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介護する側も認知症…増加する“超”老老介護の悲劇
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180727-00000009-sasahi-hlth
AERA dot. 7/30(月) 7:00配信 週刊朝日 2018年8月3日号より抜粋
(c)朝日新聞社
(週刊朝日 2018年8月3日号より)
100歳人生時代の日本で避けて通れないのが老老介護の問題。今や半数以上が65歳以上の人が65歳以上の人をみる老老介護で、後期高齢者同士も珍しくない。
今年で70歳になる神奈川県在住のヨシオさん(仮名)は、93歳になる母親を自宅でみている。母親の介護度は要介護4で、在宅酸素が必要。在宅医療のほか、ケアマネジャーのつくったケアプランに沿って訪問介護などを受けていた。
そんななか、検診でヨシオさんにがんが見つかる。幸い、初期のがんで症状もない。本来なら手術を受けるところだが、そうしなかった。進行して症状が現れるようになり、医師から「一刻を争う状況」と説明されても、手術を拒んだ。
なぜヨシオさんは手術を受けなかったのか。
「実は、自分の病状より、介護をしている母親のことが心配で、踏ん切りがつかなかったのです」
こう話すのは、ヨシオさんをよく知る神経内科医、宮澤由美さんだ。訪問診療などを経験した後、現在は汐田総合病院(横浜市鶴見区)副院長・総合ケアセンター長を務める。
「結局、事情を知った母親の在宅医が、在宅療養後方支援病院に連絡をとり、ヨシオさんががんの手術を受ける間だけ、母親を入院させることになりました」
在宅療養後方支援病院とは、在宅医療や在宅介護を受けている患者やその家族が安心してわが家で暮らせるよう、在宅医の後ろ盾となって対応する医療機関のこと。患者や家族に何らかの健康問題が生じると、患者が入院できる仕組みだ。
母親が入院する日。ヨシオさんは、「手術が終わって退院したら、すぐに迎えに来るから」と、車いすに座った母親の手を握ってから、自身が手術を受ける病院に向かったという。
ヨシオさんのような事例は今、増えている。81歳の男性が78歳の妻を自宅でみるケース、86歳の女性が95歳の認知症の姉を介護するケース……。高齢者が高齢者を介護する「老老介護」という言葉が生まれて久しいが、超高齢化社会になるとともに老老介護の問題は深刻に。介護する側もされる側も75歳以上の“超”老老介護の時代が到来しつつあるのだ。宮澤さんは言う。
「認知症カフェやデイサービスなどで地域に出向くと、高齢者同士の夫婦、きょうだい、親子のどちらかがどちらかを介護しています。この介護を前向きに捉えて、不安や心配の少ない形に変えていけるか。大きな課題だと思います」
少子高齢化を研究する、ニッセイ基礎研究所社会研究部主任研究員の土堤内(どてうち)昭雄さんは、こう説明する。
「平均寿命と健康寿命(その人が介護を受けないで日常生活を送れる期間)は男性で約9年、女性で約12年の開きがある。高齢化というと、“元気なお年寄りが増えている”という印象がありますが、実態は介護が必要な高齢者が増え、その要介護者を支えるのも高齢者というパターンが多くなってきているのです」
老老介護から超老老介護の時代へ移りつつあることを示すデータが、厚生労働省の国民生活基礎調査(2016年)にある。これを見ると、65歳以上の人が65歳以上の人をみる老老介護は54.7%と、半数以上を占め、後期高齢者である75歳以上の人が75歳以上の人をみる超老老介護は30.2%と、3割にも上る。しかもその割合は、年々高まっている。
超老老介護になると新たな問題も出てくる。宮澤さんは、どちらも認知症を患う「認認介護」の要素を含むようになると話す。
「一度、神奈川県の実態を調べたことがありますが、老老介護の1割が“認認介護”でした。認知症が加わると、お金や薬の管理などでもトラブルが起こりやすくなります。なかなか解決法がなく、難しい問題になっています」
(本誌・山内リカ)
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