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中国、対外投資に急ブレーキ 規制強化、軍事転用…内外から「カネの流れ」警戒
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180227-00000002-fsi-bus_all
SankeiBiz 2/28(水) 7:15配信
※写真はイメージです(Getty Images)
中国の対外投資に急ブレーキがかかっている。中国商務省のまとめで、中国企業が2017年に海外で行った直接投資(金融分野を除く)は総額1200億8000万ドル(約13兆円)と、前年を29.4%下回った。中国の対外投資額で前年割れは03年の統計公表開始後、初めて。安全保障上の理由などから、米欧で中国からの投資や買収に拒否反応を示すケースが増えていることに加え、海外への不正な資金流出を警戒する中国政府の規制強化も追い打ちをかけている。
習近平指導部が進めている現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に関連し、スリランカやパキスタン、ジブチなどのプロジェクトで、中国による軍事転用の懸念が強まり、米欧が対中警戒をこれまで以上に強めた点が急ブレーキの背景にある。
中国の電子商取引大手アリババ集団の関連会社による、米国の国際送金大手マネーグラムの買収計画が、昨年末までに事実上、拒否されたのが典型例だ。総額12億ドルにのぼるTOB(株式公開買い付け)計画だったが、米外国投資委員会(CFIUS)が計画の申請を承認しなかったという。
CFIUSは米財務省が主導する審査機関。マネーグラム社の買収計画をめぐり、具体的にどのような懸念があったかは明らかにしていない。ただ、CFIUSは通常、外国企業による米企業買収に関し安全保障上の懸念がある場合、買収拒否を大統領に勧告する機能がある。
アリババ側は今年1月に買収を正式に断念。これに対し中国商務省は、「海外からの投資阻止手段に安全保障上の問題を利用する国に懸念を持っている」と表明し、米国を牽制(けんせい)した。
他にも中国による買収計画で、米国の保険会社や証券取引所などの案件が相次ぎ拒否された。また、欧州連合(EU)欧州委員会は昨年9月、域外企業による欧州企業買収への審査強化策を打ち出した。インフラや軍事、宇宙などの分野で、ハイテクが海外の政府系企業に渡ることを防ぐ狙いがある。
他方、中国政府による規制強化も影を落とした。中国企業が対外投資を隠れみのに、国内で蓄積した資金の海外逃避を試みるケースが相次いだためだ。このため16年末から、中国当局は不動産やスポーツ、ホテルなどの対外投資の審査を厳格化。結果的に対外投資の抑制につながっている。(香港 河崎真澄)
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