http://www.asyura2.com/18/genpatu50/msg/696.html
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日本が国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、日本の排他的経済水域(EEZ)で商業捕鯨を再開することが
決まった[1]。
原子力と同じく、商業捕鯨でも日本は世界と逆行し孤立を深めているが、実は捕鯨船拠点は
自民党大物議員と深いつながりがある[2]。
捕鯨船の拠点がある山口県下関市は安倍晋三首相、沿岸捕鯨が盛んな和歌山県太地町は
二階俊博氏の地盤なのだ。
二階氏が大声でIWC脱退を叫んでいる理由がよくわかるだろう。
鯨肉市場の規模はわずかであり、全面捕鯨禁止になっても日本経済に対する影響はごくわずかであり、
それよりも世界の大半である反捕鯨国との摩擦のほうがはるかに深刻だ。
私利私欲、自分の票田を守る御都合のために国策を平気でねじ曲げ国益に反する結果となるのが
安倍政権が繰り返してきた陋習だが、これもその典型例になるだろう。
和歌山県太地町と言えば、ドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ (The Cove)」(ルイ・シホヨス監督 2009年)で、
たくさんのイルカを銛で突いて殺し入り江が文字通り血の海になる場面を隠し撮りされ、
世界中から強い非難を浴びた[3][4]。
イルカ肉が食用にされていることに驚く人は多いだろうが、流通量は少ないが市場で売られている。
鯨肉と称して売られている場合もある。
この映画をめぐって、環境保護・動物愛護か食文化の伝統かという点で激しい論争が起きたが、
この作品が指摘しているもう一つの興味深い問題はイルカの水銀汚染である。
鯨やイルカは食物連鎖の最上位にあり、水銀が生体濃縮され汚染が非常に高いレベルにある[5]。
水俣病を引き起こした魚よりも汚染がひどい、太地町住民の毛髪水銀濃度は平均の10倍という
指摘もある[6]。
これほど水銀が生体濃縮されるのなら、まちがいなく放射性物質も濃縮されるはずである。
事実、サンプル数は少ないが鯨肉から放射能汚染が検出されている[7]。
また静岡県沼津では同じく食物連鎖の最上位にあるアオザメから700Bq/kg超もの高汚染が
検出された[8]。
2014年、太地町では大変珍しい白い鯨が捕獲された[9][10]。
2015年、福島近くで大量に漂着したイルカは白肺状態であった[11]。
ここ数年、太平洋各国の海岸で、鯨やイルカの大量死が多数報告されている[12]。
これらは福島原発事故による放射能汚染が主因である可能性が高い。
みなさんがもし鯨肉、イルカ肉を入手できたら、ぜひ精密な測定をしていただきたい。
とくに太平洋沿岸で獲れたものは高い汚染が検出されるだろう。
福島から遠い和歌山で意外と早死にが多いのは、汚染された鯨やイルカを食べる機会が
多いからかも知れない[13]。
陸の野生動物(ジビエ)が食用禁止になるほど放射能汚染されているのだから、
食物連鎖の上位にある海の動物が同様に危険なのは当たり前であろう。
今後、東電が100万トン超の汚染水を放出すれば、太平洋の汚染にとどめを刺すことになる。
環境保護、動物愛護の観点からだけではなく、放射能汚染の危険性からも
鯨やイルカの捕獲・食用は全面的に禁止すべきだろう。
返す刀で、「ザ・コーブ」の製作者や主演のリック・オバリー氏、あるいはシー・シェパードといった
"感情的"環境保護活動家も批判しておく。
銛で突いて殺すよりも大量死を招く海洋汚染のほうがはるかに深刻であるが、
彼らは海洋汚染には全くと言ってよいほど興味がない。
太地町に抗議に行っても、東電前で「放射能汚染水を海に垂れ流すな」と訴えることはない。
この世から鯨・イルカ漁が無くなれば彼らは満足するのだろうが、それでは鯨やイルカは救えない。
海の汚染による大量死が続き、やがて絶滅の危機に瀕することになるだろう。
環境保護に必要なのは冷静で科学的かつ客観的な思考と判断である。
一部の動物を偏愛する感情・感傷に駆られた活動では自然環境は決して守れないことを
胆に命じるべきだろう。
(関連情報)
[1] 「日本政府IWC脱退表明は逆効果 鯨肉大幅減という皮肉な未来(日刊ゲンダイ)」
(阿修羅・赤かぶ 2018/12/23)
http://www.asyura2.com/18/senkyo255/msg/367.html
[2] 「政治主導」で政策転換 捕鯨船拠点は「大物」地盤 (毎日新聞 2018/12/21)
https://mainichi.jp/articles/20181220/k00/00m/010/278000c
[3] 「イルカ漁告発映画『The Cove』と『わんぱくフリッパー』」
(ニューズウィーク日本版 町山智浩 2009/8/19)
https://www.newsweekjapan.jp/column/machiyama/2009/08/the-cove.php
[4] 「Brutal Dolphin Slaughter - The Taiji Cove OPS Footage - 2」 (Albi Deak YouTube 2017/9/8)
https://www.youtube.com/watch?v=s24CL1KOzqY
[5] 「水銀イルカにご用心」 (きっこのブログ 2007/9/7)
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2007/09/post_731f.html
[6] 「鯨肉消費多い太地町の住民の毛髪水銀濃度は平均値の約10倍(低気温のエクスタシー)」
(阿修羅・あややの夏 2010/1/22)
http://www.asyura2.com/09/health15/msg/223.html
[7] 「≪放射能≫ 「くじら」から、続々とセシウム(鯨,ミンククジラ) (本当の食品 放射能 汚染)」
(阿修羅・赤かぶ 2012/5/12)
http://www.asyura2.com/12/genpatu23/msg/637.html
[8] 「沼津産アオザメからセシウム134/137合算で707ベクレル/kg検出!」
(拙稿 2016/6/10)
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/817.html
[9] 「世界で初めて「白クジラ」捕獲!雄雌2頭...夫婦で迷い込んだ?和歌山・大地」
(JCASTテレビウォッチ 2014/12/1)
https://www.j-cast.com/tv/2014/12/01222096.html
[10] 「体色の大部分が白いハナゴンドウを搬入しました。」
(太地町立くじらの博物館公式 飼育日記 2014/11/28)
http://kujihaku.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-ff43.html
[11] 「福島近くで大量座礁中死亡したイルカに発見された白肺・血液供給の断絶・放射能被曝に関連
(ENENews)」 (阿修羅・ナルト大橋 2015/5/6)
http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/733.html
[12] 「『ニュージーランドの海岸に415頭のクジラの死体が打ち上げられる。』 update2」
(阿修羅・お天道様はお見通し 2017/2/10)
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/488.html
[13] 「言語、歩行、味覚、排泄障害 紀州ドン・ファンにも放射能被ばくの影響があったか 関西もご用心」
(拙稿 2018/6/30)
http://www.asyura2.com/17/genpatu49/msg/881.html
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