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日銀人事の決定前に「2年でインフレ率2%」未達の総括が必要だ
http://diamond.jp/articles/-/162358
2018.3.8 加藤 出:東短リサーチ代表取締役社長 ダイヤモンド・オンライン
総裁再任案が提出される直前、衆議院の財務金融委員会で答弁に立った日本銀行の黒田東彦総裁 Photo:REUTERS/アフロ
政府は2月16日、次期日本銀行総裁・副総裁の人事案を国会に提出した。黒田東彦総裁の続投および雨宮正佳・日銀理事と若田部昌澄・早稲田大学教授の副総裁への推挙だ。
金融政策は国民生活にさまざまな影響を及ぼすが、日銀幹部は国民が選挙で直接選ぶのではなく、その道の専門家が行う。それ故、衆議院と参議院で候補者を招いて審議を行うことは非常に重要な民主主義上の手続きといえる。
2008年当時は「衆参ねじれ現象」により紛糾した。今回は10年前のようなことは起きないはずだが、国会は「働き方改革」等々で大もめ状態だ。現在の副総裁の任期は3月19日までなので、日程的にはぎりぎりの雲行きである。
国会での審議が始まれば、黒田氏は超金融緩和策を今後もしっかりと続けて、2%のインフレ目標を目指し続けることを従来通りアピールするだろう。ただ、黒田氏も2期目となれば、歴史的評価が気になってくると予想される。
米連邦準備制度理事会(FRB)のベン・バーナンキ元議長も欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁も、大胆な金融緩和策を実施しつつ、任期中に正常化への道筋をつけた。さすがの黒田氏も緩和策を計10年やり散らかして去っていくのはまずいと、徐々に思い始めているのではないか。
ところで、5年前の3月の衆議院における岩田規久男氏(現日銀副総裁)の発言を記憶している人は多いだろう。民主党(当時)の津村啓介議員にインフレ目標を2年で達成できなかった場合のことを問われた岩田氏は、「最高の責任の取り方は、辞職するということだというふうに認識はしております」と答えた。
同議員に「2年間というのは、2年後の春、つまり、2015年の春の消費者物価の上昇率2%ということを目標とされる。そして、最高の責任の取り方としては、職を懸けるということでよろしいですね」と聞かれた岩田氏は「それで結構でございます」と明言した。
国会でここまで言い切った姿勢は“男気”と評価すべきかもしれない。その前年に著した本で同氏は、インフレ率を2%にするのに必要なマネタリーベースは、インフレ目標を掲げない場合で162兆円、同目標を掲げた場合はそれをかなり下回る、と述べていた。
現在のマネタリーベースは470兆円を超えているのに、インフレ目標の達成は全く見えてこない。しかし、岩田氏は5年の任期を満了しようとしている。
金融市場参加者と最近話すと、「リフレ派の主張が破綻したことは明らかなのだから、政府・日銀はその総括をここで行うべきではないか。それを曖昧にしたままで次の5年の金融政策を進めてよいのか」との声を多数耳にする。
もっとも、もし岩田氏が15年ごろに退任していたら、安倍政権に任命責任の問題が生じた可能性はある。また、国内のリフレ派経済学者の筆頭格である岩田氏が間違いを認めたら、その後の日銀政策委員の任命に政府がリフレ派を推すことは困難になっていたと考えられる。今回の若田部氏の副総裁への起用もなかっただろう。
政府にとって、リフレ派の理論崩壊は実はさほど問題ではないのかもしれない。岩田氏の責任を曖昧にしつつ、今後も日銀政策委員会にリフレ派を送り込むことで、国債金利を超低位に抑え込む緩和策を続けさせたいのだろう。
しかし、それは深刻な副作用を将来世代にもたらすのではないかと懸念される。
(東短リサーチ代表取締役社長 加藤 出)
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