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トヨタも本腰入れる自動運転車が普及すると信号がなくなる 20XX年 AIが変える経済地図
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/231102
2018年6月14日 日刊ゲンダイ
トヨタも進化中(C)日刊ゲンダイ
トヨタ自動車は今年1月、米ネバダ州ラスベガスで行われたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で「e―Palette Concept」を発表した。これは電動化、コネクテッド、自動運転技術を活用したMaaS(モビリティーサービス)専用次世代の電気自動車だ。
MaaSを分かりやすくいうと、自動車を保有し自分で運転するのではなく、飛行機や鉄道のように、サービスとして利用するようになるということ。
トヨタは「e―Palette Concept」を使って、複数のサービス事業者による1台の車両の相互利用や、複数のサイズバリエーションを持つ車両による効率的かつ一貫した輸送システムサービスを目指している。2020年代前半には米国をはじめとするさまざまな地域でサービス実証を開始予定だ。
この構想の一部機能が搭載された車両を20年の東京オリンピック・パラリンピックに投入するという。
ウィンドウズ95やウィンドウズ98の主任設計者として活躍したIT業界のレジェンドでXevoファウンダーの中島聡氏はこう語る。
「自動運転が普及すれば、クルマは所有する時代から借りる時代になる。一方でUber(ウーバー)のように自動運転車を大量に保有している企業が、個々のクルマではなく、自動運転車全体をコントロールするAIやクラウドサービスを利用した配車サービスを行うような形になっていくでしょう」
Uberは、09年に一般人のマイカーを使った配車サービスを開始。一般人が自動車を利用していない「空き時間」を使って、タクシーのように他人を運ぶ仕組みだ。すでに世界70カ国、450都市以上で事業を展開し、16年には2兆1700億円の取扱高を記録した業界の寵児。そのUberも自動運転車に注目し、さまざまな実験を進めている。
■渋滞は解消、交通機関も人件費減
今後、自動運転が普及していくと、自家用車は大幅に減る。自動車は管制システムで管理され、みんなで共有する仕組みになっていく。
自動運転車だけが走る世界になると、クルマ同士が自動的に衝突を回避する動きをするので、信号は必要なくなるという。渋滞は解消、タクシーやバス業界では人件費の大幅な削減が実現できる。
都心のオフィスビルも大変身しそうだ。現在は、一定の割合で駐車場を設置する必要があるが、自動運転車が普及すると、マイカーの数も減るので駐車場もほとんど必要なくなる。駐車場がオフィススペースになれば、ビルの稼働率も上昇する。
「米国では、渋滞による損失額が年間13兆円に上るといわれています。自動運転車は、これを解消してくれます。またタクシー業界では人件費が原価の75%といわれますが、それも削減できます」
もっとも、いいことばかりではない。米国では現在、移動手段の60%は自家用車だ。その需要が消えてしまうのは、自動車業界にとって大変な痛手なのはいうまでもない。
日本の産業界の勝ち組、トヨタやホンダも危機感を抱いているという。
「将来は自動運転のサービス会社が、自動車産業の最大のパイをつかむことになる」(中島氏)
そのときまでに自動車メーカーが変身できなければ、そのメーカーは消滅する。カメラのデジタル化で銀塩フィルムがなくなるなか、富士フイルムやコニカミノルタが大幅な業態転換を迫られたのと同じだ。
自動車メーカーは変われるのか――。
(ジャーナリスト・松崎隆司)
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— takamatsuzaki (@takamatsuzaki) 2018年6月14日
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