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英米はインフレ2%でサービスや外食が高騰、日本もそれでいいのか
http://diamond.jp/articles/-/166406
2018.4.12 加藤 出:東短リサーチ代表取締役社長 ダイヤモンド・オンライン
米ニューヨークにあるエンパイアステートビルディング展望台の入場料は、20年で4.5ドルから37ドルへと722%も上がった Photo:REUTERS/アフロ
英国と米国、日本の過去20年における毎月の消費者物価指数前年同月比の平均は、各2%、2.2%、0%である。日本銀行のインフレ目標は2%なので、日本では英米のような物価上昇率が理想とされている。
家電製品などのモノの価格は、英米でもグローバル化やテクノロジーの影響で大幅に下がってきた。それでも平均のインフレ率が2%程度だったのは、サービスや外食に顕著な値上がりがあったからだ。そこで、1998年と今年でそれらの価格の変化を3国の主要都市で比較してみた(参考:『地球の歩き方』〈ダイヤモンド社〉、「るるぶ」〈JTBパブリッシング〉などの各種ガイドブック)。
まずは交通機関の料金だが、東京の地下鉄(営団地下鉄、現東京メトロ)初乗りは160円から170円へ6%上昇、JRの「都区内パス」は730円から750円へ3%上昇。消費税率引き上げを考慮するとわずかな値上げだ。
一方で同期間の英ロンドンの地下鉄初乗り料金は、1.2ポンドが4.9ポンド(地下鉄カード利用は2.4ポンド)へ308%上昇した。
米国でも、サンフランシスコ名物のケーブルカーは2ドルから7ドルへ250%上昇し、ニューヨークの地下鉄初乗りは1.5ドルから2.75ドルへ83%上昇した。ジョン・F・ケネディ国際空港からマンハッタンまでのタクシー固定料金は30ドルから52ドルへ73%上昇だ。
観光施設の料金はどうか。東京タワーの大展望台の入場料は820円から900円へ10%上昇、上野動物園の入場料は500円から600円へ20%上昇だ。強気の値上げで知られる東京ディズニーランドは1日パスポートが5200円から7400円へ42%上昇した。
しかし、英米はもっとすごい。ロンドン塔の入場料は8.5ポンドから25ポンドへ194%上昇、サンフランシスコとニューヨークの現代美術館の入場料は8ドルから25ドルへ213%上昇、エンパイアステートビルディング展望台の入場料は4.5ドルから37ドルへ722%もの上昇だ。
外食価格も比較してみよう。東京のかんだやぶそばの「せいろうそば」は600円から723円へ21%上昇、重盛永信堂の「人形焼き」は110円から130円へ18%上昇、駒形どぜう浅草本店の「どぜう鍋」は1400円から1944円へ39%上昇、浅草今半の「すき焼き定食」は1800円から2200円へ22%上昇、新宿中村屋の「インドカリー」は1000円から1512円へ51%上昇だ。
英米の上昇率はやはりより激しい。ロンドンのマンダリン・オリエンタル・ハイドパークのアフタヌーンティーは、14ポンドから53ポンドへ279%上昇。サンフランシスコのシアーズ・ファインフードの人気のパンケーキは4.7ドルから13.25ドルへ182%上昇だ。
ニューヨークは99年と今年の比較だが、仏料理ダニエルのプレフィックスコース(3品)は68ドルから129ドルへ90%上昇、老舗カッツ・デリカテッセンの「パストラミサンド」は8.2ドルから21.45ドルへ162%上昇、マグノリアベーカリーの名物マフィンは1.25ドルから3.5ドルへ180%上昇だ。
日本でも英米並みにサービスや外食が激しく値上がりしないとインフレ目標は達成できない。しかし、その早期実現は国民にとって本当に望ましいのか。インフレ押し上げ効果は限られている一方で、副作用が今後噴出する恐れがある日銀の超金融緩和策を漫然と続けることは正しいのか。あらためて議論すべき時期が来ている。
(東短リサーチ代表取締役社長 加藤 出)
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