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“働き方改革”掲げるヤマト運輸に是正勧告2本 悪質な勤務記録の改竄も 厚労省は“ブラック企業リスト”にヤマト運輸を追加 
http://www.asyura2.com/18/hasan126/msg/229.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 2 月 24 日 18:05:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

“働き方改革”掲げるヤマト運輸に是正勧告2本 悪質な勤務記録の改竄も 厚労省は“ブラック企業リスト”にヤマト運輸を追加
http://bunshun.jp/articles/-/6335
2018/02/23 横田 増生 文春オンライン


 昨年、巨額の未払い残業代を支払い、目下“働き方改革”を進めているヤマト運輸に、尼崎労働基準監督署から2本の是正勧告が出ていたことが、明らかになった。是正勧告の対象となったのは同社の尼崎武庫支店だ。

ドライバーが休憩を取れていなかった

 一つは、昨年11月に出た是正勧告で、同年6月から12月にかけて休憩を取れていなかったというもので、労働基準法34条(休憩の取得)と37条(割増賃金の支払い)などに違反する。尼崎労基署が、同支店に務める40人以上のドライバーの勤怠記録を確認したところ、複数のドライバーが休憩を取れていない事実が浮上してきた。


「働き方改革」の内実は…… 撮影/筆者

 ヤマト運輸はその是正勧告に対し、翌12月、労基署に是正改善報告書を提出。支店内に休憩室を作ったり、昼間の中間点呼を行うなどして、セールスドライバー(SD)が法律で定められた休憩時間を取れるようにする、と回答した。

 今回、ヤマト運輸を実名申告で労基署に訴えたのは、同社に務めて20年となる岡田誠氏(仮名)。岡田氏は、ヤマトが是正改善報告書を出して以降も休憩が取れなかったとして、再度、12月に自分の勤務記録などを持って労基署に駆け込んだ。

 つまり、労基署には改善した体を見せながらも、現場では、依然として休憩が取れていなかったのだ。


2017年11月から12月の勤務記録。黄色のマーカーが引かれているのが、実際には休憩が取れなかった箇所

 労基署は、同社の労基法違反を悪質とみなし、今年4月以降に、尼崎武庫支店だけでなく、ヤマト社内の上部組織である西大阪主管支店に調査対象を広げるつもりだ。今回の岡田氏の申告が契機となり、それまで支店単位だった調査対象を主管支店に広げて網をかけることが可能になった、という。

 岡田氏はヤマトを労基署に告発した理由をこう語る。

「私は10年以上前から、ヤマトのサービス残業や違法な労働実態について社内で声を上げてきました。社内の労組や、目安箱といわれる内部通報制度を使って、労働現場の実態を改善してほしいと訴え続けてきました。

 しかし、違法な労働実態が根本から変わったとはいいがたいのが実情です。社内の自浄効果には期待できませんでした。それを変えるには、労基署のような公的機関に介入してもらうしかない、と思ったのです」

ドライバーの勤務時間を勝手に改竄

 岡田氏の労働運動を支援してきたブラック企業ユニオンの執行委員の青木耕太郎氏はこう話す。

「すでに神奈川県下のヤマト運輸の支店などで是正勧告が出ていることを勘案すると、4月以降の新たな調査が、地域の労働局の枠を超え、厚労省の案件となることもあると考えられます。電通の時のように、ヤマト運輸本社への立ち入り検査に発展する可能性もあり得ます」


岡田さんの2016年6月・7月の勤怠リスト。一番右の欄の修正に「**」や「*」が入っているのが改竄の痕跡だ。
※画像クリック拡大

 岡田氏は、2回目に労基署を訪れた際、一昨年の勤怠リストも持ち込んだ。同氏が働く店の支店長が、ドライバーの勤務時間を、ドライバーの承諾なしに、勝手に改竄したと主張した。要するに、支店長がドライバーの労働時間、ひいては給与や残業手当などを勝手に引き剥がし、支店の利益に回していたということだ。期間は2016年4月から12月まで。その後、労基署が立ち入り検査をした結果、2018年1月31日付で、労基法24条(賃金の支払い)と34条、37条――に違反しているという理由で、2本目の是正勧告が出た。

 ヤマト運輸は昨年、違法なサービス残業があったことを認め、過去2年間にさかのぼり、同社の約6万人のドライバーに総額230億円のサービス残業代を支払った。

 同社は昨年2月に社内に働き方改革室を設置した。アマゾンなどのネット通販企業の荷物を、採算割れを起こしかねない低運賃で引き受けて業界シェアを高めてきたことが、労働現場にひずみを生んだという理由からだ。その後、「労務管理の改善と徹底」や「宅急便総量のコントロール」、「宅急便の基本運賃の改定」などを柱にした働き方改革を進めてきた。

現場の負担はどこまで軽減しているのか

 ヤマト運輸を傘下に持つヤマトホールディングスの山内雅喜社長は、昨年4月の記者会見で、どうして大規模な未払い賃金が発生したのかと問われ、

「荷物が増える半面、労働需給が逼迫して人員を充足できておらず、第一線にしわ寄せがいっていた。対策の遅れが問題だった。目が行き届かなかったことを反省している」

 と答えている。


2017年4月、働き方改革について説明するヤマトHD・山内社長とヤマト運輸・長尾裕社長 撮影/筆者

 実際、荷物の総量を抑制したため2018年1月までの取扱個数の実績は、昨年の同時期と比べ8%ほど落ちている。また、親会社のヤマトホールディングスの第3四半期の決算は、値上げが奏功し、上半期の赤字から脱し、黒字に転換した。それに伴い株価も回復基調にある。一見すると好調に推移しているようにも見える。

