では、こうした背景に米中貿易摩擦が影響していないか、慎重に分析を進めているもようだ。 黒田東彦総裁は9月25日に大阪市内で講演し、先行きのリスク要因のうち、貿易問題の帰すうに最も強い警戒感を示した。「保護主義的な政策は、当事国であろうとなかろうと、誰にとってもメリットがない」と断言し、「この問題が金融市場や企業マインドの不安定化につながらないようにするためにも、各国間で真摯に議論を重ねていくことが不可欠だ」と強調した。 現段階で貿易問題の影響は数字にこそ明確に表れていないものの、日銀短観で企業から寄せられた声からは、すでに企業マインドに暗い影を落とし始めている可能性がある。収束の兆しがみえない米中貿易摩擦を中心に、問題の長期化自体が企業マインドに悪影響を与えかねず、日銀は動向を注視している。 伊藤純夫 編集:田巻一彦 https://jp.reuters.com/article/boj-trade-tankan-japan-idJPKCN1MB200
中国製造業が一段と失速、貿易紛争の影響じわり 生産縮小示すデータでさらなる景気刺激策の可能性強まる 中国東部山東省の工場で働く工員 By Liyan Qi and Lingling Wei 2018 年 10 月 1 日 12:22 JST 更新
【北京】エスカレートする米中貿易紛争が、中国経済に一段と重い足かせとなり始めた。海外からの需要低下と国内消費の低迷が相まって、中国製造業の大幅な生産縮小を引き起こしている。 先月30日発表の経済データによると、製造業の減速が鮮明となり、中国政府が経済を下支えする景気刺激策をさらに強化する見込みが高まっている。 最新データによると、自動車・機械などを製造する民間企業は9月、拡大基調の生産にブレーキがかかった。輸出の新規受注が2016年2月以来の低水準に落ち込んだのが響いた。一方、国有の大手製造企業の生産量も引き続き鈍化した。 中国の7-9月期(第3四半期)の主要経済指標の中で最初に発表されたこのデータは、米中貿易戦争が世界第2の経済大国の成長を押し下げ始めたことを示すものとなった。 これまで中国の景気減速は主に、国内の債務圧縮を進める中で、企業・個人双方の投資や消費が抑制されたことが原因となっていた。だが7月以降は、米中両国の貿易摩擦が単なる言葉による脅しから、相手国の製品に対する数千億ドル規模の関税発動へと発展し、その影響が懸念されていた。 「製造セクター全体の拡大基調は9月に弱まった」と財新智庫莫尼塔(CEBMグループ)の北京在勤エコノミスト、鐘正生氏は指摘。「中国経済の後退圧力は相当大きい」 エコノミストや政府顧問らは、こうした圧力を受け、中国政府が金融緩和や公的支出の拡大といったより成長志向の政策を打ち出すだろうとみている。そうなれば、すでに高い債務水準の拡大を阻止する政府の取り組みが一段と後退する公算が大きいという。 中国人民銀行(中央銀行)は今年、銀行の預金準備率をすでに3度引き下げており、4度目の引き下げがあれば、貸し出しを加速させ、中国経済を後押しすると、アナリストやエコノミストは話す。 国務院発展研究センターの隆国強副主任は30日、米中貿易摩擦が中国の輸出や経済成長全体に影響を与えるのは間違いないと述べた。「企業は生産を削減したり、従業員数を減らしたりするほか、一部は閉鎖に追い込まれるだろう」とメディアとの会見で語り、貿易戦争が経済に与える影響に応じて、金融政策を調整することになると続けた。 景気刺激策の必要性に関するこうした見方は、米国の攻撃から身を守る一方で、景気の息切れを防がなくてはならない中国政府の綱渡り的状況を際立たせている。ドナルド・トランプ米大統領は、強い米国経済のおかげで中国との争いで優勢に立てると繰り返し豪語してきた。 30日に発表されたデータは、関税発動の影響がすでに出始めたことを示している。 中国の経済メディア「財新」と調査会社マークイットが発表した9月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.0と、8月の51.0から低下。民間中小企業を中心とする同指数は、8月まで15カ月連続で景況感の節目である50を上回っていた。 一方、中国国家統計局が同日発表した9月の公式製造業PMIは50.8と、エコノミストの予想中央値(51.2)を下回り、7カ月ぶりの低水準。8月は51.3だった。 国有大手企業に重きを置くこの指数は2年余り、50を上回り続けている。ただ、国有企業にとっても先の見通しは暗い。公式製造業PMIのサブインデックスで中国製品の対外需要を示す輸出関連指数は、8月の49.4から、9月は48.0に悪化した。 最新データで唯一の明るい材料は、建設セクターの力強い回復だ。これは中国政府が再びインフラ事業に注力し始めたことが背景にある。国家統計局によると工場の生産活動を除いた9月の公式非製造業PMIは54.9と、8月の54.2から上昇した。 訂正:6段落目の「莫尼塔投資発展」を「財新智庫莫尼塔」に訂正します。 関連記事 米中の貿易摩擦、経済冷戦の様相に近づく 【社説】対中関税に見るトランプ氏の戦略不在 中国は米企業技術をこうして入手する イタリア財務相、予算で至難の業に挑む−ユーログループ納得するか Kevin Costelloe 2018年10月1日 11:46 JST 対GDP比2.4%の財政赤字目標は金融市場の波乱要因になった 予算案巡り大統領や中銀総裁らが週末に相次いで発言 イタリアのトリア財務相は今週、同国の予算案についてユーロ圏の財務相らを納得させなければならない。
