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東海第2原発、本当に「こんな状態」で再稼働させるつもりですか そうか、狙いは別のところにあるのか…
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56468
2018.07.10 町田 徹 経済ジャーナリスト 現代ビジネス
先週水曜日(7月4日)、原子力発電所の再稼働を巡って2つの大きな動きがあった。一つは、関西電力の大飯原発3、4号機に関する運転差し止め訴訟で、名古屋高裁金沢支部が一審判決を取り消して再稼働を支持する判決を言い渡したことだ。
もう一つは、原子力規制委員会が、日本原子力発電の東海第2原発の再稼働の前提となる安全審査で、事実上の合格証となる「審査書案」をまとめたことである。
一見すると、どちらも、東日本大震災の際に東京電力が引き起こした福島第一原発事故以来、一時は完全にストップしていた原発の再稼働が着実に進んでいる表れに見えるかもしれない。
しかし、実態はまったく違う。大飯が地元の同意を背景に運転正常化の道を確立しつつあるのに対して、東海第2はかなりの無理筋だろう。
こうした事態が起きる元凶は、「縮原発」と言いながら、「安全が確認された原発は再稼働する」という政府の2枚舌だ。あの悲惨な原子力事故から7年以上が経った今、そろそろ、こうした矛盾を解消して、まともな戦略を組み立てないと、経済や暮らしを支える電力がおかしくなりかねない。
安全対策費、1800億円
まず、2つの動きを振り返っておこう。
大飯原発を巡る判決は、3、4号機の運転差し止めを命じた一審の福井地裁の判決を取り消して、原告・住民側の請求を棄却する判決であり、原告・住民側の逆転敗訴となった判決だった。
名古屋高裁金沢支部の内藤正之裁判長は判決で、「わが国の法制度は、原発を一律に有害危険なものとして禁止せず、重大事故が生じて放射性物質が異常に放出される危険などに適切に対処すべく管理、統制されていれば、原子力発電を行うことを認めている」「このような法制度を前提とする限り、原発の運転に伴う本質的・内在的な危険があるからといって、それ自体で人格権を侵害するとはいえない」としたうえで、「原子力規制委員会の新規制基準に違法・不合理はなく、大飯原発が同基準に適合するとした判断にも不合理な点はない」と指摘。「大飯原発の危険性は社会通念上無視できる程度にまで管理・統制されている」と判断した。
福島第1原発の事故を受けた新規制基準の下でこれまで、各地で原発再稼働の是非を巡る訴訟や仮処分の申し立てが相次いだ。中には、四国電力の伊方原発のように、一部で稼働を認めない判断が出ているため、高裁レベルの判決が広く注目を集めていた。
仮に最高裁までいく訴訟が起きて別の判断が出れば事態は大きく変わるだろうが、現段階では、今回の判決が大飯原発の再稼働を確固たるものとするだけでなく、各地の裁判の行方にも大きな影響を及ぼすケースになるとみられている。
これに対して、東海第2原発を巡る審査では、原子力規制委員会が、同原発の安全対策の基本方針を福島第1原発事故後に定めた新規制基準に適合するものと判断した。今後の手続きとしては、一般からの意見公募などを経て、合格を正式決定する運びとなっている。
規制委員会の安全審査の合格は全国で8原発15基目。福島第1原発と同じ「沸騰水型」の原発としては、東電柏崎刈羽原発の6、7号機に次ぐ2例目となった。
ちなみに、東海第2原発は出力110万キロワットの大型原発だ。
安全審査の過程では、日本原電が約1800億円にのぼる安全対策資金を確保できるのかが大きな焦点となり、大株主の国の意向を受けた東電ホールディングスと東北電力から支援の意向を取り付けて、なんとか審査をパスした経緯がある。
日本原電は今のところ、安全対策工事を進め、2021年以降の再稼働を目指す方針を掲げている。
似ているようで全然違う
一見したところ、2つの原発は着実に原発再稼働というレールに乗って着実に進んでいるように映るが、実態はまったく異なる。裁判の世界で、他の原発の再稼働のモデルになるだろうと言われている大飯原発のケースと違って、東海第2原発が再稼働に漕ぎ着けるのは至難の業とみられているのである。
両者の決定的な違いは、地元とそれぞれの原発の関係にある。
大飯原発の場合、訴訟を起こしたり、原発に反対する住民が皆無ではないものの、それでも、立地自治体のおおい町や福井県は早くから再稼働を支持を鮮明にしており、総じて地元は原発に好意的だ。