 しかし、現場の負担はどこまで軽減しているのか。


ヤマト運輸の西大阪主管支店内に貼り出された新聞

 昨年12月、ヤマトの西大阪主管支店の労働組合が貼り出した新聞の言葉が現状を的確に現している。

「(働き方)改革を進めている今年の繁忙期だが、安全の確保、法律の遵守はできているのか。何より社員は人間らしい生活ができているのか。正直なところ、現場はまだまだ追いついていない。物量が10%減ったところで、2年前や3年前の数字と大差なく、すべての異常が正常になるわけではない。働きやすい職場というには、まだまだ社員一人が抱える仕事量が多すぎる」

 そうした労働者側の根強い不安があるにもかかわらず、西大阪主管支店のある支店長は、メールで配下のドライバー全員宛にこういう檄文を送っている。

「繁忙期も(ドライバーの配達)個数管理はシビアにいきますから、しっかり個人別に配達生産性を維持して下さい。(中略)12月は、SDの配達取扱をしっかり確保する計画にすること」


西大阪主管支店の支店長からのメール

過去にも関西支社で出勤記録を改竄

 関西支社管内にあるヤマト運輸のサービス残業の歴史は10年以上前にさかのぼる。

 ヤマト運輸は2007年、大阪南労基署から関西支社がドライバーのサービス残業や出勤記録を改竄したとして是正勧告を受けた。同社は過去2年さかのぼり残業代を支払っている。

 この問題に関して、ヤマトホールディングスの木川真社長(当時)は、日本経済新聞(2012年3月2日夕刊)で、

「『時短による労働環境の改善』と『生産性向上によるコスト削減』という二律背反に見える命題解決のために、社長直轄のチームを立ち上げました。(中略)(違法労働の)流れが変わるのに2年は短かったと思います。労基問題での指摘を逆手にとって改革を進めたことで、いまの(労働問題のない)当社があるんです」

 と語り胸を張った。

 しかし現在、同じような労基法違反の問題が同社の関西の支店で起こっている。


©iStock.com

心身にかかるプレッシャーが大きくなった

 現場が依然として疲弊しているのは関西だけの話ではない。

 筆者が取材した関東で働く同社のドライバーはこう話す。

「上からは休憩を取れ、遅くとも午後7時には支店に帰ってこい、などといわれますが、そんなことをしたら、明日に荷物が残ってしまいます。それが積み上がって自分で運べないようになれば仲間に迷惑をかけます。それを避けたいために、1個でも多く配ろうとしてしまいます。忙しい時は、休憩を取る余裕がありません。

 それに、長時間労働の元凶となっていたアマゾンからの最終便(午後4時、5時以降の配達便)については、配達をしなくていいことになりました。しかし、そのほとんどは翌朝の荷物に回されるだけです。去年と比べると、負担が減ったというより、時間管理が厳しくなった分、心身にかかるプレッシャーが大きくなったと感じています」


現場への負担は増すばかり 撮影/筆者

 ヤマト運輸は、昨年2月に働き方改革室を立ち上げ、4月に働き方改革の取り組み方針を発表した。しかし、それ以降も、兵庫県の西宮市で労働時間の改竄が見つかり、西宮労基署から是正勧告が出たり、福岡労働局が9月に博多北支店のドライバーに残業代を支払っていなかったとして、同社と同支店の幹部を労働基準法違反容疑で福岡地検に書類送検したりした。さらに、10月には、厚労省が発表する“ブラック企業リスト”にヤマト運輸が加えられた。

 前出の青木氏はこう話す。

「確かに、ヤマト運輸は昨年一定額の未払い残業代を支払いました。しかし、まだ法律で定められた労働環境になっているとは思っていません。われわれのところにも、ヤマト運輸の別の支店のドライバーから同じような相談がきていることを勘案すると、改革は道半ばととらえています。今後とも同社には、継続的に労働環境の改善を求めていくつもりです」

 一連の是正勧告についてヤマト運輸に質問状を送ったが、広報戦略部の藤岡昌樹プロジェクトマネージャーは、「いずれの勧告についても既に是正済みであり、是正報告書も受理していただいていることなどから、当社としては現時点で特にコメント等をさせていただくことはありません。当社は『働き方改革』を経営の中心に据え、引き続き全社をあげて労働環境の整備と法令遵守の更なる啓発に努めております」と回答した。

 ヤマト運輸が働き方改革室を立ち上げてから、1年が過ぎた。しかし、その改革を成し遂げるにはまだまだ課題が山積している。

(個人情報を保護するため、写真の一部を処理しています)



























 

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コメント
 
1. 2018年2月24日 21:14:20 : jOSj4UEWCo : LxzvrIUS_Lg[1]
じゃあきちんと行政が監察をいれて徹底指導したらいい。独自監査で内情をごまかす郵政も同様にだ。
民間の現場をろくに把握もせずに政治が口ばかりを出すなということだ。

2. 2018年3月02日 22:20:23 : FRF9qiGtZo : gQJ9aZQjpOw[54]
ヤマトの奴隷労働など、欧州じゃストライキで一撃倒産する。

オーストラリアでも営業所は午後6時で完全閉店。誰もいなくなる。それが世界の常識。


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