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AIの軍事利用、米国に追いつきつつある中国 岡崎研究所(WEDGE)
http://www.asyura2.com/17/warb21/msg/542.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 1 月 17 日 19:35:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

AIの軍事利用、米国に追いつきつつある中国
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/11618
2018年1月16日 岡崎研究所 WEDGE Infinity


 米国のシンクタンクCenter for a New American Security非常勤フェローのElsa B. Kaniaが、Foreign Affairsウェブサイトの12月5日付けSNAPSHOT欄で、中国は人工知能(Artificial Intelligence、AI)の軍事利用で、急速に米国に追いつきつつある、と述べています。論説の要旨は以下の通りです。

     

 米国は技術力で長年軍事的優位を保ってきたが、最近中国の人民解放軍は、米国が力を入れている最新技術に挑んでいる。AIがその最たるものである。

 AIは今後新しい軍事能力を生み、軍の指揮、訓練、部隊の展開を変え、戦争を一変させうる。その変化は大国間の軍事バランスを決めるだろう。

 米国は現在AIで世界をリードしているが、中国は「新世代AI開発計画」を発表し、2030年までにAIで「世界をリードする」との野心的計画を明らかにした。

 いろいろな指標から中国はすでにAI大国といえる。中国は米国に次ぎAI関連特許申請が多く、中国の学者はすでに米国の学者より多くのAI論文を発表している。AI推進協会の2017年年次会議で、中国の研究者は初めて米国の研究者と同数の論文を提出した。中国の官民は何十億ドルもの投資をし、有能な若者を育てる努力をしており、中国は米国を追い越しそうである。

 中国の軍事指導者は、AIが戦争の性質を変えると考えている。AIはいずれドローンの大群を支援することとなるだろう。AIは指揮官が戦場で素早い決断を下す能力を高めるだろう。

 本年6月「中国電子技術グループ社」は、119個のドローン軍の飛行実験に成功した。戦時に中国軍は米国の航空母艦などをドローン群で攻撃できる。

 AIやロボットが戦争で使われるようになるにつれ、中国では戦闘のほとんどを人間のいないシステムで行うことが予期され始めている。すでに兵器の自動化は進められており、例えば米国のパトリオットは、目標のミサイルを自動的に追跡できる。将来はAIが人間より早くサイバーの弱点を見つけ、修正するようになるだろう。

 人民解放軍は、教育程度の高い技術的に有能な人材の確保に苦労している。

 AIは人材に代わってある程度軍事機能を代替できる。

 しかし複雑なAIシステムは高度に訓練された人材を必要としており、そのような人材の確保は容易でない。

 これまでの中国のAIでの進歩に照らせば、米軍部は、中国が急速に米国と同列の競争者になりつつあることを認めるべきである。

 米国は何をなすべきか。

 米政府関係者は、中国の戦略目的の中での人民解放軍の進歩を注意深く検討するとともに、将来の競争力の基礎となる優位を維持すべきである。第一に米政府はAIとその応用についての長期的研究にはるかに多い投資をすべきである。  

 トランプ政権は国家科学財団の知能システム研究に1.75億ドルの支出を提案したが、中国は次世代のAIの研究に今後何十億ドルも支出する計画である。

 第二に人材の確保に万全を期すべきである。世界のトップのAI人材を集めるとともに、高校、大学での教育計画を発展させるべきである。

 そして米国政府は、中国による米国経済の機微な部門への投資や買収の監視を強めるなど、不法な技術移転の防止に努めるべきである。

 米国軍部は中国のAI大国としての登場の挑戦を認め、米国の技術優位が保証されない将来に備えるべきである。

出典:Elsa B. Kania,‘Artificial Intelligence and Chinese Power’(Foreign Affairs, December 5, 2017)
https://www.foreignaffairs.com/articles/china/2017-12-05/artificial-intelligence-and-chinese-power

 AIは軍事面で戦争を一変させ得る最先端技術ですが、上記論説は、中国はすでにAI大国で、米国はAI大国中国の挑戦に備えるべきであるとの警告です。

 米国はこれまで技術力で軍事的優位を保ってきました。戦後最初は核戦略で、1970年代半ばにソ連に追いつかれると、精密誘導ミサイル、偵察衛星、ステルス戦闘機などを開発しました。このような技術でもロシア、中国に急速に追い上げられた今、米国は第三の相殺戦略として無人ステルス戦闘機、小型ドローン、無人潜水艇、電磁レールガン、レーザーガン等の開発に力を入れています。

 その中にあって中国がAIで米国の後を追うのではなく、急速に米国と同列の競争者になりつつあるといいます。

 AIはドローンを群れのように同時に運用する構想や、ミサイル防衛での迎撃の判断、戦場での指揮の一部の代替など、軍事面で多岐にわたる応用が考えられ、将来の戦争の性格を一変させ得るものであり、その中での中国の台頭の意味は大きいものがあります。

 さらに中国がAIのみならず、「第三の相殺戦略」の他の技術でも米国を急速に追い上げ、米国と肩を並べるほどの進歩を遂げている可能性もあります。

 米国の技術開発能力は世界に冠たるものですが、中国の技術開発力も侮れません。

 米国は技術優位を維持すべく、あらゆる努力をするでしょうが、論説は米国の技術優位が保証されない将来に備えるべきであると述べています。技術優位が保証されないということは軍事的優位が保証されないことに繋がり得ます。

 もしかりに米国の中国に対する軍事的優位が保証されないような事態になるとすれば、その国際政治上の影響は甚大でありえます。我々は果たしてそのような事態が到来するのか、もし到来するとしたらそれは何を意味するのか、日本にとってどういう意味を持つのかを十分フォローし検討する必要があります。


 

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コメント
 
1. 2018年1月17日 23:33:21 : 6EKDqtU8hs : OaK7pBSaZ5g[10]
以上、アメリカネオコンの日本向け宣伝機関岡崎研究所の記事でした。

2. 2018年1月18日 20:53:02 : uJRHiUIqDQ : rzZhDfLw80Q[181]
恩恵と 軍事利用は 表裏

3. 2018年1月19日 11:33:33 : PjEIYX5YxE : K2e7fTWsCO8[1]
中国AIロボット兵器 いつ尖閣に上陸してくるかな?

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