★阿修羅♪ > 経世済民128 > 187.html
 ★阿修羅♪
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
「世界最大のごみ捨て場」中国の終焉──日本のプラスチックごみはどこへいく
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/187.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2018 年 8 月 15 日 10:19:50: KqrEdYmDwf7cM gsSC8YKzgqKBaYKigWo
 

六辻彰二 塗り替わる世界秩序 2018年07月26日(木)13時30分
https://www.newsweekjapan.jp/mutsuji/2018/07/post-35_1.php


中国、大連のごみ処分場で使えるものを探す女性とエサを探すカモメ(2015年) REUTERS

・プラスチック製ストロー廃止など、プラスチックごみを削減する試みは各国で進んでいる

・そこには環境保護の意識だけでなく、プラスチックごみの「輸入」を中国が禁じたことへの警戒感をみてとれる

・日本ではこの動きへの反応が鈍いが、プラスチックごみの削減はグローバルな環境保護だけでなく、国土保全の観点からも緊急の課題である

7月9日、スターバックスが全世界の店舗でプラスチック製ストローの使用をやめると発表。これと並行して、イギリスでは4月、アメリカのシアトル市では7月に、プラスチック製ストロー廃止の方針が打ち出された。

これに対して、日本の政府や企業の反応は全体的に鈍い。

各国でプラスチック製ストロー廃止が進む理由としては、海洋汚染の防止といった環境保護が取り上げられやすい。しかし、この問題は、プラスチックごみを処分できる土地がもはやなくなりつつあることにも関連する。ストローにとどまらず、プラごみの問題がいまだに重視されない日本の状況は「最後の始末まで考える」という意識や戦略性の欠如を物語る。

世界のごみ捨て場

これまで世界では、とりわけ豊かな国が、環境保護の美辞麗句とは裏腹に、貧しい国にごみを持ち出してきた

環境規制の厳しい先進国では、ごみ処分にともなうコストも高くなりやすい。これは安価にごみを引き取り、規制の緩い開発途上国に持ち出して処分する「ごみの輸出」を促す土壌になってきた。


なかでもプラスチックは、多くの素材以上にリサイクルのコストが高くなりやすい。そのため、世界で回収されたプラスチックごみの14パーセントしかリサイクルされていない。日本の場合、慶応義塾大学の大久保敏弘教授らのチームによると、プラごみだけで年間500億円分以上が輸出されている。


リサイクルされず、輸出されたプラごみの多くは、その他のごみと同じく、最終的に開発途上国で投棄されることになる。開発途上国の郊外や貧困層の多く暮らす地域では、海外から運び込まれたごみがうず高く積み上がっている光景や、そのなかからまだ使えそうなものを拾い集める人々の姿が珍しくない。

これら世界のごみの多くを引き受けてきたのが中国だ

国際再生資源連盟によると、2016年段階で中国に持ち込まれたプラごみは730万トンに及び、これは世界全体の約56パーセントにのぼる。


国別でみると、大陸向けのプラごみは日本からのものが最も多いとみられ、それにアメリカ、タイ、ドイツが続く。また、香港向けのものはアメリカ、日本、ドイツ、イギリスが目立つ。

「もうごみは受け入れない」

1980年代以来、中国は世界各国から廃棄物を輸入してきた。それによって利益を得る業者がいるだけでなく、金属類などを工業製品の原料として再利用することも「ごみ輸入」の大きな目的だった。

しかし、近年では中国国内でもごみが急増しており、大気、水質、土壌の汚染の一因と考えられるようになった。

これに拍車をかけたのが「ごみ輸出国」の増加だ。近年では、経済成長にともない、近隣の東南アジア諸国からもごみ輸出が急増。例えば、インドネシアは年間129万トンのプラごみを生んでいる。

念のために補足すれば、中国は純粋な「ごみ輸入国」ではない。香港に1年間に輸入されるプラごみは288万トンだが、輸出されるものは282万トンに及ぶ。つまり、世界的なごみ流通網のなかで、香港は世界でも指折りの中継地になっている。