ルクセンブルクで1日に開かれるユーロ圏財務相会合(ユーログループ)でイタリアの2019年予算案は議題に入っていないが、会合に合わせて行われる話し合いでトリア財務相が同案について質問を受けるのは確実だ。これまでに公表された重要な項目は国内総生産(GDP)比2.4%の財政赤字目標の設定だが、9月28日の市場では株や債券が値下りするなどイタリア資産に集中的な下押し圧力をかけた。 こうした事態を受けて週末には政治家の発言が相次いだ。いつもなら控えめなマッタレッラ大統領さえポピュリスト連立政権に対し、予算均衡と持続可能な公的債務を目指す憲法上の義務があることを思い出させる動きに出た。 トリア財務相写真家:Giulio Napolitano / Bloomberg ウニクレディト・グループのチーフエコノミスト、エリック・ニールセン氏は30日付リポートで、「マッタレッラ大統領が憲法を片手に厳しい姿勢を貫き、世論調査で同大統領の高い支持率が示唆されれば、政府は予算計画を再考せざるを得ないだろう。やっかいな問題だが、慎重に見守るに値する」と語った。
イタリア銀行(中央銀行)のビスコ総裁は自身の見解として債務圧縮の必要性を訴えた。イタリア債務の対GDP比は130%を超え、ユーロ圏では危機に見舞われているギリシャに次いで高い。 ただ週末に最も注目を集めたのはトリア財務相の動向だった。同相は今夏の予算交渉で財政赤字を抑えようとする姿勢を貫こうとしたとされ、市場の信頼を勝ち取った。だが、政権内での今後については臆測が絶えない。 トリア財務相は同国紙ソレ24オレとのインタビューで「私は決して辞任をちらつかせなかった」とし、「2.4%という財政赤字目標は政治的交渉の産物だ」と語った。しかし、同相は1.6%を求めていたとされ、同国紙メッサジェロは関連法の承認後、トリア氏は辞任する計画だと報じている。 原題:Italy’s Tria Faces Hard Sell on Budget to Euro Colleagues (2)(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-30/PFW49Q6TTDS101
超長期債が下落、日銀オペ減額続くとの観測−株高・円安が拍車 野沢茂樹 2018年10月1日 8:05 JST 更新日時 2018年10月1日 16:05 JST • 新発40年債利回り1.09%と、昨年10月以来の高水準 • 残存25年超のレンジ下げで減額方針をあらためて意識−メリル日本証 債券相場は超長期債を中心に下落。日本銀行が先週末に公表した今月のオペ運営方針を受け、国債買い入れ規模の縮小が続くとの見方があらためて売り材料視された。円安と国内株高の進行も下げに拍車を掛けた。 1日の現物債市場で40年物の11回債利回りは日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より1.5ベーシスポイント(bp)高い1.08%で寄り付いた。午後には1.09%と、新発40年物として昨年10月以来の水準に上昇。新発30年債利回りは0.92%と昨年7月以来、新発20年債利回りは0.66%と昨年3月以来の高水準をそれぞれ付けた。 メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「残存期間25年超の買い入れレンジ引き下げで、市場では減額の方向性があらためて意識され、超長期ゾーンを中心に買いにくさがある」と指摘。下半期入りし、金利水準も上がっているので、いずれは投資家の押し目買いが入ってくる見込みだと続けた。 長期国債先物市場では中心限月12月物は4銭安の150円05銭で取引を開始。その後、徐々に買いが優勢となり、4銭高の150円13銭まで上昇。午後は前日終値を挟んで推移し、結局は1銭安の150円08銭で引けた。 日銀は先月28日公表した10月の国債買い入れオペの運営方針で、残存期間25年超の1回当たり買い入れ額のレンジを500億−1500億円から100億−1000億円に引き下げた。直近の買い入れ額は500億円と9月方針で示されたレンジ下限に達していた。実施回数は月5回で変わらなかった。一方、残存10年超25年以下については買い入れ額のレンジ、回数とも据え置きだった。9月に月5回に減った中長期ゾーンの実施回数やレンジも変更がなかった。 米国とカナダの貿易交渉が妥結、メキシコを含めた3カ国協定の枠組みが維持されることになったとの報道が東京時間に伝わり、円相場は対ドルで1ドル=114円ちょうど近くと昨年11月以来の水準に下落。