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ディズニーランド提訴も 着ぐるみ「中の人」灼熱重労働の現実
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180729-00000003-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 7/29(日) 13:00配信 女性セブン2018年8月9日号
連日、盛大な祝祭パレードやショーが行われている(写真:時事通信フォト)
今年35周年を迎えた東京ディズニーリゾート(TDR)。連日連夜、盛大な祝祭パレードやショーが行われ、多くの家族連れを楽しませているが、そんな中、夢から醒めるようなニュースが飛び出した。7月19日、TDRでパレードやショーに出演していた契約社員の女性2人が、運営会社のオリエンタルランドを過重労働とパワハラで訴えたのだ。
訴状によると、女性社員(28才)は総重量最大30kgの着ぐるみを着て、多いときは月28回出演し、2017年1月に腕などに激痛が走る「胸郭出口症候群」と診断された。
もう1人の女性社員(38才)は勤務中に喘息を発症したため楽屋の環境改善を訴えたところ、上司などから「病気なのか。それなら死んじまえ」「30才以上のババァはいらねーんだよ」などの暴言を受け、精神的なショックで体調を崩したという。原告が所属する労働組合「なのはなユニオン」委員長の鴨桃代さんが語る。
「着ぐるみの中は夏場だと50℃を超える暑さになります。ただでさえ重たい上に、給水用のボトルを肩に掛けるので、首や肩への負担も大きい。女性労働基準規則では成人女性は20s以上の重量物を取り扱う業務への従事は禁止されています。着ぐるみの場合、演技時間が15〜30分程度が普通ですが、ディズニーは1回40〜45分のショーやパレード、ゲストと触れ合うグリーティングを1日に何度も行い、間の休憩時間が15分程度と短いことも問題です」
オリエンタルランド広報部は取材に「訴状が届き次第、速やかに内容を確認し、対処させていただきます」と回答した。着ぐるみキャラクターが歌い踊ることで、老若男女は魅了される。しかし、この訴訟はそれらが「労働」だということを突きつけた。
折しも記録的な猛暑のなか、重労働の「中の人」への心配は募る。18日、ラサール石井はツイッターにこう書いた。
《熱中症予防を喚起する駅前の呼びかけに、なんでゆるキャラの着ぐるみを着せるんだ。死ぬぞ》
ある大御所ゆるキャラの「中の人」が告白する。
「屋外のイベントでは自分の汗が大量に噴き出して、着ぐるみの中は灼熱のスチームサウナ状態です。水と塩がないと生命の危険があるため常に持ち歩いていますし、保冷剤を体中に貼りつけています。それでもステージが終わったらイベント会場近くの控え室に駆け込み、ドアを閉めて着ぐるみを脱ぐと同時にベッドに倒れこんでバタンキュー。しばらくは口もきけないほど体力を消耗します」
暑さのほかにも敵はいる。
「子供たちがスキンシップのつもりでバンバン叩いてきて痛いし怖い。大人でも殴る人はいて、身の危険を感じることもある。あまりの暴力に一時期は、ゆるキャラ界の大スター・ふなっしーにボディーガードをつけることが検討されたそうです」(前出・中の人)
激務の割には扱いが“ゆるい”。
「大柄な人は“中の人”に相応しくないので、必然的に女性が多くなる。雇用は短期の契約社員が大半で、しかも芸能事務所ではなく行政の管理下が多いので、無理難題をふっかけられるケースも。とくにテレビの企画は池に突き落とされたり、どっきりをしかけられるなど、“ゆるキャラ虐待”ともいえます。それでいてギャラは格段に安い」(イベント関係者)
夢を見せ続けるためにも、着ぐるみ界に「働き方改革」が必要のようだ。
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