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「画期的な高額がん治療、健康保険制度を圧迫…「保険診療の対象外化」の議論も」
(Business Journal 2018/12/25)
https://biz-journal.jp/2018/12/post_26042.html
12月10日にノーベル賞の授与式が行われ、本庶佑京都大学名誉教授が医学生理学賞を受賞しました。がんの新たな治療法への貢献が受賞の理由です。その研究を基に開発された、免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」はよく知られる存在となりました。同様の医薬品も相次いで開発され、免疫療法は、外科的手術、抗がん剤療養、放射線治療に次ぐ、がんの第4の治療法になりつつあります。
■ 3500万円の治療費でも、自己負担は110万円
がん治療法の開発は、一方で私たちに新たな問題を突き付けています。治療のための費用の問題です。オプジーボは、今年11月に薬品の価格が大きく引き下げられました。それでも1回42万円かかり、治療には年間1,000万円程度が必要になります。1回5,000万円、1億円かかるという新薬も登場しています。
健康保険で3割負担だったとしても、かなりの負担になると思いきや、実際はそれほどではありません。健康保険には「高額療養費」という制度があり、一定額までの負担に抑えられるからです。オプジーボの例でいえば、薬価引き下げまでは年間3,500万円程度の医療費が必要でした。しかし、一般的な収入のサラリーマン家庭であれば、患者の自己負担は年間で110〜210万円程度となります。70歳以上であれば、70万円程度で収まります。けっして軽い負担ではありませんが、薬の価格と比べるとかなりの少額です。残りは勤務先の健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)、自治体の国民健康保険などが負担しています。
■ 安全性と治療効果が確認されると、保険診療の対象になる
日本の医療保険制度では、保険診療の対象になると、一定額までの負担で利用できるようになっています。一方、保険診療の対象にならない治療を行うと、その治療だけでなく、本来なら保険診療の対象となる治療も含め、すべての医療費が自己負担となります。一部に、例外として「先進医療」「選定療養」とされるものは、その部分だけは自己負担となります。先進医療には、がんの陽子線治療、選定療養には差額ベッド代などがあります。
基本的には、安全性と治療の効果が確認されると、高額の治療でも保険診療の対象となります。治療費用が高いから保険診療の対象にならない、ということはありません。がんの陽子線治療のなかでも、一部のがんについては今年の4月から保険適用となっており、それまでは300万円もした治療費が、月額9万円程度の負担で受けられるようになりました。
■ 日本の医療費が増加しているのは、高齢化のためだけではない
日本の医療費が年々増加しているのは、ご存じの方も多いでしょう。高齢者が増えているため、といわれることが多いのですが、理由はそればかりではありません。例えば、平成27年の医療費は、前の年に比べて3.8%の増加となっています。そのうち、1.2%分は高齢化による影響ですが、残りはそれ以外が原因となっています。明確には特定できませんが、「医療の高度化」が影響しているものとみられています。他の年についても概ねこの傾向は変わりません。それはやがて、健康保険料の値上げなどにつながっていきます(厚生労働省「中央社会保険医療協議会総会(第336回)」資料7参照)。
医療技術の進歩により、今まで治らなかった病気が治るようになりました。そのことはありがたいことですが、こと医療費に関しては、かなりの負担要因となっています。新しい医薬品、治療法は高額のものが多く、それに伴い医療費が拡大しています。
さらに、保険診療の対象になると、患者の負担が一定額までで抑えられるため、医師も患者もためらいなく高額の治療法を利用しがちです。その結果、健康保険組合や協会けんぽ、国民健康保険などの保険制度の負担は増えるばかりです。
■ 日本ではタブーとされている議論
そろそろ、「費用が高い治療は保険診療の対象から外す」という選択肢を考えていかなければならないようです。それは「貧富の差が命の差につながる」との懸念につながります。確かに、金で命を買うような状態になってはいけませんが、かといって数千万円もの医療費が数万円程度で利用できる状況を放置しておいてよいものか、検討は必要でしょう。ヨーロッパ諸国でも、一部の高額な医療費を公的医療保険の対象から外す制度改正がなされています。もちろん、批判があるのは確かです。
基本的な医療については、公的な医療保険で誰もが少ない負担で治療を受けられる。しかし、特に高額な治療については、自己の負担と選択に委ねる。高額な治療が必要になっても困らないようにしたい人は、民間の医療保険などを利用して自分で備える。そんな区分けも検討していかなければならない時期に来ているようです。
日本人のノーベル賞受賞で、新しいがん治療に注目が集まるようになりました。本庶教授らの研究は、がん治療法の新しい道を拓きました。と同時に、医療保険制度の在り方についても、新たな問題を突き付けているようです。
(文=村井英一/家計の診断・相談室、ファイナンシャル・プランナー)
-------(引用ここまで)--------------------------
日本の医療費が年々増加しているのは高齢化だけが原因ではないと認めていますが、
理由は明確には特定できないと奥歯にものがはさまったような言い方をしています。
医療費が増えているのは、放射能汚染による被ばくにより、高齢者だけではなく若中年世代の
がんや白血病などが激増しているからです。
いずれ今の医療保険制度は崩壊し、保険金ないし自己負担額が大幅に増え、
経済的に余裕のない人は門前払い、満足な治療が受けられなくなるでしょう。
「貧乏人は早く死ね」という血も涙もない時代がすぐそこまで来ているのです。
福島原発事故が起きなければ、重病になる人も少ないままで、
こんなことにはならなかったでしょう。
何もかも原発のおかげです。
(関連情報)
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(拙稿 2016/8/22)
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