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人民元の対ドル下落、中国政府の狙いは何か(会社四季報オンライン )
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/683.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 7 月 07 日 20:35:31: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

人民元の対ドル下落、中国政府の狙いは何か
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180707-00228512-shikiho-bus_all&pos=5
会社四季報オンライン 7/7(土) 11:01配信


(写真: みっきー / PIXTA)


 今年4月17日、中国人民銀行(中央銀行)は預金準備率の1%引き下げを発表した(その後、7月5日には0.5%の再引き下げが実施されている)。中国では、この預金準備率の上げ下げが、短期的な金融政策の主要な手段としてよく用いられている。これら一連の金融緩和策は、もともと中国の景気が減速しつつあることにくわえ、米中貿易摩擦の激化による輸出へのダメージを和らげるためのものと考えられる。

 一方で、これをきっかけに人民元の対ドル相場が急速に下落し、その下落率は4月半ばの水準と比較して6%近くに達している。

 ここのところ株式市場が動揺しても円高にならず、ドル円レートが堅調に推移する傾向が顕著であるが、近年、円と人民元の対ドルレートは連動して動くことが多くなっており、人民元安が円安を促す一因となっている可能性もある。

 さて、いうまでもなく人民元のレートは、中国当局によって厳しく監視されている。そのため、この人民元安には政策的な意図があると見られ、米国との貿易戦争における新たな“武器”として位置付けられているという観測も生まれている。

 もっとも、人民元レートの下落は中国にとっても諸刃の剣だ。そうでなくても、中国株は今年に入ってピーク比で20%を超える下落をみせている。近時では、株安・通貨安が連動し、“中国売り”ともいえる様相を呈している。そうした状況で、一段の人民元安はさらなる株安を招く可能性が高い。

 さらには、中国の債券市場でも発行体企業(おもに地方政府系企業など)の信用力の悪化を懸念した売りが強まっている。中国ではドル建ての債券も多く発行されており、人民元安はそうした債務の返済負担が増えることに直結するため、信用不安が高まる懸念がある。

 2015年8月、中国が人民元レートの事実上の切り下げを行ったときにも市場には混乱が広がった。いわゆる“人民元ショック”である。このときも、株価の下落が先行し、人民元レートの下落とともに、株式市場の下落が加速したという経緯がある。ちなみに、このときの中国市場の混乱は日本市場にも大きな影響をもたらした。

 こうした為替市場と資本市場の連動性を考えると、貿易戦争の武器として安易に人民元切り下げを発動するようなことがあれば、資本逃避行動が強まって資産価格の暴落や信用収縮につながりかねないのだ。

 つまり、人民元切り下げを“武器”にするのは、あまりにリスクが大きすぎる。では、近頃の人民元安の政策的背景は何なのだろうか。結局のところ、景気減速や輸出の減少に対処するために、管理されたペースでの人民元安を容認するというあたりが中国政府の基本的スタンスであろうと考えられる。

 実際に、人民元レートの急速な下落が見られたときにはそれを阻止する姿勢を見せているが、人民元安そのものを反転させようとする意図はないように見える。そうすると、中国の景気減速懸念が弱まらない限り、緩やかな人民元安トレンドがしばらく続く可能性が高いということになる。

■ 日本市場への影響は? 

 その場合の日本市場への影響であるが、先ほどにも触れたとおり、近年人民元と円は対ドルレートで連動しやすい傾向にある。つまり、普通に考えれば円も人民元にツレ安となる可能性が高い。ただし、円安になるとしても、それに中国株の下落が伴っている場合は、日本株の支援材料にはなりづらいだろう。

 一方で、円と人民元の連動性は必ずしも安定した関係ではない。もし、中国株や人民元の下落スピードが加速するようなことがあれば、リスクオフのムードが広まって、円が逆行高となり、デカップリングの動きが強まるだろう。

 いずれにしても、日本の金融市場を揺り動かす要因としては、ここのところ次第に中国発のものが多くなっているようである。

 急激な成長を遂げてきた世界第2位の経済大国が、成長率の鈍化や債務残高の積み上がりといった問題に加えて米国との貿易紛争も抱え、大きな転換点を迎えているのだ。歴史上、バブルの崩壊による混乱は、急速な成長や繁栄を謳歌した経済に起きている。ここまで市場経済と管理経済をうまく使い分けてきた中国だが、歴史の例外になる保証はどこにもない。

 現時点では、中国政府が事態のコントロールを失って、無秩序な混乱が生じる兆候は見られない。だが、マグマは蓄積されつつある。現在抱えている様々な課題を、最終的に市場の大きな混乱を招かずにソフトランディングで解決できるかどうかは、未知数であるといわざるを得ないだろう。

 田渕 直也(たぶち・なおや)/1985年、一橋大学経済学部卒業。日本長期信用銀行(現新生銀行)で主にデリバティブのトレーディング、ポートフォリオマネジメントに従事。UFJパートナーズ投信(現三菱UFJ投信)債券運用部チーフファンドマネージャーとして、社債やストラクチャード・プロダクトへの投資運用体制を構築。『ファイナンス理論全史』、『投資と金融にまつわる12の致命的な誤解について』など著書多数。現在、ミリタス・フィナンシャル・コンサルティング代表。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

田渕 直也



 

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コメント
 
1. 2018年7月07日 21:55:16 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1182]

>貿易戦争の武器として安易に人民元切り下げを発動するようなことがあれば、資本逃避行動が強まって資産価格の暴落や信用収縮

去年で懲りているはずだが

かと言って、米国に屈する可能性は、イランやベネズエラ同様、まずないだろう

人は経済だけで動くわけではない



2. 2018年7月07日 23:30:09 : 1hFwhl5XF6 : A44FqszPm3Y[716]
米国のFRBは去年から金利を上げ続けている。
そのため、投資リスクが増大して高リスク投資を手控えるようになった。
機関投資家は低金利でじゃぶじゃぶだった資金を回収し始め、「貸したカネ返せよ」状態で信用収縮も加わって、中南米とアジアはドル不足に陥っている。

ドル投資を沢山受け入れていた国は、「借りたドルは返さん」と踏み倒せば問題ないのだが、メンツにこだわると痛い目に会うことになる。
しばらく待てばドルは減価してドル安へ移行するので返済は楽になる。

田渕直也の言う転換点はそうであろうが一般論で、中国国内に投資したカネは中国から持ち出せないことになっているので、回収は容易ではないだろう。
中共は、資本主義のルールを無視してでもバブルの崩壊を制御しようとするから、これから見ものである。


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