昨年暮れに、関西電力が営業運転の開始から38年が経つ大飯原発1、2号機の廃炉を決めた際の出来事は象徴的だった。おおい町の中塚寛町長が「非常に残念だ」と落胆と戸惑いを隠さなかったのである。長年にわたって大きな事故はなく、関西地域に安定して電気を供給することで基幹産業として地元経済を支えてきた大飯原発に対して、地元の多数の人が共生感を持っているというのである。
半面、日本原電が、東海第2原発の立地する茨城県や東海村、周辺自治体から再稼働の同意をとりつけるのは、非常に困難とみられている。原電は3月、水戸市など周辺5市に実質的な事前了解権を与える新たな安全協定を結ばざるを得なかった。東海第2原発は半径30キロメートル圏内に約96万人が住んでおり、全国の原発で周辺住民の人口が最も多い原発だ。
いざという時、これほど多くの人々を速やかに混乱なく避難させることは、ほとんど不可能だろう。屋内退避も取り入れるとしているが、こうした対応で自治体の同意判断が容易に取得できるとは考えにくい。
以前にも、このコラムで紹介したが、原発のある東海村はもちろん、近隣のつくば市でも市長が「避難住民の受け入れは困難で、リスクが高過ぎる」と強調している。周辺自治体の首長の中にも慎重な意見が根強く、最終的には、行政レベルでの同意の取り付けは困難とみられる、住民投票にゆだねるしかない、と囁かれているような状況なのだ。
そもそも東海第2は、東京駅からおよそ120キロメートルしか離れていない「首都圏の原発」だ。仮に地元の5市が同意したとしても、いざ再稼働となれば、首都圏全体で猛烈な反対運動が起こり、社会的な混乱に繋がる懸念もある
同原発は、東日本大震災の際の津波で非常用電源が停止、全電源を喪失した。福島第一のようなメルトダウンや水素爆発といった最悪の事態こそ回避したものの、安全を確保できたと言える「冷温停止」までに3日と9時間54分を要する綱渡りを経験して、シビアアクシデント対応措置に追われた原発であることを、首都圏の住民が忘れたはずがない。
2011年3月の福島第一原発事故の際に、首都圏各地で起こったパニックを覚えている人も多いはずだ。あの時は、スーパーなどに飲み物や保存食を買い求める人が殺到し、あっという間に品薄になった。外資系企業は競うように東京の拠点を閉鎖して、香港やシンガポールに脱出した。福島よりはるかに距離が近い東海第2で似たような事態が起きれば、首都圏の機能が麻痺して日本の経済社会に深刻な打撃を与えることになりかねない。
逃げ続けるのはそろそろやめにして
この原発の再稼働を強行したら、内閣のひとつやふたつ吹き飛んでもおかしくないと、筆者は懸念している。
それほどの困難が予想されるにもかかわらず、いったいなぜ、日本原電は東海第2原発の再稼働にここまで拘るのだろうか。
日本原電は、原子力開発をめぐる政府と電力9社の主導権争いの“妥協”の産物として、1957年に発足した“国策会社”だ。業務内容は、原子力発電とその付随業務のみで、東海、敦賀の2発電所に3基の原子炉を保有しているが、敦賀1号機はすでに廃炉に向けて営業運転を終了。2号機も原子炉直下に活断層がある疑いがあり、廃炉に追い込まれる公算が大きい。
東日本大震災以降はまったく発電実績がなく、電力を供給しなくても電力各社から支払われる基本料金と、銀行借り入れに必要な債務保証の二つに支えられて、なんとか経営破たんを免れてきた。
つまり、現状では、首都圏の原発・東海第2を再稼働させる以外に企業として生き残る方策がなく、再稼働・運転延長を掲げ続けている状態なのである。日本原電の本音は、「とことんまでやって東海第2の再稼働が難しいことを証明して、返す刀で、敦賀原発に3、4号機の新設を認めさせることにある」(大手電力会社)という見方もあるほどだ。
しかし、福島第一原発事故で世界中の原発の安全対策コストが高騰する中で、今さら日本原電が単独で原発を新設するというのは、おカネがかかり過ぎて机上の空論としか言いようがない。
長期政権にもかかわらず、安倍政権がこれまで、票にならないからとの理由で、原子力を巡る抜本策の必要性に目を瞑って来たのは、関係者にとって周知の事実だ。しかし、その姿勢を改めないと、われわれ国民が支払う税金や電気料金の1800億円が動くはずのない東海第2原発の安全対策に浪費されることになりかねない。
わざわざ「首都圏の原発・東海第2」を再稼働させなくても、日本原電という企業体を破たんさせずに有効に活かす方法はある。
