http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/808.html
Tweet |
「この吸引力に勝てますか」 掃除機市場でパナソニックの巻き返しが始まった
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1807/20/news017.html
2018年07月20日 11時25分 ITmedia ビジネスオンライン
パナソニックの工場内で掃除機の新商品を評価テストする様子
いまや、4割以上の家庭で2台以上を所有すると言われる「掃除機」は、まさに成熟市場である。実際、国内掃除機市場の年間出荷台数も、年々減少傾向にある。
調査によると、2015年度には、年間864万台だった国内の掃除機市場は、17年度実績で821万台に縮小。18年度も804万台に縮小することが想定されている。
だが、その中身を見ると、単に市場が縮小しているわけではないことが分かる。これまで主流となっていたキャニスター掃除機が出荷台数を大幅に減少させる一方で、ロボット掃除機やコードレススティック掃除機(以下、スティック掃除機)が出荷台数を伸ばしているのだ。見方をロボット掃除機やスティック掃除機に限定すれば、成長市場だともいえる。
コードレススティック掃除機購入者の8割以上がメインの掃除機として利用している
特にスティック掃除機がキャニスター掃除機の市場を奪っているのが、ここの数年のトレンドだ。調査では、15年度には150万台だったスティック掃除機の出荷台数は、17年度には220万台に拡大。18年度は260万台に拡大する予定だ。
スティック掃除機が出荷台数を伸ばしている背景には、従来の2台目需要から、1台目需要へとシフトしてきた点が見逃せない。
掃除機市場全体は縮小しているが、コードレススティック掃除機は市場を拡大している
従来のスティック掃除機は、手軽に掃除ができるものの、吸込仕事率が少ないため、日常はキャニスター掃除機を使用し、サブとしてスティック掃除機を利用したり、2階を掃除するための持ち運び用として購入したりといった使い方が中心だった。
だが、集じん性能で評価が高いダイソンが、スティック掃除機市場に参入して以降、1台目の掃除機として活用するケースが増加。さらに、シャープ、東芝、日立などが、吸引力を高めたスティック掃除機を商品化したことも出荷台数の増大を加速することにつながった。
スティック掃除機を購入したユーザーを対象にした調査によると、スティック掃除機をメインで利用していると回答した人は82%となり、多くのユーザーが1台目として使用していることが浮き彫りになった。
また、スティック掃除機からスティック掃除機に買い換えたユーザーはわずか18%であるのに対して、紙パック式キャニスター掃除機からの買い換えが40%、サイクロン式キャニスター掃除機からの買い換えが37%と、3分の2以上のユーザーが、キャニスターから買い換えていることが分かる。
このようにキャニスター掃除機に代わってスティック掃除機を1台目の掃除機として利用するユーザーが増加することで、スティック掃除機による掃除面積は増加。使用時間も増加傾向にあるのだ。ちょっとした掃除から、しっかり掃除をする機器に、スティック掃除機が進化しているというわけだ。
パナソニックの攻勢
市場全体を見ると、スティック掃除機ではダイソンが先行しており、それを、日本に本社を持つ家電メーカー各社が追っているところだ。
シャープは、1.5kgという軽量化を実現した「ラクティブ エア」を投入。東芝ライフスタイルや日立アプライアンスは、パワーを強調した製品を発売し、三菱電機は、掃除機として使用していないときには、空気清浄機としても利用できる製品を投入している。各社がそれぞれに特徴を生かした製品を投入している。
パナソニックが8月に発売する「POWER CORDLESS(パワーコードレス)」
こうした中、パナソニックがスティック掃除機市場において、本格的な巻き返しに挑み始めた。パナソニックが8月から発売する「POWER CORDLESS(パワーコードレス)」がそれだ。製品名からも、これまでコードレススティック掃除機の課題であった吸引力を解決する製品であることを示した意欲的な製品であることが分かるだろう。
パナソニックは、これまでスティック掃除機として、デザイン性や細かい隙間での操作性に特徴を持つ「IT」を投入していたが、一方で、この分野においては、吸引力が弱いイメージが先行していた。
