http://www.asyura2.com/18/genpatu50/msg/504.html
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政府に忖度する報道が多いNHKに属する教育テレビだが。こと科学に関しては良心がまだ残っているのだろうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ここから)
*動画:
<前略>
http://yamada-t.hatenablog.com/entry/2018/11/02/203959
■1.NHKサイエンスゼロの甲状腺被曝量報道
| 福島第一原発事故による放射能放出量のヨウ素131/セシウム137比率を
| これまでの「10」から「30」に引き上げたことは重要な意味
└──── 渡辺悦司(市民と科学者の内部被曝問題研究会)
NHKが10月28日に放送した「サイエンスゼロ」の番組「シリーズ原発事故
(19)“被ばく量”解明への挑戦」は、政府系の報道機関としてのNHKの限界や
それによる歪曲を考慮に入れても、非常に重要な内容を含んでいると考えます。
皆さま、ぜひ、11月3日の再放送をご覧になり、あるいは録画されて、十分に
検討することが必要だと感じます。
1)福島第一原発事故による放射能放出量のヨウ素131/セシウム137比率を、こ
れまでからの「10」から「30」に引き上げたことは、重要な意味をもちます。
私たちは、かねてより、この比率について、東電が事故原発において実測した
数値に基づく「50」を採るべきと主張してきました(添付※、放出量ヨウ素131補
論)。
森口氏らのグループ(『原発事故環境汚染』東大出版会を刊行した)において、
この方向性が確認されたという点は、一歩前進と思います。
NHKは触れていませんが、この比率見直しにより、福島事故とチェルノブイ
リ事故のヨウ素131放出量は、包括的核実験禁止条約機構の世界的観測網のデータ
に基づいたストール(ノルウェー気象研究所)らの推計で計算して、ほとんど変
わらなくなります。
政府が引用する国連科学委員会UNSCEARのチェルノブイリの放出量推計
は、最大値なので、ストールCs137では、53.1ペタベクレルPBq(PBqは10の15乗
Bq)という最大値をとりましょう。これが最も確度が高いと考えられます。
すなわち、福島が1593PBq、対するチェルノブイリが1760PBqで(いずれも推計
の最大値)、福島はチェルノブイリの91%です。
福島事故でのヨウ素131放出量は、政府の放出量推計(Cs137で15PBq、これは中
央値です)をとっても、26%(450PBq)となり、桁違いに小さい(7%や9%)
ということには決してなりません。
「放出量が小さいから放射線関連の甲状腺がんではない」ということは、言え
ないか、言いにくくなるでしょう。
2)これに対応して、甲状腺被曝量も、いままでの推計値のおよそ3倍となりま
す。
NHK番組では、双葉での1歳児の甲状腺被曝量がいままでの推計160mSvから
458mSvに、南相馬が同じく19mSvから44mSvに引き上げられたと伝えていました。
このレベルは、山田国廣氏が推計した初期被曝量とほぼ一致します(添付の補
論4をご参照ください)。
私見では、これは、政府・行政側のモニタリングポストの表示値がおよそ半分
にしか表示されていないという事情(以下の内部被曝問題研究会のサイトにある
矢ヶ崎克馬氏の論文を参照ください)を考慮しますと、この2倍にしなければな
らないと考えられます(これも添付※をご参照ください)。
http://blog.acsir.org/?eid=23
つまり、福島の多くの地点で政府が影響が「ある」という100mSvの被曝量を超
えていた可能性が高いのです。
3)NHKの同番組は、森口祐一氏らの「原発事故により放出された大気中微粒
子等の暴露評価とリスク評価のための学際的研究」(2018年10月24日)に基づい
ていると言っています。
映っている文書のナンバリングからみて、おそらく以下のものではないかと思
われます。
http://www.erca.go.jp/suishinhi/seika/pdf/seika_1_h30/5-1501_2.pdf
ただ同文書の日付は今年5月となっており、詳細は不明です。
4)同番組のもう一つの重要な指摘は、アメリカ国立がん研究所が、100mSv以下
の被曝量でも子どもに甲状腺がんのリスクが高まることを認めたという事実です。
番組で引用されていた「Thyroid Cancer Following Childhood Low-Dose
Radiation Exposure」、以下のサイトでダウンロードできます。
https://academic.oup.com/jcem/article/102/7/2575/3063794
これらの論点は番組の内容の一部だけですが、非常に重要なものでしょう。
5)もちろん、同番組は、ここまで言いながら、
(1)現に発生している子どもの甲状腺がんが、被曝起因あるいは被曝関連であ
るという肝心の問題に触れない、
(2)かなり汚染されていることが明らかになったヨウ素129(半減期1500万年)
自体による長期の内部被曝の危険性に触れない、
(3)さらに上記の前向きの指摘についても「今後さらに検討して行かなければ
ならない」という逃げも打つなど、不徹底で、不誠実で、動揺的な側面が多々あ
ります。
しかし全体としては、これらの限界や歪曲を批判しながら、基本的には、重要
な理論上の前進として、被曝の危険性を訴えていく上での材料の一つとして大い
に利用していくのがよいかと思います。ご検討ください。
《事故情報編集部》より
「添付※」は、このメールマガジンではついていません。
<後略>
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