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謎の新兵器「電子戦機」導入を自衛隊が検討する、本当の狙い 「専守防衛」からは実質転換する流れに
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54253
2018.01.30 伊藤 明弘 報道ジャーナリスト 現代ビジネス
年初に報じられた「耳慣れない兵器」
北朝鮮ミサイル問題に進展がないまま、尖閣諸島周辺の接続水域を最新の潜水艦と中国海軍の軍艦が航行し、日本の防衛能力は、まさに岐路に立たされている。
国産の次期防衛兵器は「トランプ・セールス」に完敗状態で、これからはV-22オスプレイを筆頭に、AAV7水陸両用車、グローバルホーク滞空型無人機、陸上型イージス・アショア、長距離巡航ミサイル……とアメリカ製兵器直輸入がメインとなる時代だ。
そんな中、年初の一部報道で、「電子攻撃機の導入検討 政府、電磁波で通信網無力化」(2018年1月1日付、日本経済新聞)といった見出しが躍った。
2018年末に改定する中期防衛力整備計画に、予算を盛り込むことを検討しているという。
取り沙汰されている具体的な「新兵器」がボーイング社の「EA-18G」だ。通称「グラウラー(Growler:「うなる者」の意)」と呼ばれ、ひときわ異彩を放つアメリカ製兵器である。
ボーイング社製EA-18G「グラウラー」(Photo by GetyyImages)
グラウラーはアメリカ海軍電子戦機で、F/A-18Fスーパーホーネット艦上攻撃機をベースに開発された。
アメリカ軍の中でも新しい機体で、2009年から配備が始まり、日本でも横須賀第7艦隊に所属する原子力空母「ロナルド・レーガン」の艦載機として、厚木基地や岩国基地に展開している。
オーストラリア空軍にリースしている12機も含めると、アメリカ海軍全体で約100機を保有しているとされる。
航空機で「電子戦」を戦うとは、どういう意味か?
さて、この電子戦機だが、みなさんは「電子戦」と聞いて、どのような戦いを想像するだろうか? ハッキングやコンピュータウイルスを用いて、敵のパソコンを破壊するものだとすると、戦闘機といったい何の関係があるのかと不思議に思われるだろう。
実は「電子戦機」についてはトップシークレットとされ、詳しい説明はされてこなかった。ここでは、この「電子戦機」というものを解剖してみたい。
シンプルに言えば、電子戦機は、敵のミサイル基地や軍艦を先制攻撃するのに先立って、敵レーダーや通信機器、コンピュータの電子機器、地対空ミサイルシステムを妨害・攻撃し、無力化にさせるものだ。
その攻撃圏内にあれば、携帯電話も通話すら出来なくなるという。
電子戦機の歴史は古く、ベトナム戦争初期のEA-1スカイレイダーがその嚆矢といえる。以下、EKA-3Bスカイウォーリアー、A-6イントルーダー(Intruder:「侵入者」の意)、EF-111Aレイヴン(Raven:「ワタリガラス」の意)などがあった。
グラウラーの前身といえる電子戦機は、グレナダ侵攻・湾岸戦争・イラク戦争で活躍したEA-6Bプラウラー(Prowler:「うろつく者」の意)とされる。
グラウラーは、AN/ALQ-99戦術妨害装置(TJS)ポッド、AN/ALQ-218(V)2無線周波受信システム、通信対抗手段セット(CCS)を搭載。
メイン装備のAN/ALQ-99は、両翼端に取り付けられた電子戦用ポッドで、ミサイルランチャーのかわりに取り付けられている。このポッドから妨害電波を発信するという。
飛行中のグラウラーを下から撮影。他ではあまり見られない写真だろう(提供:US NAVY)
電子機器が多く搭載されているので、20mmバルカン砲もオミット(取り外し)されている。つまり、非武装・丸腰の機体なのだ。
敵地に単独で近づくリスクをとって…
では、その妨害電波の威力はというと、以前、筆者がアメリカ海軍厚木基地でパイロットから聞いたところによれば、「ジャミング(妨害)は約60マイルくらいが有効かな……」とのことだった。
約60マイルをキロ換算すれば、約100キロとなる。東京から100キロといえば、静岡県伊東市辺りだ。電車で行けば2時間以内といったところか。筆者は、案外近いという印象を持った。
ちなみに、対空ミサイルは平均マッハ2〜4のスピードとされる。100キロをどのくらいの時間で飛んでくるかと考えれば、マッハ2で2分27秒、マッハ4で1分13秒だ。
つまり、グラウラーが敵基地付近に侵入を開始し、妨害電波を発信すると、1〜2分後には地対空ミサイルで攻撃される可能性があることになる。
もちろん、その地対空ミサイルさえも無力化させる可能性はあるのだが、ジャミングの対象となった基地からではなく、近隣の敵基地からミサイル反撃を受ける可能性も否定できない。
100キロという距離は、ミサイルの世界では「至近距離」といえるのだ。そんな中で敵地に単独飛び込むのだから、リスクは非常に高いといえるだろう。
グラウラーは複座(二人乗り)で、前席にパイロット、後席に「電子妨害士」という専門職が同乗する。
この「電子妨害士」は、電子戦の武器を扱えるだけでなく、サイバー知識も必要になる貴重な人材だ。
アメリカ軍では「もし電子戦機が墜落したら、パイロットよりも電子妨害士を助けろ」と言われるほどだという。
電子妨害士は、暗号解析などの知識も持つ。そんな人間が捕虜になったら一大事だ。グラウラーが「秘密の航空機」とされてきたのも、こうした貴重な人材が乗り込む航空機だからという側面もあるだろう。
自衛隊の本気度は「かなり高い」
さて、ここからが核心だ。本当に自衛隊は、グラウラーを購入するのだろうか?
