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中国、南シナ海全域の領有権を主張…米中軍事衝突なら最速5時間で米国の勝利確定
http://biz-journal.jp/2017/11/post_21412.html
2017.11.19 構成=編集部 Business Journal
中国人民解放軍建軍90周年を祝うパレードの様子(写真:新華社/アフロ)
安倍晋三首相と習近平国家主席による日中首脳会談が11月11日にベトナムで行われ、両国は北朝鮮に対する連携などで一致した。今後は安倍首相の訪中や習主席の来日も検討されており、日本での日中韓首脳会談も実現に向けて調整が進められるという。
日本では、10月の衆議院議員選挙の結果を受けて第4次安倍政権が発足した。中国では、同じく10月に行われた中国共産党全国代表大会で習政権の2期目がスタートした。
一方で、緊迫化していた北朝鮮情勢は鳴りを潜めている。北朝鮮は2カ月以上、弾道ミサイルの発射を控えており、過熱するのは金正恩朝鮮労働党委員長とアメリカのドナルド・トランプ大統領による“口撃合戦”のみだ。
政権基盤が安定した日中と対立を続ける米朝の今後をどう見るか。11月18日に『日中開戦2018 朝鮮半島の先にある危機』(祥伝社)を上梓した経済評論家の渡邉哲也氏に聞いた。
■日本列島を“爆買い”する中国マネー
――2017年は日中国交正常化45周年で、18年は日中平和友好条約締結40周年です。なぜ今、「日中開戦」なのでしょうか。
渡邉哲也氏(以下、渡邉) 一口に「戦争」といっても、その中身は大きく3つに分けられます。「外交戦争」「経済戦争」「軍事戦争」です。それぞれについては本書で詳述していますが、現代におけるメインは経済戦争です。
今、中国資本による北海道の森林や水源地の“爆買い”が伝えられていますが、この問題は規制する法律がないことです。海外の多くの国は、外国人および外国資本による土地や不動産の取得を規制する法律を設けています。日本も、せめて安全保障上重要な地域については規制する動きが必要ではないでしょうか。
『日中開戦2018 朝鮮半島の先にある危機』(祥伝社/渡邉哲也)
また、本書で例に挙げている苫小牧駒澤大学の移管譲渡の件のように、中国人が関与するかたちで学校法人や企業を取得する動きが取り沙汰されています。これは中国が海外の企業などを手中に収めるときの常套手段なのですが、あくまで現地の人間を前面に立てるかたちで交渉を進め、最終的には乗っ取るという方法です。
背景には、中国の「国防動員法」という法律があります。中国では、有事の際にヒト・モノ・カネのすべてが接収され、政府の指揮に従う必要があります。これは、海外に進出している中国人や中国に進出している日本企業なども同様です。
つまり、仮に日本と中国の間で衝突が起きて国防動員法が発令されれば、中国が取得している日本の土地が軍事利用されたり、日本に進出している中国企業や中国人がスパイ化したりする可能性があるわけです。
――日本と中国の間には、そうしたリスク要因があるということですね。
渡邉 また、東シナ海の尖閣諸島をめぐる問題もいまだくすぶっています。安倍首相は「自由で開かれたインド太平洋戦略」を掲げており、トランプ大統領の協力も取り付けました。これは、南シナ海の軍事拠点化を進める中国への牽制でもあるといえるでしょう。
さまざまな節目を契機に関係改善に動き出していることは事実ですが、その裏では火種があることも見逃してはなりません。
■米中が衝突する確率は75%?