とはいえ、その一方で、「世界のごみ捨て場」としての中国のキャパシティが限界に近づいていることも確かだ。

その結果、2017年に中国政府はプラスチックを含む24種類のごみの受け入れを年内一杯で禁止すると発表。2018年4月には、さらに16種類のごみの受け入れを2019年末までで禁止する方針を打ち出した。このなかには鉱さい(鉱石から金属を製錬する際に分離する鉱物成分、スラグ)やポリエチレンなども含まれる。

ごみ輸出国への衝撃

「世界のごみ捨て場」をやめるという中国の方針を、国連環境計画(UNEP)は「我々が汚染を打ち負かすのを手助けする」と評価している。その一方で、中国の決定はごみ輸出国に動揺をもたらした。

ごみの取り引きも一応「貿易」のカテゴリーに入るが、中国政府による輸入禁止は世界貿易機関(WTO)の手続きに沿ったもので、違法性もない。そのため、外国が中国政府の決定を覆すことは不可能だ。まして、さすがにどの国も「今まで通りごみを引き受けろ」とは言えない。

そのため、中国に代わる「世界のごみ捨て場」として、ヴェトナム、タイ、マレーシアなどのごみ処理場が活況を呈している。

しかし、先述のように、東南アジアの多くの国自身が、中国にごみを輸出してきた。そのうえ、これらの国は中国よりはるかに面積が狭い。したがって、これらの国のごみ処理場が遅かれ早かれ一杯になることは、容易に想像できる。

だとすれば、各国はこれまで以上にプラごみ削減に取り組まざるを得ない。この背景のもと、冒頭でとりあげたストローだけでなく、プラごみ全体を減らす取り組みも表面化している。オーストラリアでは7月1日、スーパーなどでプラスチックのレジ袋が廃止された。

各国におけるプラごみ削減の動きは、環境への悪影響を中心に語られてきたが、実際にはプラごみで自国があふれ返ることへの危機感も背後にあるとみてよいだろう。

「始末」への意識が低い日本

ところが、日本の反応はお世辞にも機敏といえない。

例えば、プラスチック製ストローの業界では「プラスチック製ストロー廃止の動きは一部の外資に限られており、日本でこれが広がるかは疑問」という考え方が支配的だ。そこには、「欧米諸国ではプラスチック製ストローを埋め立てることが多いが、日本では焼却が中心であり、環境悪化につながっていない」といった主張がある。さらに、プラスチックに代わって欧米で使用され始めている紙製ストローの品質の問題をあげ、「いずれプラスチック製に回帰する可能性もある」という楽観的な意見すらある。

プラごみに限らず、日本では消費者の関心が高くないこともあり、関連業界の意見が環境対策やごみ対策を左右しやすい

その一例としては、家電があげられる。欧米諸国では、販売価格にリサイクル費用を上乗せして家電メーカー側に負担を求める前払い方式が主流だ。これに対して、日本の家電リサイクル法では、家電メーカーから前払い方式への反対が相次いだことから、廃棄段階で消費者が費用を負担する後払い方式が採用されている。後払い方式は家電の不法投棄の温床にもなっている。

家電の例でそうだったように、現状の日本政府は関連業界や景気への影響から、プラごみ削減に熱心と言いにくい。環境白書(平成29年版)では「循環型社会の形成」が謳われ、海洋汚染の観点から海洋ごみ対策に取り組むことや、容器包装に限ったプラごみのリサイクル率の高さが紹介されているものの、プラごみ全体の削減や、まして「ごみ輸出」に関しては触れられていない。

しかし、海外のごみ捨て場が限界に近づいているなか、プラごみを出し続けることは、いずれわが身に返ってくる問題でもある。言い換えると、日本のプラごみの始末をつけることは、他の誰でもなく日本自身にとっての急務なのである。  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
1. 2018年8月15日 10:32:45 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1310] 報告

良い機会だ

愚かな国民は、危機にならない限り、己の愚かさに気づかない

2. 2018年8月15日 10:57:16 : 6qHihNPgg6 : 8XvfJnVFxlo[1] 報告
消費者が変われば簡単に世界は変わる
このまま愚かなままでいるのか否か?
全ては消費者が決めることだ
3. 2018年8月15日 11:15:35 : opbZbkSxSI : xqvkAuvg8Uw[121] 報告

