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日産車、5割超で燃費不正等…無資格検査発覚後も不正横行、また西川社長は謝罪会見欠席
https://biz-journal.jp/2018/08/post_24369.html
2018.08.10 文=編集部 Business Journal
日産・西川廣人社長兼CEO(写真:ロイター/アフロ)
日産自動車は7月9日、横浜市の本社で、出荷前の排ガスや燃費測定で不正を行っていたと発表した。昨年9月には、無資格検査の不正が明らかになっており、不祥事が相次いでいる。
昨秋の発表時には、当初、西川廣人社長兼CEO(最高経営責任者)が出てこなかったため批判を浴び、3日後に改めて西川社長が会見し直した。この時、社長は現場に責任を押し付けるような発言をして、現場の強い反発を招いた。謝罪も中途半端で、きちんと頭を下げなかった。
こうした苦い経験をしているにもかかわらず、今回も社長が会見に現れなかったため、「なぜ、この場に社長がいないのか」との質問が飛んだ。会見したのは製品開発担当の山内康裕チーフコンペティティブオフィサー(CCO)。
今回の不正は、抜き取り検査した台数の5割超に及び、無資格検査の発覚後も不正が横行していたことを裏付けた。
西川社長は昨年10月、記者会見という公式の場で「不祥事の再発防止」を誓ったはずだ。それにもかかわらず、今年6月まで別の不正が続いていたことになる。同様の不正でSUBARU(スバル)が記者会見をしたのをきっかけに、日産は社内を点検して不正が見つかったとしている。
■問題意識の薄い日産経営陣
経営陣と現場の意識の乖離など、問題の根深さが浮き彫りになった。
7月9日の会見には、西川社長もカルロス・ゴーン会長も姿を見せなかった。その理由について山内氏は、「対策と実行の責任者である私が説明すべきだと考えた」と釈明したが、これでは到底、企業として説明責任を果たしたことにはならない。
山内氏の説明によると、不正は日産自動車九州を除く国内5工場で行われ、少なくとも2013年4月から18年6月にかけて、抜き取り検査の対象にした完成車の53.5%に相当する1171台で不正があった。ノートなど19車種で不正が見つかったという。不正にかかわった現場の検査員は10人だという。
山内氏の発言に疑問を投げかける声は多い。たとえば、山内氏は13年4月以前の不正について「(調査対象の)データがPC上で満杯になると、古いデータは消えてしまう」と発言。「調査はできない」と主張した。
まるで、森友学園と財務省の交渉記録を「破棄した」と国会で強弁し続けた佐川宣寿・前国税庁長官のようだ。山内氏は、会見で報道陣から突っ込まれても眉ひとつ動かさなかった。もし、データが自動消去されるのだとしたら、事前にハードディスクなどで保存しておくべきではないのか、との批判が上がっている。
不正が続いたスバルでは、吉永泰之社長(当時)が代表権のない会長に退きCEO職も返上した。
今回、日産で新たな不正が明らかになったことで、改めて西川社長の責任問題がクローズアップされるだろう。先の株主総会で、不正に関する責任問題を問う質問があったが、ゴーン会長は「トップは西川氏」と述べ、一度も謝罪せずに押し通した。
データ改竄や不正が次々と明らかになった神戸製鋼所、三菱マテリアル、スバルは、トップが引責辞任した。東レは子会社の社長が辞めている。日産だけが、いまだにトップの責任を明確にしていない。
日産の株価は7月9日午後に急落。999.5円まで売られ、17年4月以来の1000円割れとなった。8月6日現在の株価は1049円。トヨタ自動車は7133円、ホンダは3392円。スズキは8月3日に急騰し、一時7285円(832円高)の上場来高値を更新し、8月6日の終値は7327円(322円高)。7355円をつけたこともあった。スバルも3232円で、日産の株価の3倍である。日産の株価だけが、こうも安いのは、投資家が経営トップに強い不満を持っている証左だろう。
■深く反省してはいない?