――その南シナ海では、トランプ政権が「航行の自由」作戦を展開しています。
渡邉 防衛省の「南シナ海における中国の活動」という資料を見ると、中国が13年以降に急速に南沙諸島の埋め立てを拡大していることがわかります。
また、13年の米中首脳会談において、習主席は当時のバラク・オバマ大統領に「広い太平洋には、中国とアメリカの2大国を受け入れる十分な余裕がある」と持ちかけました。「米中で太平洋を分割統治しないか」というわけです。トランプ大統領との米中首脳会談でも習主席は再び同様の発言をしているように、中国は海洋進出の野望を隠そうとしていません。
もともと、中国は「南シナ海の全域が中国の領有権である」とする「九段線」を主張しており、1980年代から南シナ海における海洋資源の権益をアピールしています。その南シナ海でアメリカが「航行の自由」作戦を展開することで、米中の軍事衝突のリスクが高まりました。
――すでに、トランプ政権は4回実施しています。
渡邉 これは、かつての米ソによる冷戦の構図が、今度は米中によって繰り返されているともいえます。ただ、旧ソ連はアメリカとの間で“プロレス”ができたため、かつての冷戦は、ある意味で長期間にわたる“出来レース”でした。換言すれば、高度な外交技術の賜物です。
しかし、中国にそのような芸当ができるかどうか。ピーター・ナヴァロ通商製造業政策局長をはじめとするアメリカの専門家たちは、口を揃えて「アメリカと中国は冷戦を続けることはできないだろう」と言っています。
また、アメリカの一部のシンクタンクなどでは「米中が衝突する確率は75%」という観測も出ているのが実情です。仮に米中が軍事衝突すれば、日本と中国の対立も深まることは確実です。
■2018年に北朝鮮情勢が緊迫化する理由
――中国とアメリカは、北朝鮮への対応をめぐっても見解のずれが否めません。先の米中首脳会談でも、具体的な成果はありませんでした。
渡邉 北朝鮮問題を解決するために中国の協力が不可欠なことは間違いありません。しかし、中国は本音では現状維持を望んでいます。なぜなら、北朝鮮問題が片付けば、今度は南シナ海や米中間の貿易摩擦の問題がターゲットになるからです。
一方、北朝鮮問題の解決は習主席の政敵である上海閥および北部戦区の征伐にもつながります。その点では米中の利害が一致するため、習主席の動きが注目されているのです。
いずれにせよ、北朝鮮情勢は来年のほうが緊迫化する可能性が高いでしょう。アメリカ国防情報局は、北朝鮮が核の小型化に成功して核弾頭を搭載したICBM(大陸間弾道ミサイル)を完成させる時期を「2018年前半」とみています。これはアメリカ本土を直接攻撃され得ることになるため、これまでとは別次元の脅威です。
また、アメリカでは18年11月に中間選挙が行われます。就任時から低支持率が続くトランプ政権としては、それまでに「強いアメリカ」の姿を見せることで国威発揚につなげる可能性もあります。
中国は北朝鮮と軍事同盟を結んでおり、日本はアメリカと「100%ともにある」という姿勢です。そのため、仮に「米朝開戦」が現実になれば、それは「日中開戦」と同義といえるでしょう。
■中国軍の兵力は日本の10倍?
――本書では日中の兵力比較もされていますが、中国の軍事力をどう見ていますか。
渡邉 防衛省の「日本の防衛(平成29年度版)」によると、陸上兵力は日本が14万人で中国が115万人、海上兵力は日本が47.9万トンで134隻、中国が163万トンで744隻、航空兵力は日本が400機で中国が2722機です。日本の自衛隊は陸海空合計で22.5万人ですが、中国の正規軍は218万人となっています。
数だけを見れば10倍近いですが、現代の戦争において数は問題ではありません。本書で詳述していますが、特に先進国と新興国では兵器の性能に大きな差があり、米軍をはじめとしてドローンなどの無人兵器も次々に開発されています。
そのため、前述した南シナ海での米中衝突が現実になれば、早ければ5〜10時間、長くても最大5日間程度でアメリカの勝利が確定するとみられています。
――中国人民解放軍といえば、かねてコントロール不全や暴走のリスクがささやかれています。
渡邉 共産党一党独裁の中国には、いわゆる「国軍」は存在せず、解放軍は中国共産党の「私軍」でしかありません。そのため、党内の権力闘争などが影響して軍閥化してしまっており、実際にどこまで戦えるのかは不明瞭な点が多いのが実情です。
陸上部隊は強いとされていますが、その筆頭である北部戦区は北朝鮮寄りで習政権との対立が先鋭化しています。また、海軍の兵力は未知数です。空母からの発艦実験や発射実験が実施されておらず、まともな演習が行われていないのが実情です。
潜水艦についても同様です。相手に探知されてしまっては意味がないため、潜水艦は航行の際に無音であるということが大事ですが、中国の潜水艦は音がするため“丸見え”といわれています。アメリカが「航行の自由」作戦を展開した際には、追尾した中国の潜水艦がすぐに米軍に探知され、軍艦からピンガー(探信音)を打たれ続けたとされるなど、不備が多いのが特徴です。こうした欠点は、実戦になれば致命的になることが確実です。
一方、まだ概算要求の段階ですが、日本の18年度の防衛費は17年度から2.5%増の5兆2551億円となり、過去最高を記録する見通しです。6月には、麻生太郎財務相が南シナ海や尖閣諸島の問題に言及した上で「日本は予算の面も含めて防衛体制を再構築する必要があり、今後は海上防衛の予算を拡充していく必要がある」という見方を示しています。これが、今後の日本の防衛方針となるのではないでしょうか。
(構成=編集部)
『日中開戦2018 朝鮮半島の先にある危機』
今後の安倍政権の課題だが、まずは北朝鮮の問題、そしてその後には安全保障上の問題として中国の問題がある。中国では、10月の共産党全国大会で、習近平体制がますます磐石なものとなった。そして先祖返り的に「新時代の中国の特色ある社会主義」が推し進められようとしている。今後は、政治的にも経済的にも中国との間にますます軋轢が増えるだろう。そういう意味では、すでに日中間の戦争が始まっているともいえる。
世界各国でも、ナショナリズムを掲げる政党が躍進しており、まさに冷戦時代へ巻き戻った。このような世界の大きな流れを踏まえた上で、あらゆる角度から日本と中国の現状を分析することで、戦争の可能性について探っている。
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