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デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)―その1「ますますデタラメ」
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2018/10/07(日) 19:51:43 めげ猫「タマ」の日記
今月に放射線副読本が改定されました(1)。改定前も事実と異なる内容や事実を誤解されてる内容が沢山含まれていましたが(2)、改定のよってますます酷くなりました。
福島県内には「放射線教育」を全国に広げようとの意見があります。たとえば、福島県の地方紙・福島民報は9月5日の社説で
「震災後、放射線教育に関しては、県内と県外で取り組む姿勢に大きな違いがある。未来を担うのは子どもたちだ。風評を払拭するためにも教育分野における情報発信は何より大切だ。」
と論じています(3)。「風評を払拭する」とあるように、全国の子ども達に「福島は安全」と刷り込み、事故後に生じた福島(産)離れを解消するのが目的です。事故によって福島がが「汚染」された、それまでは身近になかった人工放射線から身を守る方法を周知することではありません。
こうしたことも関係してると思いますが、文部科学省は「放射線副読本」を作成しています。前々は2014年2月でしたが(4)、今年10月に4年8ヶ月ぶりに改定されました。内容を見たのですが、改定前も事実と異なる内容や事実を誤解されてる内容が沢山含まれていましたが(2)、改定のよってますます酷くなりました。
まえがきの書き出しは
「放射線は、私たちの身の回りに日常的に存在しており、放射線を受ける量をゼロにすることはできません。」
でした(1)。本文を見ると、身に回り放射線が存在することが、改定前に比べかなり大きく扱われています。一方で、福島を汚染している人工放射能の記述は殆どありません。以下に福島及び隣県の放射線量分布を示します。
事故から7年半以上が経過し、特異的に汚染されている福島
※(5)のデータを(6)に示す方法で10月1日に換算
図―1 福島及び隣県の放射線量分布
図に示す様に、概ね福島だけに国が除染が必要とする毎時0.23マイクロシーベルトを超える(7)地域が広がっています。避難地域が設定されたのは福島だけです(8)。福島は特異的に汚染されています。
改定前(2014年2月版)のまえがきの書き出しは
「平成 23 年 3 月 11 日に発生した東北地方太平洋沖地震津波によって東京電力株式会社福島第原子力発電所で事故が起こり、この事故により放出された放射性物質は、日本に大きな被害を与えました。」
と人工放射能による汚染を最初に取り上げられていました(4)。
改訂された副読本では放射線について学ぶ意義について
「まずは放射線の種類や性質、放射線による影響についてしっかりと理解することが重要です。その上で、放射線がどのようなことに使われていて、どのような影響があるのかを知ることで、私たち一人一人が今後の放射線との向き合い方を考えていくことが大切です。」
と記載しています(1)。身に回りに放射線があるから学ぶ必要があるとの主張です。
改定前はあった
「放射線からの身の守り方等を解説しています。」
は(4)は無くなっています。
改訂された副読本のまえがきでは
「原子力発電所事故により避難したりしている児童生徒がいわれのないいじめを受けるといった問題も起きてしまいました。」
との記述があります(1)。本文を見ると、福島県外に避難した子どもがいじめを受けた内容が記載されています。福島からの避難者の福島県外でのいじめ報道は2017年3月あたりに盛んに行われました(9)。たとえば、2016年12月には東京電力福島第1原発事故で福島県から自主避難している新潟市立小4年の男子児童が、同級生や担任の男性教諭から名前に「菌」をつけて呼ばれ、11月下旬から登校できなくなっている旨が報じられました。母親は東日本大震災5年の今年3月ごろから「菌」付けで呼ばれるようになったことなどから「福島からの避難がきっかけだ」と関連性を訴えたそうですが、教育委員会は「いじめと避難は結びついていない」としているそうです(10)。
あってはならない事ですが、いじめは原発事故の避難に関係が判然としません。この時期に福島ではいじめで二人が自殺しています。2017年1月には福島県須賀川市の男子中学生が(11)、2月には南相馬市の女子中学生(12)が自殺しています。
以下に河北新報報じた避難者に対するいじめの認知度を示します。
福島県内の方がはるかに多い、避難者いじめの認知度
※(9)を転載
図―2 避難者に対するいじめの認知度