筆者が、ある航空自衛隊幹部に尋ねたところ驚くべき証言を得た。
「研究は行っていて、導入する場合はオーストラリア空軍のように完全なリース契約でしょう」
また、具体的な運用については、「4機で2エレメント(エレメント=2機編隊のこと)を編成して、配備されるのではないか……」と語ってくれた。
つまり、グラウラーの導入はかなり具体的に検討されているということだ。
振り返れば、F-35A戦闘機が決まる以前の、次期主力戦闘機導入計画(F-X)の際にも、グラウラーのベース機であるF/A-18ホーネット艦上攻撃機が候補に上がっており、航空自衛隊としては機体のスペックなどは研究済みでもある。
では、その配備地はというと、筆者の予想では石川県小松基地ではないかと思われる。小松基地には、練達のパイロットが集結する飛行教導群がおり、北からの脅威に備える立地でもあるからだ。
ただし、グラウラーはまさに、アメリカ軍の「虎の子」の兵器。実際に運用するためには、機体を導入するだけでなく、アメリカ軍が積み上げてきた電子戦情報も共有しなくてはならないことを考えれば、導入へのハードルは決して低くはない。
「攻撃的防衛」への実質転換が始まった
それにつけても、このところ金に糸目をつけず、アメリカ製兵器を買うことに慣れきってしまったかのような日本の防衛政策。
もしかすると将来は、現在開発中でアメリカでは2030年配備ともいわれる、マッハ6の「夢の無人超高速偵察機」SR-72のような「SF兵器」まで、巨額の費用を投じて買う時代が来るのかもしれない。
マッハ6で飛行するという超音速無人航空機SR-72(ロッキード・マーチン社HPより)
1月22日の施政方針演説で、安倍晋三首相は、
<年末に向け、防衛大綱の見直しも進めてまいります。専守防衛は当然の大前提としながら、従来の延長線上ではなく国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めてまいります>
と語ったが、基本的に「先制攻撃の準備」をするための電子戦機グラウラー導入まで検討していることとあわせて考えれば、「攻撃的防衛」を含んだ、防衛への考え方の大転換に、すでに舵を切ったとみていいだろう。
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— たれぱんでぃずむ (@tarepandism) 2018年1月29日
電子戦機導入自体に異論はないが、ドンガラのほうがほかに使っていないF/A-18と言うのが気になる
北朝鮮へだけでなく、近隣諸国に軍事的脅威を感じさせる武器を買い漁っとるが、それが国を、どれほど危険に晒す事か理解出来ない大バカども!!
— 昭和おやじ 【打倒安倍政権】 (@syouwaoyaji) 2018年1月29日
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— マクガン (@Makugan32) 2018年1月30日
巨額の費用を投じてアメリカから購入って言われましても、より安い価格で国産できるんならそうしたいのはヤマヤマでしょう…まさか格安中国産を購入せよってことでもないと思いますが…
どこまで日本はアメリカにズブズブなのでしょうか…。#軍事
— SATマガジン (@SAT_MAGAZINE) 2018年1月30日
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そんなに戦争したいなら、国民や税金を使わずに安倍一派とキム一派でデスマッチでもやって勝敗を決めたらどうか。 謎の新兵器「電子戦機」導入を自衛隊が検討する、本当の狙い 「専守防衛」からは実質転換する流れに https://t.co/roXcc61ljo #スマートニュース
— ひで (@hide15820922) 2018年1月30日
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— 人工煩悩 (@iut576z) 2018年1月30日
「年初の一部報道で、「電子攻撃機の導入検討 政府、電磁波で通信網無力化」(2018年1月1日付、日本経済新聞)」
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