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大阪、カネはないのに万博&IR誘致に必死…開催地に決定したら大混乱は必至
http://biz-journal.jp/2018/03/post_22508.html
2018.03.02 文=編集部 Business Journal
1970年の日本万国博覧会(「Wikipedia」より/Flickr upload bot)
フランス・パリが2025年国際博覧会(万博)への立候補を断念した。2025万博開催地は今年11月の博覧会国際事務局(BIE)総会で決定する。
2月7日、大阪府の松井一郎知事はローラン・ピック駐日仏大使と府庁内で会談し、開催国決定に向けて「いろいろとご協力をいただきたい」と依頼した。
万博開催地はパリが最有力とみられていた。パリの撤退により、残っているのはロシアのエカテリンブルグ、アゼルバイジャンのバクーと大阪。俄然、大阪が有利になったという見方が広がっている。だが、そう甘くはないようだ。
松井知事は、万博とカジノを含む統合型リゾート(IR)のセット論を展開。「万博前のIR開業が絶対」だと考えている。しかし、万博前のIR開業には黄信号が灯る。
■IRは大問題に
IR実施法案は、国会審議入りしていない。安倍晋三首相の施政方針演説には盛り込まれていたが、公明党内にはカジノ解禁に慎重な意見が依然として根強いためだ。安倍首相にとっても、働き方改革関連法案や憲法改正など懸案事項が別にあるので、IR実施法案は後回しにされる可能性が高い。そのうえ、たとえIR実施法案が成立しても、大阪への誘致がすぐに実現するとは限らない。
「まずは3カ所程度だろう」
政府高官はIRの設置場所についてこう漏らす。2カ所は首都圏、残り1カ所が首都圏以外の地方になる公算が高いという。地方では、沖縄、長崎、和歌山、愛知、北海道なども誘致に手を上げている。1カ所という狭き門で、大阪が選ばれる確率は高くない。
しかも2月20日、大阪は来年のG20開催都市に決定。福岡や愛知とのバトルに勝利した。これには「G20は大阪にするからIRは別の都市で、という官邸の意向があるのではないか」(自民党関係者)という見方が出ている。
万博の会場建設費は約1300億円で、国、地元自治体(大阪府・市)、財界で3分の1ずつ分担する。これとは別にインフラ整備費用も必要で、万博だけで730億円以上、IRについては未定である。
この費用について大阪府は「万博とIRセット」とすることで、IRのために日本進出する事業者に負担してもらおうと考えているのだ。裏を返せば、IRが遅れると万博のインフラ整備費はすべて府と市が出さなければいけなくなる。関西財界が負担を求められる可能性も出てくる。
万博誘致には、日本経済団体連合会(経団連)と関西経済連合会(関経連)が参加している。官民でつくる誘致委員会の会長は榊原定征経団連会長だ。
榊原氏は「誘致に全力を尽くす」と言ってはいるが、カネの話はまったく議論されていない。その上、榊原氏は6月に経団連会長を“お役ご免”となる。すでにレームダック(死に体)状態だ。
関西財界には、05年愛知万博におけるトヨタ自動車のような大金持ち企業がない。“サラリーマン経営者”ばかりで皆、頭を抱えている。大阪が開催地に決定したら、「誰がカネを出すのか」という問題で大混乱となるのは避けられない。
■関西財界は総論賛成だが、カネの話はタブー
京都市で開かれた第56回関西財界セミナー(関西経済連合会、関西経済同友会共催)は2月9日、「国際博覧会の2025年大阪誘致を政府や自治体と一体となって勝ち取る」ことを盛り込んだセミナー宣言を採択して閉幕した。
関経連の松本正義会長(住友電気工業会長)は万博誘致について「関西に非常に大きなインパクトがある国家事業であり、誘致活動をやり抜かなければいけないと全員で結束できた」と胸を張ったが、総論は賛成でも各論(資金分担)になれば同床異夢なのが現実だ。
住友電気工業には、トヨタのような資金力も財界を引っ張るリーダーシップもないことは明らかだ。
万博開催が実現すれば、会場となる大阪湾岸の人工島、夢洲(ゆめしま)を「西日本の玄関口」と位置づけ、周辺地域と人の流れを生み出して成長につなげるべきだという、総論賛成の意見がセミナーでも相次いだが、一歩踏み込んだ発言をしたのは関西電力の香川次朗副社長くらいだ。
その香川氏にしても、「夢洲周辺を含む広い地域の長期の全体像について共通認識を産学官で早く共有して進めるのが大事」と述べただけで、関西電力が主役を張るとは言っていない。
アシックスの尾山基会長兼社長は「島全体を娯楽や観光の一大拠点にしてはどうか」などと、レジャー評論家のような発言をした。
夢洲にIRを誘致する構想については、松井知事を支持する声が多かった。それでも「観光客向けの夜のショーなどを充実すれば、関西経済はさらに元気になる」といったレベルの発言ばかりだった。長期低迷している関西経済が、そんな小手先のことで元気になるとは考えがたい。
関西経済同友会の鈴木博之代表幹事は、丸一鋼管の会長だ。その丸一鋼管は、溶接鋼管で国内首位の東証1部上場企業だが、年商は1500億円台にすぎない。大金を拠出することは難しい。
そうなると、経団連に加盟している主要メンバーで関西以西に本社がある企業が、人もアイディアも金も出さない限り、大阪万博の先行きには乱気流が待ち受けている。
(文=編集部)
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