http://www.asyura2.com/18/genpatu50/msg/234.html
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2014年、福井地裁で関電大飯原発の運転差し止めを命じる判決を出した
元福井地裁裁判長・樋口英明氏への朝日新聞のインタビューが話題になっている。
「原発は危険 判決の信念 基準を超える地震「来ない」根拠なし 再稼働認めぬ判断
元福井地裁裁判長 樋口英明さん」 (阿修羅・赤かぶ 2018/8/5)
http://www.asyura2.com/18/senkyo248/msg/721.html
------(引用ここから)--------------
――15年4月1日付で福井地裁から名古屋家裁に異動します。「左遷ではないか」との臆測も流れましたが。
「それは全くの間違いで、想定の範囲内の人事でした。裁判官の世界では、忙しい場所が花形職場です。
都市部の家裁は、離婚に伴って親権者を決める審判などが多く、考え方によっては原発訴訟より
困難な判断が求められます」
------(引用ここまで)--------------
樋口氏は、2015年4月1日付けで名古屋家裁に異動になり、左遷ではないかという問いを
否定している。
いろいろしがらみがあってこう答えるしかなかったのだろうが、この異動が左遷ではないと
思う人はいないだろう。
原発稼働を認めた裁判官は出世し原子力企業に天下り、再稼働認めなければ左遷され、
冷や飯を食わされるというのは、今までの原発訴訟を見れば明らかな厳然たる事実であり、
常識である[1][2][3]。
樋口氏の件も、原発の運転を認めないと左遷だぞという他の裁判官への見せしめである。
司法、立法、行政の三権分立は民主主義の基本だが、日本では分立どころか
三権完全癒着、三位一体なのだ。
ケーキを切る人と選ぶ人を別にすれば公平に分配されると言うが、
日本では切るのも選ぶのも同じ連中であり、やりたい放題である。
裁判官が当たり前のように原発産業に天下る社会なのだから、公正な裁判が行なわれるはずもない。
原発差し止め訴訟は国家の存亡がかかる重大な裁判であり、裁判官の出世都合で
判決を出されては、たまったものではない。
恐ろしいことである。
原発訴訟だけではない。
民間人が国や自治体を訴える行政訴訟の勝率はせいぜい1割である[4][5]。
しかもこれは一部勝訴も含めての数字で、全面勝訴は数パーセントだろう。
そのため、司法関係者の間では行政訴訟は暗黒裁判と言われているのだ。
われわれ国民は行政に問題があり被害を被っているからこそ、時間とお金を費やして
裁判を行なうわけで、伊達や酔狂で告訴するのではない。
勝訴率が1割未満というのは、どう考えても異常である。
要するに、
「国のやることはいつも正しい。臣民、虫ケラどもはつべこべ言わず黙って従え」
ということなのだ。
これは全体主義そのものあり、とても民主主義国とは言えない。
行政訴訟の提起数はドイツでは年間50万件であるが、日本ではわずか2千件である。
先進諸国の間では異様に少ない。
勝つ見込みはゼロだから弁護士が訴訟を引き受けず、国民は泣き寝入りしているのだ。
政府の思う壺である。
司法改革は何十年も前から叫ばれているが、いっこうに何も変わらない。
残念ながら原発事故は待ってくれない。
そのうち、またドーーンと原発が大爆発し、キノコ雲が上がって死の灰が全国に降り注ぎ、
日本は壊滅するだろう。
(関連情報)
[1] 「原発を止めると左遷…エリート裁判官たちが抱える「大苦悩」 裁判官の世界はこうなっている
(現代ビジネス)」 (阿修羅・赤かぶ 2017/5/21)
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/131.html
[2] 「高浜原発再稼動容認の裏に裁判所と原子力ムラの癒着! 原発推進判決出した裁判官が
原発産業に天下りの実態 (リテラ)」 (拙稿 2015/12/25)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/582.html
[3] 「最高裁がひそかに進める原発訴訟「封じ込め工作」の真相 日本の裁判所は「権力補完機構」なのか
(現代ビジネス)」 (阿修羅・赤かぶ 2016/10/27)
http://www.asyura2.com/16/senkyo215/msg/104.html
[4] 「第59回 行政訴訟での勝利は至難の業」 (しらかば法律事務所 2015年2月号)
http://www.potato.ne.jp/shirakaba/hkeizai/59.html
[5] 「日本人は訴訟を好まないという話は歴史的にみると大変おかしい」(司法シンポ7) (弁護士ドットコム)
https://www.bengo4.com/c_1018/n_1824/
[6] 「絶望の裁判所」 (瀬木比呂志・著 講談社)
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