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「年齢不問の求人」を謳っても65歳以上の実際の雇用は13.5%に過ぎない
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180522-00000004-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 5/22(火) 16:00配信 週刊ポスト2018年6月1日号
合否の返事すらもらえないこともあるという(イメージ)
「人生100年時代」が現実になろうとしている。国連の推計では、現在68歳の日本人が100歳を迎える2050年には、100歳以上の人口が100万人を超える。
未曽有の高齢社会に備えて政府の有識者会議は、「年齢に関係なく働き続けるエイジレス社会を実現する」との目標を掲げ、別の有識者会議は「年金75歳支給」の議論を始めた。
もちろん、寿命が延びるのは喜ばしいことだ。「生涯現役社会」の構築をめざす政府の後押しのもと、定年後も健康を維持して75歳くらいまで働き続ければ、長生きする分の“費用”も稼ぐことができ、100歳までの人生を謳歌できる――そう心を躍らせる高齢者は多いはずだ。
だが“バラ色の老後”の実現は難しい。現在は法律上、60歳の定年後も希望者全員を65歳まで「再雇用」することが義務づけられているが、65歳を超えると働く場が見つからないのが現実だ。
ハローワークで職探しをしている71歳元メーカー勤務の男性が「再就職は絶望的です」と肩を落とす。
「年齢や希望の職種を入力すると10件以上ヒットしますが、ほぼ書類選考で落とされます。返事があるのはマシなほうで、1か月近く待たされた結果、不採用という企業も少なくありません」
人手不足が唱えられる現在、60歳以上の有効求人倍率は上がっているが、実際の就職者数は伸びていない。内閣府の調査(2015年)でも、60歳以上で就労を希望する割合は71.9%だが、65歳以上で実際に雇用されているのは13.5%だ。
企業の本音
この現実の裏側には企業の「本音」があるとハローワーク関係者が明かす。
「年齢に関わりなく採用機会を均等にするよう求める『雇用対策法10条』があるので表向き高齢者の募集は増えているが、本気で65歳以上を採用する企業は非常に少なく、応募があっても書類選考で切り捨てる。多くの企業はハナから65歳以上を相手にしていないということです」
実際に65歳以上が採用されるのは、ビルメンテナンスや警備、清掃、ケアスタッフなど。就職できても高齢者の報酬は最低賃金に近く、東京都で時給958円、地域によっては時給700円台前半が目安となる。
これではわずかしか老後の足しにならないうえ、慣れない肉体労働で仕事のやりがいを見出すのが難しく、健康を害する怖れもある。求職活動中の70歳元営業マンがつぶやく。
「面接に行ってもハローワークで見た条件と違う会社ばかり。『年齢不問』とは“できるだけ若い人を取りたい”という意味だとわかった。仕事のアテがなく貯金も少なく、これで100歳まで人生が続いたら私は一体どうなるのでしょうか……」
75歳まで働けることはたしかに理想ではあるが、まるで現実味のない話でもある。
こうした事態を避けるには、定年前の現役時代にきちんと老後のライフプランを立てて備えておく必要がある。何らかの形で働き続けるにしても「働き損」になっていないかを確認する必要もある。“働けば働くほど豊かになれる”というセオリーは、人生100年時代には必ずしも当てはまらない。
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