もし泊原発が爆発事故を起こしたら、北海道はまちがいなく壊滅する。
福島原発事故とは比較にならないぐらい悲惨なことになるだろう。

泊原発のある積丹半島のまわりは地震の巣である。
1993年の奥尻島地震では震央から60キロの奥尻島を30メートル超の津波が襲った。
この震央から泊は100キロも離れていない。（東日本大震災の震央は100キロ以上沖）
地震だけでなく大津波が泊を襲う可能性が非常に高い。

泊原発は加圧水型軽水炉(PWR)であり、福島第一などの沸騰水型軽水炉よりも
はるかに脆弱であることは多くの専門家から指摘されている。

PWRは沸騰水型原子炉(BWR)にくらべ原子炉も燃料プールも低い位置にあり、
大きな津波に襲われたらひとたまりもない。

燃料溶融が起きれば格納容器は内圧に耐えられず破裂して、膨大な量の死の灰がまき散らかされる。

泊村・岩内町の住民は避難できず孤立するだろう。

276号から5号線に出るルートは途中にトンネルがあり、山崩れや雪崩れで通行止めになる可能性が高い。
片側1車線の細い道なので車1台が事故を起こしただけでも通れなくなる。
海沿いの国道229号線も地震・津波でズタズタになる。

道道604号、66号などの山道は論外。冬季は通行止めになる区間もあるし、
地震が起きたら山崩れや地割れですぐ通れなくなるだろう。

東日本大震災でも道路は大渋滞で全く車が動かなかったことを思い出そう。
大雪の降る冬季に事故が起これば、車はガソリン切れ、凍死者も出て、悲惨極まりないことになるだろう。

津波で港湾が被害を受ければ船で脱出することも不可能である。
爆発炎上している原発の近くに救出船が来てくれるとも思えない。

住民は脱出もできず、救援隊も来ず、死の灰の降る中、絶望的な状況に陥るだろう。
避難訓練など気休め程度にしかならない。

事故の収束作業も全く進まないだろう。
特殊な資材・機材を本州から運び込むのにも、道路は寸断されており何日もかかる。
何もできないうちに、莫大な量の死の灰がまき散らかされるだろう。

死の灰は西風に乗って北海道全域を汚染する。（福島原発事故では8割は太平洋に降下した）

数時間もしないうちに死の灰は人口200万人の大都市・札幌を襲い、大パニックになるだろう。
道北や道東に逃げる人はわずかで、大半の人は本州へ脱出しようとし、陸路、空路、海路とも
大混乱になるだろう。

大自然に恵まれ一大食糧供給地でもある広大な北海道を一日で日本は失うことになる。

それもたった1基の原発の事故で、、、、

今回の地震で苫東厚真火力発電所は１、２号機で蒸気配管、４号機でタービンが損傷と
大きな被害が出た。
同じ規模の地震が稼働中の泊原発を襲えば大爆発がおき、北海道は全滅していただろう。

たまたま、たまたま日本は運が良いから存続していることを忘れてはならない。

（関連情報）

「広瀬隆氏講演　川内原発に警鐘　加圧水型はわずか22分でメルトダウンする　
(ダイヤモンド社サイト)」　（拙稿　2015/11/10）
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/301.html

「米サンディア国立研究所のPWR格納容器破壊実験が衝撃的　玄海や川内が爆発すれば
日本は破滅する」　（拙稿　2018/4/2）
http://www.asyura2.com/17/genpatu49/msg/587.html

「加圧水型原発が沸騰水型よりも安全というのはデタラメだ」　（拙稿　2015/1/30）
http://www.asyura2.com/14/genpatu41/msg/736.html

「加圧水型原発の燃料交換は、沸騰水型よりはるかに複雑でトラブルを起こしやすい」
（拙稿　2015/1/26）
http://www.asyura2.com/14/genpatu41/msg/717.html

「原発事故当時、東京から西の方に逃げていく人の映像を撮っていたにも関わらず、
どの局も流さなかった（まっちゃんのブログ）」　(阿修羅･赤かぶ　2013/12/26)
http://www.asyura2.com/13/genpatu35/msg/474.html

「北海道厚真町で山体崩壊　原発近くで起きたらひとたまりもない　日本の運命は風前の灯　
全原発を即廃炉すべき」　（拙稿　2018/9/7）
http://www.asyura2.com/18/genpatu50/msg/290.html

「苫東厚真発電所の復旧、北電社長「１週間以上要する」」　（日経新聞　2018/9/8）
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35147650Y8A900C1000000/
　

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