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「年金70歳受給時代」は確実にやって来る 少ない年金でどう暮らすか
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180609-00000001-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 6/9(土) 7:00配信
「年金70歳受給開始」という日は確実にやって来る
現在の年金支給開始は原則65歳だが、受給開始年齢を60歳から70歳の間で自由に選べる制度となっている。しかし、政府は、受給開始を80歳程度まで繰り下げられる制度改革に着手している。その改革に対して、経済アナリストの森永卓郎氏は、「年金受給開始を原則70歳へと繰り延べる布石に他ならない」と、次のように指摘する。
* * *
政府はすでに、「一億総活躍社会」というキャッチフレーズのもと、「みんな70歳まで働け」という方針を水面下で確実に推進している。
その動きは以前から見られた。たとえば、2014年に行なわれた公的年金の将来見通しを試算した厚生労働省の財政検証だ。
この推計では、労働市場への参加が進むケースとして、2030年の65〜69歳男性の労働力率が67%に設定されている。そうなれば、現行水準並みの年金給付が維持できるというのが、推計の結論だ。つまり、3分の2の男性が70歳まで働き続けることが、年金制度の崩壊を防ぐための絶対条件なのだ。
そうした状況を踏まえると、政府が考えている年金改革の方向性が見えてくる。2020年の東京オリンピックまでに65歳まで働く世の中に短期間で持っていき、その後、10年程度で一気に70歳までの継続就業社会を完成させる。それができた時点で、年金の受給開始年齢を70歳に引き下げるのだ。
ただ、体に鞭打って70歳まで働き続け、その段階で年金をもらい始めるということをスタンダードにしていいのだろうか。伸びたとはいえ、現在の男性の健康寿命は72歳だ。つまり、このまま政府の目論見通りに進めば、70歳まで働いてようやく定年を迎え、これから悠々自適の老後が送れると思っても、わずか2年後には介護施設で面倒を見てもらう生活になってしまう人が大半となる。そんな人生で本当に幸せなのだろうか。
各自の人生観にもよるが、年金受給開始年齢が原則70歳になったとしても、たとえば60歳とか65歳で会社を辞めて、年金の繰り上げ受給を選択するという選択肢も十分アリだろう。私は、かえってその方が充実した老後が送れるはずだと考えている。もちろん、繰り上げ受給を受ければ給付額は減額となる。だが、年金が少なくても生活を徹底的にリストラすれば、何とか暮らしていくことは可能ではないだろうか。
東京都心に住んでいたら難しいかもしれないが、郊外に住めば住居費を劇的に安くすることも可能だ。家賃なら3分の1以下になるところもあるだろう。賃貸でなくとも、地方に行けば、都心に比べて格安の値段で家を買うことが可能になる。たとえば、群馬県の県庁所在地である前橋市の土地は、坪単価10万円程度で買えるところもある。しかも、物価も安い。そういう場所に移り住めば、年金が少なくても豊かに暮らすことができるのではないだろうか。
そうした策を講じた上で、自分の趣味を生かしたような好きな仕事をして少ない年金を補えるぐらい稼いで、楽しく暮らす。そうした生活スタイルこそ、スタンダードにすべきなのだ。
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