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対中関係で抑止力、“威嚇”も可能な「IMDA」 関係者が明かすその実力
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180123-00000034-sasahi-int
AERA 2018年1月29日号
ありえ・こういち/1961年生まれ。2004年にイラク派遣。14年から現職。専門は核戦略・抑止論(撮影/藤田直央)
尖閣諸島の問題などでいまだ緊張が解けない中国との関係。そうした状況を鑑み、防衛省で研究が進む構想が、統合防空ミサイル防衛(IAMD)だ。IAMDとは何か。安全保障で博士号を持つ防衛研究所の有江浩一2等陸佐に聞いた。
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航空機での攻撃に対するAir Defense(防空)と、ロケットで打ち上げる弾道ミサイルへのMissile Defense(ミサイル防衛)をネットワークで統合する構想だ。米軍を束ねる統合参謀本部が2013年に発表した。
ジェットエンジンで水平に飛ぶ巡航ミサイルで音速を大きく超えるものを米中ロが開発するなど、空からの脅威に対する両分野の防衛が重なってきた。陸海空のレーダーやセンサーの情報を共有し、どの装備で迎撃すればいいかを判断する。
実際に攻撃された時の防衛よりも、攻撃を思いとどまらせる抑止が強調される。IAMDを警戒する国の軍備強化を避けるためだ。だが抑止には威嚇も必要なので、敵が撃つ前に策源地を攻撃する作戦も含まれる。
先月発表されたトランプ政権の国家安全保障戦略では、北朝鮮やイランに備えミサイル防衛を強化すべきだが、中ロとの戦略的安定を崩す意図はないとしている。IAMDの具体化にあたり、抑止が相手の誤解を生むジレンマをどうするのか、米国でまだ議論が続いている。
世界に展開する米軍は同盟国とのIAMD構築が費用の上でも望ましいと考えており、日本とも協議が進むだろう。自衛隊も陸海空の防空の統合を進めた上で、米軍と共同運用や役割分担を整理しないといけない。
IAMDの概念は広く、相手の防空システムに対するサイバー攻撃や電子戦も含まれる。そうした構想に自衛隊がどこまで関われるのかという丁寧な議論と、特に中国に日米の意図を誤解させない配慮が必要だ。
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