図に示す通り福島県内では見た・聞いたを合わせ64.3%の方が避難者へのいじめを認知していますが、福島県外では20.5%です。避難者に対するいじめは福島県内の方がはるかに熾烈です。
福島県外に避難された方に対するいじめがあったとは事実です。ただし、避難した事によるものかは判然としません。一連の「いじめ」報道は、福島県外に避難した方へのいじめを「避難によるいじめ」と報じているにすぎません。避難者対するいじめは図―2に示す様に福島県内の方が熾烈です。福島事故後に福島にゆかりのある方が癌でなくなると「放射線」の影響なんいて騒ぐ人がいました。たとえば福島DASH村で活躍された三瓶 明雄(さんぺい あきお)さんが2014年6月に亡くなった時に(13)、「放射線」せいとネットで騒がれたそうです(14)。一連の福島いじめ報道も、これと同じで、たまたま、福島県外に避難されている方の「いじめ」が発覚すると「避難よるいじめ」とされている気がします。
根拠の乏しい「いじめ」の記述は、間違いなく多くの方を傷つけます。まずは福島のお母さんです。
9月11日に開かれた「【第4回】新潟県原子力発電所事故による健康と生活への影響に関する検証委員会『生活分科会』」で(15)、福島県でも避難地域を除けば比較的放射線量が高い9市町村(福島市、郡山市、二本松市、伊達市、本宮市、桑折町、国見町、大玉村、三春町)の親子を対象にしたアンケート調査結果が発表されました(16)。以下に対象9市町村の位置を示します。
事故から7年半以上が過ぎて汚染されている福島
※1(5)の数値データを元に(6)に示す手法で9月1日時点に換算
※2 旧計画的避難区域は(8)による
図−3 アンケートをの対象地域
アンケートは2008年度に子どもを産んだお母さんを対象に実施されました。お子さんは今年(2018年)には小学校4年生です。そのアンケートの1項目に
「原発事故後、福島にすんでいることでいじめや差別を受けることに対して不安を感じる」(以下「いじめや差別への不安」と略す)
とゆうのがあまる。以下に感じるとした回答の割合を示します。
高い割合で推移するいじめや差別への不安
※(16)にて作成
図―4 「原発事故後、福島にすんでいることでいじめや差別を受けることに対して不安を感じる」に感じると答えた割合
図に示す様に、福島の多くのお母さんが福島から出ていったら「いじめ」られるのではないかと心配しています。いうまでもなくまずあり得ません(16)。
(=^・^=)の住む街の子供達や、福島から来てくれた子供達も傷つきます。残念ながら(=^・^=)の住む街では、(=^・^=)の街の子供が福島から来てくれた子供をいじめていました。許されることではないですが、特異な例です。でも、報道を見ると他のふくしま「いじめ」報道(例えば(10))と同じく、一般的な書き方です。これでは(=^・^=)街の多くの子供達がいじめを行い、福島から来てくれた多くの子供達がいじめられている印象を与えます。
改定前のまえがきの記述は
「また、事故の直後には、福島県から避難した人々が避難先で差別を受けたり、小学生がいじめ
られたりしたという報道もありました。」
で(4)、事故の直後にはに限定していました。2014年2月時点では終息したの認識です。
まったく、不思議な話です。事故の直後にははあったも知れない「いじめ」は2014年2月には終息しているのの、2018年10月までは続いていることになります。
2−1項(1)「福島原子力発電所事故について」で、福島事故について説明していますが、3分の1ページ程のスペースです。改定前は2ページでしたので、大幅減です。
2−1項(3)(4)および2−4項で福島の復興が怪しげな内容を含め2ページと3分の1ページに渡り、福島の復興が進んでいる旨の記載があります。改定前は1と3分2ページ程度なので、増えています。
2−2 項は「風評被害や差別、いじめ」で、2ページで構成されます(1)。改定前に対応するのは「(2)風評被害、いわれのない偏見・差別」で1ページ構成でした(4)。「偏見」が「いじめ」に代わり、ボリュウムが増えています。ここに何故か「原子力発電所」の話が出てきます。なんか、原子力発電所は「安全」ないのに再稼働を認めないのは、「いじめ」と言いたげです。改定前(4)は欄外の4行だったのせすが、改定後は「コラム」に格上げされ、表題を含め9行に増えています。
最後は
「この副読本で学んだことを振り返りながら、災害を乗り越えて次代の社会を形成するために克服すべき課題について、家庭で話し合ってみましょう。」
と、福島原発事故を「災害」と表記しています。福島原発事故は「災害」でなく、5ページに記載の
「安全対策が不十分であった東京電力株式会社の福島第一原子力発電所では原子炉を冷やす機能が失われ」
の通り(1)、原発の安全対策を怠ったことによって引き起こされた「加害事故」です。