そのひとつは、福島第一原発事故という重大事故を起こした東電に柏崎刈羽原発の再稼働を認めるという乱暴な方針を撤回して、日本原電を含む複数の会社に運転を委託させることだ。
日本原電を含む複数の会社が運転を受託する原発には、計画から半世紀以上が経つのに、なお5〜10年は運転を開始できないと懸念されている、電源開発の大間原発を加える手もある。政府が有耶無耶にしてきた原発の新設を認めるのならば、原電を含む数社が自ら原発を建設する用地として、東電の東通原発建設用地を売却させる手もあるはずである。
ちなみに、核燃料サイクルの一環でプルトニウムを燃やすことになっている大間原発は、いわば核のゴミ処理施設のような原発だ。トランプ政権をはじめ世界から保有プルトニウムの削減を迫られている今こそ、早期の運転開始が必要になっている。
また、日本原電の国策会社としての役割を重視するのならば、今後必要性が増す廃炉へ向けた専門的な人材の育成や、技術的なノウハウの獲得、それらの知見の電力各社への提供などを主力業務として背負わせる戦略も考えられる。
こうした新しい役割のためならば、電力各社やメーカーは従来の基本料金に代わる資金の提供や、債務保証を検討する余地が出てくるはずだ。
福島第一原発事故後の経緯を見ていれば、経済産業省が頼りにならないことは明らかだ。今こそ、この問題は安倍首相に政権を挙げて検討してもらう必要のあるテーマだ。票にならないからと逃げ続けるのは、そろそろやめていただかなければならない。
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— 現代ビジネス (@gendai_biz) 2018年7月9日
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— 大久保惠司 (@keijix55) 2018年7月9日
喉元過ぎれば何とかで、7年前の記憶が薄れた人たちは、東海第二京阪事が起これば自分等だけで国外に逃亡するだろう。やがて東京は廃墟と化する。
— myline1919 (@myline1919) 2018年7月9日
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— スヌーピー (@snoopy_inoue) 2018年7月9日
あってはいけない事ですが、もしも、もしも事故が起きてしまったら裁判長は責任を取りますよね?
その覚悟があるからの決定ですよね? https://t.co/KIXSCMyBx8
原子力発電は国策。事故のリスクは民間企業で負えない。受け皿で国が100%出資の専門会社を作れば良い #原子力発電
— Hiroshi Yoshida (@catrabbit) 2018年7月10日
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「原発の再稼働を強行したら、内閣のひとつやふたつ吹き飛んでも…」→逆だよ。再稼働させなければ様々な所から圧力がかかって政権が潰される。判断を安倍さんに任せる?嘘と誤魔化しを駆使して再稼働が続くだけ
— men (@koike_rahmen) 2018年7月10日
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(学校の先生)
— 博士 (@cm7ZqWYIGXVA5ip) 2018年7月10日
ほら、あべ君。こっちもやりっ放しだぞ!ちゃんと片付けなさい!
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増えすぎたプルトニウムを減らすために『大間』だって??大間の近くの人は、そんな恐ろしいことに耐えろというのか。
— white wood (@jelfalray) 2018年7月10日
東海第2原発、本当に「こんな状態」で再稼働させるつもりですか そうか、狙いは別のところにあるのか… https://t.co/8h81T9dP6x #スマートニュース
東海第2原発、本当に「こんな状態」で再稼働させるつもりですか そうか、狙いは別のところにあるのか… #町田徹 さんの、まともな記事ですね。 https://t.co/XwyHDjOMsG
— 透析テツ(脱被曝) (@tohsekitetsu) 2018年7月10日
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