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企業広告、テレビCMから人気ユーチューバーへシフトか…大金が支払われる理由
http://biz-journal.jp/2018/02/post_22394.html
2018.02.20 解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季 Business Journal
いまやすっかり一般にも認知された“ユーチューバー(Youtuber)”。将来の夢に、この職業を挙げる子供も少なくないが、その理由は、「楽しそう」「有名になれる」といったもののほかに、「楽して大金を稼げる」というイメージが強いこともあるだろう。
ユーチューバーの2017年の市場規模は219億円で、前年比の約2.2倍(CA Young Lab調べ)。今後もますますの成長が見込まれ、市場規模が大きくなればユーチューバーの広告収入もさらに上昇するだろう。
現時点でも売れっ子ユーチューバーともなればその年収は数億円ともいわれるが、そもそもなぜこれだけの大金が一個人相手に支払われるのかは素朴な疑問だ。そこで、立教大学経営学部教授の有馬賢治氏にマーケティングの観点からユーチューバーと広告市場について解説してもらった。
■コスパがいいユーチューバーへの広告
「昨今、若者の間で“テレビ離れ”“雑誌離れ”が叫ばれていますが、テレビCMや雑誌広告の効果自体が疑問視されるようにもなってきています。そういった状況ですので、多くの若者が触れる機会のあるYoutubeでの広告に価値を見いだす企業が多くなっているのです」(有馬氏)
最近では、国民的アニメ『サザエさん』(フジテレビ系)のスポンサーを48年間務めた東芝が、今年3月で降板することが話題になった。大企業といえども、テレビCMでの広告費を見直さざるを得ない時代背景だという証拠だ。とはいっても、ユーチューバーへ支払う広告費も決して安くはないはず。ひとりのユーチューバーに大金を支払うことが企業にとって、果たしてどの程度プラスになるのだろうか。
「ゴールデンタイムに地上波で1クール(13週)テレビCMをオンエアーするとなると、その広告費は一般的に数億円が必要です。これは、CMが見られても見られなくても発生するコストです。一方、ユーチューバーに対して支払う広告料はまだそこまで高騰はしていません。人気ユーチューバーのチャンネル登録者数が何十万、何百万単位であり、それに対する広告費の支払いがCMの視聴回数やクリック回数に応じたシステムであることは、企業にとってはむしろコスパがいいメディアだと認識されているのでしょう」(同)
YoutubeのようにCMを流したりバナーを表示させたりするわけではないが、ネット上で広告収入を得られるメディアの代表例として、Instagramがある。アパレル企業などから自社商品を売り込むことを依頼され、フォロワーの興味が湧く画像をアップすることで対価として企業から報酬を得る人たちのことを“インスタグラマー(instagramer)”と呼ぶ。人気インスタグラマーともなれば、収入面は人気ユーチューバーに引けを取らない。
「インスタグラマーも企業にとっては、ユーチューバーと同様に広告媒体として魅力的な存在です。仮に、自社の広告塔としてタレントと契約する場合には、プロダクションを通じてそれなりの長期契約が基本となるでしょう。インスタグラマーにこうした契約という形態があるかどうかまではわかりませんが、オファーは短期間もしくは単発の企画で起用するケースの方が多いのではないでしょうか。こうした気軽にオファーができる面も企業がメリットを感じている点でしょうね」(同)
これからの時代、いかに訴求力のあるユーチューバーやインスタグラマーを見つけて自社商品と関連付けられるかも、企業に求められる発信力だと有馬氏。
■会社員より大変なユーチューバー
WEB上の広告がテレビCMなどのメディアと同程度の力があるという認識が企業間で広まる昨今、これらに広告費を割く企業がさらに多くなることが予想される。ならば、ユーチューバー、インスタグラマーの景気もさらによくなる、というのは冒頭でも記述したところ。だが、その土俵で企業から目をつけられるほどの人気者になるのは当然簡単なことではない。
「人気ユーチューバー、インスタグラマーのコンテンツを見てみると、面白さ、センスのよさ、親近感、役に立つ情報と、そのカテゴリーは多岐にわたります。ですが、それらは視聴者に押し付けるのではなく、視聴者の共感をしっかり捉えている内容だということが共通しています。ライフスタイル、ライフステージによってチャンネル登録者やフォロワーの層は細分化されていますが、人気を維持していくためには、その細分化されたニーズにしっかり応える映像や画像を制作することが肝要です。つまり、人気を得るにはマーケティング的な能力やセンスが必要なのです」(同)
そしてもうひとつ、忘れてはいけないことがある。
「クリエイティビティの高い内容を長期間投稿し続けなければならないという作業には、概して“生みの苦しみ”がつきものです。最初のうちは自身の身近な興味を発信するだけでも共感を得ることができるかもしれませんが、いつかはネタが尽きる日もあるでしょう。人気ユーチューバーともなれば毎日のように動画を投稿するのが当たり前で、少し疎かになるだけでも人気が下がると聞いたことがあります。テレビや映画業界が常にコンテンツを提供できるのは、その組織に多くの人間が関わり、絶えずネタをリサーチしているからです。ユーチューバーの場合は、それを一人ないし、ごく少数で行わなくてはなりません。それを長期間のものとして考えた場合には、アイデアの収集が大きなハードルとなる可能性はありますね」(同)
安易に「ユーチューバーになりたい」と話す人をメディアではよく目にするようになった。しかし、楽で楽しそうに見えるこの職業も、成功するには能力と努力が人一倍必要なのは他の職業と何ら変わらない。むしろ、孤立無援でコンテンツを発信し続けなくてはならないその苦労を考えると、一般企業に勤めるほうがよほど楽なようにも感じられる。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季)
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