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北朝鮮ミサイル いつまでも「寸止め」とは限らない? Jアラートが示す“万が一”とは
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171109-00000058-sasahi-kr
AERA dot. 11/10(金) 7:00配信
水爆とみられる装置を視察する金正恩朝鮮労働党委員長(右から2人目)=朝鮮中央通信HPから
北朝鮮はミサイル発射を繰り返し、9月には6度目の核実験を行った。日本をふくむ北東アジアの平和と安全が揺るがされている。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、朝日新聞論説委員・小村田義之さんの解説を紹介しよう。
■今、目の前にある危機
挑発を続ける北朝鮮にどう対応するべきか。日本が直面する難問だ。
何度抗議してもミサイル発射を繰り返し、8月には中距離弾道ミサイルが日本上空を飛び越えた。
9月に入ると6回目の核実験を強行し、国連安全保障理事会(国連安保理)は北朝鮮への石油輸出に上限を設けるなどの制裁決議を採択した。
しかし、北朝鮮はその制裁に反発するかのように再びミサイルを発射した。
北朝鮮情勢はまさに今、目の前にある危機である。
ただ、アメリカ(米国)軍の軍事力は圧倒的だ。トランプ米大統領が武力行使を決断すれば、北朝鮮は短期間で壊滅に追い込まれるだろう。
北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長も、それはわかっているはずだ。今のところ日本にミサイルを撃ち込む可能性は低い。戦争にならないよう計算しながら、いわば「寸止め」で危機を演出している。
緊張を高め、相手が折れるのを待つ。米国と北朝鮮のチキンゲームである。
ただ、軍事的な緊張が続くうちに、戦争に発展する可能性もゼロではない。米軍が武力行使に踏み切れば韓国、日本への激しい反撃が予想される。今は寸止めのミサイルも、日本に着弾するかもしれない。
政府が「Jアラート」などで避難を呼びかけているのは、こうした「万が一」への備えである。
外にいるときは建物内や地下へ。物陰に身を隠し、伏せて頭部を守る。ミサイルが直撃すれば助からないが、近くに落ちたときはとっさの対応が生死を分ける。
過剰に怖がる必要はないが絶対安心とも言い切れない。自衛隊のミサイル防衛は、イージス艦が発射する迎撃ミサイル「SM3」と地対空誘導弾「PAC3」の二段構え。だが北朝鮮がミサイルを同時に多数発射すれば全ての迎撃は難しい。
結局、日本人の生命を守るためには、戦争を回避しながら、北朝鮮がミサイル発射や核実験をしない国になるよう対話と圧力で軟着陸を図るしかない。
■日米韓と中国、ロシアの連携がカギ
問題は、その道筋が見えにくいことだ。
2005年には日米と中国、ロシア、韓国、北朝鮮の6者協議が、北朝鮮の核放棄を盛り込んだ初の共同声明を発表。ところがその1年後、北朝鮮は最初の核実験に踏み切った。
対話をしても北朝鮮は約束を守らないのか。日米両政府にはそんな不信感がある。このため北朝鮮が真剣に対話に臨む姿勢を見せない限り、軍事や経済で圧力をかけ続ける構えだ。
イソップ物語の「北風と太陽」でいえば、北風を吹かせて北朝鮮の態度を改めさせ、そのうえで対話に入ろうとしている。
だが、北朝鮮と関係の深い中国やロシア、韓国は対話重視で、日米とはなかなか足並みがそろわない。
特に北朝鮮への影響力が強い中国は、石油の「全面禁輸」のような強い制裁には慎重だ。隣国の北朝鮮が崩壊すれば中国への影響が避けられない事情がある。
それでも、やはり中国の存在は大きい。中国が重い腰をあげなければ問題の解決は見込めない。米韓合同軍事演習などで北朝鮮に圧力をかけるのは、緊張を高めることで、中国がこの問題に本気で取り組むよう促す意味もある。
日米韓と中国、ロシアの連携がカギを握る。朝鮮半島をどのように安定させるかの「出口」について、関係国の合意も必須だ。
北朝鮮に圧力をかけながら、最後はやはり、対話に動かなければならない。当面の目標は核ミサイル開発の「凍結」とし、将来的には地域の非核化をめざす。
戦争は誰の利益にもならない。懸命な外交努力が今ほど求められるときはない。(解説/朝日新聞論説委員・小村田義之)
【キーワード:国連安全保障理事会(国連安保理)】
世界の平和と安全のための取り組みを決める国際連合(国連)の組織。いつもメンバーに入っている中心的な立場の常任理事国はアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の5カ国で、2年の任期で選ぶ10カ国(非常任理事国)とで構成される。問題が起こると、まず話し合いで解決策をさぐり、解決しなければ経済的な制裁を加えたり、軍隊を送ったりすることがある。日本は現在、非常任理事国のメンバーである。
【北朝鮮問題と国連安保理などの動き】
<1993年>
・核不拡散条約(NPT)脱退宣言
→安保理でNPT復帰要請
<98年>
・長距離弾道ミサイル・テポドン発射
<2003年>
・NPT脱退宣言
・6者協議開始
<05年>
・「自衛のための核兵器製造」表明
・6者協議共同声明(核放棄と北朝鮮不侵略)
<06年>
・初の核実験
→安保理が初の制裁決議
<08年>
・6者協議が以降中断
<09年>
・2回目の核実験
→安保理が制裁拡大
<12年>
・テポドン2改良型発射
<13年>
・3回目の核実験
→安保理が制裁拡大
<16年>
・4、5回目の核実験
・弾道ミサイル発射続く
→安保理が石炭輸出を制限
<17年>
・大陸間弾道ミサイル級など弾道ミサイル発射続く
→安保理が石炭輸出を禁止
・6回目の核実験
→安保理が石油輸出に上限設定など
※月刊ジュニアエラ 2017年11月号より
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