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マンションの値引きと値下がり開始、増える「完成品在庫」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180802-00010000-wedge-bus_all&pos=1
Wedge 8/2(木) 12:14配信
(huzu1959/Gettyimages)
東京や大阪の大半のマンションをすべて自分の目で見て回っているという不動産ジャーナリストの榊淳司氏は、
「マンションの値下がりはもう始まっている。それを示すように中古マンション市場の動きがかなり怪しい。一般の人は新築マンションの価格は上がっているとみているが、水面下ではもう下がっている」
と、打ち明ける。2020年の東京オリンピックまでは首都圏のマンションは値下がりしないという見方が多い中で、違う意見を披露してくれた。
暴落の可能性も
榊氏は現場をつぶさに点検して、実際の成約価格を確認しているだけに、その見方には説得力がある。具体的のどのエリア、どういう物件が下げているのかを尋ねると、
「2、3年前から大手不動産の物件でも、建物が竣工しても販売が続く『完成品在庫』が目立つようになっている。東京23区内は在庫のヤマだ。こうしたマンションは値引き販売も行われている。特に世田谷、太田、品川区など城南エリアの新築マンションは値引きの嵐になっている。また新築マンションのオフィシャルページなどを細かくみると、キャンペーンと称して実質的な値引き販売をしていることが明らかな物件も多い」
と話す。これまでは、千代田区、港区、中央区など都心の一等地に立っているマンションは値下がりせず、売り物が中々出ないとされてきた。ところがこうした1億円を超える都心の高額物件も下げてきているケースがあるという。「この数年で50%上がったものが元に戻るのであれば暴落と言えるだろう」と指摘、物件によっては暴落するマンションも出て来ると予測する。
消費税増税まで我慢
榊 淳司(さかき・あつし)1962年生まれ。榊マンション市場研究所を主宰。主な著書に「マンション格差」(講談社現代新書)」、「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など。
消費税の増税の影響については、
「前回の消費税が2ポイント上がったときに、不動産売買は半年ほど停滞し、マンションは新築も中古も動かなかった。今回も2019年10月に消費税が上がるとなると、来年の4月まで駆け込み需要があるだろうが、その後に反動が来るので落ち込む。政府は景気対策を打つだろうが、超低金利なので金融政策にはかなり限界がある」
と指摘する。消費税の増税はマンションの売れ行きに悪影響を与えるとみている。また、東京五輪については「心理的な節目にはなるが、マンション需給には関係ない」と分析する。
榊氏の見立てでは、既に一部値引きが起きているマンションの価格は消費税増税でさらに下がる可能性もあるとみており、「マンションを買うのは消費税増税後まで待つべきで、急いで今買う必要性はない」とアドバイスする。
例えば、6000万円マンションを買うと想定して、価格のうち建物の比率が60%とすると建物分は3600万円となり、これにかかってくる消費税増税分2%は72万円になる。しかし、消費税増税でマンションの需給が冷え込んだ場合、榊氏は数百万円の値引きは十分起こる可能性はあるとみている。目先の72万円節約よりも、少し我慢して数百万円の値引きを期待した方が賢い選択になるかもしれないというわけだ。
タワマンはリスクが大きい
20階建て以上の眺望が売り物のタワーマンションについては、
「数年前まで世間はかなり肯定的な論調が主流であったが、私はそのころから問題点を指摘していた。いまは明らかに作りすぎだ。だが、日本人は地上から高いところが好きなようで、一部の需要層にはまだ人気があるようだ。特に東京生まれでないニューカマーには憧れの住まいとなっている。
だが、大手不動産が東京の湾岸エリアに建てたあるタワマンは、値引きの動きが出ている。そもそもタワマンは修繕方法が確立されておらず、大規模修繕工事には予想以上に多額の費用が掛かるなど問題点が多い。また、湾岸エリアの場合は多くの物件が埋立地の上に立っているので土地の評価は低く、タワマンバブルが崩壊すれば一気に資産評価が下がる。いまや限界集落化している多摩ニュータウンと同じ運命をたどる可能性がある」
と、厳しくみている。収入と住宅ローンについて榊氏は、
「従来は住宅ローンは年収の5倍程度まで借り入れ可能といわれていたが、いまは超低金利のため10倍まで借りられるケースもある」と話す。国土交通省によると、17年の首都圏のマンション購入金額と年収(平均年収818万円)の関係を見ると、7.2倍まで借りており、この数年じりじりと倍率が上がってきている。その上で、
「年収が700万〜800万円の人は山手線の内側の物件を買うのは無理で、郊外の物件を買うしかない。その一方で、年収が1200万〜1500万円あれば1億円の物件が買える」
と、指摘し、所得格差の拡大がマンションの購入物件の格差を産んでいる。
中古、賃貸も選択肢
今後の供給につては、
「首都圏のマンション供給量はとうとう4万戸を下回り、3万5598戸まで減ってきている(不動産経済研究所)。今後はマンションデベロッパーの数もさらに減るだろうし、供給戸数はさらに下がってくる。そうなると、都心の新築マンションを買えるのは富裕層の一部の趣味人だけになる。所得の低い人は中古を買うか賃貸に住むしかない。中古マンションならば3000万円出せば山手線の内側の物件が買える時代が来る。賃貸と中古住宅のどちらを選ぶかについては、家賃との関係で考えるべきだ。中古マンションの価格が家賃の十数年分なら買った方が得な計算になるが、これが30年に近づくと買う意味が見いだせない」
と話し、所得の高くない層は中古、賃貸を選ぶのも選択肢の一つだ。
最近のデベロッパーの傾向として、榊氏は住宅のコンパクト化を指摘する。1戸の面積が20平方メートルや30平方メートルの住宅が3000万円台で山手線の内側の駅に近い立地で単身者向けに販売され、結構売れているという。10年ほど前までは70平方メートル超の広さで3LDKのタイプが供給の中心であったが、それだけの広さでは価格が高くなりすぎて買い手が付かないため、デベロッパーが価格の安いミニサイズのマンションを販売するようになってきている。
過剰供給の恐れも
首都圏のマンションブームは、2013年のいわゆるアベノミクスという本来のマンションの需給とは別の要因で一気に活況になった。その象徴的なのが、湾岸地区に建てられたタワーマンションだった。14〜15年になると、投機、投資目的の買いが入るようになり、中国人など外国人買いも加わった。
さらに相続税対策なども加わって、マンションを買うのが資産形成の有用な手段となり買い需要が高まり、それにつられて価格も上昇してきた。更に最近は富裕層の間では、1億円を超すマンションを頻繁に転売するマネーゲームも起きていた。
しかし、榊氏はこの好循環サイクルはいずれ限界が来るのではないかとみている。
「この1、2年、中央区あたりではインバウンド狙いの中小規模のホテルがどんどん建っている。マンションにする用地をホテルデベロッパーが高値で買い占めるので、新築マンションが建たなくなっている。中期的にみると、これまで増え続けてきた東京都の世帯数が2030年には減少に向かう。今でさえ都内の空き家率は、約11%あるが、世帯数が減ればさらに空き家が増える可能性がある。そうなれば首都圏のマンションは供給過剰になるリスクがある」
と述べ、これが将来的なマンション価格の値下げにつながる可能性もあるとみている。
中西 享 (経済ジャーナリスト)
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