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Federal health officials agree radioactive waste in St. Louis area may be linked to cancer
(CBS NEWS 2018/8/7)
https://www.cbsnews.com/news/radioactive-waste-cancer-federal-health-officials-acknowledge-possible-link/
The federal government confirms some people in the St. Louis area may have a higher risk of getting cancer. A recent health report found some residents who grew up in areas contaminated by radioactive waste decades ago may have increased risk for bone and lung cancers, among other types of the disease. The assessment was conducted by the Agency for Toxic Substances and Disease Registry, a branch of the U.S. Centers for Disease Control and Prevention.
As CBS News correspondent Anna Werner reports, the situation is not unique to St. Louis because it's connected to America's development of its nuclear weapons program decades ago. Radioactive wastes persist in soils, and many believe that's why they or a loved one developed cancer. Now for the first time, federal health officials agree, on the record, that's a real possibility.
"You'll never forget the moment they tell you, 'We found lesions on your lung and your liver,'" Mary Oscko told CBS News three years ago.
She had been diagnosed with stage 4 lung cancer in 2013, despite never touching a cigarette. She's now on the last drug her doctors can offer, to hold her cancer at bay.
"I'm not ready to die yet," she said. "I have things to contribute to society."
Oscko and her husband Gerard are just two of many who believe their families' cancers were caused by decades-old radioactive contamination. In the 1940's and 1950's, St. Louis was key to America's nuclear weapons program. The government hired the Mallinckrodt Chemical Company to process uranium used to make the atomic bombs dropped in Japan in World War II.
The radioactive wastes from that processing were then stored at sites in North County. Tens of thousands of barrels, many stacked and left open to the elements, contaminated the soil and nearby Coldwater Creek. It's the creek that sometimes flooded the park next to the Oscko's house.
The Army Corps of Engineers has cleaned up two major sites and has spent years testing hundreds of properties along Coldwater Creek.
"The testing and sampling itself is extremely complicated," said Bruce Munholand, the project manager.
He says trucking activities caused some of the contamination.
"They did not practice very good techniques as far as hauling, the trucks were uncovered and things were just allowed to proceed sloppily so all along the whole route debris would just fall off the trucks," Munholand said.
That means figuring out precise health risks was a challenge for federal scientists, like Jill Dyken.
"Trying to get a good estimate of what the contamination may have been in the past was one of the tougher questions that we had to deal with," she said.
Despite that, Dyken and her colleagues did find distinct potential risks. For children who grew up near Coldwater Creek, or lived in its flood plain for many years in the 1960s to the 1990s, the risk of some cancers may be higher, in particular for bone and lung cancers.
The agency gave its results at community meetings in June. Still, many residents were left with unanswered questions. But activist Kim Visintine says the report marks progress.
"We would like to see additional areas testing and that study gave us that opportunity," Visintine said.
Her Facebook group began tracking suspicious cancers in 2012, and has pushed for health studies. But for Visintine, whose 6-year-old son died from a brain tumor 12 years ago, the report gives much-needed confirmation.
"For them to acknowledge that it is a possibility is a huge deal," Visintine said.
Three years ago, the Army Corps of Engineers found low-level radiation in the park next to the Oscko's home. It's cleaned up now, but they live with the knowledge that their children grew up playing there.
"We didn't know that or we wouldn't have bought this house," Oscko said.
