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強引手口でかつて物議のNHK契約・受信料収納代行業者が上場
http://biz-journal.jp/2018/04/post_22887.html
2018.04.05 文=編集部 Business Journal
NHK放送センター本部(「Wikipedia」より/Rs1421)
例年4月は、3月に“駆け込み上場”が生じる反動もあってIPO(株式新規公開)が少ない時期だが、今年は当たり年だ。5月はゴールデンウィークの連休に入るため、IPOは極端に少なくなる。それだけに4月IPO組に個人投資家の期待が集まるという、カレンダー上の理由もある。
人気化必至なのはAI(人工知能)関連のHEROZ(ヒーローズ)だ。HEROZは、プロ棋士をねじ伏せた将棋ソフト「ポナンザ」で知られる。4月20日にマザーズへ株式公開する。将棋だけでなくチェスのソフトも開発しており、開発を通じて蓄積したAI技術で知られるベンチャー企業だ。
ポナンザの機械学習は、データセンター大手、さくらインターネットがバックアップしている。さくらインターネットは、「高火力コンピューティング」と呼ばれる圧倒的な処理能力を備えたクラウドサービスを展開している。
ポナンザは佐藤天彦名人を倒し一躍有名になった。企業向けのBtoBビジネスに力を入れる。独自のAI関連技術「HEROZ Kishin」を提供。個人向けには「将棋ウォーズ」「囲碁ウォーズ」などの頭脳ゲームをスマートフォン上で展開し、課金収入を得る。藤井聡太六段の躍進や、羽生義治永世七冠誕生による将棋人口の拡大が追い風になっている。代表取締役CEO(最高経営責任者)は林隆弘氏。筆頭株主は林氏自身で、上場前時点で35.19%を保有している。
HEROZのIPOで、AI関連銘柄に光が当たる。本命は昨年9月に上場したPKSHA Technologyとの見方が強い。AIビジネスの国内市場は拡大の一途。2015年の1500億円から20年には1兆円超になる見込みで、30年には2兆円超とも予測されている。
■アイペット損害保険など目白押し
秋元康氏が株式を保有(11位の株主)し、同氏がプロデュースする乃木坂46がウェブコマーシャルに出演しているアイペット損害保険は、4月25日にマザーズへ上場する。社名の通り、ペット保険会社だ。社会情勢の変化でペットは家族としての重要性が増している。話題性が高い銘柄といえる。
クルーズ旅行に特化したオンライン旅行予約サイトを運営するベストワンドットコムは、同じく4月25日にマザーズへ上場。エイチ・アイ・エス(HIS)会長兼社長の澤田秀雄氏の長男である澤田秀太氏が率いている。軽量級のIPO案件なので、大幅な株価上昇が確実視されている。
4月27日にジャスダックへ上場するエヌリンクスは、NHKの契約・受信料収納代行業務を行っている。売り上げの8割がNHK向け。強引な契約を行うとして、かつて物議を醸したこともある。特殊な銘柄だが、市場関係者の一部は注目している。
3月27日にマザーズに新規上場したRPAホールディングスは、前評判通り買いが殺到。上場初日は買い気配のまま取引を終えた。最後気配値は、公開価格(3570円)の2.3倍に相当する8220円だった。上場2日目に公開価格の4倍の1万4280円で初値をつけ、1万7250円まで上昇した。さすがに、「株価に過熱感が出ている」との指摘が出始めたことから、29日には1720円安の1万4720円まで一時、値を消した。人事、経理・財務、営業業務などの領域で定型作業を代行・代替するロボットアウトソーシング事業が主力。RPA(ロボットによる業務自動化)関連ソフトウェア開発の国内最大手といわれている。
RPA市場は、人手不足や労務費の上昇がクローズアップされるなか、AI活用の流れを背景に市場の急激な拡大が見込まれている。
RPAホールディングスの高橋知道代表取締役が上場当日に記者会見を行い、「RPAは『導入元年』を迎えたところだ」と語り、拡大局面は始まったばかりとの認識を示した。
(文=編集部)
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