「愚かな国民は、危機になっても 自分たちの愚かさに気づかない」でしょうし

「消費者」と呼ばれる奴隷・社畜・国畜が賢くなることもないでしょう 。。。

4. 2018年8月16日 02:28:24 : EfFpMFhzyA : AzUDUFJp9TM[4] 報告
日本で規制緩和すればすぐに解決するのに、

民間がゴミの高温発電して既存の電力会社と同じ価格で近隣地域販売できれば
最初は補助金が必要だが10年後には利益が出るようになる。

簡単なお仕事

規制が厳しすぎる。

5. 2018年8月16日 02:53:52 : KZgVt1JLkU : t_dFY@aq5CY[6] 報告
燃やしたゴミのダイオキシンを吸ってゴム印既得権者の寿命が短くなるのが嫌なだけでしょう。
日本は貧富の差が大き過ぎ。
6. 2018年8月16日 11:31:50 : 0URAHOb0AM : WNqZFRhkQhU[530] 報告
そこに利権があれば電光石火のような動きをする連中限って、己に利がなければ見向きもしないという現状。
そういうヤツラで固められている売国大企業の汚歴々とその金魚のフンの自公やクソ厄人ども。
コイツらは情報を持っているが、国民には出さない。それを助長するマスゴミ。

しかし、腐敗臭はいずこからか漏れ出し、必ず周知される。
周知された時はすでに手遅れで、そのケツ拭きをするのはいつも国民。

いつになったら、この愚かさに気づくのか国民。 いつになったら、この下らない輪廻から離脱する気になるのか国民。
こうしてオレたちは気づきのない多くの国民たちが作る歴史の流れには逆らえ切れず、日本国に住む一庶民として、今日も売国大企業の汚歴々とその金魚のフンの自公やクソ厄人の後始末に従事するハメになっている。

これが本当の民主国家なのだろうか? これが自由を標榜する国家なのだろうか?
確かに大多数の国民のように時代の流れに身を委ねるというのは、ひとつの自由かもしれないが、それを望まない者にも自由を呉れよ。
それを望まない者に対して、この国はどれだけ不自由か。どれだけ息が詰まるか。どれだけ絶望的か。
大多数の国民のように安倍らと進むと絶望的というのが分かっているのに、それを避けることが出来ない絶望。

ホントに逃げ出すには死しかないのかよ。この国は。
 

7. 2018年8月16日 12:37:28 : KZgVt1JLkU : t_dFY@aq5CY[7] 報告
>>06

世界中どこの国に行っても同じだよ。
そもそも明治維新がどうやって起きたのか復習してごらんよ。
英国の金融屋兼武器屋がお気に入りのヤクザに融資して兵器を買わせ、それで歴史と伝統の幕府を倒した。
連中は世界中の国で同じ事やっているのだよ。
つまり地元の政府を倒して自分お気に入りのヤクザで土地と資源を占領しているわけ。
自分の気に入らない奴は土地も資源もないから極貧で末は滅亡ね。

でもね、そんな事やっているとゆくゆくは種として人類は破滅するのだ。
なぜならば性能の良い兵器を生産するには大量の資源が必要で、大量の二酸化炭素を排出する。地球上の人類がみんな伝統的な生活を捨ててそんな事を始めたら、どうなるかくらい想像がつくだろ。

連中はそれくらい考えられないほど頭が悪いのだ。だから際限なく世界中の国で同じ事をやった。結果今さら中国やインドに止めてと言える立場も無いし、実力もない。核融合発電にも60年間連続で失敗し続けている。

どうせ人間は誰でも死を免れる事はできない。地球上に出現した生物の99%は絶滅しているのだ。今回も失敗作だったって事かな。ただし今回は全球レベルでの環境破壊で昆虫さえも生き残れるかどうか怪しいけどね。ねばねばスライムの地球に逆戻りがデフォでしょう。

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民128掲示板 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民128掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民128掲示板  
次へ