日経平均株価は一時2万4306円54銭と1991年11月以来の高値を付けた。 一方、日銀がこの日発表した企業短期経済観測調査(短観、9月調査)では大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)がプラス19となり、3期連続で悪化した。大企業・非製造業もプラス22と2ポイント悪化した。 10年債入札 財務省は2日、10年利付国債入札を実施する。新回号となり、償還予定日が3カ月延びる。発行予定額は額面金額で2兆2000億円程度。メリル日本証の大崎氏は、入札前取引で利回りが0.15%を超えてくれば表面利率が0.2%に引き上げられる可能性があるとし、0.15%付近では押し目買いが入りそうだとみている。 新発国債利回り(午後3時時点) 前週末比 2年債 -0.115% 横ばい 5年債 -0.070% +0.5bp 10年債 0.125% +0.5bp 20年債 0.660% +0.5bp 30年債 0.920% +1.5bp 40年債 1.090% +2.5bp https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-30/PFRA1J6JIJUP01?srnd=cojp-v2 米国債の強気派、雇用統計きっかけの相場上昇を期待−賃金の伸び焦点 Katherine Greifeld 2018年10月1日 15:59 JST • 9月平均時給は前年同月比2.8%上昇、8月から鈍化予想−調査 • 賃金の伸び鈍化の兆候が相場上昇のきっかけになり得る−ウェルズF 米国債の強気派は今週、5日発表の9月の米雇用統計をきっかけとする相場上昇に期待している。9月のパフォーマンスが4月以降最悪となったことで生じた強気派の痛みは先週、安全資産買いが和らげた。 先月発表の8月の雇用統計では、予想外に大きな賃金の伸びが10年債利回りを年初来最高水準へ押し上げる一因となったため、9月の統計でも賃金が注目される。10年債利回りは先月、イタリア財政を巡る懸念から上昇幅を縮小したものの、それでも20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇と、この5カ月で最も上げた。 ウェルズ・ファーゴのストラテジスト、ボリス・リャビンスキ氏らは、最終的に利回りは上昇する方向と予想しつつも、賃金の伸び鈍化の兆候があれば相場上昇のきっかけになり得るとみている。米連邦公開市場委員会(FOMC)が今年3回目の金利引き上げを決定し、利上げ継続を表明した後で賃金の伸びが期待外れとなれば、金融引き締めを続ける方針に投資家が疑問を抱く可能性があるためという。 同氏は「賃金の下振れに対する市場の反応は、ポジティブ・サプライズよりも大きくなる可能性がある」と予想。「金融当局がスタンスを維持するのかどうか、一部で疑問が生じかねない」と述べた。 先週の10年債利回りは一時3.11%と、年初来のピークに接近した。ブルームバーグ調査によると、米国の9月の平均時給は前年同月比で2.8%上昇したもよう。これはリセッション(景気後退)後で最大の伸びとなった8月の2.9%上昇から鈍化した状況を意味する。非農業部門雇用者数は前月比18万5000人増の見通し。8月は20万1000人増だった。 今週の注目イベント • 投資家は一連の米金融当局者の講演に注目。2日と3日にパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演する • 経済統計では雇用統計が最大の焦点: o 1日:マークイット製造業PMI、建設支出、ISM製造業景況指数 o 3日:住宅ローン申請指数、ADP雇用統計、マークイット非製造業PMI、ISM非製造業景況指数 o 4日:チャレンジャー人員削減数、新規失業保険申請件数、製造業受注、耐久財受注、ブルームバーグ消費者信頼感 o 5日:雇用統計、貿易収支、消費者信用残高 • 米財務省短期証券(Tビル)入札は、1日に3カ月物と6カ月物、2日に1カ月物を予定 原題:Bond Bulls Emboldened as Haven Demand Eases September Drubbing(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-01/PFWPBZ6JTSEH01?srnd=cojp-v2