改定前(4)と改定後(1)をまとめると
@事故による汚染の記述が殆ど無くなり、代わりに身の回りに放射線が強調されている。
A根拠のない福島から県外に行かれた方の「いじめ」が強調されている。
B原発の再稼働を認めないのは、原発にたいする「いじめ」とも取れる表現が拡充された。
など、改定前も事実と異なる内容や事実を誤解されてる内容が沢山含まれていましたが(2)、改定のよってますます酷くなりました。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
この副読本にはおかしなところがいっぱいあります。順次、記事していきたいと思います。(=^・^=)が読んだ印象ですが、子供達に放射線について正しく教える事を目的に作成されたのでなく、福島(産)離れを解消し、東京電力を救済するという「行政目的」(17)を念頭において作成されています。教育の目的は「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」であって(18)、行政目的実現の道具ではありません。こんな事が平然と行われるようでは、福島の皆さんは不安だと思います。
福島県二本松市産米の全量・全袋検査数が2万件を超えました(19)。同市は人口5万人台の市なので、市民がとりあえず食べるには十分な量です。同市辺りのお米は良食味・高品質だそうです(20)。福島県は福島産米は「安全」だと主張しています(21)。でも、福島県二本松市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
※(22)を引用
図―5 福島産米が無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県二本松市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2674.html
(1)放射線副読本(平成30年10月改訂):文部科学省
(2)めげ猫「タマ」の日記 正しい放射線副読本の意見募集について
(3)【放射線教育】全国に広げよう(9月5日) | 県内ニュース | 福島民報
(4)放射線副読本(平成26年2月改訂):文部科学省
(5)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日〜11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(6)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(7)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(8)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(9)めげ猫「タマ」の日記 福島県外避難者がいじめが拡散とNHK、福島では2ヵ月連続で自殺、いじめの疑い
(10)新潟避難児童いじめ:母「菌付きいじめ、避難がきっかけ」 - 毎日新聞
(11)<須賀川中1自殺>第三者委が調査結果報告「いじめが大きな一因」 | 河北新報オンラインニュース
(12)南相馬中2自殺:「複数男子生徒の継続的いじめが主原因」 - 毎日新聞
(13)三瓶明雄 - Wikipedia
(14)「明雄さん」死因は「急性骨髄性白血病」との報道 「放射能のせいだ!」ネットで脱原発派?が騒ぐ - ライブドアニュース
(14)新潟県:【第4回】新潟県原子力発電所事故による健康と生活への影響に関する検証委員会「生活分科会」(平成30年9月11日開催)
(15)(14)中の資料2 福島原発事故後の親子の生活と健康に関する調査(PDF形式 2172 キロバイト)
(16)めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A Q12.福島に住んでいることで差別されますか?
(17)めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A Q11.国が実施している風評被害対策の目的は何ですか?
(18)1.教育の目的とこれまでの学習指導要領改訂:文部科学省
(19)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報
(20)トップページ | 二本松市公式ウェブサイト
(21)特産品情報 | 地区別くらし情報 安達地区 | JAふくしま未来
(22)全量全袋検査に関するよくある質問 - 福島県ホームページ
(23)安達店 | ベイシア
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