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朝鮮半島の軍事的な緊張は緩和されたが、中東では米国の好戦派が新たな戦争を目論んでいる
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802140000/
2018.02.14 櫻井ジャーナル
ウラジミル・プーチン露大統領が公式行事をキャンセルした。風邪を引いたと説明されているが、シリア情勢が緊迫しているからではないかと推測する人もいる。
そのシリアでは1月6日にロシア軍が使用しているフメイミム空軍基地とタルトゥースにある海軍施設を13機の無人機(ドローン)が攻撃を仕掛けている。その際、目標になった両施設の中間地点をアメリカの哨戒機P-8A ポセイドンが飛行していた。2月7日にはアメリカ中央軍が主導する部隊がデリゾール近くの油田地帯でシリア政府側の戦闘手段を空爆して多くの死傷者が出ている。アメリカ側は100名以上を殺したと主張、ロシア側は25名が負傷したことを承知していると語っている。
実態は不明だが、死者数は数十名にのぼり、その中には相当数のロシア人傭兵が含まれているともいう。アメリカ側はロシア人の犠牲者数を大きく見せたがっている。ロシア人の犠牲者を出すことでプーチンの責任が問われる環境を作り、3月に予定されている大統領選挙に影響を及ぼそうとした可能性もある。
デリゾールでの攻撃から間もない2月10日、ゴラン高原のイスラエル占領地域へ入ったイランのドローン(無人機)を撃墜したとイスラエル軍がに発表した。その直後にイスラエル軍はシリア領内を攻撃したが、その攻撃に参加したF-16をシリアの防空システムが少なくとも1機撃墜した。それを受けてイスラエル軍は激しいミサイル攻撃をを実施したが、思惑通りには進まなかったと言われている。一方、今年(2018年)1月20日からトルコ軍はシリア北西部のアフリンにいるクルド勢力に対する攻撃を開始、アメリカはクルドへ高性能兵器を供給して反撃させているようだ。
ここにきて噂されているのは、ジャブハト・アル-ヌスラ(AQI、最近ではジャブハトファター・アル-シャム)とシリア市民防衛(白ヘル)がイドリブで化学兵器を使用するという話。その責任はシリア政府に押しつけ、アメリカ軍が本格的な戦闘を始める可能性があるということだろう。
マイク・ペンス米副大統領や安倍晋三首相のような人々によって軍事的な緊張が高められていた朝鮮半島では、韓国の文在寅政権によって流れに変化が生じている。昨年(2017年)12月に慰安婦をめぐる問題の合意に疑問があることを明らかにしてアメリカが戦争をしにくい環境を作り、1月4日には文大統領がドナルド・トランプ米大統領と電話で会談、オリンピック期間中に米韓合同軍事演習を行わないことを認めさせ、オリンピックでは金與正(金正恩の妹)との友好的な関係を演出している。
2月7日にペンスは朝鮮に対する制裁の強化を口にしてが、同じ日にジェームズ・マティス国防長官は朝鮮半島の問題を外交的に解決する意向を示していた。トランプ政権内でも政策が一致していないように見えるが、帰国後にペンスは朝鮮側が「話したいと言うなら話す」と語っている。流れは変化したようだが、これで平和に向かうとは言えない。アメリカの好戦派は中東で大規模な戦争を目論んでいるからだ。
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