米国債の強気派、雇用統計きっかけの相場上昇を期待−賃金の伸び焦点 Katherine Greifeld 2018年10月1日 15:59 JST • 9月平均時給は前年同月比2.8%上昇、8月から鈍化予想−調査 • 賃金の伸び鈍化の兆候が相場上昇のきっかけになり得る−ウェルズF 米国債の強気派は今週、5日発表の9月の米雇用統計をきっかけとする相場上昇に期待している。9月のパフォーマンスが4月以降最悪となったことで生じた強気派の痛みは先週、安全資産買いが和らげた。 先月発表の8月の雇用統計では、予想外に大きな賃金の伸びが10年債利回りを年初来最高水準へ押し上げる一因となったため、9月の統計でも賃金が注目される。10年債利回りは先月、イタリア財政を巡る懸念から上昇幅を縮小したものの、それでも20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇と、この5カ月で最も上げた。 ウェルズ・ファーゴのストラテジスト、ボリス・リャビンスキ氏らは、最終的に利回りは上昇する方向と予想しつつも、賃金の伸び鈍化の兆候があれば相場上昇のきっかけになり得るとみている。米連邦公開市場委員会(FOMC)が今年3回目の金利引き上げを決定し、利上げ継続を表明した後で賃金の伸びが期待外れとなれば、金融引き締めを続ける方針に投資家が疑問を抱く可能性があるためという。 同氏は「賃金の下振れに対する市場の反応は、ポジティブ・サプライズよりも大きくなる可能性がある」と予想。「金融当局がスタンスを維持するのかどうか、一部で疑問が生じかねない」と述べた。 先週の10年債利回りは一時3.11%と、年初来のピークに接近した。ブルームバーグ調査によると、米国の9月の平均時給は前年同月比で2.8%上昇したもよう。これはリセッション(景気後退)後で最大の伸びとなった8月の2.9%上昇から鈍化した状況を意味する。非農業部門雇用者数は前月比18万5000人増の見通し。8月は20万1000人増だった。 今週の注目イベント • 投資家は一連の米金融当局者の講演に注目。2日と3日にパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演する • 経済統計では雇用統計が最大の焦点: o 1日:マークイット製造業PMI、建設支出、ISM製造業景況指数 o 3日:住宅ローン申請指数、ADP雇用統計、マークイット非製造業PMI、ISM非製造業景況指数 o 4日:チャレンジャー人員削減数、新規失業保険申請件数、製造業受注、耐久財受注、ブルームバーグ消費者信頼感 o 5日:雇用統計、貿易収支、消費者信用残高 • 米財務省短期証券(Tビル)入札は、1日に3カ月物と6カ月物、2日に1カ月物を予定 原題:Bond Bulls Emboldened as Haven Demand Eases September Drubbing(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-01/PFWPBZ6JTSEH01?srnd=cojp-v2
ブラックロックの社債ETF2本に明暗−手数料争いは社内でも Vildana Hajric、Carolina Wilson 2018年10月1日 12:13 JST • 25日にUSIGへ過去最高の6億ドル余りが流入 • USIGの手数料、1000ドルにつき6ドル−LQDは15ドル American flags fly at BlackRock Inc. headquarters in New York. Photographer: Bess Adler/Bloomberg 上場投資信託(ETF)市場では手数料を巡る争いが続いているが、それは今、資産運用会社の社内で起きている。 世界最大の資産運用会社ブラックロックの22億ドル(約2500億円)規模のiシェアーズ・ブロード・米ドル建て投資適格社債ETF(銘柄コード:USIG)には9月25日に過去最高の6億2400万ドルが流入した。ブルームバーグのデータによると、1人の買い手が同ETFで4件の大口取引を執行したもようで、最大は500万口(2億6750万ドル相当)だった。 一方、同社の340億ドル規模のiシェアーズiBoxx投資適格社債ETF(同LQD)では24日に6億7500万ドル余りが流出。25日にはさらに3億2000万ドル近くが引き揚げられた。年初来では31億ドルの投資家資金が流出している。 両ETFの手数料は、投資額1000ドルにつきUSIGが6ドルであるのに対してLQDは15ドルと、USIGの方がはるかに安い。25日の資金流入は、USIGの時価総額が一夜にして40%余り拡大するのを後押しした。 ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、アサナシオス・サロファジス氏は「資産配分比率を維持する必要があるであろう誰かが、割安な選択肢へとにかくシフトしている」と指摘。「iシェアーズの主力ETFの一部でこのような動きが見られるのは珍しいことではない」と語った。 原題:BlackRock Is the Winner and Loser in This Bond ETF Fee Fight(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-01/PFWDPH6KLVR401?srnd=cojp-v2
[18初期非表示理由]:担当:要点がまとまってない長文orスレ違いの長文多数により全部処理
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