トランプにはハニートラップや賄賂が効かなかっただけさ 2018-03-25 中国企業は、かねてからアメリカのハイテク企業の技術を盗み回っていたのは周知の事実だ。中国企業は自らの力で今の地位に成り上がったのではない。中国に進出する外国企業に対して技術移転を強要して技術を盗んでいたのだ。 そして、盗んだ技術でアマゾンやアップルやグーグルの真似をして、アリババやJDドットコムやファーウェイやバイドゥのような「猿まね」会社を作った。 それだけではない。中国は本家アメリカ企業を中国市場から締め出して、14億人に自分たちの猿まね会社のシステムや製品を使わせて成長してきた。 にも関わらず、盗人猛々しくニューヨーク証券取引所で資金集めをして、世界から集金して時価総額を膨らませている。 この現状に、トランプ大統領は「甚大な知的財産の窃盗が起きている」と言った。 知的財産の窃盗で成長したアリババやJDドットコムやファーウェイやバイドゥのような下劣極まりない会社は剽窃の代償を払わなければならないというのがトランプ大統領の考えだ。 https://darkness-tiga.blogspot.jp/2018/03/20180325T1407270900.html#QnHs6tn.google_plusone_ninja_m 経済コラムマガジン 2018/3/26(979号)米中貿易戦争 中国は巨額の対米貿易黒字を続けてきた。不思議なことに、米国はオバマ政権までこの状態を放って来た。このように長年、この背景にある人民元安の問題を米国が見逃して来たことは異様であった。 度々人民元が異常に安いという話になり、米議会で中国の不当な為替操作を批難する声が起った。しかし中国の為替操作国の認定という動きは、何故か常に腰砕けに終わっている。1ドル=1人民元だった為替レートを、中国は勝手に1ドル=8人民元台まで大幅に切下げて行った。今日は多少切り上がって1ドル=6人民元台を維持している。 本誌は
01/5/28(第209号)「中国との通商問題」 http://www.adpweb.com/eco/eco209.html 以来、人民元が不当に安く維持されていることを何度も問題にしてきた。しかし世界最大の輸入国である米国がほとんど動かないのである。中国は人民元を8元台から6元台に少し切上げるといった、これもお茶を濁す政策で誤魔化して来た。 このような不当な人民元安が続けば、米国だけでく日本の製造業も中国に移転せざるを得なくなると筆者は17年も前から警告してきた。実際、製品の組立といった人手のかかる工程のかなりの部分は中国に移転している。ところがWTOは為替や為替操作には全く関心がない。米国は、トランプ大統領が登場し、ようやくもう一つの中国の大問題である知的財産権の侵害をヤリ玉に挙げたのである(たしかに為替問題の方は、中国人の人件費が上がり理不尽さは以前より小さくなっている)。 中国の不当な為替操作や知的財産権の侵害は米国でも昔から問題にされてきた。しかしどういう訳か、前述のように対抗措置は最後の段階になると腰砕けになった。これは中国による米政界に対する工作やロビー活動の成果と考える他はないとさえ筆者は感じている。実際、米国には親中派人脈がある。例えばクリントン財団に中国人が多額の寄付を行っていたことが明るみになり大問題となった。これが原因でオバマ大統領の2期目の大統領選に、ヒラリー・クリントン氏は対抗馬として出馬しなかった。
これらの様子を本誌は 10/10/25(第636号)「人民元安容認の経緯」 http://www.adpweb.com/eco/eco636.html から 10/11/8(第638号)「米政府に対するロビー活動」 http://www.adpweb.com/eco/eco638.html まで3週に渡り取上げた。ところが中国の工作が効かないトランプ大統領が誕生したのである。しかも周囲を対中強硬派で固めた。中国は事の成行きを察知し、鉄・アルミ輸入制限が公表される直前、急遽、米国に特使を2名派遣した。しかしトランプ大統領は、片方には会わないなど冷たく対応している。 http://www.adpweb.com/eco/ 経済コラムマガジン 2018/4/9(981号) 今回の米中貿易摩擦騒動の終息は見通しがつかない。今回は「落としどころ」というものが見えないのである。これが今度の米中貿易摩擦の特徴である。 これまでは米中で通商摩擦が起ると、両国のフィクサー的人物が動き事態を収めてきた。例えば清華大学経済管理学院顧問委員会のメンバーが、このロビー活動の役目を担ってきたという。この委員会は中国の対米専門の外交官と米国の要人の交流の場である。