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政府の世代間格差煽り術は、イソップ寓話「ずるい狐」の詐弁と同じ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180524-00000004-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 5/24(木) 16:00配信 週刊ポスト2018年5月25日号
「老後格差」を生み出した政府の思惑とは
イソップの寓話『ずるい狐』は、2匹のネコが獲物の取り合いをしていると「公平に分けてやる」ともちかけてわざと不公平に分配する。一方のネコが「向こうが大きい」と苦情を言うと、反対の獲物を少し食べ、もう一方のネコが「今度はあっちが大きくなった」と言えば逆を食べる。そうしてついに狐は獲物を全部平らげてしまう。
政府のやり方もそうだ。政策の行き詰まりと失政を繕うために世代間の格差をつくり出したうえで、「不公平を是正する」という名目で得する世代の負担を増やす。年金、医療保険改革から税制改正まで、過去、政治家が「是正」と言って恵まれていない世代の給付を引き上げて得する世代に合わせたことはない。
国民がイソップのネコのように「あっちの世代が恵まれている」と不満を言えば、これ幸いと負担増の口実にされ、国民は身ぐるみ剥がれてしまう。
そうした政治のツケが世代間の小さな不公平をつくり出し、それが累積すると大きな「老後格差」になる。
政府は「高齢者の健康寿命が延びている」と働き方改革で「希望すれば何歳までも働くことができる社会」を掲げ、団塊世代の次に人口が多い団塊ジュニアの高齢化に合わせて年金支給開始年齢を65歳から70歳、さらには75歳へと引き上げることを企んでいる。
「年金財政から計算すると、あなた方の世代から、70歳支給にせざるを得ません」
年金減額や高齢者医療費の引き上げを働き盛りの50代の頃までに言われれば、生活を切り詰め、老後に備えて貯蓄を増やすなどまだ対応の仕方がある。
だが、これから年金生活に入る65歳やすでに年金を受給している世代に、支給額を引き下げるといわれては対応のしようがない。体が動かなくなり、現役時代のようにバリバリ働いて稼ぐのは難しいからだ。
その掟破りな年金生活者への支給減額に手を付けている。昨年に実施された物価が上がっても年金を上げない「マクロ経済スライド」がそれだ。そして生活苦不安に直面している高齢者にこう言ってのけた。
「人生100年時代がきた。65歳はまだまだ現役、残りの35年はまだ老後ではない。バリバリ働けます」
政府・与党が声高に叫びだした「人生100年」キャンペーンの裏側には、無理にでも高齢者の寿命が100歳まで延びることにしてまだまだ働けると思わせ、広がる「老後格差」を年金をあてにしないで自力で切り抜けてもらうしかないという政府側の思惑がある。
人生100年時代とは、日本の全世代が段階的に損をする「階級社会」が生まれる時だ。
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