パワーコードレスでは、「キャニスター掃除機と同等の約200Wの吸引力を実現。パンチコ玉を入れた7kgのペットボトルも吸い上げることができる」と担当者は自信をみせる。実際に、デモストレーションを行ったところ、競合他社の製品では吸い上げられなかったものが、パワーコードレスではそれを吸い上げてみせた。
この高い吸引力を実現したのが、新開発のモーターだ。
業務用ロボット掃除機に採用した大口径モーターをベースに、日本電産との協業によって開発したもので、最大2万Pa(パスカル)の真空度と、業界最大風量となる1.3立方メートル/分を実現。「パナソニックのコードレスクリーナー史上、最高の吸引力を実現することができた」という。
右が新開発のモーター。重量増となったが、ハイパワーを出すことができる
搭載した大型高速ファンにより、最大風速約750km/時を実現。モーターに採用しているマグネットの長さを従来比2倍とし、3層構造を採用することで、損失を抑えトルクモーターを向上。ストレート排気構造の採用により、モーター内部の風損ロスを低減したという。
一方で、運転時間の長時間化も図っている。スティック掃除機としては最大となる、8本のリチウムイオン電池を直列配置で搭載。これにより、高電圧パワーを実現。電池への負担を抑えながら、最長で65分間の長時間運転を実現している。
だが、高い吸引力と長時間運転を両立する上で、マイナス要素となったのが新開発のモーターと、リチウムイオン電池の重量増だ。モーターは、従来モデルに比べて約80gの重量増となり、リチウムイオン電池は2本増やしたことで、約110gの重量増となっている。軽量化が重要な要素であるスティックス掃除機にとってはマイナス材料だ。
そこで、パナソニックは、本体部に、植物由来の素材であるセルロース・ファイバー樹脂を採用。ABS樹脂と比べても、同じ強度ながらも10%の軽量化を実現。さらに、ノズル部には、耐衝撃性を保ちながら、樹脂使用量を抑え、軽量できる中空ガラス配合軽量プラスチックを採用。加えて、本体裏側部分には、正六角形柱を隙間なく並べたハニカム構造を採用して、強度を維持しながら軽量化を実現。本体重量を2.5kgに抑えた。
本体裏側部分には、正六角形柱を隙間なく並べたハニカム構造を採用
併せて、ダストボックスとモーター、バッテリーをバランスよく配置したことで軽く感じることができるように、重さを分散する工夫も凝らした。
重量増をカバーしたセルロース・ファイバー樹脂(左)。ABSに比べても軽い
45年以上の歴史を持つ八日市工場で開発
戦略的製品に位置付けられる「パワーコードレス」は、滋賀県東近江市のパナソニック アプライアンス社 ランドリー・クリーナー事業部 八日市工場で開発、生産されている。
滋賀県東近江市のパナソニック アプライアンス社 ランドリー・クリーナー事業部 八日市工場
1971年から稼働し、45年以上の歴史を持つ同工場は、「デザインから設計、生産まで、一気通貫での最速モノづくりを実現している点、PP樹脂繊維による外観加飾をはじめとした先端成形技術を持っている点、優れた触媒技術を持っている点が八日市工場の特徴」とする。
さらに、さまざまな環境を再現できる試験装置による品質保証を実現する点も大きな特徴となる。
恒温室やノズル耐久試験装置、延長完強度試験機といった各種の耐久・信頼性試験装置、X線透過装置や蛍光X線分析装置、フーリエ変換赤外分光光度計、六価クロム分析システムなどの材料分析装置のほか、実際に家を建てて、顧客視点で掃除機を使用して、課題を発見する確認試験なども行っている。
ノズル部分も軽量化に寄与している
パナソニックが掃除機の第1号製品を投入したのは1954年。「その後、長年に渡って、日本の生活様式の変化に寄り添って製品を進化させてきた自負がある」とする。こうした長年に渡る実績をもとに、スティック掃除機の決定版を送り込んできたというわけだ。
パワーコードレスでは、「この吸引力に勝てますか」をキャッチフレーズに打ち出した。今後も市場成長が見込まれるスティック掃除機において、パナソニックの巻き返しが始まる。
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民127掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民127掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。