"If I would've known, I could've done something and left," she said.
Some residents, including the Osckos, are suing Mallinckrodt and other companies that handled uranium and radioactive waste.
In a statement, Mallinckrodt said in part: "At all times, the company worked under the direction of the U.S. Government, as did other contractors, and at no time did Mallinckrodt own any uranium or its byproducts. The U.S. Government owned all the uranium raw materials, in-process product, byproducts and residues and determined site locations where work was performed. Further, for decades, the U.S. Department of Energy and the U.S. Army Corps of Engineers have been responsible for and are handling all clean-up efforts on these sites."
-------(引用ここまで)-------------------------------------------
「セセントルイス地域の放射性廃棄物ががんを引き起した可能性を米連邦保健当局が認める」
連邦政府は、セントルイスの一部の住民ががんの高リスクにさらされていることを認めた。
最近の健康報告書によると、放射性廃棄物で数十年汚染された地域で育った一部の住民は、
他の疾患を始め、骨がんと肺がんにかかるリスクが増える可能性がある。
この評価は、米国疾病管理予防センターの一部門である有害物質疾病登録庁により行なわれた。
CBSニュース特派員のアナ・ワーナーの報告によると、この問題は数十年に渡る
米国の核兵器開発に関わるもので、セントルイス特有のものではない。
放射性廃棄物は土壌に残留し、多くの人は自分や家族にがんを生じさせると信じている。
今回、初めて米連邦保健当局がその可能性があることを公式に認めた。
3年前、メアリー・オスコーはCBSニュースにこう語った。
「『あなたの肺と肝臓に病変が見つかりました』、彼らがそう語ったら、そのときのことを
あなたは決して忘れないでしょう」
彼女は、喫煙家でもないのに2013年にステージ4の肺がんと診断された。
現在、彼女はがんの進行を止めるため、医師の処方する最後の薬剤で治療中である。
「まだ死ぬ覚悟はできていません」と彼女は語る。「いくつか社会に貢献できることがあります」
オスコーと夫のジェラルドは、数十年に渡る放射能汚染により家族にがんが生じた
と信じる多くの人たちのうちの二人に過ぎない。
1940年代と50年代、セントルイスは米国の核兵器開発の拠点だった。
政府はマリンクロット・ケミカル社と契約し、第2次世界大戦で日本に投下する原爆を
製造するためのウラニウムを濃縮させた。
その工程で生じた放射性廃棄物は、北部郡のいくつかの敷地に貯蔵された。
数万バレルもの廃棄物は、積み上げられ風雨に晒されて、土壌と近くを流れる
コールドウォーター・クリークを汚染した。
このクリークは幾度か氾濫し、オスコーの家の隣りの公園を水浸しにした。
陸軍工兵隊が主な2つの敷地を除染し、何年もかけてコールドウォーター・クリーク沿いの
数百の土地を測定した。
「テストとサンプリング作業は非常に複雑です」とプロジェクト管理者のブルース・マンホランドは
語った。
トラックの運搬作業で汚染が生じたと彼は言う。
「運搬に関してはあまりきちんとしていませんでした。トラックの覆いはなかったし、
作業がいい加減でも許され、ガレキは荷台から道沿いに落ちたりしました」
とマンホランドは語る。
そのため、ジル・ダイケンのような政府の科学者にとって、健康リスクを正しく知るのには
困難が伴った。
「過去にどれだけの汚染があったか推定するのは、われわれが答えを出さなければならない
難しい問題の一つでした」
と彼女は語る。
それにもかかわらず、ダイケンと彼女の同僚たちは、明らかな潜在的なリスクを見い出した。
コールドウォーター・クリークの近くで育った、あるいは1960-90年の間で長期間、氾濫領域に
住んだ子どもたちは、ある種のがん、とくに骨がんと肺がんになるリスクはより高い可能性がある。
政府は調査結果を6月のコミュニティの会合で発表した。
しかし、多くの住民の抱く質問には答えてもらえないままである。
それでも、活動家のキム・ヴィジンタインはこの報告は前進だという。
「他の地域のテスト結果を知りたいし、この研究はその機会を与えてくれた」
と彼女は言う。
彼女のフェイスブックのグループは、2012年に疑わしいがんについて追跡を始め、
健康調査を促すものとなった。
ヴィジンタインは、12年前に、6歳の息子を脳腫瘍で亡くしている。
この報告は非常に必要とされる確証を与えてくれた。
「可能性があると彼らが認めたことは大きな意味がある」
ヴィジンタインはそう語った。
3年前、陸軍工兵隊がオスコーの自宅の隣り公園で低レベルの汚染を見つけた。
すでに除染されたが、子どもたちはそこで遊んで育ったことを住民は忘れることはない。
「そんな汚染があることは知らなかったし、知っていればこの家は買わなかっただろう」
とオスコーは言う。
「知っていたら、何らかの対策をしただろうし、この土地を離れたでしょう」
オスコー家を含む何世帯かの住民は、ウランと放射性廃棄物を取り扱ったマリンクロットと
他の会社を訴えている。
声明文の一部で、マリンクロット社はこう述べている。
「どの時期においても、当社と他の請負い会社は米国政府の指導の下で働いていました。
マリンクロットがウランやその副産物を所有していたことは一度もありません。
ウラン鉱石、精錬中のもの、副産物、残留物は米国政府の所有によるもので、
政府が作業を行なう場所も決めていました。さらに、数十年に渡り、これらの責任は
米エネルギー省と陸軍工兵隊にあり、彼らは敷地における除染作業を進めています」
-------(拙訳ここまで)-------------------------------------------
マンハッタン計画というと、ワシントン州ハンフォードやテネシー州オークリッジの工場が有名ですが、
ミズーリ州セントルイスのマリンクロット・ケミカル社も、ウランの集積・精錬で大きな役割を
果たしていました[1]。
この問題は3年ほど前に大きく報じられ調査が進められていましたが、ついに政府も健康被害を
正式に認めざるを得なくなったようです[2]。
放射性廃棄物のずさんな処理のため、70年以上経った現在でも、周辺住民は深刻な健康被害に
苦しんでいます。
セントルイスだけではなく、ウラン鉱山のあったユタ州、コロラド州や、プルトニウム生産を行なった
ハンフォードでも深刻な汚染が問題になっています。
また、ネバダ核実験で被ばくした風下住民やロケをしていた映画関係者にも深刻な被ばく被害が
出ており、大勢の人ががんなどで亡くなったほか、今でも多くの人が病気に苦しんでいます[3][4]。
米国内だけでも核兵器開発で何千、何万という人が亡くなっているのです。
これが日本に原爆を投下して勝利した米国の悲惨な現実なのです。
核兵器、核戦争に勝者はいません。
われわれは一刻も早く、核兵器のない世界をめざすべきでしょう。
原子力も同様です。
このセントルイスの汚染問題でもう一つ気になることは、コールドウォーター・クリークが氾濫して
近くの公園などを汚染したという事実です。
環境省の計画している汚染土の再利用が、洪水で漏れて汚染拡大し、悲惨な結果になる
という前例と考えるべきでしょう。
汚染土の再利用は絶対にやめさせなければなりません。
(関連情報)
[1] 「深刻な米国の放射性廃棄物による環境汚染」 (放射線ホライゾン 2015/11/25)
https://rad-horizon.net/truth-of-radiation/778-usa-nuclear-waste-environmental-pollution
[2] 「米ミズーリ州の住宅街、放射能で汚染されていた」 (SPUTNIK 2015/8/29)
https://jp.sputniknews.com/us/20150829822705/
[3] 「ネバダ核実験で飛散した放射性降下物によって被ばくしたアメリカ市民たちの闘い/
NHK・ドキュメンタリーWAVE」
http://www.asyura2.com/14/genpatu36/msg/828.html
[4] 「億万長者はハリウッドを殺す」 (広瀬隆・著 講談社)
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