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イラクで破壊と殺戮を始めたときと同じように嘘でシリアを破壊しようと必死の侵略勢力(その2)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201803100000/
2018.03.10 櫻井ジャーナル
イラクを先制攻撃したときは大量破壊兵器という作り話を口実にし、シリアやリビアを侵略したときはカダフィやバシャール・アル・アサドという独裁者が民主化運動を暴力的に弾圧、内戦が始まったと説明していた。
そうしたストーリーを最もらしくする話を流していたのがシリア系イギリス人のダニー・デイエムやSOHR(シリア人権監視所)の情報だが、デイエムの発信する情報のいかがわしさは2012年3月1日に発覚している。この日、ダニーや彼の仲間が「シリア軍の攻撃」を演出する様子が流出したのだ。つまり彼の「現地報告」はヤラセだった。
2011年3月にそうした市民の蜂起があり、多くの人々が殺されたという西側の政府や有力メディアの宣伝を否定する人もいた。例えば、2010年からシリアで活動を続けているベルギーの修道院のダニエル・マエ神父もそうした蜂起はなかったと語っている。
2012年5月にホムスで住民が虐殺されるると、反政府勢力や西側の政府やメディアはシリア政府軍が実行したと宣伝、これを口実にしてNATOは軍事侵攻を企んだが、宣伝内容は事実と符合せず、すぐに嘘だとばれてしまう。その嘘を明らかにしたひとりが現地を調査した東方カトリックの修道院長だった。
その修道院長の報告をローマ教皇庁の通信社が掲載したが、その中で反政府軍のサラフィ主義者や外国人傭兵が住民を殺したとしている。その修道院長は「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」と語っている。また、現地で宗教活動を続けてきたキリスト教の聖職者、マザー・アグネス・マリアムも外国からの干渉が事態を悪化させていると批判していた。シリアにおける住民殺戮の責任を西側の有力メディアも免れないと言っているのだ。
アル・カイダ系武装勢力の存在を否定できなくなると、バラク・オバマ政権は「穏健派」を支援していると主張するのだが、アメリカ軍の情報機関DIAもこれを否定する報告を2012年8月にホワイトハウスへ提出している。反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIであり、オバマ政権が主張するところの「穏健派」は事実上、存在しないというわけだ。
また、オバマ政権が政策を変更しなかったならば、シリアの東部(ハサカやデリゾール)にはサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告、それは2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実のものになった。この報告書が書かれた当時のDIA局長がマイケル・フリン中将だ。(つづく)
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