この米国側のメンバーに、ポールソン元財務長官やアップルやフェイスブックのCEOなどが名を連ねている。 中国の対米工作専門の高官と「俺は中国に顔がきく」という米国の親中派との間で話をつけてきたケースが多かったと想われる。中国は、今回の鉄・アルミ輸入の制限が公表される直前、急遽、米国に特使を2名派遣した。これら特使の中にも清華大学経済管理学院顧問委員会のメンバーがいたと見られる。ところがこのルートによる対米工作が、トランプ政権には全く通用しなかったようである。 中国は、各国の高官や要人を取込むことに非常に長けている。日本の元総理や政党の党首の中にも、奇妙な親中派的発言を行っている者がいる。まさに彼等は中国の代弁者となっているのだ。
このように米国の政財界にかなり中国は食込んでいる。民主党の政治家だけでなく、共和党にもポールソン元財務長官やキッシンジャー元国務長官のような親中派がいる。また中国との商売で利益を得る経済人は、中国の意向を組んだ発言を行って来た。この点では日本の財界人も同類である。 しかし米国には、一方に中国に強い警戒感や反感を持っている政治勢力が存在している。今日のトランプ政権はこの対中強硬派で固められたと言える。今後、中国に妥協的な意見を言う高官は、トランプ政権内で居場所がなくなると思われる。このような影響もあってか、既にクシュナー氏や娘のイバンカ氏の影が薄くなっている。 トランプ大統領の中国に対する今回の制裁を「保護主義だ」「自由貿易に反し、米国の経済成長率を下げる」と観念論者は批難する。たしかに最初に波風を立てたのはトランプ大統領であった。しかしとても中国は自由貿易の優等生とは言えない。
トランプ大統領が指摘しているように、中国に進出する外国企業に技術移転を強要したり、また進出企業には中国企業との合弁しか認めないという取決めは、明らかに資本の自由の原則に反している。また資金の本国への送金や進出企業の中国からの撤退が自由にならない。これらについて中国は「まだ中国が開発途上国だから」とこれまで言い訳をしてきた。今日の中国経済を見れば、このような話が世界に通じるはずがない。これらに対して「おかしい、理不尽だ」と言える唯一の国が米国ということになる。 少なくともトランプ大統領までの歴代の米大統領はこれらを見過ごしてきた。本誌が指摘してきた「異常な人民元安」と「この中国への進出する企業に対する自分勝手な取決め」はもっと早くから是正されてしかるべきであった。しかし中国は巧みロビー活動によって、これらの批難をかわしてきた。 貿易戦争には勝利者はいないという陳腐な話がある。また自由貿易こそが互いの利益となるという。しかしこれらは間抜けな観念論者のセリフである。自由貿易と言いながら、中国はとんでもなく安い水準で人民元レートを維持してきた。比較優位と間抜けな経済理論があるが(為替が操作されることを全く想定していない)、この人民元安の元では全ての製品の製造を中国で行うことが優位となる。
この常軌を逸した安い人民元レートを維持する方法として、中国は途方もない額の為替介入を行ってきた。このため膨大な米ドルが溜り、中国はこれで米国債を大量に買ってきた。これは米国のためではなく、全て人民元を安く保つという中国の都合である。このメカニズムを理解せず、何を勘違いしたのか当時のポールソン財務長官は中国が米国債を買ってくれていると感謝していた(米国債は中国が買わずともFRBが買えば済む話)。 米国人は米ドルでどの国とも取引が出来るので、元々、為替レートやその変動に無頓着である。これが中国の犯罪的な為替操作を長年見過ごしてきた原因の一つと筆者は見ている。中国に進出している企業(主に多国籍企業)も、対米輸出を容易にする安い人民元を暗黙のうちに容認してきた。むしろ多国籍企業は、安く人民元レートが維持されるよう、米政界にロビー活動を行っていた可能性がある。
日本も同様の為替介入を行ってきた結果、膨大な米国債を保有するに到った。しかし小泉政権時代の為替介入を除けば、日本の為替介入は、原則、異常な円高に対して防衛的に実施されてきた。製品輸出の増加を目的とした中国の為替介入とは大きく異なる。 前述の通り、為替以外でも中国は貿易政策と商取引上で問題が山積している。ところがこれまでこれらの問題点を指摘されても中国は完全に無視してきた。しかしとうとうトランプ大統領が中国の制裁に動き出したのである。ただ筆者に言わせれば、この米国の動きはあまりにも遅過ぎたと感じる。中国は、既に制御不能なくらい異様なモンスターに成長している。 http://www.adpweb.com/eco/
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