日産の検査不備は日常的に行われていた。それなのに、不祥事が発覚した昨年秋の最初の記者会見で、広報部長などマネージャークラスが「不具合はまれ」と居直った。問題が社内で判明してから10日後の17年9月29日夜、国土交通省で日産が会見した時のことだ。
企画・監理部の人間が、自動車の安全性について「無資格の従業員が行ったとはいえ、出荷に必要な検査項目はすべて行っている」と説明。「この検査で不具合が見つかることはまれだ」とまで言い切った。週明けには、社運をかけたEV「新型リーフ」の発売を控えていたため、強気の発言をしなければならなかったとみられるが、初動を間違えたといえる。
会見をした担当者は柄物のワイシャツを着ており、およそ謝罪のための記者会見に臨む服装ではないとの批判が噴出した。担当役員が出てこなかったことから「日産がこの会見を軽視していたことがわかる」と、クレーム処理に詳しいアナリストは分析した。しかも、出てきた2人は「国交省の指摘で(無資格検査を)初めて知った」と言い放った。その後に、無資格検査が全工場で常態化していたことが発覚しているのだから、軽率な会見だったうえに、出席する人選を間違えたことが致命傷になった。
10月2日になって西川社長が会見し、無資格者が検査していたことを「国土交通省から指摘されるまで、まったく認識していなかった」と甘い管理体制だったことを認めた。それでも西川社長は「検査そのものは確実に行われており、安心・安全に使っていただける」と強調、「品質ではなく、あくまで手続きの問題だ」と主張した。さらに「9月20日以降は認定した検査員が100%行うようになった」と語った。西川社長は会見で深々と頭を下げることもせず、ユーザーの強い反発を招いた。
法令を軽視している点でいえば、三菱自動車の燃費改竄と同じ地平の問題だった。三菱自動車は燃費改竄問題で適切な手を打てず経営が傾き、日産の傘下に入った。
■さらに不祥事が続く可能性
西川社長は、“汚れ役”をやりたがらないとの声もある。
「ゴーン会長は、スキャンダルが起こっても決して表に出ないことから、西川社長は自分もその路線でいいと思っている節がある。『なんで俺が(後ろ向きの)記者会見に出なきゃいけないんだ』というのが、西川社長の本音だろう」(日産元役員)
西川氏は前例踏襲型の官僚タイプだ。「上には弱く、下には強い」(若手幹部)と、社内でも評判が悪い。「求心力がない」というのが社内外の共通認識だ。
自動車業界に詳しいコンサルタントは、こう証言する。
「日産は危ないと思う。組織がダメだ。広報など事務部門は現場をバカにしている」
日産の稼ぎ頭は、米国日産だ。7月26日に発表した18年4〜6月期連結決算は、純利益が前年同期比14%減の1158億円。完成車検査の不正の影響が国内で出たほか、米国の販売不振が誤算となった。4〜6月の世界販売台数は3%減の131万台。米国は9%減の36.5万台となった。北米の利益は495億円で3%減った。ディーラーに渡す販売奨励金(インセンティブ)が高止まりし、値引き販売への依存度が高いのが特徴だ。
しかも、販売奨励金を出しても売れない。8月1日に日産が発表した7月の米国の新車販売台数は10万8792台で、前年同月比15.2%のマイナスだった。低迷は長期化する可能性が高い。
■広報のキーパーソンの人事が話題に
4月1日付でグローバル広報担当のVP(理事)に昇格した濱口貞行氏が、業界関係者の間で話題になっている。
濱口氏は1980年、日産に入社。人事部を経て、90年から広報部。グローバルコミュニケーション本部国内広報部部長を経て、グローバルコミュニケーション本部ジャパンコミュニケーション部部長。18年2月28日付でチーフ・コミュニケーション・オフィサーに就任していた。
「不祥事が相次ぐ日産で、西川社長を支えているのは濱口広報部長。その大きな功績で執行役員に次ぐ理事(VP)職に就いた」といった話が、この春、自動車業界だけでなく広報担当者の間で広がった。
ただ、濱口氏をよく知るジャーナリストは、「『英語ができないのに、なんで俺がグローバル広報なのか』と本人が言っていたと人伝てに聞いた。今の日産にマスコミ対応ができる広報がいないので、定年を延長してでも彼が担当している。理事というポストは、役員ではないので形だけだ。論功行賞の人事とはいえないのではないか」と語る。
さらに濱口氏については、「ゴーン氏が日産に来た最初、面従腹背でソッポを向いていた」との証言もある。こう語る関係者もいる。
「まともな人。ゴマをするタイプではない。もともと濱口氏はゴーン人脈ではないので、西川社長は濱口氏の言うことを聞かない。彼に力があれば、西川社長をきちんと会見の場に引っ張り出せている」
つまり、“ミニ・ゴーン”と呼ばれている西川社長を守った論功行賞として理事になったわけではなさそうだ。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は“やり手”だ。ルノー・日産の内情を熟知している。さらに、マクロン氏は若く、経済でも成果を出したいと考えている。
そのため、「ゴーン氏が交代するタイミングで、ルノーが日産を合併すると思う。日産は名実ともにフランスの会社になり、三菱自動車は捨てられる」(現地パリの自動車担当アナリスト)との見方も広まっている。
(文=編集部)
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