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東ゴータを制圧していた侵略勢力の傭兵を蜂起軍であるかのように言い続ける有力メディア(その3)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201803060001/
2018.03.07 櫻井ジャーナル
ロビン・クック元英外相も指摘しているように、アル・カイダとはCIAが訓練した「ムジャヒディン」の登録リスト。その中からピックアップされた戦闘員を中心として編成されたのがアル・カイダ系武装勢力。武装勢力の実態は傭兵であり、その主力はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団が主力だ。
これは1970年代終盤、ジミー・カーター政権の国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーがスンニ派系武装集団の仕組みをアフガニスタンで作り上げて以来、変化はない。ただ、シリアでの侵略戦争ではサウジアラビア/アメリカだけでなく、カタール、トルコなどいくつかの系統ができている。
この仕組みがシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対して動き始めるとする記事が2007年3月5日付けのニューヨーカー誌に掲載された。書いたのはハーシュ。アメリカ、イスラエル、サウジアラビアがシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を始めたとしている。
その記事の中で、ジョンズホプキンス大学高等国際関係大学院のディーンで外交問題評議会の終身メンバーでもあるバリ・ナスルの発言が引用されている。サウジアラビアは「ムスリム同胞団やサラフィ主義者と深い関係がある」としたうえで、「サウジは最悪のイスラム過激派を動員することができるだろう。一旦、その箱を開けて彼らを外へ出したなら、2度と戻すことはできない。」と警鐘を鳴らしている。
2007年当時のアメリカ大統領はジョージ・W・ブッシュであり、2011年はバラク・オバマ。アメリカの戦略に変化はないということ。少なくともこの件で「チェンジ」はなかった。
これも繰り返しなるが、2003年にアメリカ主導軍が侵略したイラク、そしてシリアとイランを殲滅するとネオコンのポール・ウォルフォウィッツが口にしたのは1991年、彼が国防次官のときだった。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が2007年に語っている。(3月、10月)
2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されてから10日ほどのち、統合参謀本部で攻撃予定国のリストが存在することを知らされたともクラークは語っている。まずイラク、ついでシリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そして最後にイラン。これはドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺で決められたようだ。
2003年3月にイラクを侵略する前、アメリカやイギリスをはじめとする西側の政府や有力メディアは先制攻撃を正当化するために「大量破壊兵器」を宣伝していた。これが嘘だったことはアメリカやイギリスでも認められているが、同じことを政府とメディアはリビアでもシリアでもウクライナでも繰り返している。
昔からメディアにはプロパガンダ機関としての側面がある。支配層にとって都合の良い話を庶民に信じさせ、操ろうということだ。支配層には優秀なストーリーテラーがいるようで、その話は庶民にとっても心地良い。「真実そのものと人が真実と思うものは違う」とトルーマン・カポーティの『叶えられた祈り』(川本三郎訳、新潮文庫、2006年)に登場する人物は語っているが、これは真実だ。
ネオコンは信じたいことを信じ、事実を自分たちの妄想に合わせようとする傾向が強いが、勿論、ネオコン以外でもそうした方向へ流されがちにはなる。そこで根拠や証拠、他の出来事との整合性などが重要になってくるわけだが、そうしたことを無視する人が増えているようだ。
日本が降服して間もなく、映画監督の伊丹万作はこんなことを書いている:戦争が本格化すると「日本人全体が夢中になって互に騙したり騙されたりしていた」。「このことは、戦争中の末端行政の現れ方や、新聞報道の愚劣さや、ラジオの馬鹿々々しさや、さては、町会、隣組、警防団、婦人会といったような民間の組織がいかに熱心に且つ自発的に騙す側に協力していたかを思い出してみれば直ぐに判ることである。」(伊丹万作『戦争責任者の問題』映画春秋、1946年8月)
本当は騙されていないという気もする。騙された振りをしているということだ。言動の基本は「長い物には巻かれよ」、「勝てば官軍、負ければ賊軍」。少なくとも短期的にはそれが個人的な利益につながる。それは間違いない。日本のマスコミで働く人々は「オーソライズ」という言葉をよく口にしていた(そうした類いの人々との接触が少なくなったので今は不明)。権力システムに認められた「権威」を絡めることで支配層に恭順の意を表するのだと理解している。
日本の支配層はアメリカ支配層の傀儡にすぎないわけで、アメリカ支配層にとって都合の悪い情報はマスコミからも拒否される。その拒否を正当化するためにアメリカ支配層が用意した呪文が「謀略論」。支配層が明らかにされることを嫌う戦略や戦術に触れるとその呪文が唱えられるのだ。シリアでの侵略戦争でも西側の政府や有力メディアはそうした類いの呪文を必死に唱えている。(了)
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