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根拠のない話で米国を上回る戦闘能力を持つ国に最後通牒を突きつけた英政府の狂気(その3)
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2018.03.15 櫻井ジャーナル
アメリカとイギリスの支配層は2003年3月にイラクを先制攻撃する前と似たようなことをしている。有力メディアは配下のNGOを利用してイラクが大量破壊兵器を保有、それを使うつもりだと宣伝、侵略を正当化しようとしたのだが、この話は当初から疑問視されていた。そうした見方をする人物や組織の中にはUNSCOM(国連特別委員会)の主任査察官だったスコット・リッターやIAEA(国際原子力機関)も含まれていた。
しかし、そうした情報を西側の有力メディアは否定、あるいは無視、戦争を煽っていた。扇動者だったということだが、そうした記者のひとりがニューヨーク・タイムズ紙のジュディス・ミラー。2003年12月にサダム・フセインが拘束されるが、ジョージ・W・ブッシュ政権が宣伝していた大量破壊兵器は見つからず、戦争前のプロパガンダに厳しい目が向けられる。
そこでミラーは2005年にニューヨーク・タイムズ紙を離れるのだが、ロナルド・レーガン政権でCIA長官を務めたウィリアム・ケーシーの政策研究マンハッタン研究所、FOXニューズ、ニューズ・マックスなどに雇われている。それ以上に興味深いのは、CFR(外交評議会)のメンバーになったという事実。アメリカ支配層がイラクを侵略する上でミラーの果たした役割がそれだけ大きいということだろう。
アメリカ政府はイラクの脅威を強調するため、アフリカのニジェールからイエローケーキ(ウラン精鉱)をイラクは購入するという話も流された。
この話の出所はイタリアのパノラマ誌。同誌の記者だったエリザベッタ・ブルバに電話が掛かり、サダム・フセインとアフリカでのウラン購入を結びつける情報が存在すると告げられ、書類が渡されたのだ。編集長カルロ・ロッセラはアメリカ大使館へ持ち込むようブルバに指示、そこからCIAローマ支局長を経由してアメリカ政府へ渡され、イラクを批判する材料として使われることになった。
しかし、この文書が偽物だということをCIAはすぐに見抜く。それに飛びついたのがネオコンで、リチャード・チェイニー副大統領を経由してジョセフ・ウィルソン元駐ガボン大使へ調査が依頼された。ウィルソンは2002年2月に現地へ飛んで調査、その情報が正しくないことを確認してCIAに報告している。この情報はIAEAも調べ、同じ結論に達していた。このときのIAEA事務局長はエジプト人のモハメド・エルバラダイ。2009年に日本人の天野之弥へ交代している。
ネオコンが広めようとした文書は基礎的な事実関係を間違えている稚拙な代物だったが、事実に興味がなく、戦争を始めたくてうずうずしていた好戦派、つまりチェイニー副大統領、ドナルド・ラムズフェルド国防長官、ポール・ウォルフォウィッツ国防副長官たちは無視、ジョージ・W・ブッシュ大統領は2003年の一般教書演説の中で事実として宣伝した。
アメリカ主導軍がイラク侵攻を始めた4カ月後、ウィルソンはニューヨーク・タイムズ紙で事実を公表するのだが、それに対し、同紙のコラムニストであるロバート・ノバクがコラムでウィルソンの妻であるバレリー・ウィルソン(通称、バベリー・プレイム)がCIAのオフィサーだということを8日後に明らかにした。
イラク侵略ではイギリスのトニー・ブレア政権も重要な役割を果たしている。本ブログでは繰り返し指摘してきたが、ブレアのスポンサーはイスラエルだ。
ブレア政権は2002年9月にトニー・ブレア政権が「イラク大量破壊兵器、イギリス政府の評価」というタイトルの報告書、いわゆる「9月文書」を作成した。その中でイラクは45分でそうした兵器を使用できると主張している。作成された直後に文書はリークされ、イギリスのサン紙は「破滅から45分のイギリス人」という扇情的タイトルの記事を掲載した。(つづく)
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